薬いらずのおじいちゃん

先日、休みをもらって、サンシャインコーストの内陸にある、グラスハウスマウンテンズという地域に行って来ました。そこにはいくつもの火山でできた小さな山が並んでいて、その多くがロッククライミングの技術が必要な岩山たちです。多くの若者たちが、腕試しにやってきています。

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僕たちはさすがにそのような過激な登山はできないので、 Mt Ngungunと言う、一番歩きやすいと言われる山に登ってきました。水筒一つ持って散歩のように歩いている人や、毎日のトレーニングの一環で歩いている人(走っている人も!)にも出会いました。 たった標高250メートルとは言っても、頂上からの眺めはこんな感じでとても気持ちが良かったです。

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その頂上付近で、妙にくつろいで、登ってきた人たちを見つけては話しかけているおじいさんの2人組に出会いました。一人はオージーで、「俺の先祖はイギリス人の囚人でこの国に連れてこられちゃったんだな、ワッハッハ」みたいな憎めないおじいさん。もう一人は、ドイツ人の移民で13年前にこの地域にやってきたとのこと。

そのドイツ人のおじいさんが、「ここに来てから、医者に行く必要がなくなった、ここには3つの薬があるんだよ、なんだと思う?」「この青い空、きれいな空気、そして海の水だよ」と話してくれたので、僕が「それにドイツよりもずーっと暖かいですもんね」と答えたらニコニコしていました。
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そこで僕が思ったことは、「それよりも、毎日この山に登ってきて、若い女の子とかに声かけて、展望ガイドしてあげて、感謝されるのは、ストレスも無くなるし、きっとそれが医者がいらない一番の秘訣ですよ。」ということ。東京の街角で女の子に声をかけるじじいは怪しまれるけど、山頂で声をかけてくれるおじいちゃんは感謝されるという、これからの人生の素敵な秘訣を学んだ休日でした。

オーナーの想いが伝わるビジネス

オーストラリアでスターバックスが成長できないのは、オーストラリアの独自のコーヒー文化が浸透しているからという記事を読んだことがありますが、僕はそれに加えて、オーストラリアの人々はチェーン店よりもオーナーやスタッフとちょっとした会話が楽しめるカフェを好むということも理由のひとつだと思っています。
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僕が通うカフェは家から歩いて3分くらいのところにある、Lucasというサーファーがやっている小さなカフェです。毎朝6時30分からオープンして午後2時くらいまで営業をして、午後は彼は海にいることが多いようです。彼の作るデニッシュ、特にアーモンドクロワッサンはとても美味しいいので、コーヒーとデニッシュを買って、ちょっと話をしに週2回から3回くらい通っています。彼の店にはそんな近所の人でいつも賑わっています。

日本はどちらかというと、サービスの質が安定していると言う理由で大企業やチェーン店が好まれますが、僕は全く逆の感覚を持っています。小さい店、小さい企業、それもやっている人の顔がわかる会社のほうが信用できると思っています。私たちが紹介しているオーストラリアの語学学校でも、チェーン店的な学校よりも、オーナーの志が高く、一生懸命ビジネスをしている語学学校のほうが、授業の質やサービスの質が優っています。そんな経営者たちとパートナーとして、相談相手として、友人として一緒に市場を大きくしていけているのが、この仕事の楽しみのひとつです。

Thanks Mate

オーストラリアの文化を語る時に、よくmateship(マイトシップ)、みんな友だち、という言葉が出て来ます。オーストラリア人は過去の歴史や、本国イギリスとの距離感などから、団結していこうという気質が強く、それが文化としてしっかりと根付いています。オージー男子達と話をしていると、ちょっとした一言に「mate(マイト)」と呼びかけられ、「Good Day mate!」「Thanks mate!」「Cheers mate!」など、このマイトシップが不思議なくらい浸透していることに気づきます。
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先日、ウインブルドンのテニスを見ていたら、あるオーストラリアの選手が、サーブのトスをあげ損なって打たなかったときにも「Sorry Mate」と言っていました。ウインブルドンの厳しい戦いをしている時にも、相手に「ごめん、ごめん」と言ってしまうオージーの文化は最初はかなり違和感もあるし、なんか田舎くさいなあとも思っていたのですが、4年も住んで日々その世界に暮らしていると自然と「Thanks mate!」と言えるようになってきました。そして、この「みんな友だち」文化に慣れてくると、とても居心地がいいのです。

