アデレードの海

日本に住んでいる人たちにとって、アデレードという街がどんなところか、あまりイメージは出来ないでしょうし、ビーチがあるのかもよく分からないかと思います。もしかしたらオーストラリア人の中でも良くわかっていない人がたくさんいると思われるくらい、アデレードって州都の中でも地味な存在なのです。しかし、市内から30分〜40分ドライブをすると、写真にもあるようなこんな綺麗で穏やかな海を楽しむことができます。


地図を見るとアデレードは大きな湾の中にあることが分かります。そのおかげで、サーフィンが出来るような高い波はやって来ません。ですからサーフィンを目的としたワーホリの人には残念ですが、暑い夏に海辺でピチャピチャするくらいで満足できる人には最高の環境です。海の向こうは南極なので、水温も少し低めで気持ち良いです。

オーストラリアで暮らすことのメリットのひとつは、ちょっと海を見に行ける環境の街が多いということです。大都市のほとんどは海に面しています。スマホを見ることもなく、未来のことを夢見たり、何も考えずに海を眺めてリフレッシュするのは、オーストラリアに留学したときにはやってほしいことの一つです。そして、アデレードに来て驚いたのは、海に沈む夕陽も見ることができるのです。夕陽は西海岸=パースということで、パースを訪れたら夕方は時々ビーチに行っていたのですが、アデレードでも夕陽を眺めることが出来ると分かって、ますますアデレードの生活が楽しくなりました。

アンケートに気をつけろ

今日の話は、道端で「アンケートいいですか?」と声をかけてくるおばさん達に気をつけろという話ではありません。(でも、あのビジネスモデル?は僕が学生の時からあるので、40年間は普遍だということですね。それはそれですごいというか、日本って何も変わっていないのが怖いですね。)

何かを発表するためにアンケートを取っているという事に気をつけろという話です。政治家の保身のためのアンケート調査は、信じられないのは当たり前ですが、世の中、似たようなことは至る所で見つけることができます。

「お客様の満足度98%!(当社アンケート調べ)」みたいなのは、嘘つけ!と突っ込みたくなりますが、「お客様の満足度70%(当社アンケート)」という正直な会社があったら、きっと98%の会社を選んでしまうのが人間の心理の悲しいところです。ですから、発表されているアンケート結果を意思決定のための情報としては使わないと決めた方が正しい決断につながります。

アンケートは自分たちのサービスや商品の質を改善するためにお客様の意見を聞く目的で開発されたものなのに、それがいつの頃からか自己満足を通り越して、マーケティングのための情報になってしまっています。年寄り向けの通販サイトやテレビでは、そんな情報ばかりで、爺さん婆さんは簡単に騙されてしまいますが、留学を目指す若者達には、そんな手法が役に立たない判断力を持って欲しいと思います。

幸せな風景

先日、久しぶりに週末の一泊旅行に、アデレードから車で1時間のVictor Harborという街に行ってきました。3年前、コロナの時にオーストラリア一周をしていた時にも一泊した街で、僕はあまり覚えていなかったのですが、着いてみて、記憶が蘇りました。アデレードの家族が夏に一泊旅行に出かけるのに、最も人気のある場所のひとつだと思います。きっと留学生たちの多くも、訪れたことがあるでしょう。



南に開けた海なので、ずーっと先は南極があり、水は少し冷たく、でもとても澄んでいて、海の青さがとても印象的でした。ちょうど、その週末は広場で音楽のイベントが開催されていました。でも有名なミュージシャンが来るとかではなく、地元のミュージシャンが一人40分くらい演奏をするというもので、みんな芝生でリラックスして、ホットドックを食べたりして、ゆるーい時間を過ごしていました。

僕たちも車からピクニットシートを出して半分昼寝しながら聴いていました。一人目はジョン・メレンキャンプのカバーをしていた、きっと僕よりも年上なおじいちゃん。でも気合いは80年代のまま、ロックを気持ちよく歌ってました。次はテイラースイフトなどのアコースティックな曲たちをカバーしていた、今どきの女の子。似たような服を着た友だちが応援に来ていました。最後は、またおじちゃんたちが登場して、ブルーグラス音楽を披露しました。まるで、ここはディズニーランド?みたいな雰囲気でした。つまり、3組のミュージシャンたちは全く違うジャンルの音楽を奏でていったのですが、お客さんたちは気にしないで地元の有名人?たちを応援していました。NHKのど自慢を思い出して、なんかほんわかしました。

個人の幸せはいろいろなタイプやパターンがあると思いますが、コミュニティの幸せってこんな感じだよなあと、素敵な風景を眺めていました。

オーストラリアのテニスの穴場

毎年1月はオーストラリアのテレビではテニス中継が続きます。お正月からブリスベン国際大会、パースやシドニーで行われる国別対抗戦、今週はアデレードやホバートで小さな大会が開催されて、来週からはいよいよメルボルンでグランドスラムのひとつであるオーストラリアンオープンです。クリスマスが終わると、世界中の選手たちが、夏のオーストラリアの気候に慣れるためにやって来て、前哨戦の大会に出場して調整をするのです。

