最低時給が今年も上がるオーストラリア

オーストラリアは7月からがビジネスの新年度(日本の4月みたいなものですね)で、全ての企業がこの会計年度で動いています。そして、この時期になると来年度の最低時給が発表されます。

この7月からの最低時給は、19.49豪ドルです。日本円に換算するのはナンセンスな話ですが、1豪ドルが80円としたら1500円くらいです。日本では最低時給を1000円にするのを産業界が文句を言ってるそうですが、こちらは、産業界よりも庶民の方が大切なので、経営者たちは本当に大変だと思います。

しかし、だからこそ、生産性向上とか、効果的なことに焦点を定める経営戦略の手腕が問われてくるのだと思います。僕たちの会社では、各支店のアシスタントの方は最低時給からのスタートですが、だからこそ、記事の作成やブログの執筆など付加価値を高めてもらえる仕事をお願いしています。

なぜかと言うと、僕たちと縁があり、僕たちと働く若者たちには、何か学んでほしい。何も考えなくてもお金を稼げる世界より、仕事の質を高めていくことに楽しさを見出して欲しいと思うからです。

オーストラリアは、最低時給が高いので、世界中からワーホリなどで若者たちがやって来て単純な労働に従事しています。それでも、それなりの生活ができるので、多くの人たちがその生活を長く続けようとします。しかし、それって付加価値を生むための仕事ではないので、何年やっても仕事力と言うものは伸びていかないのです。(ゼロではないでしょうけど)

最低時給は安いのは、大問題だと思いますが、最低時給が高いのも、考えなくなる人を増やしてしまう可能性があると言うことで、日本からの留学生の成長にとっては簡単に喜べない問題なんだと思っています。

僕たちの究極のゴール

先日は、ブリスベンの大学に通っている学生を集めて、キャリアについてのセミナーを行いました。ほとんどの学生さんは初めて会う若者たちだったので、このような機会は僕にとって仕事の中で一番楽しい時間です。

今回、セミナーをして改めて感じたことは、みんな、しっかりと自分で考えることが出来るということと、18歳で海外に飛び出してきた勇気と強さがあるということ。質疑応答の時間に、いろいろな意見や鋭い質問が出てくると、いい刺激や学びになるので、セミナーでは大切な時間にしているのですが、今回は多くの若者たちが意見を披露してくれました。

現時点ではほとんどの学生たちは海外での就職を考えていて、キャリアという意味では、日本での就職よりもハードルが高いわけですが、今後も機会あるたびに話をして、少しでも彼らの成功(やりたい仕事で社会に貢献しながら生きていける)に役に立てていければと思います。

そして、そんな幸せな若者たちがどんどんと増えていき、日本社会の中で、オーストラリアに留学することが成功するための一つの道として認められることが、僕たちの会社の究極のゴールになるのだと思います。だからこそ、彼らが卒業して社会に出るまで、できれば社会に出てからも、サポートをしたり話ができる関係でいたいと思います。

テニス界だってAIで変わっていく

テニスの全豪オープンも佳境に入ってきましたが、テニスコートの中で一番辛い職業は線審/ラインズマンだと思います。(今だとラインアンパイアかな?)マッケンローに「真面目にやれよ!」と怒られた時代は終わりましたが、チャレンジされて自分のミスコールが世界中のテレビに映るのですから、あまり達成感のある仕事のようには思えません。皆さん、やりたいのかな?

ということは、そろそろ線審はロボットとかセンサーとかに取って代わられる時代なんだと思います。きっと、すでにある技術で十分にロボット線審を開発することは可能でしょう。怒った選手にラケットで叩かれても壊れないくらいの頑丈さだけ気をつけて、どんどん開発していけば、選手のストレスも随分と減ると思います。

そして、考えてみたら主審だってAIを導入したら、選手ごとの対応方法などを学習したロボットになるかもしれません。警告を与えるのも、セリーナ・ウイリアムズだって怖くないので、淡々と行われ、選手も感情的にならずに試合に集中できるので、質の高いテニスを観客も楽しめるようになると思います。

