自然を感じる時間

オーストラリアは日本の20倍の面積に6分の1の人間しか住んでいないので、人の手が加わっていない自然がいくらでも残っています。それらの風景は、どうやって出来たのか分からないものもあるので、ガイドブックなどを読んでみるのですが、それでもなかなか理解できません。

人が作ったものは、たとえどんなに巨大なものであっても、どのように造られたのかなんとなく想像がつきます。必ず誰か「始めよう!」という力を持った人がいて、その組織の中で労働者や奴隷や職人たちが、様々な思いを込めて働いている姿をイメージすることができます。僕は人口の建造物を見ると、その物自体の美しさや壮大さよりも、そこにたどり着くための人間の様々な欲望やロマンやドラマに思いがいってしまうタイプです。

しかし、自然が作った芸術はその科学的な理論や背景を理解できたとしても、そのダイナミックな歴史を感じることはなかなかできません。それはそのプロセスがはるかに人間の能力を超えているからです。人間が感じられる時間軸や空間軸を超えた世界で起きている(現在でもそのプロセスの中にいるわけですが。)ことだからです。

オーストラリアに留学に来たら、できれば少ないメンバーで自然が広がる田舎を旅してみてください。どこへ行っても日本のように人は多くないので、じっくりと自然と対話できる時間があると思います。僕たちが気付かないくらいかすかに大地は動き、爽やかに風は流れ、そして信じられないスピードで地球は太陽の周りを回っていることが意識できるかもしれません。僕は、オーストラリアに来て、そんな時間を持てることがすごく幸運なことだと思うのです。

 
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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