さよならSNS

2023年が終わりを迎えようとしていますが、今年は自分の人生の残り時間をどう使っていくかについて考えることが多かった一年でした。会社の業績は、おかげさまで多くの若者たちからの信頼を得ることができ、安定した経営ができました。来年も、オーストラリアで学びたい若者たちのよきアドバイザーとしての仕事を責任を持って続けていければと思います。

プライベートでは、サンシャインコーストからアデレードに引っ越しをして、新しい街での生活を楽しんでいます。来年はこのブログでももっと紹介をしていきたいと思いますが、日本人にはなかなか知られていないこの街の魅力を探っていきたいと思います。

そして、時間の使い方を考える中で、来年、つまりは明日からはfacebookなどのSNSを使うことを止めることにしました。最近はブログをアップしたことを告知するためにしか使っていなかったので、facebookでの反応などはもう気にしないで、粛々とこのブログを更新していければと思います。

facebookやインスタグラムのアプリはスマホなどから削除する予定ですが、メッセンジャーでしかコミュニケーションをとっていない方もいるので、そのような方たちとはこれからもメッセンジャーで連絡ができればと思います。明日からはさらにシンプルに、でもやるべきこと、やりたいことは必ずやって、日々を充実させていきたいと思います。ぜひ、僕の人生がどんな感じなのかをチェックしに、このブログを時々覗いてもらえればありがたいです。さよならソーシャルネットワーク。

世の中の情報というもの

先日、日本のテレビ番組制作会社から、留学生たちの間で、アデレードが留学先として人気急上昇でロケを行ったので、どのくらい留学生の数が増えたか教えて欲しいというメールがありました。きっとうちの会社は、アデレードにオフィスを持っている珍しい会社だから連絡をしてきたのだと思いますが、答えには困ってしまいました。

なぜなら、アデレードは、コロナの期間にそれまでとても人気で質の高い語学学校が2校閉鎖してしまったので、その影響でコロナ前と比べても留学生の数は増えておらず、また英語が出来ないと簡単にはアルバイトは見つからないので、普通の留学生たちにはハードルが高い街だからです。アデレードで成功するのは、英語力がかなり上達しないと難しいのです。テレビ番組制作の方に忖度して、「人気急上昇です!アデレードは今がチャンス!」みたいなコメントを返すのも、うちの会社らしくないので、正直な状況をお知らせしました。当然?ながら、返事は来ていません。作った番組はどうなったんでしょうね。その番組を見て、アデレードにワーホリとかでやって来て、話が違うとか言われても僕たちは困っちゃうんですけどね。

ということで、世の中の情報なんて、誰かが意図的に作ったものです。フェイクニュースでなくても、誰かの思惑というものが必ず入ってきます。もちろん、この僕の文章だって、「アデレードに留学に行けば楽勝!」みたいなことを考える若者はアデレードには来ないでねという思惑が入っています。そうなってくると、いったい何を信じればいいの?みたいなことになるわけです。僕は、それが大人になっていくために学ばなくてはならない、とても大切なスキルの一つだと思っています。つまり、胡散臭い話とか胡散臭い人を見極めるスキルです。これは、自分で考えて自分で意思決定して、時々間違えていかなくては育たないスキルです。大学進学とか就活とか20代になるまで、親とか友人とかに意思決定を委ねていると、40歳とか50歳の時にミスを犯してしまうので、若いうちに経験を積んでおいた方が良いですよ。

アデレードの春の生活

アデレードに住み出して、半年が過ぎました。冬は雨が多くて寒かったけど、春になって雨の日が減り、少しずつ天気が安定して暖かい日も増えてきました。春のアデレードでは、さまざまな花たちが咲き誇ります。家の近くのアデレード大学のワイン醸造学のキャンパスには、バラ園があって、そこにランチを持って行って食べるのが最近の僕たちのお気に入りです。そこに行くと五感で春を楽しむことができます。陽射しの暖かさ、そこだけ空気が違うと思えるくらいのバラたちの甘い香り、風が吹いている感触、鳥たちの声、さまざまな色のバラたち、おにぎりとお茶で十分なくらいの贅沢な時間です。