僕が住んでいるアデレードでも今週は大会が開催されているのですが、その試合会場が入会しているテニスクラブなので、先週末くらいから、プロの選手たちの練習をすぐ横で見たり、センターコート以外の試合は無料で観戦したりしています。アデレードに引っ越して、一番の特典だった気がします。トップ選手たちがどんな練習をしているか、ウォーミングアップにどのくらい時間をかけているか、ボールのスピードや軌道ってどうなのか、テレビではなかなか分からない気づきがたくさんありました。

アデレードって、シニアの大会はほとんど開催されないので、テニスの機会は少ないのかと思っていましたが、実はクラブの対抗戦は充実しているし、予約できるテニスコートも充実しているので、テニスが好きな人には最高の街のひとつです。テニス好きの留学生は、アデレードに来ると充実したテニスの時間とネットワークが出来るかもしれませんよ。

オーストラリア留学は30歳までに

先月、オーストラリア政府から、来年以降の移民政策に関する方針が発表されました。コロナ以降に急増したワーホリや留学生たちに対するルールも大きく変更されます。

方針を簡単に言えば「若くて優秀な人たちは、ぜひオーストラリアに来てください。チャンスも増やしますよ。でも、ただ滞在して働くために学生ビザを申請したい人には来てほしくありません。」ということです。これは、あるべき姿というか国としては正しい方向なんだと思います。出稼ぎワーホリに来て、居心地が良かったり、稼げる環境なので母国に帰りたくない人たちが、ビザ取り学校と呼ばれる学生ビザを取得するためだけのゆるい学校に通う人が多いということは、国にとってもその人たちにとっても好ましいことではないのです。しかし、いきなりルールが変わることは、多くの人々たちの人生を狂わすことになるので、今年はオーストラリアの留学市場は少し混乱すると思います。

私たちの会社は、ビザ取り学校とは契約がないので、その市場では特に業績に影響はありませんが、今回の政府の発表で気になることと言えば、大学や大学院を卒業した時に申請できる卒業生ビザの年齢制限が35歳となったことです。今までは40代でも申請できたのが35歳までということになると、40歳の人が留学を機にキャリアチェンジをして、オーストラリアで就労・永住などを考えることがとても難しくなります。ということは、社会人になってからの留学は30歳くらいまでには考えなくてはいけないのです。人生100年時代だし、いくつになっても人生は変えることができるとは思いますが、オーストラリアでのキャリアを考えるなら、早く動かなくてはいけません。30歳までは遊んで、経験積んで、みたいなことを考えているとチャンスを逃してしまう可能性もあるので、20代の人は気をつけてくださいね。

お正月からコアラ

明けましておめでとうございます。

元旦の午後、アデレードではほぼ全てのお店はお休みなので、散歩くらいしかすることがありません。いつもの家の近くのアデレード大学のワイン醸造学のキャンパスにある樹木園みたいなところを、歩くことにしました。普段とは違う道を歩いて、ふと見上げるとなんとコアラがすぐそこでたたずんでいました。このコアラは親で、木の上の方では子どもらしい小さなコアラが一生懸命ユーカリの葉を食べていました。きっとこのお母さんは、子どもを守るために見張りをしているんでしょうけど、ちょっと頼りない感じです。途中で居眠りしちゃったりしていましたが、頑張って、こちらを警戒していました。

僕の家は、市内中心から車で10分くらいですが、そんなところでもこんな自然が残っているのがアデレードの魅力のひとつだと思います。今年は、彼らに会うために散歩の回数が増えそうです。それとも、ここでパソコンを広げて仕事をするのも楽しいかもしれません。今年はお正月から縁起が良さそうな予感がします。

今年もよろしくお願いします。

さよならSNS

2023年が終わりを迎えようとしていますが、今年は自分の人生の残り時間をどう使っていくかについて考えることが多かった一年でした。会社の業績は、おかげさまで多くの若者たちからの信頼を得ることができ、安定した経営ができました。来年も、オーストラリアで学びたい若者たちのよきアドバイザーとしての仕事を責任を持って続けていければと思います。

プライベートでは、サンシャインコーストからアデレードに引っ越しをして、新しい街での生活を楽しんでいます。来年はこのブログでももっと紹介をしていきたいと思いますが、日本人にはなかなか知られていないこの街の魅力を探っていきたいと思います。

そして、時間の使い方を考える中で、来年、つまりは明日からはfacebookなどのSNSを使うことを止めることにしました。最近はブログをアップしたことを告知するためにしか使っていなかったので、facebookでの反応などはもう気にしないで、粛々とこのブログを更新していければと思います。

facebookやインスタグラムのアプリはスマホなどから削除する予定ですが、メッセンジャーでしかコミュニケーションをとっていない方もいるので、そのような方たちとはこれからもメッセンジャーで連絡ができればと思います。明日からはさらにシンプルに、でもやるべきこと、やりたいことは必ずやって、日々を充実させていきたいと思います。ぜひ、僕の人生がどんな感じなのかをチェックしに、このブログを時々覗いてもらえればありがたいです。さよならソーシャルネットワーク。

