2025年が起点になる若者たち

新しい年が始まりました。今年も、多くの若者たちが飛躍の年にしようとオーストラリアに留学にやってきます。

僕は、毎日、うちの会社に届く留学の問い合わせをひとつひとつ読んでいますが、コロナ直後は「オーストラリアでの生活を経験してみたい」とか「オーストラリアの学校で学ぶことを経験してみたい」など、「外国での生活を経験すること」が人生のやりたいことのリストに入っていて、それを実現するための留学・ワーホリであった感じでしたが、最近は、学ぶことがもっと具体的な高校生や大学生たちからの問い合わせが増えています。

留学を起点に、興味のある分野の研究をしてみたい、世界を舞台に働いてみたい、カフェをオープンするための学びがしたい、世界から日本に訪れるお客様をもてなしたい、など、それぞれの方向性に向かって、歩き出してください。歩き始めれば、必ず今までの延長線にはない、違う風景が見えてきます。その人にしか見ることが出来ない風景の中を歩いていくことが、その人らしい人生なんだと思います。経験だけを求めると、みんなオペラハウスの前で写真を撮ることになってしまうのです。

私たちの会社は、毎年1,000人以上(平均1,200人くらい)の留学のお手伝いをしているので、1,000人分の起点作りに関わっているのだという責任を感じながら、今年も楽しく仕事をしていきたいと思います。

先住民的経営

オーストラリアに暮らしていると、先住民の人々について考える機会が必ず出てきます。彼らは狩猟と採集によって食べ物を調達して、農耕という手段を持たなかった人々で、それゆえ文化レベルが低いと考えられていました。

でも、実際の生活は、食料調達に費やす時間は1日のうちの数時間で、あとはのんびり暮らしていたようです。(カンガルーなんか獲れちゃった時は3日くらいはのんびりできたでしょうね。)基本的には移動する生活だから、土地に縛られることもないし、そこに住まなくてはいけないということが無ければ、人を支配するという概念も生まれません。きっと縄張り争いみたいなことはあったでしょうが、その当時の人口を考えれば、場所さえ移動すれば自然はそれなりに恵みを与えてくれたのでしょう。

農耕文化によって、人々は安定した暮らしを出来るようになったと教わった気がしますが、実際のところは、どうだったのでしょう。労働力のために子どもが多く生まれ人口が増え、その家族を養うために、さらに働かなくてはならなくなって、人々はその土地に固定され、支配者に年貢を納め、天候不順や自然災害が起きたら他に食べ物を調達する方法がないから飢饉になるみたいなことが、それ以降の歴史なんだと思います。そして、どうやって従順に人を働かせるかが、支配者たちの大きなテーマになっていったわけです。

そんなことを考えると、僕たちの会社は、先住民時代の生活みたいな経営です。管理とかルールとかは最低限にして、スタッフ一人一人がかなり自由に動いています。今は、オーストラリア留学って、オーストラリア政府が留学生の数を制限するなど、逆風が吹いている感じなのですが、そんな状況でも、これからの若者たちにとって意義のある留学とは何かというアイデアをスタッフ一人一人が考え続けているので、特に利益が減ることもなく、楽しく時代の流れに乗って歩いている感じです。

今年度もありがとうございました

6月30日はオーストラリアの会計年度の最終日で、毎年、このタイトルでブログを書いています。

おかげさまで、今年度も、多くの素敵な若者たちと出会い、そしてビジネスも順調な業績を残すことが出来ました。私たちを信頼して、大学や学校の手続きを依頼していただいた方々に、本当に感謝です。皆さんの留学が成功して次のステージに向かえるように、しっかりとサポートをしていきたいと思います。

円安は今後も続きそうですが、そうなってくると日本人にとって留学はもう気軽に行けるものではなくなります。しかし、国内の経済は必ず縮小していくので、国内ではなく、海外を舞台に活躍したいと思う若者たちも増えています。そんな時代だからこそ、留学のプランについて、真剣に考えてくれる会社が必要なんだと思います。そして、そんな時代だからこそ、留学生たちは、海外というタフな世界でしっかりと学んで次のステージに行くのだという強い志を持つことが大切になってきます。周りの友達が留学に行ってるからとか、就職に有利そうだから、みたいな安易な理由ではなく、世界中から集まる同世代の若者たちと様々な問題について語り合うために、ぜひ留学しに来てください。