そして、10月からは夏時間になり、日の入りが遅くなってきたので、早寝早起きの僕も少し夜のイベントにも参加するようになってきました。今月はタウンホールで行われたたくさんのキャンドルの中でオーケストラが演奏するコンサート、アデレードフィルムフェスティバルでまだ日本では公開されていない役所広司主演の「Perfect Days」という監督はヴィム・ベンダースの日本映画?を観てきました。サンシャインコーストに住んでいた時は、夜に出かけることはほとんどありませんでしたが、アデレードでは少し都会の生活も楽しんでいます。


アデレードという街は日本の若者たちにはほとんど知られていないし、日本からの直行便も無いのでやって来るのは大変だし、日本の留学エージェントも僕たちしかいないのですが、留学にやってきた若者たちはほぼ全員、アデレードが大好きになって帰っていきます。自然の美しさと文化的な都会の生活がうまくミックスされた環境だと思うので、友人たちに「どこ?それ?」とか言われても気にしない人は、留学する街として、検討してみてくださいね。

久々のシドニー

テニスの試合も含めて(どちらがこの旅のメインの目的なのかは微妙なところですが)久しぶりにシドニーに1週間ほど滞在して、大学やTAFEを訪問したり、学生さんたちにも会ってきました。かつては、オーストラリアで留学=シドニーに行くというのが一般的だったのですが、都会すぎて東京と変わらないとか、街が雑然としていてオシャレじゃない、とかの理由で、メルボルンやブリスベンに人気を奪われてきたのが、この数年のトレンドでした。


でも、コロナの期間に街中は整備され、大学も新しいビルなどの建設を行なったので、集中して勉強するのには、とてもいい環境になっていました。シドニーという街の面白さが復活している感じです。相変わらず、市内での家探しは苦労がともなうようですが、これからは滞在するためだけの目的で学生ビザが取れるような学校に対する規制も厳しくなっていくので、世界から、ただ働く目的でやってくる若者たちの数は減少し、来年以降は大学生たちの家探しも少し楽になりそうです。


特にビジネスや、IT、あるいは最先端の技術などの、将来的に経済を動かす世界の勉強をしたいのあれば、オーストラリアの産業の中心であるシドニーで学び、ネットワークを広げていくことは、キャリア構築には良い戦略なんだと思います。シドニー大学やシドニー工科大学の図書館などで、一生懸命勉強している学生たちを見ながら、この環境にもっと多くの日本からの若者たちに来てもらうためにも、もっと発信をしていかなくてはと気合いが入ったのでした。

テニスに復帰しました!

今年の前半は、体調を崩していたこともあって、テニスなどの運動は控えていたのですが、アデレードに住み、7月からテニスクラブに入会したこともあり、練習を始め、先週は久しぶりの試合に参加しました。場所は、ニューサウスウェールズ州のBarhamという内陸にある街で、アデレードからは6時間のドライブです。もう、最近は5時間とか6時間のドライブは普通なので、(もちろん1時間30分毎くらいに休んでストレッチをするのですが。)試合の前日移動でも、問題ありませんでした。

この地域は昨年の10月くらいに、オーストラリアで一番長い川のマレー川の洪水によって被害を受けたこともあり、その復興のためにテニスで盛り上げようと、新たに設定されたITF200の小さな大会でした。(小さい大会なのですが、ITFという世界ポイントが獲得できます。)初めての大会ということで、参加者も少なく、60歳の部は3回勝てば優勝ということでしたが、僕は2回戦(準決勝)で昨年に別の大会で負けた選手に3時間のフルセットで勝つことができ、体力も戻ってきたのが嬉しかったです。決勝戦は、残念ながら完敗でしたが、次回に向けて、学ぶことがたくさんありました。


やはり、試合に出て、友人と再会したり、新しい友だちが出来るのはとても楽しい時間です。60歳を過ぎても、気合を入れてテニスをしている似たもの同士だからこそ、すぐに打ち解けて、仲良くなることができます。このフランクさが、オーストラリアでテニスをすることの1番の楽しさかもしれません。試合前も対戦相手と「楽しもうぜ!」みたいな会話をするのが普通です。日本の大会は、ちょっと皆さん真面目にやり過ぎてる感じがします。

これから、何年、試合に出ることができるか分からないので、オーストラリアだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、もちろん日本やアジアの試合にも、予定が組めれば積極的に参加してみたいと思います。世界中のテニス好きのおじさん(おじいさん?)と「楽しい」試合を重ねていきたいと思います。

アンテナを閉じる?