挨拶をするのもモゴモゴしている、草食系男子の皆さんは、オーストラリアに来て「Thanks Mate!」と堂々と話せるようになるのがモテる男への第一歩ではないかと、期待しています。

 

便利と幸せはちょっと食い違う

オーストラリアに来ると、多くの人が「日本はもっと便利なのに」とイライラします。電車は遅れるし、店は6時くらいには閉まっちゃうし、とにかく、日本に比べると様々な事が不便なのです。さらに日本人をイライラさせるのが、その不便さをオーストラリア人はそんなに気にしていない事。便利じゃなくてもやってけるし、別に気しなくてもいいんじゃない。そんな感じです。何事においてもずいぶんとのんびりしています。

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しかし、よくよく考えてみると、日本では世界最高の便利さを提供するために、夜遅くまで働かなくちゃいけない人は出てくるし、夜中も動く自動販売機のエネルギーも使わなくてはいけないし、社会や人々はかなりのコストを払っていると思います。みんなが幸せになるには、ちょっとくらい不便でもいいよねというオーストラリア的な発想は、これからの日本人に取っては凄く大切なものではないでしょうか。ワークライフバランスをみんなが取るためには、便利さはあきらめなくてはいけない時もあるのではと、日本に帰ってくるたび思うのです。

そこそこベジタリアン生活開始

最近2ヶ月くらい、ほとんどお肉を食べない生活をしています。先日はテニスの後に居酒屋のようなところで他の人がオーダーした唐揚げをぱくぱく食べて、「あっ!」みたいなことはありましたが、酔っぱらっていない、かつ自分で注文する時は間違いなくお肉以外のものを食べています。

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なぜ、肉を食べなくなったのかは、健康のためとか動物愛護のためとかではなく(若干はあるけど)、単に肉と言う食べ物に興味が湧かなくなってしまったのです。

「俺の事、あんなに好きだって言ってたのに、どうしちゃったんだよ。」「分かんない、別に嫌いになった訳じゃないのよ。」「俺がいなくて、やってけるのかよ。」「2ヶ月、別々だったけど、あんまり恋しいとかって思わないんだよね。これからも大丈夫じゃない?」

このような青春の苦い思い出を肉にぶつけている感じです。そして、肉を食べないと心に決めてしまうと、世の中から選択肢がすごく減るので、シンプルな生き方が可能になります。オーストラリアのレストランは、ほぼどこに行ってもベジタリアンメニューがあるので、それだけ頼めばいいので、誰かと食事に出かける事になっても困る事はほとんどありません。

実際、消化は良くなるし、もたれるということも無いし、おならも臭くないし、とても快適です。スタミナが心配と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、一昨日学生君とシングルスを3時間やっても全く問題ありませんでした。肉を食べないと力が出ないと言う事は無さそうです。

もしかしたら、またお肉をどうしても食べたくなる日が来るかもしれませんが、自分が食べたいものを気持ちよく食べる(正確には奥さんに作っていただく)というポリシーでこれからも人生を楽しんでいきたいと思います。体調を整えたい人にはお薦めですよ。

 

