久々のシドニー

テニスの試合も含めて(どちらがこの旅のメインの目的なのかは微妙なところですが)久しぶりにシドニーに1週間ほど滞在して、大学やTAFEを訪問したり、学生さんたちにも会ってきました。かつては、オーストラリアで留学=シドニーに行くというのが一般的だったのですが、都会すぎて東京と変わらないとか、街が雑然としていてオシャレじゃない、とかの理由で、メルボルンやブリスベンに人気を奪われてきたのが、この数年のトレンドでした。


でも、コロナの期間に街中は整備され、大学も新しいビルなどの建設を行なったので、集中して勉強するのには、とてもいい環境になっていました。シドニーという街の面白さが復活している感じです。相変わらず、市内での家探しは苦労がともなうようですが、これからは滞在するためだけの目的で学生ビザが取れるような学校に対する規制も厳しくなっていくので、世界から、ただ働く目的でやってくる若者たちの数は減少し、来年以降は大学生たちの家探しも少し楽になりそうです。


特にビジネスや、IT、あるいは最先端の技術などの、将来的に経済を動かす世界の勉強をしたいのあれば、オーストラリアの産業の中心であるシドニーで学び、ネットワークを広げていくことは、キャリア構築には良い戦略なんだと思います。シドニー大学やシドニー工科大学の図書館などで、一生懸命勉強している学生たちを見ながら、この環境にもっと多くの日本からの若者たちに来てもらうためにも、もっと発信をしていかなくてはと気合いが入ったのでした。

シドニー大学と契約をしました

留学エージェントという言葉は誤解されていることが多いのですが、留学エージェントのメインの仕事は、留学生が学校を探すためのお手伝いではなく、大学や学校のために、最適な留学生たちを探してきて手続きを円滑に進めるためのお手伝いをすることです。ですから、私たちは、お客様(留学生)に費用を請求することはなく、大学や語学学校からコミッションとしてお金をいただいています。

そうなると、大学としては、どの会社とエージェント契約するかはマーケティング戦略的にも、大学の教育の質を維持するためにも(優秀な学生を獲得するために)重要な意思決定になります。日本市場は、オーストラリアの大学にとっては、そんなに多くの留学生を期待している市場ではないので、どの大学も3社くらいの日本エージェントと契約を結んでいます。インターネットの世界では、正式なエージェントではない会社も大学情報を掲載していたりするので、気をつけてください。(僕には、なぜそのような会社が多いのかはよく分かりません。)

私たちは、この7月から、オーストラリアのトップ大学のひとつである、シドニー大学と契約を結ぶことになりました。1850年に設立されたオーストラリアでは一番古い大学で、多くの著名な卒業生たちを輩出しています。この大学に、日本人の優秀な高校生や大学生たちが学ぶためのお手伝いができることは、私たちにとって、とても光栄な機会です。

これで、私たちは、オーストラリアの29大学と契約を結ぶことになります。これは、日本の留学エージェントでは、大学との契約数では最多となります。それだけ私たちを信頼をしていただいている大学が多いということに感謝して、これからも謙虚に、世界で学ぶことを考えた日本の若者たちに、人生を変える機会を提供するお手伝いをしていきたいと思います。

今年度もありがとうございました

オーストラリアの会計年度は6月末で終了するので、毎年この時期にはこんなタイトルでブログを書いています。おかげさまで、今年度も安定した業績を残すことができました。私たちの会社を信頼して利用していただいた留学生の皆さん、本当にありがとうございました。また、同じように私たちを信頼して、契約をしていただいている学校の方々にも本当に感謝しています。昨年は、オーストラリア国立大学など、トップ大学からも声をかけていただけるようになり、オーストラリアの大学進学市場では重要なプレーヤーになれたと思います。

しかし、このビジネスの最も重要な指標は、お手伝いをした留学生の皆さんが目標を達成して、人生の新たなステージに立てたかどうかなのだと思います。その方たちが、僕たちの会社のファンになって、留学後も相談をしてくれたり、逆に友人の紹介などのサポートしてもらえるような、そんな関係を続けていければありがたいです。

明日から始まる新年度も、僕自身の目標として、出来るだけ多くのお客様や学校の方と会い、お茶を飲み、ご飯を食べ、深い話をしていきたいと思います。どんどん声をかけていきますので、つきあってくださいね。明日からもよろしくお願いいたします。