先日のサンシャインコーストまでのドライブの途中で、ランチで立ち寄ったのが、ニューサウスウェールズ州のParkesという街の郊外にある、電波天文台。アポロ11号が月に着陸した時にも活躍したというオーストラリアの歴史的な望遠鏡ですが、まだ現役で使われています。映画にもなっているので、オーストラリア人にもよく知られた場所です。

快晴の空の下、併設されたカフェでコーヒーを飲みながら、望遠鏡を眺めていると宇宙からの声が聞こえてきそうです。もしかしたら、僕たちには知らされない宇宙からのメッセージの解読をここで働いている人たちは秘密にやっているかもしれない、、なんてことを考えるとドキドキするというか楽しくなってきます。

でも、よーく考えてみると、アンテナが大きすぎて、毎日のように大量のノイズをキャッチしてしまうのではないかと心配になりました。それがノイズなのか意味のある信号なのかをチェックしていく仕事って、けっこう大変そうだし、好きでなくては出来そうにありません。疲れたから昼寝しようとか、良い天気だから散歩に行こうみたいなことも、ここでは許されそうにありません。

若い頃には、社会にしっかりとアンテナを張って、情報を取捨選択しましょうとかって指導された気もしますが、今のようにノイズだらけの世の中だと、いかにアンテナを閉じるかの方が重要な気がします。もし、このブログを読まれている方がオーストラリアにいる留学生だったら、まずは日本に向けたアンテナを閉じてみましょう。日本の芸能界がどうなろうと、友達がパーティーをして楽しんでいたとしても、今のあなたが知る必要のないことだらけです。それよりも、オーストラリアの生活を充実させるためにやるべきことを実行しておきましょう。オーストラリアにいられる時間はあっという間に過ぎていってしまうのですから。

往復4500キロのお片付け

この2週間で、アデレードを出発して、昨年住んでいたサンシャインコーストに向かい、小さな倉庫に残していた荷物を片付けて、帰ってきました。帰りに、必要な荷物を運ばなくてはいけなかったので、車で行ったのですが、アデレードからサンシャインコーストまでの距離は2,300キロくらい。日本で言えば、札幌から福岡までの距離を毎日500キロくらい走って、4日かけて移動しました。オーストラリアでは、夜に田舎の道を走ると、カンガルーなどの野生動物にぶつかる可能性がとても高いので、昼に5時間くらい走るというペースで移動していくのが、パターンです。

往きは、途中でゴールドコーストとブリスベンのオフィスに寄って、それぞれ留学生の方たちにセミナーという名の座談会をして、キャリアについてのお話をして、とても楽しい時間を過ごしました。オーストラリアの大学に留学する若者たちは、自分の考えをしっかり持っているし、授業でも発言しないと評価されないという環境で学んでいるので、座談会をしても、面白い質問をしてくれるので、ありがたいです。

そして、懐かしのサンシャインコーストに3日半滞在しました。冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電製品は、Salvation Army に寄付をしました。倉庫まで引き取りに来てくれるので、本当にありがたいサービスです。オーストラリアには、このように不用品などの寄付を受け付けて、それを安く販売するNPOなどが、それぞれのコミュニティーにありますが、コミュニティーの活性化に役立っているので、日本でももっと普及してほしいシステムです。僕たちは、アデレードに引っ越して、お皿とかマグカップなどは、すべてそんな店で20ドルくらいで調達しました。

結局、本や書類など小さな段ボール10箱くらいに、荷物はまとまり、余裕で車1台で運ぶことが出来ました。考えてみると、アデレードに移動した時に車1台の持ち物しか持っていなかったので、僕たち夫婦の持ち物は車2台分で十分だということです。60年以上も生きているのに、持ち物が一人車1台に入ってしまうというのも喜ばしいことなのか悲しいことなのかよく分かりません。少なくともパーティーに呼ばれてもスーツやドレスシャツやテニスシューズ以外の靴は持っていないので、出かけることはないでしょう。(それに、呼ばれることはないでしょう。)


