オーストラリアで一番高い山

今週はニューサウスウェールズ州のJindabyneという街に滞在していました。湖の辺りの小さなリゾート地です。近隣のスキー場に行くための拠点なので、夏には観光客も少なく、のんびりした雰囲気でした。


この街から車で30分くらいの場所に、Mount Kosciuszko(コジウスコ)というオーストラリア大陸で一番高い山があります。日本では富士山に登ったこともないし、登山が趣味ということでもないのですが、今回は奥さんに誘われるまま登ってきました。登ってきたといっても、半分くらいまではスキーのリフトに乗っていけるので、それ以降はなだらかで整備された散歩道を2時間ほど歩くと着いてしまうと言う、ハードな山登りが趣味の方々には怒られてしまいそうな楽な行程でした。
でも、だからこそ、ゆっくりと周りの景色を眺めることもできたし、本当に美味しい空気を味わうことができたので、記憶に残る一日になりました。さらに、この日の記憶に残ったのは頂上付近にいたワタリガラス(Little Raven)たち。世界の伝説に登場するワタリガラスたちと同じように、とても頭が良さそうで、群れで虫たちを追っているのか、不思議な動きをしていました。それらを眺めているだけでも、先住民たちが怖れた神聖さを感じることができました。

大陸最高峰といっても、この緩やかな時間の流れや、頑張らなくても登頂出来てしまうところが、とてもオーストラリアらしいので、留学生たちで、興味のある人はぜひ訪ねてみてくださいね。

留学する街の環境

今週はオーストラリアの首都であるキャンベラにいます。この街は首都なのにもかかわらず、40万人くらいの人口しかありません。シドニーやメルボルンの10分の1の規模です。東京圏と比べたら100分の1くらいかもしれません。中心地を離れるともういきなり田舎な風景が広がります。

この街には政治的な機能と、研究機関などが集まっているだけなので、大きな産業があるわけでもなく、都市特有の様々なところから人々がやって来て膨張していく感じもありません。40万人の人口が少しずつは増えるかもしれませんが、将来に100万人の都市になることはないと思います。

ですから、都市としての面白さ、例えば、躍動感とかなんかちょっと怪しい感じの飲食店が集まっているみたいなところはキャンベラにはありません。行政で働く公務員の人たちが多い真面目な街です。(みんな、ちゃんと車は制限速度で走ってる感じです。)そんな街、つまらなそうと思う人も多いかもしれません。

でも、文化的な施設はとても充実していて、国立の博物館や科学館や図書館や美術館や植物園は、ほぼ無料で楽しめるし、いろいろなことを考える刺激を与えてくれる時間を提供してくれます。カフェやレストランも本屋さんもおしゃれで落ち着いた感じの店が多い気がします。僕は年齢のせいかもしれませんが、この街は居心地が良いです。

長くても数年の留学という限られた時間を、どのような環境で過ごしたいか?勉強だけでなく生活を楽しむことに軸を置くのか、ストレスの少ない環境で勉強に集中することに軸を置くのか?もし、勉強に軸を置くのであれば、キャンベラでの留学はありだと思います。でも、僕たちの会社は、キャンベラの大学と契約していないので(オーストラリア国立大学とキャンベラ大学)この旅が終わったら、再度訪れて、大学のマーケティング担当者と話をしてみたいと思います。

野生動物を保護する家族

今週はシドニーから約200キロ内陸に入ったBathurst(バサストみたいに発音します)という街の郊外に滞在しています。


Bathurstは1800年代初頭にオーストラリアで初めて内陸に作られた街として有名で、1850年代以降は、近隣で発見された金の集積場所として、ゴールドラッシュに沸いた街です。街並みを見ても、歴史を感じる頑丈な作りの建物と広々とした道路、美しい公園や多くのパブなど、一攫千金を狙った人たちが押し寄せていた姿が思い浮かびます。

そして、泊まっている場所は、野生動物(どちらかというと小動物)の保護活動をしている家族が経営するAirbnbのコテージです。朝と夕にやってくるワラビー、美しい夕日が眺められるベランダや、清潔で快適な部屋、どういう訳かやたらと速いモバイルのインターネット。はっきり言って、ずーっと住んでいられそうです。

この家族は、オーストラリア特有の有袋類の小動物を、狐などから守るためにフェンスで囲った広い場所を作って保護しています。同じ有袋類でもカンガルーやワラビーは大きいし逃げ足も速いので、外敵には強いのですが、ネズミくらいの小さな有袋類はどんどんその住処が狭まっているそうです。このフェンスは、寄付を募って昨年の9月に出来たばかりだそうです。この他に、オーストラリアの野生の犬であるディンゴもつがいで保護しています。