ダメもとな人々

人生は意思決定の連続ですが、大人になっていけば簡単な意思決定の場面というのは、ほとんどなく、トレードオフについて、慎重に考えていかなくてはいけません。トレードオフってこちらを立てればあちらが立たずみたいなことで、2つの選択肢の矛盾を解決するのではなく、妥協点を探るということが必要になってきます。


留学の話で言えば、「質の良い語学学校で日本人が少ないところを探しています。」というのは、トレードオフをあまり理解していない人の典型的な問い合わせです。日本人(あなた)は質の良い学校で勉強したいと考えているのに、日本人がいない学校を探すというのは、最初から無理な注文なのです。こういう場合は、学校の質と日本人の数について、学校を決める際にどちらがより重要なのかを考えてもらいます。

似たような話だと「大学時代は成績が悪かったのですが、こんな私でも申請できる奨学金がある大学院を探しています。」という問い合わせも時々やってきます。奨学金とは、その大学が授業料を負担しても入学してほしい学生に対して提供するものなので、成績が悪い人が申請してもそれが承認されることはないのです。

このような問い合わせをしてくる人って、トレードオフを理解していないというよりは、ダメ元でも良いので、とりあえず聞いておこうというタイプの人が多いし、10年前に比べて明らかにそのような人が増えていると思います。そういう人たちって、戦略性があるようで無いわけだし、とりあえず聞くだけなので分析力が養われていくこともなく、頭は良くなっていきません。

でも、これからAIの時代になると、このダメ元でなんでもとりあえず聞いてみる人たちって、さらに増えていくんでしょうね。AIが、「君、頭悪くなるから、もう少し自分で考えてから、質問した方がいいよ。」とかって答えてくれることは無いんでしょうね、きっと。

社会を良くしていく方法

明けましておめでとうございます。

この年末年始は、Optusの電話は繋がらず、Telstraのモバイルwifiがかすかに繋がる山の中の小屋で1週間ほど過ごしています。山の中を歩いたり、雨が降れば本を読む生活です。それでも、時々は日本のニュースをネットで見たりして、どんなことを若者たちにアドバイスしていったらいいのかを考えています。


日本の社会を良くするために、考えてほしいことの一つは、自分がやれると思ったら、自分の会社を持つことの可能性を考えるいうことです。SDGsとか働き方改革とか、議論すべき課題は山ほどあるのでしょうが、それって会社という単位で考えると、社長が決めれば良いだけの話です。ということは、ちゃんとした社長が増えれば増えるほど、世の中は働きやすく、住みやすくなるはずなのです。

しかし、残念なことに、優秀な人ほど大きく安定した?働き場所に就職して、その閉じた世界で出世競争というそれなりに楽しめる無意味なゲームに時間を使ってしまうというのが高度成長期くらいからの日本社会の姿なんだと思います。

僕の会社には現在18人の社員がいます。僕の実力やこの留学業界という市場だと、このくらいのサイズが適正だと思います。同じメンバーで10年以上も一緒に仕事をしているので、できるだけ長くみんなが幸せに働けることを目標にしています。

世の中には僕よりも優秀で可能性を持つ人がいくらでもいるので、そんな人たちが30歳からでも40歳からでも良い会社を作って、あるいは後継者を探している会社を引き継いで、そのビジネスに適正な数の社員を5人でも10人でも100人でも雇って、楽しく経営をしていってほしいと思います。もちろん苦労も失敗もたくさんするでしょうけど、その苦労がきっと将来の成長に役に立つのです。

ですから、そんな人生の可能性もあるのだということを考えながら、20代30代を大切にして、目の前の仕事を頑張ったり、さまざまな勉強をしたりして、準備をしてみてください。その準備の一つとして、留学して海外を経験する若者たちと話をするのは、僕にとっても楽しい時間になるでしょう。今年も、そんな時間を多く作りたいと思います。

オーストラリアは仕事納め

オーストラリアの会社のほとんどが、今日が仕事納めで、クリスマスと新年のお休みに入ります。そして、この時期のメッセージとなると、「おかげさまで、今年も順調な業績を残すことができ、ありがとうございました。」みたいなことになるかと思います。