私たちの会社が大学や大学院留学のお手伝いをしている人数は約300人。来年度もきっと同じくらいの若者たちのサポートが出来ると考えています。私も一人でも多く、素敵な留学生たちとお茶を飲んだりランチを食べたりして、語り合いたいと思っています。明日からの来年度もよろしくお願いいたします。

久々のシドニー

テニスの試合も含めて(どちらがこの旅のメインの目的なのかは微妙なところですが)久しぶりにシドニーに1週間ほど滞在して、大学やTAFEを訪問したり、学生さんたちにも会ってきました。かつては、オーストラリアで留学=シドニーに行くというのが一般的だったのですが、都会すぎて東京と変わらないとか、街が雑然としていてオシャレじゃない、とかの理由で、メルボルンやブリスベンに人気を奪われてきたのが、この数年のトレンドでした。


でも、コロナの期間に街中は整備され、大学も新しいビルなどの建設を行なったので、集中して勉強するのには、とてもいい環境になっていました。シドニーという街の面白さが復活している感じです。相変わらず、市内での家探しは苦労がともなうようですが、これからは滞在するためだけの目的で学生ビザが取れるような学校に対する規制も厳しくなっていくので、世界から、ただ働く目的でやってくる若者たちの数は減少し、来年以降は大学生たちの家探しも少し楽になりそうです。


特にビジネスや、IT、あるいは最先端の技術などの、将来的に経済を動かす世界の勉強をしたいのあれば、オーストラリアの産業の中心であるシドニーで学び、ネットワークを広げていくことは、キャリア構築には良い戦略なんだと思います。シドニー大学やシドニー工科大学の図書館などで、一生懸命勉強している学生たちを見ながら、この環境にもっと多くの日本からの若者たちに来てもらうためにも、もっと発信をしていかなくてはと気合いが入ったのでした。

シドニー大学と契約をしました

留学エージェントという言葉は誤解されていることが多いのですが、留学エージェントのメインの仕事は、留学生が学校を探すためのお手伝いではなく、大学や学校のために、最適な留学生たちを探してきて手続きを円滑に進めるためのお手伝いをすることです。ですから、私たちは、お客様(留学生)に費用を請求することはなく、大学や語学学校からコミッションとしてお金をいただいています。

そうなると、大学としては、どの会社とエージェント契約するかはマーケティング戦略的にも、大学の教育の質を維持するためにも(優秀な学生を獲得するために)重要な意思決定になります。日本市場は、オーストラリアの大学にとっては、そんなに多くの留学生を期待している市場ではないので、どの大学も3社くらいの日本エージェントと契約を結んでいます。インターネットの世界では、正式なエージェントではない会社も大学情報を掲載していたりするので、気をつけてください。(僕には、なぜそのような会社が多いのかはよく分かりません。)

私たちは、この7月から、オーストラリアのトップ大学のひとつである、シドニー大学と契約を結ぶことになりました。1850年に設立されたオーストラリアでは一番古い大学で、多くの著名な卒業生たちを輩出しています。この大学に、日本人の優秀な高校生や大学生たちが学ぶためのお手伝いができることは、私たちにとって、とても光栄な機会です。

これで、私たちは、オーストラリアの29大学と契約を結ぶことになります。これは、日本の留学エージェントでは、大学との契約数では最多となります。それだけ私たちを信頼をしていただいている大学が多いということに感謝して、これからも謙虚に、世界で学ぶことを考えた日本の若者たちに、人生を変える機会を提供するお手伝いをしていきたいと思います。

