アデレードの海

日本に住んでいる人たちにとって、アデレードという街がどんなところか、あまりイメージは出来ないでしょうし、ビーチがあるのかもよく分からないかと思います。もしかしたらオーストラリア人の中でも良くわかっていない人がたくさんいると思われるくらい、アデレードって州都の中でも地味な存在なのです。しかし、市内から30分〜40分ドライブをすると、写真にもあるようなこんな綺麗で穏やかな海を楽しむことができます。


地図を見るとアデレードは大きな湾の中にあることが分かります。そのおかげで、サーフィンが出来るような高い波はやって来ません。ですからサーフィンを目的としたワーホリの人には残念ですが、暑い夏に海辺でピチャピチャするくらいで満足できる人には最高の環境です。海の向こうは南極なので、水温も少し低めで気持ち良いです。

オーストラリアで暮らすことのメリットのひとつは、ちょっと海を見に行ける環境の街が多いということです。大都市のほとんどは海に面しています。スマホを見ることもなく、未来のことを夢見たり、何も考えずに海を眺めてリフレッシュするのは、オーストラリアに留学したときにはやってほしいことの一つです。そして、アデレードに来て驚いたのは、海に沈む夕陽も見ることができるのです。夕陽は西海岸=パースということで、パースを訪れたら夕方は時々ビーチに行っていたのですが、アデレードでも夕陽を眺めることが出来ると分かって、ますますアデレードの生活が楽しくなりました。

オーストラリアのテニスの穴場

毎年1月はオーストラリアのテレビではテニス中継が続きます。お正月からブリスベン国際大会、パースやシドニーで行われる国別対抗戦、今週はアデレードやホバートで小さな大会が開催されて、来週からはいよいよメルボルンでグランドスラムのひとつであるオーストラリアンオープンです。クリスマスが終わると、世界中の選手たちが、夏のオーストラリアの気候に慣れるためにやって来て、前哨戦の大会に出場して調整をするのです。

僕が住んでいるアデレードでも今週は大会が開催されているのですが、その試合会場が入会しているテニスクラブなので、先週末くらいから、プロの選手たちの練習をすぐ横で見たり、センターコート以外の試合は無料で観戦したりしています。アデレードに引っ越して、一番の特典だった気がします。トップ選手たちがどんな練習をしているか、ウォーミングアップにどのくらい時間をかけているか、ボールのスピードや軌道ってどうなのか、テレビではなかなか分からない気づきがたくさんありました。

アデレードって、シニアの大会はほとんど開催されないので、テニスの機会は少ないのかと思っていましたが、実はクラブの対抗戦は充実しているし、予約できるテニスコートも充実しているので、テニスが好きな人には最高の街のひとつです。テニス好きの留学生は、アデレードに来ると充実したテニスの時間とネットワークが出来るかもしれませんよ。

お正月からコアラ

明けましておめでとうございます。

元旦の午後、アデレードではほぼ全てのお店はお休みなので、散歩くらいしかすることがありません。いつもの家の近くのアデレード大学のワイン醸造学のキャンパスにある樹木園みたいなところを、歩くことにしました。普段とは違う道を歩いて、ふと見上げるとなんとコアラがすぐそこでたたずんでいました。このコアラは親で、木の上の方では子どもらしい小さなコアラが一生懸命ユーカリの葉を食べていました。きっとこのお母さんは、子どもを守るために見張りをしているんでしょうけど、ちょっと頼りない感じです。途中で居眠りしちゃったりしていましたが、頑張って、こちらを警戒していました。

僕の家は、市内中心から車で10分くらいですが、そんなところでもこんな自然が残っているのがアデレードの魅力のひとつだと思います。今年は、彼らに会うために散歩の回数が増えそうです。それとも、ここでパソコンを広げて仕事をするのも楽しいかもしれません。今年はお正月から縁起が良さそうな予感がします。