今年はコロナ禍で2年間も閉じていた国境も開き、多くの留学生たちがオーストラリアに戻ってきたので、留学エージェントで業績が悪い会社なんて無いと思います。みなさん、しっかりとした業績を残されているのだと思います。ですから、業績のことなどはどうでも良くて、それよりも、僕としては、より多くの留学生たちに会う機会を作れば良かったと反省しています。


今は、タスマニアの山の中にいるので、お客様に会うことはほぼ不可能なのですが、来年はオフィスのある街に少し長めに滞在して、コロナ以前のように留学生向けのセミナーを開催したり、ランチやお茶をしながらの座談会なども開催して、多くのお客様とお話をしていきたいと思います。お客様たちが感動するような答えは持ち合わせていないことも多いのですが、少しだけ違った視点で、こんなふうに考えることもできるよね、みたいな話をすることは出来ると思います。そして、それ以上に、僕が若者たちから学ぶことが多く、時代というものを感じるために、とても有意義な時間です。

僕たちの会社は毎年1200人から1500人くらいの留学生のお手伝いをしているのですが、平日に毎日お客様と会ったとしてもたった200人しかお話をすることが出来ません。お客様のためではなく、僕のためにもっと努力して時間を作りたいと思います。来年は、どこかでお会いできることを楽しみにしています。

今年度もありがとうございました

今日で、オーストラリアの会計年度が終わります。さすがにオーストラリアの会社を経営して15年くらいになるので、6月30日を無事に越せることは、僕にとって大切な目標になっています。今年度は2021年12月に一部、2022年2月から全面的に国境が開き、大学生たちがオーストラリアに戻ってきて、4月からは多くの語学学校も再開するなど、コロナで縮こまっていた留学市場がこの数ヶ月で一気に元に戻っていった印象です。


2月初めの段階では、200人くらいの大学生のお客様たちがオーストラリアの国境再開を日本で待っていて、会社の赤字額も結構な金額だったのにもかかわらず、大学生たちがトラブルなく戻り、売上も急回復して、なんと今年度、十分な利益を計上することができそうです。オーストラリアの留学会社で、今年度に利益を計上できる会社は、すごく少ないと思います。2月からの4ヶ月は本当に目まぐるしく忙しい中、ミスをせず、きめ細かく働いてもらったスタッフには本当に感謝をしています。

明日からは新年度が始まりますが、これからも拡大や成長を目指すのではなく、ご縁のあった若者たち一人一人の幸せとか成功とかを一生懸命考えて、時には留学ではない選択肢を提案するなど、留学会社の枠を越えた話をしていきたいと思います。考えてみると、オーストラリアという国で、苦労しながらも自立し、様々な経験をしてきた20人の日本人の大人の集団というのは、他にはそんなに無いと思います。来年もいい仕事をして、一人でも僕たちの会社が好きな若者たちが増えていけばいいなと思っています。

人がオフィスに代わっていく

急激に増えている問い合わせのおかげで、オンライン相談を僕も担当するようになって、色々な気づきが生まれます。例えば、オフィスの意義について。うちの会社はオーストラリアの6都市と東京にオフィスを持っています。国境が閉じてからの2年間、部屋のサイズを小さくしたりしてコストダウンには努めましたが、物理的に部屋はキープしています。でもリモートで働くことが普通となった現在の稼働率は3割にも満たない感じです。


オフィスで留学生たちと会えなくなっても、電話やチャットで連絡を取り合ったり、カフェでお茶をしたり、時々はやっぱりオフィスで会ったりしながらサポートをしています。そして、サンシャインコーストに住んでいる僕も、留学生たちの入国に伴ってお茶をしたり先輩を紹介したりと、サポートに時間を使っています。サンシャインコーストにはオフィスはありませんが、僕という人間がオーストラリア第7のオフィスをやっている感じなのです。そして、僕が住んでいるからかどうかは分かりませんが、サンシャインコーストには大学や語学学校が一つずつしかないのにもかかわらず、年間に20人以上の留学生たちがやってくるのです。

人がオフィスの代わりになっていくなら、まだ、僕たちの会社が進出をしていない、キャンベラとかタスマニア州のホバートなどは、毎年20人、30人くらいの留学生が訪れる可能性がある街なので、オフィスを持たなくてもそこに住みたい人を雇っていくことも検討できるかもしれません。

