先住民的経営

オーストラリアに暮らしていると、先住民の人々について考える機会が必ず出てきます。彼らは狩猟と採集によって食べ物を調達して、農耕という手段を持たなかった人々で、それゆえ文化レベルが低いと考えられていました。

でも、実際の生活は、食料調達に費やす時間は1日のうちの数時間で、あとはのんびり暮らしていたようです。(カンガルーなんか獲れちゃった時は3日くらいはのんびりできたでしょうね。)基本的には移動する生活だから、土地に縛られることもないし、そこに住まなくてはいけないということが無ければ、人を支配するという概念も生まれません。きっと縄張り争いみたいなことはあったでしょうが、その当時の人口を考えれば、場所さえ移動すれば自然はそれなりに恵みを与えてくれたのでしょう。

農耕文化によって、人々は安定した暮らしを出来るようになったと教わった気がしますが、実際のところは、どうだったのでしょう。労働力のために子どもが多く生まれ人口が増え、その家族を養うために、さらに働かなくてはならなくなって、人々はその土地に固定され、支配者に年貢を納め、天候不順や自然災害が起きたら他に食べ物を調達する方法がないから飢饉になるみたいなことが、それ以降の歴史なんだと思います。そして、どうやって従順に人を働かせるかが、支配者たちの大きなテーマになっていったわけです。

そんなことを考えると、僕たちの会社は、先住民時代の生活みたいな経営です。管理とかルールとかは最低限にして、スタッフ一人一人がかなり自由に動いています。今は、オーストラリア留学って、オーストラリア政府が留学生の数を制限するなど、逆風が吹いている感じなのですが、そんな状況でも、これからの若者たちにとって意義のある留学とは何かというアイデアをスタッフ一人一人が考え続けているので、特に利益が減ることもなく、楽しく時代の流れに乗って歩いている感じです。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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