今年もよろしくお願いします。

さよならSNS

2023年が終わりを迎えようとしていますが、今年は自分の人生の残り時間をどう使っていくかについて考えることが多かった一年でした。会社の業績は、おかげさまで多くの若者たちからの信頼を得ることができ、安定した経営ができました。来年も、オーストラリアで学びたい若者たちのよきアドバイザーとしての仕事を責任を持って続けていければと思います。

プライベートでは、サンシャインコーストからアデレードに引っ越しをして、新しい街での生活を楽しんでいます。来年はこのブログでももっと紹介をしていきたいと思いますが、日本人にはなかなか知られていないこの街の魅力を探っていきたいと思います。

そして、時間の使い方を考える中で、来年、つまりは明日からはfacebookなどのSNSを使うことを止めることにしました。最近はブログをアップしたことを告知するためにしか使っていなかったので、facebookでの反応などはもう気にしないで、粛々とこのブログを更新していければと思います。

facebookやインスタグラムのアプリはスマホなどから削除する予定ですが、メッセンジャーでしかコミュニケーションをとっていない方もいるので、そのような方たちとはこれからもメッセンジャーで連絡ができればと思います。明日からはさらにシンプルに、でもやるべきこと、やりたいことは必ずやって、日々を充実させていきたいと思います。ぜひ、僕の人生がどんな感じなのかをチェックしに、このブログを時々覗いてもらえればありがたいです。さよならソーシャルネットワーク。

アデレードの春の生活

アデレードに住み出して、半年が過ぎました。冬は雨が多くて寒かったけど、春になって雨の日が減り、少しずつ天気が安定して暖かい日も増えてきました。春のアデレードでは、さまざまな花たちが咲き誇ります。家の近くのアデレード大学のワイン醸造学のキャンパスには、バラ園があって、そこにランチを持って行って食べるのが最近の僕たちのお気に入りです。そこに行くと五感で春を楽しむことができます。陽射しの暖かさ、そこだけ空気が違うと思えるくらいのバラたちの甘い香り、風が吹いている感触、鳥たちの声、さまざまな色のバラたち、おにぎりとお茶で十分なくらいの贅沢な時間です。



そして、10月からは夏時間になり、日の入りが遅くなってきたので、早寝早起きの僕も少し夜のイベントにも参加するようになってきました。今月はタウンホールで行われたたくさんのキャンドルの中でオーケストラが演奏するコンサート、アデレードフィルムフェスティバルでまだ日本では公開されていない役所広司主演の「Perfect Days」という監督はヴィム・ベンダースの日本映画?を観てきました。サンシャインコーストに住んでいた時は、夜に出かけることはほとんどありませんでしたが、アデレードでは少し都会の生活も楽しんでいます。


アデレードという街は日本の若者たちにはほとんど知られていないし、日本からの直行便も無いのでやって来るのは大変だし、日本の留学エージェントも僕たちしかいないのですが、留学にやってきた若者たちはほぼ全員、アデレードが大好きになって帰っていきます。自然の美しさと文化的な都会の生活がうまくミックスされた環境だと思うので、友人たちに「どこ?それ?」とか言われても気にしない人は、留学する街として、検討してみてくださいね。

テニスに復帰しました!

今年の前半は、体調を崩していたこともあって、テニスなどの運動は控えていたのですが、アデレードに住み、7月からテニスクラブに入会したこともあり、練習を始め、先週は久しぶりの試合に参加しました。場所は、ニューサウスウェールズ州のBarhamという内陸にある街で、アデレードからは6時間のドライブです。もう、最近は5時間とか6時間のドライブは普通なので、(もちろん1時間30分毎くらいに休んでストレッチをするのですが。)試合の前日移動でも、問題ありませんでした。