このように、世の中はどんどんAIやロボットの出番が増えていくし、その企画を考えることは、人間の役目だし、とても楽しい分野だと思います。AIのプロデューサーになることは、これから数十年食いっぱぐれのない仕事です。AI に仕事をとられることを怖がっているより、技術を使って、世の中を良くしたり楽しくすることを追求していく仕事を選んでください。

2018年、今年もお世話になりました

2018年の私たちの会社は、毎年続けてきた増収増益の成長がほぼ止まった1年となりました。とは言いつつ、20人の会社としては十分な利益が出ているので、ここからどのような方向に舵を取っていくかは、すごく悩むところです。

さらに成長をするために、拡大のための投資をしていくのか、あるいは現状維持を大きな目標として、基盤強化に励むのか?こんな時、株主が2人だとあまり議論する必要はありません。現時点での私たちの選択は、どちらかというと後者に近い、規模を維持しながら社員の幸福の最大化ができるかということにチャレンジしたいと考えています。

私たちは20人の会社と言っても、社員それぞれのライフステージがあり、結婚、出産、育児休暇、子育て、親の介護、などなど、一人一人が仕事とは別に何かを抱えています。また、女性社員の割合が8割近いので、男性以上にその何かが大切になってきます。

そんな状況の中で、さらに大きなストレッチをする成長を目標に掲げるのは、直感的に間違いな感じがするのです。それよりも、やるべきことをシンプルにして、やる気のある留学生たちをしっかりとサポートすることに集中することで、この仕事の楽しさを満喫し、安定した経営ができるのだと確信しています。立ち止まって、しっかりと考えることができた2018年なので、2019年の私たちの動きを楽しみにしていてください。

皆さまも、良い年をお迎えください。

大学の長期マーケティング

今週は、サンシャインコースト大学でSolar Nightという無料のイベントが開催されていたので、見学に行ってきました。このイベントは、サンシャインコースト大学内にソーラー発電を整備したことを地元のコミュニティーに告知するために行われているもので、近隣の家族連れが来場していました。
仕掛けは、かなりシンプルで、すでに設置されている柵や壁や樹木にLEDの電球や、ブラックライトで光っている動物の絵などで、子どもたちを楽しませていました。日本の街で見かけるクリスマスイルミネーションに比べられるレベルではありませんが、子どもたちは十分に楽しんでいました。子どもたちが楽しければ、親は満足なので、十分に目的を果たしている感じでした。

サンシャインコースト大学のような地方大学は、例えばブリスベンにあるクイーンズランド大学やクイーンズランド工科大学などの都市の有名大学に比べると、学生の募集は大きな問題です。しかし、この大学は順調に学生数や新しい施設への投資も伸びています。そして、留学生を受け入れることよりも、地元の若者たちにアプローチをかけているので、留学生の比率は10%程度と、オーストラリアの大学の中でもとても低い水準です。

それを可能にしているのは、このような地元に貢献するイベントなんだと思います。地元の家族と近づけるこのようなイベントや講演会をうまく実施して、長期的なマーケティングをやってきたおかげで、安定した大学運営ができているのだと思います。日本はこれから多くの大学が潰れていくと思いますが、地方の大学が生き残るために参考にしてもらいたい事例だと思いました。

留学手続き無料なのは、社員のため

私たちの会社は、留学手続きは大学も含めて全て無料、申し込みをいただいた方の現地支店でのサポートも全て無料です。もう、このスタイルを10年続けていますが、未だに「本当に無料なんですか?」という問い合わせを受けることがあります。これは、ある意味僕たちのマーケティングが不十分なことを表していて、もっと努力して、なぜうちの会社がそのようなポリシーを持っているのかとか、親子留学は扱わないとか、小中高校生の留学も対応しないなどの理由を説明していかなくてはいけないんだなと反省をしています。いつか、このブログかWEBサイトに書かなくてはと思っています。