フェンスの中の小動物を彼らの活動する夜の時間に、そのオーナーと見学をしたときに話をしたのですが、こんな場所は小さい時からの夢だったそうです。少年時代から動物が好きで、動物を保護する仕事をしてきて、ついに自分のプロジェクトを家族と一緒にやれることになったと話してくれました。きっとここまでくるのに、多くの苦労をしているでしょうが、豊富な知識と、あふれる愛情で、乗り切ってきたのだと思います。今後も彼らのプロジェクトが安定して発展することが楽しみです。

サンシャインコースト大学にはAnimal Ecologyという学科があり、動物たちを愛する多くの日本人の留学生たちが勉強しているのですが、彼らのうち何人かは、将来こんな場所を作るのかなと想像して、素敵な気持ちになりました。

滞在先のサイトはこちらです。シドニーに留学している方は、お休みのときにでも訪ねてみてくださいね。

ニューカッスルの未来

今週はニューサウスウエールズ州のニューカッスルに滞在しています。シドニーに次ぐニューサウスウエールズ州第2の都市、かつては石炭の積み出し港として栄えた町です。人口は30万人。シドニーから北に電車で2時間半くらいで到着します。

僕が旅をしながら考えるのは、この街に住みたいと思うか?あるいはこの街に支店を出すことは可能か?ということです。

まずは住みたいかどうかですが、1週間の滞在で判断をするのも難しいのですが、僕が20代、30代くらいだったら、この街はすごく面白いと思いました。なぜ50代では難しいかというと、僕にはもっと静かさが必要だからです。都市というものにほとんど興味がなくなってしまったからかもしれません。でも、この街は留学に来たり、自分でビジネスを進めていきたい人にはちょうどいいサイズであったり、雰囲気であったりすると思います。一度栄えた街が、リセットされて、シドニーという大都市と良い距離感を保ちながら自分たちの街の色を出していこうという人々が住んでいる感じがしました。

そんな魅力的な街ですが、支店を出せるほどの市場を作れるかは悩むところです。留学先としてはニューカッスル大学とTAFE(公立の専門学校)だけなので、留学生たちが常に数十人いることはなさそうです。私立の良質な語学学校などが出来ると、一気に人気の出る街になると思いますが、なかなかその勇気のある語学学校は少ないでしょうね。

コロナウイルスの時代が終わって、世の中が少し落ち着いてきたら(いったいいつになったらそんな日が来るのかわかりませんが)シドニーのスタッフと一緒に、またこの街にやって来たいと思います。5年後には、オーストラリア留学の隠れた人気都市になる気がしています。

オーストラリアのニューイングランド

今週はニューサウスウエールズ州のユララ(Uralla)という街に暮らしていました。隣町はオーストラリアで一番古い地方大学のニューイングランド大学のあるアーミデール(Armidale)で、この一帯はニューイングランドと呼ばれています。


僕が30年前に留学したのがアメリカのマサチューセッツ州だったので、この「ニューイングランド」という響きには親しみが湧くので、滞在してみました。このエリアは標高が約1000メートルと、平たい大陸のオーストラリアの中でも珍しく高いところにある台地です。おかげで、現在真夏のオーストラリアですが、最高気温が20度程度で避暑地としてはすごく過ごしやすいところです。冬には霜や雪も降ることがあるそうなので、冬は寒くなくちゃという人にはもってこいの留学先です。紅葉も綺麗だそうですよ。

名前からも分かるように、この場所を最初に開拓したのがイギリス人たちで、それまでは、多くのアボリジニの方々が住んでいたので、壁画のようなものも残されています。つまりは、200年前には人工的なものは何もなく、単なるユーカリを中心とした森林だったのが、今は風景も街並みも「ニューイングランド」らしいものに変わっているのです。

そんなことを考えながら、もやもやしていると、先住民も開拓民も触ることができなかった峡谷や滝の荘厳さに圧倒されました。自然の中が心地よいのは、人間の歴史を忘れることができるから、なのかもしれませんね。

牛だって好奇心

丑年のスタートを、奇しくも牛の牧場で切ることになり、オーストラリアの元旦は初詣もレストランも開いている店もないので、ベランダから時々牛たちを眺めていました。

この牧場に飼われている?放牧されている?のは、30頭くらいなので、観察しているといろいろ気づくことが出てきます。子牛は5頭くらいいるのですが、兄弟なのか同級生なのか分かりませんが、仲良しでよく飛び跳ねて遊んでいます。でも1頭の黒毛の子牛は、ちょっと仲間外れにされていて、(ちょっと小さいので他の子牛たちが小学校3年生なら、この黒毛くんは幼稚園生という感じです。)かつ、寂しがり屋なのか、よくお母さんを探すために鳴いています。牛が鳴くのは子どもの方が多いようでした。

