眺めのいい街

僕の仕事のひとつは、数ヶ月ごとにオーストラリア国内にある各支店を訪問してスタッフと話したり、その都市に留学している若者たちと会ったりセミナーを開催することですが、先週はパース支店に行ってきました。

僕が初めてパースを訪れたのは、もう22年前のことです。当時勤めていたベネッセコーポレーションで映像制作の仕事をしていて、その関係でこのオーストラリアの西海岸の街に降り立ちました。二人の娘たちが小学校からこの街に留学したこともあり、それから毎年数回は訪ねています。

世界で一番孤立した都市と言われるくらい、近くの大都市から飛行機で数時間飛ばなくてはいけないこの街は、東海岸のシドニーやメルボルン、ブリスベンと比較して、少しのんびりしていて、ゆっくりとした時間が好きな人たちが好む街です。娘たちも、買い物はメルボルンや東京が刺激的で面白いけど、生活をするにはパースがいいらしく、動く気は無さそうです。

彼女たちのように、住みだしたら多くの人たちが気に入るこの街の魅力だと僕が思うことは、その眺めの良さだったり、広々とした空間からくる気持ちの良さです。観光客が必ず訪れるKings Parkに行くと、街路樹のユーカリの木の香りと、街の横を流れるSwan Riverの流れが穏やかで、背伸びしたり、深呼吸したくなってしまうのです。そして、眺めの良さって、考え事をするのに、とても大切なことで、30代の僕はよくこの街の公園やビーチで将来について思いを巡らしていました。

特に何か名所があるわけではないこの西海岸の街に、きっとこれからも、そしていつか引退してからも、この眺めを見ながら、深呼吸をしにやってくるのだと思います。

わんこ天国

旅の途中、ほとんどのAirbnbで犬が飼われていました。小さいのから大きいのまで、シャイなのから馴れ馴れしいのまで、僕たちのスペースに時々やってきては時間を過ごしていきました。オーストラリアの犬たちはペット(愛玩動物)と言うよりは、家族の一員なので、可愛がられているというよりは、一緒に暮らしてるだけという、暑苦しくない関係です。2人で話していても(僕は犬に日本語で話しかけてることが多いのですが)、静かに聞いてくれるので、少しずつ友達になっていく過程がとても楽しいです。星の王子様に出てくる、キツネとの関係みたいな感じです。
オーストラリアでは、犬を飼うためには、ちゃんと犬と飼い主の両方を対象にしたトレーニングに行かなくてはいけないし、一つの家に飼ってもいい犬の数は制限があるし、リードを外して自由に散歩ができるビーチがあったりと、犬を健全に飼うための仕組みというものが整っています。もちろん、野良犬というものは、見かけません。ですから、犬や動物が好きな方は、ぜひオーストラリアに留学に来て、犬を飼っているホームステイ先に滞在したり、Airbnbに泊まってみてください。犬の生活という視点で、オーストラリアと日本を比較してみるのも、面白いと思いますよ。

多様性について考えること

タスマニアで最初に泊まったAirbnbのコテージは母屋が隣にあって、時々オーナーの方が声をかけてくれました。彼は30年前にドイツから移住をしてきた人で、ドイツでは森林の管理をしていたということです。そんなスキルを活かしてタスマニアで森林保護の職を見つけ、森の中に家を建て、10年前からは炭を使った土壌改良のビジネスも始めています。

そんな彼と話したのは健全な森林の多様性の話。

自然はそれ自体に強い森を作るためのノウハウが内在していて、ほったらかしにしておくことが、人間にとって有益かどうかは分からないけど、森にとっては健全なんだみたいな話をしてくれました。だから、あえて外から何かを持ってくることは何も必要なくて、すでに十分に多様性のある、そこに生えている植物を大切にしていればいい。