この地域は昨年の10月くらいに、オーストラリアで一番長い川のマレー川の洪水によって被害を受けたこともあり、その復興のためにテニスで盛り上げようと、新たに設定されたITF200の小さな大会でした。(小さい大会なのですが、ITFという世界ポイントが獲得できます。)初めての大会ということで、参加者も少なく、60歳の部は3回勝てば優勝ということでしたが、僕は2回戦(準決勝)で昨年に別の大会で負けた選手に3時間のフルセットで勝つことができ、体力も戻ってきたのが嬉しかったです。決勝戦は、残念ながら完敗でしたが、次回に向けて、学ぶことがたくさんありました。


やはり、試合に出て、友人と再会したり、新しい友だちが出来るのはとても楽しい時間です。60歳を過ぎても、気合を入れてテニスをしている似たもの同士だからこそ、すぐに打ち解けて、仲良くなることができます。このフランクさが、オーストラリアでテニスをすることの1番の楽しさかもしれません。試合前も対戦相手と「楽しもうぜ!」みたいな会話をするのが普通です。日本の大会は、ちょっと皆さん真面目にやり過ぎてる感じがします。

これから、何年、試合に出ることができるか分からないので、オーストラリアだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、もちろん日本やアジアの試合にも、予定が組めれば積極的に参加してみたいと思います。世界中のテニス好きのおじさん(おじいさん?)と「楽しい」試合を重ねていきたいと思います。

往復4500キロのお片付け

この2週間で、アデレードを出発して、昨年住んでいたサンシャインコーストに向かい、小さな倉庫に残していた荷物を片付けて、帰ってきました。帰りに、必要な荷物を運ばなくてはいけなかったので、車で行ったのですが、アデレードからサンシャインコーストまでの距離は2,300キロくらい。日本で言えば、札幌から福岡までの距離を毎日500キロくらい走って、4日かけて移動しました。オーストラリアでは、夜に田舎の道を走ると、カンガルーなどの野生動物にぶつかる可能性がとても高いので、昼に5時間くらい走るというペースで移動していくのが、パターンです。

往きは、途中でゴールドコーストとブリスベンのオフィスに寄って、それぞれ留学生の方たちにセミナーという名の座談会をして、キャリアについてのお話をして、とても楽しい時間を過ごしました。オーストラリアの大学に留学する若者たちは、自分の考えをしっかり持っているし、授業でも発言しないと評価されないという環境で学んでいるので、座談会をしても、面白い質問をしてくれるので、ありがたいです。

そして、懐かしのサンシャインコーストに3日半滞在しました。冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電製品は、Salvation Army に寄付をしました。倉庫まで引き取りに来てくれるので、本当にありがたいサービスです。オーストラリアには、このように不用品などの寄付を受け付けて、それを安く販売するNPOなどが、それぞれのコミュニティーにありますが、コミュニティーの活性化に役立っているので、日本でももっと普及してほしいシステムです。僕たちは、アデレードに引っ越して、お皿とかマグカップなどは、すべてそんな店で20ドルくらいで調達しました。

結局、本や書類など小さな段ボール10箱くらいに、荷物はまとまり、余裕で車1台で運ぶことが出来ました。考えてみると、アデレードに移動した時に車1台の持ち物しか持っていなかったので、僕たち夫婦の持ち物は車2台分で十分だということです。60年以上も生きているのに、持ち物が一人車1台に入ってしまうというのも喜ばしいことなのか悲しいことなのかよく分かりません。少なくともパーティーに呼ばれてもスーツやドレスシャツやテニスシューズ以外の靴は持っていないので、出かけることはないでしょう。(それに、呼ばれることはないでしょう。)


それなりの時間とコストとそして大きな労力を使って、2300キロ彼方にあった小さな倉庫を片付けたのですが、なんか清々しい気分です。些細なことでも、仕事を終わらせることは、達成感もあるし、きっとそれなりに苦労をともなったから(だって、毎日5時間運転して、モーテルに泊まって、似たような食事をしてましたから。)純粋に満足感があるのだと思います。経営って、終わりのないマラソンみたいなところもあるので、今後は、小さなゴール設定をしながら仕事を楽しんでいこうかと考えています。