今年度もありがとうございました

オーストラリアの会計年度は6月末で終了するので、毎年この時期にはこんなタイトルでブログを書いています。おかげさまで、今年度も安定した業績を残すことができました。私たちの会社を信頼して利用していただいた留学生の皆さん、本当にありがとうございました。また、同じように私たちを信頼して、契約をしていただいている学校の方々にも本当に感謝しています。昨年は、オーストラリア国立大学など、トップ大学からも声をかけていただけるようになり、オーストラリアの大学進学市場では重要なプレーヤーになれたと思います。

しかし、このビジネスの最も重要な指標は、お手伝いをした留学生の皆さんが目標を達成して、人生の新たなステージに立てたかどうかなのだと思います。その方たちが、僕たちの会社のファンになって、留学後も相談をしてくれたり、逆に友人の紹介などのサポートしてもらえるような、そんな関係を続けていければありがたいです。

明日から始まる新年度も、僕自身の目標として、出来るだけ多くのお客様や学校の方と会い、お茶を飲み、ご飯を食べ、深い話をしていきたいと思います。どんどん声をかけていきますので、つきあってくださいね。明日からもよろしくお願いいたします。

ダメもとな人々

人生は意思決定の連続ですが、大人になっていけば簡単な意思決定の場面というのは、ほとんどなく、トレードオフについて、慎重に考えていかなくてはいけません。トレードオフってこちらを立てればあちらが立たずみたいなことで、2つの選択肢の矛盾を解決するのではなく、妥協点を探るということが必要になってきます。


留学の話で言えば、「質の良い語学学校で日本人が少ないところを探しています。」というのは、トレードオフをあまり理解していない人の典型的な問い合わせです。日本人(あなた)は質の良い学校で勉強したいと考えているのに、日本人がいない学校を探すというのは、最初から無理な注文なのです。こういう場合は、学校の質と日本人の数について、学校を決める際にどちらがより重要なのかを考えてもらいます。

似たような話だと「大学時代は成績が悪かったのですが、こんな私でも申請できる奨学金がある大学院を探しています。」という問い合わせも時々やってきます。奨学金とは、その大学が授業料を負担しても入学してほしい学生に対して提供するものなので、成績が悪い人が申請してもそれが承認されることはないのです。

このような問い合わせをしてくる人って、トレードオフを理解していないというよりは、ダメ元でも良いので、とりあえず聞いておこうというタイプの人が多いし、10年前に比べて明らかにそのような人が増えていると思います。そういう人たちって、戦略性があるようで無いわけだし、とりあえず聞くだけなので分析力が養われていくこともなく、頭は良くなっていきません。

でも、これからAIの時代になると、このダメ元でなんでもとりあえず聞いてみる人たちって、さらに増えていくんでしょうね。AIが、「君、頭悪くなるから、もう少し自分で考えてから、質問した方がいいよ。」とかって答えてくれることは無いんでしょうね、きっと。

社会を良くしていく方法

明けましておめでとうございます。

この年末年始は、Optusの電話は繋がらず、Telstraのモバイルwifiがかすかに繋がる山の中の小屋で1週間ほど過ごしています。山の中を歩いたり、雨が降れば本を読む生活です。それでも、時々は日本のニュースをネットで見たりして、どんなことを若者たちにアドバイスしていったらいいのかを考えています。


日本の社会を良くするために、考えてほしいことの一つは、自分がやれると思ったら、自分の会社を持つことの可能性を考えるいうことです。SDGsとか働き方改革とか、議論すべき課題は山ほどあるのでしょうが、それって会社という単位で考えると、社長が決めれば良いだけの話です。ということは、ちゃんとした社長が増えれば増えるほど、世の中は働きやすく、住みやすくなるはずなのです。

しかし、残念なことに、優秀な人ほど大きく安定した?働き場所に就職して、その閉じた世界で出世競争というそれなりに楽しめる無意味なゲームに時間を使ってしまうというのが高度成長期くらいからの日本社会の姿なんだと思います。

僕の会社には現在18人の社員がいます。僕の実力やこの留学業界という市場だと、このくらいのサイズが適正だと思います。同じメンバーで10年以上も一緒に仕事をしているので、できるだけ長くみんなが幸せに働けることを目標にしています。