海をずっと眺めている人々

初めてオーストラリアに行ったのは1996年なので、もう18年も前のことになります。行った町はパース。現在とは比較にならないくらい田舎町でした。出張中にちょうど半日ほど時間が空いてしまったので、車を借りて海岸線をドライブしてみました。あまり記憶は確かではありませんが、スカボローあたりからヒラリーズのボートハーバーあたりをドライブしながら、車を停めては海を眺めていました。海を眺めながら、こんな環境で暮らすってどんな世界なんだろうとか、これから自分の人生はどのようになっていくのかなど、その時考えた事は今でもはっきりと覚えています。
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それから、人生にもいろいろな事があり、しかし、ひとつの夢が実現して、海沿いを歩いていると、様々な国から来た人々が、海を眺めている光景に出会います。きっと18年前の僕のように、様々なことを考えているのでしょう。オーストラリアに留学に来る人は、ぜひ、一人で海を眺めながら時間を過ごしてみてください。きっと何時間でもいられるはずです。そして、その時に考えた事は、きっと人生の長い期間において忘れないと思います。

遠くだけを見る時間

先日、スポーツをするときのために使い捨てのコンタクトレンズを作りにいきました。オーストラリアでは、medicareという国民が皆加入する健康保険の他に、プライベートの健康保険に加入することが推奨されていて、所得税などもその健康保険に入る事で軽減されます。そのような保険では、眼科の治療やメガネやコンタクトレンズを作るのにも費用を負担してくれるサービスがあるので、うまく活用すると便利です。

まずは日本と同じようにコンタクトレンズ屋さんと併設している眼科で視力チェックして、5日分のサンプルを無料でもらいます。1週間後にコンタクトレンズをつけた状態で診察を受けて問題が無ければオンラインで購入して自宅に届けてもらえる仕組み。オーストラリアのサービスとしてはけっこうシステムがしっかりとしていました。

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僕は右目に乱視があるので、昔はソフトコンタクトレンズではうまく矯正できず、スポーツ用といえども微妙な見え方だったのですが、今は完璧に矯正できるのですね。ゴールドコーストの水平線やスプリングブルックの山並みも完璧に見えます。嬉しくて、遠くばかりを見ていたのですが、ひとつ問題が。そうです、老眼のおかげで、近くが全く見えないのです。メガネであれば、本を読むときははずすなどの対応策があるのですが、コンタクトレンズではそれはできません。安い老眼鏡でも買おうかなとも思ったのですが、せっかくこんなに遠くがよく見えるのであれば、スマホも本もパソコンも見ない時間を楽しんだ方がいいのではという結論になりました。コーヒーを飲みながら海を眺めたりしている時間でも今までは、すぐにスマホをチェックしていたりしていたなと気づきと反省をしています。もっと風景を楽しまなくては。

老眼というのは、ちまちまと細かい事に煩わなくていいんだよという神様の贈り物だと考えたいと思います。若者諸君、50になって近くが見えなくなったら僕の事を思い出してください。

誕生日に何をするか

今日は52歳の誕生日でした。50歳を過ぎて誕生日もないだろうとは思いますが、SNSの時代は多くの人にメッセージをもらえて、とてもありがたい事です。考えてみれば、若い頃に家族以外に誕生日を祝ってもらうなんてことは無かったし、僕の誕生日を知っている友だちも数名さえいなかった気がします。こんな時代に生まれている今の若い世代は、とても幸せですね。

しかし、せっかくの誕生日ですから自分のためにも少し時間を使う事にします。

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僕は、毎年誕生日にモレスキンのノートを新調します。そこには、このブログのネタ、毎朝社員に書いているメールのネタ、本を読んでいてふと気づいた事などを書くようにしていて、ちょうど1年で1冊が終わるペースがこの数年続いています。今日も2013年6月15日からスタートしたノートを読み返していました。この1年で、出来た事、出来なかった事、ネタは書いたけどブログには書けなかった事、読み返しながらまた新たな思いで1年をスタートできそうです。