世の中の情報というもの

先日、日本のテレビ番組制作会社から、留学生たちの間で、アデレードが留学先として人気急上昇でロケを行ったので、どのくらい留学生の数が増えたか教えて欲しいというメールがありました。きっとうちの会社は、アデレードにオフィスを持っている珍しい会社だから連絡をしてきたのだと思いますが、答えには困ってしまいました。

なぜなら、アデレードは、コロナの期間にそれまでとても人気で質の高い語学学校が2校閉鎖してしまったので、その影響でコロナ前と比べても留学生の数は増えておらず、また英語が出来ないと簡単にはアルバイトは見つからないので、普通の留学生たちにはハードルが高い街だからです。アデレードで成功するのは、英語力がかなり上達しないと難しいのです。テレビ番組制作の方に忖度して、「人気急上昇です!アデレードは今がチャンス!」みたいなコメントを返すのも、うちの会社らしくないので、正直な状況をお知らせしました。当然?ながら、返事は来ていません。作った番組はどうなったんでしょうね。その番組を見て、アデレードにワーホリとかでやって来て、話が違うとか言われても僕たちは困っちゃうんですけどね。

ということで、世の中の情報なんて、誰かが意図的に作ったものです。フェイクニュースでなくても、誰かの思惑というものが必ず入ってきます。もちろん、この僕の文章だって、「アデレードに留学に行けば楽勝!」みたいなことを考える若者はアデレードには来ないでねという思惑が入っています。そうなってくると、いったい何を信じればいいの?みたいなことになるわけです。僕は、それが大人になっていくために学ばなくてはならない、とても大切なスキルの一つだと思っています。つまり、胡散臭い話とか胡散臭い人を見極めるスキルです。これは、自分で考えて自分で意思決定して、時々間違えていかなくては育たないスキルです。大学進学とか就活とか20代になるまで、親とか友人とかに意思決定を委ねていると、40歳とか50歳の時にミスを犯してしまうので、若いうちに経験を積んでおいた方が良いですよ。

アデレードの春の生活

アデレードに住み出して、半年が過ぎました。冬は雨が多くて寒かったけど、春になって雨の日が減り、少しずつ天気が安定して暖かい日も増えてきました。春のアデレードでは、さまざまな花たちが咲き誇ります。家の近くのアデレード大学のワイン醸造学のキャンパスには、バラ園があって、そこにランチを持って行って食べるのが最近の僕たちのお気に入りです。そこに行くと五感で春を楽しむことができます。陽射しの暖かさ、そこだけ空気が違うと思えるくらいのバラたちの甘い香り、風が吹いている感触、鳥たちの声、さまざまな色のバラたち、おにぎりとお茶で十分なくらいの贅沢な時間です。



そして、10月からは夏時間になり、日の入りが遅くなってきたので、早寝早起きの僕も少し夜のイベントにも参加するようになってきました。今月はタウンホールで行われたたくさんのキャンドルの中でオーケストラが演奏するコンサート、アデレードフィルムフェスティバルでまだ日本では公開されていない役所広司主演の「Perfect Days」という監督はヴィム・ベンダースの日本映画?を観てきました。サンシャインコーストに住んでいた時は、夜に出かけることはほとんどありませんでしたが、アデレードでは少し都会の生活も楽しんでいます。


アデレードという街は日本の若者たちにはほとんど知られていないし、日本からの直行便も無いのでやって来るのは大変だし、日本の留学エージェントも僕たちしかいないのですが、留学にやってきた若者たちはほぼ全員、アデレードが大好きになって帰っていきます。自然の美しさと文化的な都会の生活がうまくミックスされた環境だと思うので、友人たちに「どこ?それ?」とか言われても気にしない人は、留学する街として、検討してみてくださいね。

久々のシドニー

テニスの試合も含めて(どちらがこの旅のメインの目的なのかは微妙なところですが)久しぶりにシドニーに1週間ほど滞在して、大学やTAFEを訪問したり、学生さんたちにも会ってきました。かつては、オーストラリアで留学=シドニーに行くというのが一般的だったのですが、都会すぎて東京と変わらないとか、街が雑然としていてオシャレじゃない、とかの理由で、メルボルンやブリスベンに人気を奪われてきたのが、この数年のトレンドでした。


でも、コロナの期間に街中は整備され、大学も新しいビルなどの建設を行なったので、集中して勉強するのには、とてもいい環境になっていました。シドニーという街の面白さが復活している感じです。相変わらず、市内での家探しは苦労がともなうようですが、これからは滞在するためだけの目的で学生ビザが取れるような学校に対する規制も厳しくなっていくので、世界から、ただ働く目的でやってくる若者たちの数は減少し、来年以降は大学生たちの家探しも少し楽になりそうです。


特にビジネスや、IT、あるいは最先端の技術などの、将来的に経済を動かす世界の勉強をしたいのあれば、オーストラリアの産業の中心であるシドニーで学び、ネットワークを広げていくことは、キャリア構築には良い戦略なんだと思います。シドニー大学やシドニー工科大学の図書館などで、一生懸命勉強している学生たちを見ながら、この環境にもっと多くの日本からの若者たちに来てもらうためにも、もっと発信をしていかなくてはと気合いが入ったのでした。