でも、この「若者が留学をするときに、無駄なお金は使わせない」という僕たちのポリシーは、お客様にとって魅力的なだけではなく、それ以上に社員にとってモチベーションとなる大切な約束なのです。うちの会社の社員は、ほぼ誰も辞めません。僕がこの会社を引き継いだ時からいるメンバーが半分近くいます。それは、福利厚生がいいとか給与が高いとかという理由ではなく(おかげさまで、最近はやっと恥ずかしくない状況にはなっていますが)、みんな正義の味方だと思って仕事ができるからです。うちの会社で申し込むことで、留学生が幸せになれると、心から信じているからなのです。

僕は、ブラック企業かどうかというのは、給料が安いとか、残業が多いとか、福利厚生が悪いとか、人間的に尊敬できない上司が多いなどの、結果というか現象の問題ではなく、正しいビジネスなのかどうか?ということがもっと議論されるべきだと思っています。胡散臭いビジネスで、残業を減らしても、たぶん社員は幸せにはなりません。働き方改革ではなく、正しいビジネス化改革をしていくと、自然とブラック企業は淘汰されていくのだと思います。世の中、そんなに甘くないこともわかってるけど、少なくとも僕がいる留学業界はそうなっていけばいいと思っています。

機内誌って不思議な読み物

飛行機に乗ると、よほどのLCCでもない限り、各シートに機内誌が用意されています。考えてみると、世の中で一番安定して読まれている雑誌の一つかもしれません。

内容は、オーストラリアや世界各地の都市のイベント情報や、ホテルやレストランなどの旅の情報、それらに関わる人たちのインタビューなど、とても面白いので、なんとなく読んでしまいます。

しかし、いつも不思議に思うのは、この雑誌の広告主たち。たぶん、何十年もこれらの雑誌は、高級時計や宝石やファッションの高級ブランドの広告で成り立っている気がします。セレブなスターたちがその商品を身につけている写真を掲載するだけで、売れてしまうほど世の中甘くないとは思うのですが、もしかしたら、こんな広告でも憧れて高級品を買ってしまう人々はまだ世の中にいっぱいいるのかもしれません。

そんなシュールな広告だけかと思ったら、今月号にはなんとオーストラリアや世界の有名大学たちのビジネススクールの広告も並んでいました。出張で飛行機に乗ることにウキウキしている若いビジネスピープルに対して、狭いエコノミークラスなんかに乗ってないで、ビジネスクラスに乗りたかったらビジネススクールで勉強するのが一番みたいなメッセージなのでしょう

でも、きっとその有名大学のビジネススクールのマーケティングの教授が見たら、「絶対効果ないよなあ」と嘆いちゃうのではないでしょうか。

世の中には、このような破綻しているマーケティング戦略や広告をいくらでも探すことができます。きっと、会社の中に専門のマーケティング部門をつくった瞬間から破綻は始まるのだと思います。だいたい、お金を使うことを目的とした部門や人々が会社にいるなんて、考えると不思議な話です。

僕の会社のように、広告費もマーケティング費用も一切使わない会社になると、社員全員がマーケティングのことを考えてくれるようになると思うのですが、多くの会社にとってそれは勇気のいることなのでしょう。ですから、ネットを見ていて、留学会社のバナーや広告を見つけると(僕がこういう仕事をしているので、よく出てきます。)礼儀だと思って、クリックしてあげています。

社会貢献の考え方

会社の業績が安定するようになって、オーストラリア国家に税金をちゃんと収めるだけではなく、自分たちで何かコントロールできる社会貢献について考えるようになりました。今年度はまずは1万ドル!を使ってみようと思い、様々な選択肢を検討してみました。

例えば、誰かの留学費用を全額、あるいは一部を負担するような奨学金的なもの。経済格差が学習格差になってしまっている現在、ボランティアで学習支援をしている学生たちへの寄付。あるいは子ども食堂などへの寄付。いくつもの選択肢の中で、今年度実行したのは、できるだけ多くの方々に環境について考えていただくために、Keepcupという使い捨て紙コップを止めるためのマイカップの提供です。全部で500個ほど製作して、留学生たちに配っています。色は2種類、そして純粋に環境問題に貢献したいので、会社のロゴなどは一切入れず、その分の予算はより多くのカップを製作するために充てました。だいたい、企業のロゴが入ったノベルティーグッズを喜んで使う人はいないのに、いまだにどんなものにもロゴを入れようとするのは、賢い選択ではない気がします。