今、人間社会では、多様性が一つのキーワードになっていますよね。うちの会社は多様性を発揮した経営をしてますよと言いたいがために、外国人を雇ったり、理系の人を文系の組織にいれたり、いろいろ工夫している会社も増えています。しかし、そのコテージのオーナーと話しながら考えたのは、まずは、もっと自分の会社にいるスタッフひとりひとりの個性を知るようにしようということです。僕の会社には、現在22人のスタッフが働いているのですが、みんな様々なバックグラウンドを持ち、違う得意分野を持ち、違う夢を持つ、それだけで十分に多様性のある人々です。ひとりひとりを理解することで、生まれてくる戦略の方が、戦略に人を合わせていくよりも、ずっと成功の確率が高いと思っていますし、今のところ、その経営方針はうまくいってる感じです。

自然の中をひたすら歩くということ

タスマニアに来てから、ほぼ毎日、国立公園のような場所を数時間歩いています。

特に予備知識もなく、近くのおすすめのウォーキングトラックを探したり、Airbnbのオーナーに聞いて、歩きに行くだけです。最初の頃は仕事のこととか、将来のこととか、いろいろ考えていたのですが、こんな日々がただ続くので、だんだん考えることも少なくなってきました。

何も考えないで歩いていると、自然の鼓動というか波長というか、何か不思議なリズムを感じるようになります。流れる風の大きな動きの中でそれに反応している木々の枝や葉や草たちや、鳥や虫たちが奏でる音たちと足音だけしか聞こえない世界です。そのリズムを楽しんでいると、自然の一部になっている自分を発見します。

きっとこんな感じが、瞑想とかマインドフルネスとかで得られる感覚なんだろうなあと思いながら、毎日ひたすら耳をすましながら、遠くを見ながら歩いています。

タスマニアは人気の国立公園に行っても、あまり人に会いません。日本では山登りに行列ができるそうですが、自然とじっくりと向き合いたいなら、夏のタスマニアはオススメですよ。

みんながコアラを好きなわけ

ビクトリア州で観光というと、メルボルンに行って、そのあとグレートオーシャンロードにドライブというのが定番でしょうから、メルボルンより東側ってほとんどどんなところか分かっていませんでした。

今回訪れたのは、Raymond Islandと言う島です。ここは街をあげてコアラの保護とそれを観光資源として使っています。


朝早い時間なら、コアラも爽やかに起きているのではないかという仮説のもと、朝7時すぎに隣町のPaynesvilleと言う街から、移動距離100メートルくらいのフェリーで島に到着すると、そこからKoala Walkが始まります。コアラというと、遠くの方にかすかに見えたり、木の上の方で寝てたりと言うのしか経験がなかったので、全く期待をしていなかったのですが、歩き始めて5分で、すぐそこで、こちらを向いてるコアラを発見。朝一番のお客様くらいには挨拶しておこうという感じ。開店時のデパートで挨拶してくれる店員さんののりかも知れません。な訳ないか。
そのあとも、全部で10頭くらいのコアラをすぐ近くで見ることができたし、朝食に夢中で接近しても動じないコアラくんとも写真を撮ることができました。基本的に寝てるところしか知らないコアラの表情豊かな仕草に、普段はあまり動物とかに興味を持たない55歳の僕としても、結構ワクワクして楽しみました。

コアラって、どうしてこんなに日本人に人気があるのかを考えながら、(そもそもコアラは絶対にマーチするタイプの動物ではないし。。)歩いていると、ふと懐かしい光景が。東京の夜10時すぎの電車にかなりの確率でいる、手すりにつかまりながら酔っ払って寝ているサラリーマンみたいなコアラくん。可愛い!だけではない、こんな哀愁漂う眠り方も、日本人の多くの世代に共感を呼んでいる?のかも。

住んでみたい小さな街 Milton

オーストラリアを旅していて感じることの一つは、田舎の街に素敵な場所が多いということです。日本は地域の活性化がとても重要な課題かと思いますが、オーストラリアの地方の小さな街にはそのヒントが数多く隠されていると思います。ですから、これから、訪れた街のいくつかを紹介していければと思っています。