大人の牛たちはどうかというと、典型的な牛たちで、いつも草をゴリゴリ食べていて、それ以外に人生の目的や楽しみはないのか!と聞きたくなるくらい、草を食べ、太り、動きが遅くなり、しようがないから、また食べちゃう、みたいな子牛たちとは対照的な姿でした。

快適なゾーンでずーっと刺激もなく暮らしていると、こんな風になっちゃうよなあと、ちょっとせつなさを感じていました。

ところが、うちの奥さんが、柵に沿って散歩していたら、なんと、全ての牛たちが彼女めがけて集まってきたのです。餌はそこら中に生えているので、餌をもらいにきたわけではないし、人間が珍しいわけでもないでしょう。でも、彼らからすると、何かしらの好奇心をくすぐる状況があったのかもしれません。あるいは、普段があまりに退屈だったのかもしれません。

なあんだ、君たちも草を食べてるだけじゃ退屈なんだねと、昨年はコロナウイルスのおかげで、なんとなく縮こまっていた自分の今年の目標を「今まで以上に好奇心を持って、学んだり、無理しても動いてみる」ということにしようと思ったのでした。

リズモアで考えたこと

ニューサウスウエールズ州のリズモアは、サーフィンやヨガで有名なバイロンベイの約50キロ内陸にある、人口約3万人の街です。1800年代に林業の拠点として開拓され、その後、乳業の街として発展しました。オーストラリアのスーパーマーケットでも見かけるNorco 社のチーズ工場やアイスクリーム工場があります。

1954年にはイギリスのエリザベス女王がわざわざ訪問したくらい、オーストラリアにとっても重要な街だったことがわかります。しかし、その後は大きな発展もせず、観光はバイロンベイに取られ、そちらに資本も流れたので、リズモアはかつて栄えた街というイメージが漂っています。

その状況を克服して、新たな発展のために、1994年にサザンクロス大学を設立して若い人口を増やしています。そんな効果もあってか、街の商店街は60年代のなごりと新しい時代が混在しています。

お洒落なカフェがあったり、オーガニックな食材や商品を売っている店があったり、地元のアーティストを支援するためのギャラリーがあったりと、文化的にも面白い取り組みが行われているようです。

それでも、まだ多くの人たちは典型的なオーストラリアの田舎の人たちで、お洒落さにはほど遠いのですが、日本の田舎にも通じる雰囲気が逆に親しみを感じます。

かつて栄えた街が時代の流れに取り残された時に、どうしたらいいのかというのは、多くの日本の市町村において大きな問題だと思いますが、何かを加えて観光客を呼び込むための予算を獲得するのではなく、街を小さくしながらも生活する魅力を加えていく、新しい開発の考え方が必要になってきます。魅力的な街とネット環境があれば、都会から移り住んで来る人々は必ず増えていくと思います。ポストコロナの時代は尚更です。

僕は、このリズモアという街に楽しんで住むことができると思いますし、日本の若者たちで、将来、地元の活性化に貢献したい人は、こんな街に留学するのも、様々なアイデアを得るのに役に立ちますよ。

先が見えなくても

現在はニューサウスウエールズ州のLismore(リズモア)という街に滞在しています。先週に、僕が住んでいたクイーンズランド州からニューサウスウエールズ州に移動することは、けっこう勇気のいることでした。

コロナウイルスの感染を防ぐため、数ヶ月にわたって、州の境が封鎖されていたのが解除され、12月からまた人の行き来が自由になり、僕も安心して移動できるなと思っていたら、先週になって、シドニー近郊で感染が広がり(といっても数十人ですが。。)また、ニューサウスウエールズ側からクイーンズランドに入るためには、シドニー近郊を訪れていないことを証明しなくてはいけなくなりました。

ニューサウスウエールズ州側で、感染がさらに広がると、旅の予定を大幅に変更しなくてはならないかもしれません。すでに予定して楽しみにしていたシドニーとウーロンゴンの滞在先はキャンセルして、山側の田舎の街を通ることにしました。

でも、これがロードトリップの面白さなのだと思います。危険な情報を察知しながらも、目的地に向かって少しずつでも進んでいく経験と技術は、たぶん人生や経営などに役に立ってくれます。昔の旅人だって、宿場の噂話でこちらの道は山賊が出るらしいみたいな情報を得て、違う道を選んでいたわけです。(なんで、ここで木枯し紋次郎が思い浮かんでしまったのかは全くの謎ですが。。)