頼りになる大人が、その街にいて、留学生のサポートをしてくれる。頼りになるスタッフが、その街の教育機関とコミュニケーションを密にとって、マーケティングを成功させてくれる。僕たちのビジネスの目標はとてもシンプルなので、オフィスをどこに置くかということを考えずに、これからの戦略を考えてみたいと思います。

今年もありがとうござました。

オーストラリアの田舎に住んでいると、大晦日というものは、ほぼ普通の日と同じで、今日も朝の7時からテニスをして帰ってきました。オーストラリアでも都会に住んでいると年越しの花火がどの街でも大きなイベントなのですが、今年はオミクロン株の感染が急激に広がっているので、今夜騒いだ人たちが明日の感染者数の増加に貢献するのだと思います。それでも若い人たちを中心に多くの人たちが繰り出すのだから、人間はあまり合理的な生き物ではない気がします。


2021年は、もうすぐ終わりますが、今月に国境が開いたおかげで、おかげさまでこの1ヶ月でビジネスはすごい勢いで回復してきました。きっと明日からの2022年は、多くの留学生たちがオーストラリアに学びに来てくれると思います。社会とコロナウイルスとの戦いはまだまだ続きそうですが、ビジネスの危機というものはなんとか乗り越えた感じがします。

しかし、経営者として、これからまた考えていかなくてはいけないことは、次の危機というものがどのようなものなのかということです。日本の経済がどうなっていくのか、若者たちの海外志向はどれだけ減っていくのか、など、はっきり言って、留学を取り巻く環境はあまり好ましい状況ではありません。というか、日本で未来が明るい業界を探すのが大変な状況です。

だからこそ、今の若者たちが僕たちの世代よりも良い人生を歩めるようにするにはどうしたらいいのか?その人生のために、オーストラリアへの留学が、どのような意味を持ってくるのか?ということをさらに深く考えたいと思います。そのためにも、時間を大切に使ったり、世の中のノイズみたいなものに、惑わされないようにしたいと思います。ということで、まずは今日から携帯の画面のfacebookを消してみました。その他のSNSもどうするか考えてみたいと思います。ノートだけを持ってカフェに行ってアイデアを書き留める。これからは13年前のこの仕事を始めた頃のワークスタイルに戻ってみたいと思います。

今年もお世話になりました。僕のブログを読んでいただいてありがとうございます。来年が皆様にとって素晴らしい年になりますように。

お問い合わせは年明けに

12月15日、つまり一昨日から日本人に対して、オーストラリアは国境を開けて、留学生たちが少しずつ戻ってきています。そんなこともあって、先週くらいから、留学やワーキングホリデーの問い合わせがすごく増えて、24時間以内に返信をするという、私たちのお約束が守れない状況になっています。はっきり言えば、24時間どころではなく、3日くらいほしいところです。


それを企業努力でなんとかするのが仕事じゃないの?とお客様には怒られそうですが、留学の相談ってそんなに緊急性が必要ではないし、(だいたい半年先とか1年先の話なので)少数精鋭で経営をしている弊社としては、社員が残業して体を壊すより、お客様に数日お待ちいただく選択をしたいと思います。すみません。

でも、こういう時に日本の会社は徹夜してでも対応したりするし、2年間も売上がほぼ無い業界だったんだから、何がなんでも売上を稼ぐというマインドセットになってしまうのかなと思います。でもオーストラリアに暮らすようになって10年が過ぎた僕にとっては、新規の売り上げよりも、入国を待ちわびていた一時帰国中の留学生たちが無事に戻ってくることと、スタッフの健康の方が(メンタルも含めて)大切です。僕自身の考え方もこの10年でずいぶんと変わった気がします。

また、オーストラリアの大学のスタッフも来週からはお休みに入る人もけっこういらっしゃるので、こちらが何か質問をしたとしても、来週から年明けまでは何も動かないというのが現実です。

ということで、本当にご迷惑をおかけしますが、新規の留学の問い合わせは年明けの1月4日以降にお願いします。オーストラリアの雄大な景色の写真とかビデオを観ながら、留学のイメージを膨らませて、のんびりしたクリスマスとお正月をお過ごしください。