今回の街は、ニューサウスウエールズ州のMiltonという街。街の中心は100メートルもないくらいの商店街です。歩けば10分もかかりません。それなのに、この地域の人たちは、みんなこの街が好きなようです。その理由は、素敵なお店やレストランやカフェたちです。リーズナブルで、地元のオーガニックなどの野菜を使い、おしゃれなインテリアで、スタッフがフレンドリーで、そんな店たちが集まって、その街(通り?)を良くしたいと一体感がある空間を作り出しています。
滞在していたのは車で30分くらい離れた場所だったのにもかかわらず、3日の滞在中、2日もランチに出かけてしまいました。特に、このパン屋さんのベジタリアンサンドイッチはとても美味しかったし、アーモンド・チョコレート・クロワッサンはアーモンドクロワッサンとチョコレートクロワッサンが合体したのに、こんなに美味しくて、この値段でいいの?という感じでした。

次回、この地域に旅するときは、もっと長い期間滞在したいと思います。ぜひ、皆さんも、観光地ではなく、小さな街に数日滞在する旅行を計画してみてください。

疲れてても運動でリフレッシュ

昨日、約1ヶ月の東京での生活を終えて、オーストラリアに戻ってきました。いよいよ来年3月までの旅の生活です。(この生活が気に入ったら、もっと長く旅するかもしれません)

自分の家がない時に、ちょっと不便なことは朝早く空港に到着して宿泊先のチェックイン時間までの時間どう過ごすかということ。日本からオーストラリアへの飛行機は夜行便が多いので、悩ましい問題です。今回は、車を空港の近くの駐車場に停めてあったので、それを受け取り、それでも朝の7時だったので、ブリスベン川の近くのカフェで朝ごはんを食べ、メールなどのチェックをし、それでもまだ8時30分くらいだったので、公園の木陰にピクニックマットを出して昼寝?朝寝?をしてました。いくらオーストラリアでも朝から公園で寝ている人は少ないので、ずいぶんと怪しい感じだったと思います。

1時間ほど爆睡してたら、サンシャインコーストからブリスベンに引越しをした友人が僕のfacebookを見て、帰ってきたなら夕方テニスしない?と誘ってくれました。昔なら、今朝東京から帰ってきたばかりだし、まだ疲れてるし、、、と言って、断っていたかと思いますが、今の僕は疲れている時こそ運動!というポリシーなので、1時間ほどシングルスで汗を流しました。リフレッシュするためには、人それぞれの方法があると思いますが、僕は圧倒的にテニスです。ジムなどでの単調な運動ではなく、いつも頭をフル回転させながら、コートを走り回るこのスポーツを旅の間もできるだけ楽しみたいと思っています。

ということで、昨晩はぐっすり眠れて、今日からはまた楽しく仕事をしていきたいと思います。

学生寮よりAirbnb?

10月は東京の実家に滞在していますが、サンシャインコーストの家を引き払って、しばらく滞在した家についてお話しします。

僕たちが車で旅をスタート出来た一つの理由はAirbnbの存在です。ホテルよりもずっと安く、モーテルよりもずっと快適に過ごせるのがAirbnbです。出来るだけ、今まで住んでいたアパートの家賃並みの宿泊費で滞在できるようには考えていて、都市では少し値段が高めでも便利な場所、田舎では値段を抑えてなど工夫して、トータルでバランスを取っています。

今まで、サンシャインコーストとブリスベンのホストの家に滞在しましたが、こんな感じの場所でした。
ここからはブリスベンの空港の近くの家

それぞれ、数日過ごすには十分な部屋でしたし、朝ごはんはシリアルやヨーグルトやフルーツがついていて、外に買いに行く必要がありませんでした。

留学生たちにとって、渡航後、最初に滞在する場所はホームステイ、学生寮、バックパッカーなどの安い宿などの選択肢しかありませんでした。しかし、これからはAirbnbも選択肢の一つとして考えるべきだと思います。もちろん、予約に関しては自分ですべて手配をしなくてはいけませんが、オーストラリア以外でも留学を経験をされた方や、海外旅行などですでにAirbnbに滞在した経験がある方は、抵抗なく滞在ができると思います。そして、学校や新しい街に慣れた頃に、友人たちの情報を使いながらシェアハウスに移動すればいいのです。