世の中には僕よりも優秀で可能性を持つ人がいくらでもいるので、そんな人たちが30歳からでも40歳からでも良い会社を作って、あるいは後継者を探している会社を引き継いで、そのビジネスに適正な数の社員を5人でも10人でも100人でも雇って、楽しく経営をしていってほしいと思います。もちろん苦労も失敗もたくさんするでしょうけど、その苦労がきっと将来の成長に役に立つのです。

ですから、そんな人生の可能性もあるのだということを考えながら、20代30代を大切にして、目の前の仕事を頑張ったり、さまざまな勉強をしたりして、準備をしてみてください。その準備の一つとして、留学して海外を経験する若者たちと話をするのは、僕にとっても楽しい時間になるでしょう。今年も、そんな時間を多く作りたいと思います。

オーストラリアは仕事納め

オーストラリアの会社のほとんどが、今日が仕事納めで、クリスマスと新年のお休みに入ります。そして、この時期のメッセージとなると、「おかげさまで、今年も順調な業績を残すことができ、ありがとうございました。」みたいなことになるかと思います。


今年はコロナ禍で2年間も閉じていた国境も開き、多くの留学生たちがオーストラリアに戻ってきたので、留学エージェントで業績が悪い会社なんて無いと思います。みなさん、しっかりとした業績を残されているのだと思います。ですから、業績のことなどはどうでも良くて、それよりも、僕としては、より多くの留学生たちに会う機会を作れば良かったと反省しています。


今は、タスマニアの山の中にいるので、お客様に会うことはほぼ不可能なのですが、来年はオフィスのある街に少し長めに滞在して、コロナ以前のように留学生向けのセミナーを開催したり、ランチやお茶をしながらの座談会なども開催して、多くのお客様とお話をしていきたいと思います。お客様たちが感動するような答えは持ち合わせていないことも多いのですが、少しだけ違った視点で、こんなふうに考えることもできるよね、みたいな話をすることは出来ると思います。そして、それ以上に、僕が若者たちから学ぶことが多く、時代というものを感じるために、とても有意義な時間です。

僕たちの会社は毎年1200人から1500人くらいの留学生のお手伝いをしているのですが、平日に毎日お客様と会ったとしてもたった200人しかお話をすることが出来ません。お客様のためではなく、僕のためにもっと努力して時間を作りたいと思います。来年は、どこかでお会いできることを楽しみにしています。

今年度もありがとうございました

今日で、オーストラリアの会計年度が終わります。さすがにオーストラリアの会社を経営して15年くらいになるので、6月30日を無事に越せることは、僕にとって大切な目標になっています。今年度は2021年12月に一部、2022年2月から全面的に国境が開き、大学生たちがオーストラリアに戻ってきて、4月からは多くの語学学校も再開するなど、コロナで縮こまっていた留学市場がこの数ヶ月で一気に元に戻っていった印象です。


2月初めの段階では、200人くらいの大学生のお客様たちがオーストラリアの国境再開を日本で待っていて、会社の赤字額も結構な金額だったのにもかかわらず、大学生たちがトラブルなく戻り、売上も急回復して、なんと今年度、十分な利益を計上することができそうです。オーストラリアの留学会社で、今年度に利益を計上できる会社は、すごく少ないと思います。2月からの4ヶ月は本当に目まぐるしく忙しい中、ミスをせず、きめ細かく働いてもらったスタッフには本当に感謝をしています。

明日からは新年度が始まりますが、これからも拡大や成長を目指すのではなく、ご縁のあった若者たち一人一人の幸せとか成功とかを一生懸命考えて、時には留学ではない選択肢を提案するなど、留学会社の枠を越えた話をしていきたいと思います。考えてみると、オーストラリアという国で、苦労しながらも自立し、様々な経験をしてきた20人の日本人の大人の集団というのは、他にはそんなに無いと思います。来年もいい仕事をして、一人でも僕たちの会社が好きな若者たちが増えていけばいいなと思っています。