これから、多くの留学生たちが、ちょっと面倒でもこのKeepcupを持ち歩いて、友人とカフェに行った時にでも、環境や自然について語る時間が増えることを楽しみにして、このプロジェクトはできるだけ長く続けていきたいと考えています。

今年もありがとうございました

おかげさまで、2017年も素晴らしい1年となりました。オーストラリアの会社は6月末が年度末なので、ちょうど今は2018年6月期の半分が終わったことになります。今期も対前年で増収増益で推移していて、23名のスタッフで構成されている会社としては十分な利益を今年度も確保できそうです。

留学ビジネスというのは、素敵な若者たちと素敵な大学や語学学校などをつないでいく仕事です。それには、知識が豊富で経験のあるスタッフが必要です。幸運なことに、うちの会社のカウンセラー15名のうち、6名が10年以上、4名が5年以上、一緒に頑張って働いてくれています。打ち合わせに行くと、すべての学校に言われるのは、「オーストラリア留学センターはメンバーが全く変わらないので、仕事の質も高く、ミスもなく、本当に仕事がやりやすい。」ということです。おかげで、日々の業務で僕の意思決定が必要なケースはほとんど無く、僕自身は旅をしながら経営をし、2年後、5年後、10年後くらいのこのビジネスの将来を見据えながら、やるべきプロジェクトを一つずつ立ち上げて、それを終わらせていくだけなのです。

2018年は、僕がこの会社に入社して、ちょうど10年目にあたります。10年前、大赤字を垂れ流していた会社が、オーストラリア留学の市場でこれだけ存在感のある会社になるとは、僕も含めて誰も予想していなかったと思います。僕たちを信用していただいた若者たち、大学・学校関係者、そしてスタッフの皆さんにあらためて感謝するとともに、次の10年は規模を追うのではなく、さらに強く、さらにかっこよく、さらに信頼される会社になっていきたいと思います。

良いお年をお迎えください。

満足と自信の間

ミックジャガーが I can’t get no satisfaction.と歌っていた、誰も満足していない時代から50年近くがすぎた現在、世の中は「自分に満足しようよ。」という雰囲気に包まれている感じがします。そして、その雰囲気に、どうも僕は馴染めません。

facebookなどのSNSは基本的に満足している人たちが集う場所なので、満足アイテムが絶え間なくアップされています。素敵なレストランで食べた料理、美しい風景、可愛いペット、楽しい飲み会、、、。SNSは日本人が何で満足感を得ているかを分析するのに必要な情報の宝庫です。食べ物なんて、中年以上の人しか興味ないのかと思ってたら、若い人たちも何を食べてるかをしょっちゅうアップしているのに、驚いたりします。

しかし、一方で、留学の相談に来たり、すでに留学中の若者たちに会って話してみると、あまり自分に自信を持っていない人が多いのも事実です。もっと高い目標を持てばいいのにと思うのですが、まずは自信がないので堅実なこのくらいで、、という感じです。

満足はしてるけど自信のない若者たち。

強い自信は困難を克服したり、挑戦して何かを達成した経験からしか生まれませんが、facebookに出すレベルの満足はお金で買えるわけで、きっとその間でどうしようか、一歩踏み出すかどうか考えているのが多くの20代の姿のかもしれません。オーストラリアに留学するという、お金では買えない達成感を獲得することを考えている若者たちに対して、しっかり苦労する道を提案して、最後まで見守り、一緒に達成感を味わえるのが、僕たちの仕事の面白いところでもあり、責任を持つべきことだと思います。

留学って「君にも出来る!」とか「君らしい、成功する留学!」みたいな、お金で買える満足の延長で提案するものではなく、「大変だけど乗り越えたら自信がつくよ」って、提案するものだと思うのです。