2020年というのは、世界中の人たちが、「世の中の先は全く見えない」ということをあらためて認識した年なんだと思います。それでも歩き出したほうがいいのか、宿場にとどまって様子を見ていたほうがいいのか、あるいは旅をやめた方がいいのか、幸運にも選択肢がある人は、しっかりと考えて道を選ぶべきです。

僕は、先が見えなくても、注意深く道を選びながら進んでみたいと思っています。予定外の道のりだからこそ、予定外の面白い出会いがあるのではないかと期待しています。

荒れる予感

いよいよ、今年も残り2週間ほどになり、オーストラリアの大学のほとんどが今日が最終日で明日からは担当者の多くがお休みに入ります。3月に国境が閉じてから、まさかこの状況で年を越えるとは思いませんでしたが、今の状況を考えると留学生たちが自由に国を移動できるのはワクチンの接種が必要になりそうですね。

そんな状況の中で、留学業界がだんだん荒れてきていることを感じています。まずは教育機関たちですが、いくつかの語学学校たちが存続をあきらめ、違う学校に統合されたり廃業をしています。留学生たちは他の学校に転校するなどして、問題になっているケースはほとんどなさそうですが、それでも留学が予定通りに進まなかった人は多いと思います。また、一緒にマーケティングをしてきた大学の担当者の何人かは大学を辞められたり担当から外れてしまっています。日本という小さな市場に割けるリソースはさらに減ってしまったようです。

そして、問題は私たち留学エージェント。国境が開かなければビジネスが成り立たないので、多くの会社が資金不足になっています。ですから、何かと理由を作ってお客様たちに申し込みや入金を促しています。今、申し込むとお得ですよとか、(実際、そのようなキャンペーンを行っている学校もあるのですが、いつ入国できるかも分からないし、経営的に安心できる学校とそうでない学校があります。)また、1年前に申し込まないと、あなたの大学での学部には空きがなくなる、などの僕たちからすると不思議な理由で申し込みを急がせるケースもお客様から聞いているので、くれぐれも焦って入金をしないように気をつけてください。入金した後、キャンセルをしようとしたらキャンセル料を取られたりするケースもあるようなので、国境が開くことを確認してから、お金のことは動いた方がいいと思います。

どんなにいい会社や経営者でも、苦しくなると悪魔に魂を売る人が出てきます。残念なことですが、だからこそ、自分でしっかりと考えて手続きをしていってくださいね。

いちおう、僕の会社の状況をお話しすると、コロナウイルスによる国境の閉鎖が理由でキャンセルされる方からは、規定のキャンセル料をいただかずに、学校から返金された全額をお送りしています。また、おかげさまで現在も資金は潤沢にあるので、この状況が2年間続いたとしても、会社の経営に影響を与えることはありません。もし、オーストラリア留学で、何かトラブルなど、困っていることがあれば、相談してください。僕たちが解決はできなくても、誰に相談したらいいかなど、解決のための方向性などはお伝えできると思います。

オーストラリアはコロナウイルスの感染の拡大を厳格なルールによって防いでいて、今の僕の生活にコロナウイルスの心配はほとんどありません。早く国境が開き、留学生の皆さんがこの安全な世界で勉強に励むことができることを楽しみにしています。

追体験をしない旅

今週は、ブリスベンからもゴールドコーストからも車で1時間くらいの観光地、タンボリンマウンテンの近くに滞在していました。



このタンボリンマウンテンにはギャラリーウォークという可愛い店が並んだ通りがあるので、そこには週末になると多くの観光客が訪れます。しかし、今回はそのような可愛い店には全く行くこともなく、朝の山歩きの前に、通過した時に撮ったこの写真のみ。

実は、このタンボリン・マウンテンの近くには30分から2時間くらいで歩くことができるwalking Trackが6つくらいあって、毎朝8時前くらいから、そんな山の中の散歩道を探索していました。それが、すごく良かったので、ブリスベンやゴールドコーストに留学に来る人たちは、ぜひ、観光スポットだけでなく、森林浴も楽しんで欲しいと思います。

たぶん、僕が年寄りになったことが一番の理由なのですが、商業的に装飾された世界よりも、昔から地元の人たちに愛された散歩道の方が、本質的な深い時間を過ごすことができるのです。人目を引くためにマーケティングされた世界や、インスタ映えする世界は、結局は誰もが追体験するという意味で、平凡な世界でしかありません。

今回の旅では、同じ場所に1週間は滞在する予定なので、ガイドブックに載っていない素敵な場所や人々に出会っていきたいと思っています。