どんな家庭に振り分けられるかわからないホームステイ、どんなルームメートがいるのかわからない学生寮、そのようなことがリスクだと感じ、どんなことでも自分で選んでみたい少しわがままなタイプの人は、滞在先についても自分でコントロールしてみることをお勧めします。しかし、もし、何かトラブルがあってもそれも自分で解決していかなくてはならないということはお忘れなく。だけど、そんなトラブルも(今のところ、何も僕にはトラブルは起きていませんが)きっと自分で解決することで成長できるのだと思います。


家がない快感

今日、サンシャインコーストのアパートを引き払い、名実ともに旅をする社長になりました。今週はサンシャインコーストにいて、週末はブリスベン、そして来週からは東京、1ヶ月後オーストラリアに戻ってからは、車で南下して12月末にはタスマニアに行く予定です。サンシャインコーストにまた戻ってくるのは、半年後の予定ですが、もしかしたらそのまま旅をずーっと続けるかもしれません。そして、旅をしながら、様々な街で学校関係者や留学生に会って色々な話をしていきたいと思います。
帰る家がないと言うのはある意味、快感で、どこにも誰にも縛られない感覚は親元を離れて一人で暮らし出した感覚に通じるところがあります。

人は家を持つ事で安心を獲得します。多くの人は家を持つことが人生の大きな目標であり、そのために苦労をしながら働き続けます。しかし、僕は安全を獲得すると堕落したり傲慢になりそうで怖いのです。

家を持たず、旅を続けることは(基本的には滞在はAirbnbだし)いつも誰かのお世話になって生きていくことです。そんな経験は、今まで誰にも頼らず成功していくんだといきがってきた55歳の経営者にとって、きっと新しい視点を見つけてくれると思います。

旅の途中で、お茶かビールかテニスにつきあってくれる人はぜひ、メッセージをくださいね。

洞窟に差し込む光のパフォーマンス

この前の週末に、サンシャインコーストからロックハンプトンという街に行くために、片道600キロほどのドライブをしてきました。もちろん行きと帰りはほぼ1日のドライブで、2泊3日の旅です。



なぜ、こんなところに旅をしたのかというと、この辺りの緯度は南緯23.5度。つまり南回帰線のエリアで、オーストラリアの夏至に近いこの時期には、正午にはほぼ頭上に太陽がやってくるのです。そして、この近くにある capricorn cave という鍾乳洞では、ちょうど天井にほぼ垂直に穴が空いている部分があり、1年でもこの時期にだけ太陽の光が正午近くに差し込むのです。

こんなマニアック、かつ天気にも左右されるイベントですが、11時のツアーには家族連れなどで賑わっていました。ヨーロッパからの旅行者も何組かいて、好きな人はわざわざやってくるんだと、少し感動しました。
ツアーのガイドはJayさんという先祖が北欧からの移民のひげの若者。日本だったら、こんな場所だと先生を引退されたおじいちゃんがガイドをしている印象ですが、ここでは元気で知識を話したくてしようがないバイタリティー溢れる若者が担当してました。この鍾乳洞のでき方とか発見された歴史とか、最初はコウモリの糞が何メートルも堆積していたとか(コウモリの糞は当時肥料として売れるものだったそうです)興味深い話が続きました。この若者は、この仕事を本当に楽しんでいるんだろうなということがよく分かるオーラが出ていました。自分が好きな仕事で食べていく、そんなシンプルなパワーを感じることができたツアーでした。
そして、メインイベントである鍾乳洞の天井に穴が空いているところでのパフォーマンス。本当に太陽の光が神秘的に差し込んでいて、そこに色やミラーボールを当てることで、不思議な空間を楽しみました。1年のこの時期にしか見れない、貴重な体験、旅好きな人はいつか訪ねてみてください。