現段階でひとつだけ、この52歳のうちにしようと決めている事は、ゴールドコーストから新しい街に住んでみようということ。どこに住むかはまだ決めていません。2年とか3年の間隔で、自分が気に入った新しい街で生活するようなライフスタイルやワークスタイルを実践していく事も、僕の役目なのではないかと最近思っているので、実験台として楽しんでみたいと思います。

資料請求はごめんなさい

お客様からのお問い合わせで時々あるのが、「なんでもいいから資料送ってください」というものです。資料の厚さとか、デザインの良さとか、情報量で留学先やエージェントを比較して、検討するのでしょうか。


残念ながら、私たちの会社では資料請求用の資料というものを制作していません。また、お送りできる紙の資料もとても限られたものしか用意していません。

理由はいくつかあります。

まずは、広告費を出来るだけ削減して、お客様に対して入学手数料無料、現地サポート料無料を維持するためです。私たちの会社では、留学に対する手続き、そして現地でのサポートもすべて無料ですので、絶対に私たちに依頼をしたほうがお得だし、安心です。このビジネスモデルを維持するためには、広告費を投入して留学生を集めるのではなく、しっかりとしたWEBサイトを構築する事で信頼を得ています。詳しくはこちらのビデオを見てみてください。

次に、学校情報というものは日々変化しています。ですから一般的な情報が記載されている学校パンフレットみたいなものは、本当の意味での情報ではないと私は考えています。昔は電話帳に価値があったように、留学エージェントは学校に広告費を出させて分厚いパンフレットを制作していましたが、今では過去の遺物です。最新情報はサイトで確認したほうが正確だし情報量が圧倒的に違うのです。

ですから、あえて、印刷物の資料を制作しなくても、サービスのレベルはそれ以上のものが提供できていると自信を持っています。

そして、最後は環境保護に少しでも役に立ちたいからです。私が18年前初めてオーストラリアに仕事で来たときに、どういう訳か、パースの環境保護の方たちと話をする機会がありました。その当時オーストラリアの森林は、日本企業によって大量に伐採されていたのが大きな問題でした。そんな状況を少しでも解決するために、私は彼らの依頼で、日本の商社や製紙会社に対してオーストラリアの森林伐採を中止してほしいという文書を日本語に翻訳したのです。

日本に行くと、本当に多くの書籍や雑誌や無駄なチラシやカタログなどが氾濫しています。どんなにリサイクルが進んでいたとしても、最初はどこかの森林が伐採されています。グローバルなマインドを持つというのは、自分たちの暮らしが世界にどのような影響を与えているかの想像力を持つ事です。たいして役に立たない資料が、かつては世界のどこかの美しい森林だった事を忘れないためにも、私たちはパンフレットというものを今後も作らないと思います。

 

住みたい町に欲しいもの

留学やワーキングホリデーに渡航する際に、最初に都市を決めてもらいます。私の会社のある、シドニー、メルボルン、パース、ブリスベン、アデレード、ゴールドコースト、どこも住めば気に入ってもらえる街なのですが、自分なら住みたい街に何があってほしいか考えてみました。

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カフェ2軒(朝早く開いているところと夜も開いているところ)

ベジタリアンレストラン

パブ1軒

週に一度開催されるマーケット

スーパーマーケット(出来ればオーガニックコーナーもある)

図書館、おしゃれな本屋さん

ジョギングできる眺めのいい場所

きれいな空気、海にも山にも行きやすい。

テニスクラブ

なんと質素なリクエスト。僕にはこれだけあれば十分です。はっきり言ってオヤジ臭いです。しかし、普段の生活において、僕たちの動ける範囲なんてとても狭いものです。こう考えると、オーストラリアには僕が住めそうな街はいくつもありそうです。

これからの時代は、きっと満員電車に揺られて2時間かかる「会社のオフィス」に通わなくても仕事が出来る人がとても増えていきます。そんな時代に自分らしいライフスタイルを作っていくためのヒントをオーストラリアでの生活で探してもらえればと思います。