花よりアーモンド

この週末は、アデレードの郊外で「アーモンド・ブロッサム・フェスティバル」というイベントがあるというので、美味しいアーモンドでも買えるのかと思って、行ってきました。僕は、木の上に住んでいた時代のDNAのおかげかどうか分かりませんが、ナッツが好きで特にアーモンドは大好物です。

しかし、フェスティバルは名前の通り、アーモンドの花が咲いたからみんなで楽しもうという企画のようで、子ども向けの移動遊園地とかが来ていて、あまり僕には関係のない世界でした。でも、驚いたのは、アーモンドの花って桜の花と見分けがつかないくらい似ているということです。調べてみると、桜もアーモンドも同じバラ科サクラ属だということで、兄弟?姉妹?なんですね。開花時期がアーモンドの方が桜よりも1ヶ月くらい早く、まだ寒い冬の間に花が咲くと言うことです。


花の美しさも、散った感じの儚さも、ほぼ桜と同じなので、これからは、桜の植樹の代わりにアーモンドを植えたら、実を食べる楽しみも加わって、良いんじゃないかと思うのは、僕だけなのでしょうか?桜は日本の国を代表する花ですから、そんなわけにはいかないのかもしれませんが、僕がもし、庭のある家に住んだら、絶対にアーモンドの木を植えて、少し早い花見も楽しみたいと思います。

袖ふれあうも

実は日本に短期間、帰ってきていました。今は羽田空港にいて、これからオーストラリアに戻ります。今回のメインの目的は、日本の免許証更新だったので、それは簡単に終了し、あとは友人と会ったり、お客様と会ったりして、とても蒸し暑い日本の夏を楽しみ?ました。きっと次に日本の夏を経験するのは5年後の免許更新だと思います。(本当に暑かったです。)


さて、オーストラリアでの生活が12年目となった僕が、東京に帰ってきて少し気になるのが、人々の間で、ちょっとした会話がないこと。コロナのせいなのかもしれませんが、人々はたくさんいるのに、奇妙な静寂が少し不気味です。例えば、バスや電車に乗っていて、何も言わずに人をかき分けて降りようとする人々。エクスキューズ・ミーの一言を言えば、もっと社会は優しくなるのにと思います。

オーストラリアでは、マーケットのベンチで隣に座った人と、どこの屋台が美味しいとか、日本から来たの?とかちょっとした会話を楽しむことが日常です。会う人全員と話すわけではないけど、目が合ったら挨拶をして、少しだけコミュニケーションを楽しみます。そんなことが、オーストラリアの社会を温かくしていると思います。

ですから、僕は日本でも、カフェで隣に座った人、バス停で一緒に待っている人、井の頭線で隣に立った40歳以上若い高校の後輩などに、平気で声をかけて、少しだけ会話を楽しみます。(もちろん、怪しげな人に思われたくないので、会話しても大丈夫そうな人に声をかけます。)たった、1分にも満たない時間でも、それは僕を少しだけ幸せにしてくれます。変なおじさんに声をかけられても、これも他生の縁だと思うとあきらめがつくかと思いますので、つきあってくださいね。

61歳だってタイパは大切

61歳の誕生日がやってきました。若い頃の誕生日の感覚と全く違うのは、未来に限りがあるということをリアルに感じることです。この感覚は、若い人々、つまりは私たちのお客様たちの世代には、説明しても理解してもらえないことですが、今はタイパが重要な若者たちにも、いつかこの感覚が分かる日がやってくるのです。


考えてみると、僕にとってもタイパ(タイムパフォーマンス)はとても重要なことで、そのパフォーマンスを測る指標が、若い人たちで言うところの量とか生産性ではなく、大切な人々、つまり家族や友人や会社のメンバーやお客様と、ゆっくりと深く語り合う時間を過ごせるかということです。

これから先の限りある時間だからこそ、記憶の彼方に流れていってしまうのではなく、印象に残る時間を積み上げていきたいと思います。お茶に行きたい人、声をかけてくださいね。