それなりの時間とコストとそして大きな労力を使って、2300キロ彼方にあった小さな倉庫を片付けたのですが、なんか清々しい気分です。些細なことでも、仕事を終わらせることは、達成感もあるし、きっとそれなりに苦労をともなったから(だって、毎日5時間運転して、モーテルに泊まって、似たような食事をしてましたから。)純粋に満足感があるのだと思います。経営って、終わりのないマラソンみたいなところもあるので、今後は、小さなゴール設定をしながら仕事を楽しんでいこうかと考えています。

花よりアーモンド

この週末は、アデレードの郊外で「アーモンド・ブロッサム・フェスティバル」というイベントがあるというので、美味しいアーモンドでも買えるのかと思って、行ってきました。僕は、木の上に住んでいた時代のDNAのおかげかどうか分かりませんが、ナッツが好きで特にアーモンドは大好物です。

しかし、フェスティバルは名前の通り、アーモンドの花が咲いたからみんなで楽しもうという企画のようで、子ども向けの移動遊園地とかが来ていて、あまり僕には関係のない世界でした。でも、驚いたのは、アーモンドの花って桜の花と見分けがつかないくらい似ているということです。調べてみると、桜もアーモンドも同じバラ科サクラ属だということで、兄弟?姉妹?なんですね。開花時期がアーモンドの方が桜よりも1ヶ月くらい早く、まだ寒い冬の間に花が咲くと言うことです。


花の美しさも、散った感じの儚さも、ほぼ桜と同じなので、これからは、桜の植樹の代わりにアーモンドを植えたら、実を食べる楽しみも加わって、良いんじゃないかと思うのは、僕だけなのでしょうか?桜は日本の国を代表する花ですから、そんなわけにはいかないのかもしれませんが、僕がもし、庭のある家に住んだら、絶対にアーモンドの木を植えて、少し早い花見も楽しみたいと思います。

シドニー大学と契約をしました

留学エージェントという言葉は誤解されていることが多いのですが、留学エージェントのメインの仕事は、留学生が学校を探すためのお手伝いではなく、大学や学校のために、最適な留学生たちを探してきて手続きを円滑に進めるためのお手伝いをすることです。ですから、私たちは、お客様(留学生)に費用を請求することはなく、大学や語学学校からコミッションとしてお金をいただいています。

そうなると、大学としては、どの会社とエージェント契約するかはマーケティング戦略的にも、大学の教育の質を維持するためにも(優秀な学生を獲得するために)重要な意思決定になります。日本市場は、オーストラリアの大学にとっては、そんなに多くの留学生を期待している市場ではないので、どの大学も3社くらいの日本エージェントと契約を結んでいます。インターネットの世界では、正式なエージェントではない会社も大学情報を掲載していたりするので、気をつけてください。(僕には、なぜそのような会社が多いのかはよく分かりません。)

私たちは、この7月から、オーストラリアのトップ大学のひとつである、シドニー大学と契約を結ぶことになりました。1850年に設立されたオーストラリアでは一番古い大学で、多くの著名な卒業生たちを輩出しています。この大学に、日本人の優秀な高校生や大学生たちが学ぶためのお手伝いができることは、私たちにとって、とても光栄な機会です。

これで、私たちは、オーストラリアの29大学と契約を結ぶことになります。これは、日本の留学エージェントでは、大学との契約数では最多となります。それだけ私たちを信頼をしていただいている大学が多いということに感謝して、これからも謙虚に、世界で学ぶことを考えた日本の若者たちに、人生を変える機会を提供するお手伝いをしていきたいと思います。

袖ふれあうも

実は日本に短期間、帰ってきていました。今は羽田空港にいて、これからオーストラリアに戻ります。今回のメインの目的は、日本の免許証更新だったので、それは簡単に終了し、あとは友人と会ったり、お客様と会ったりして、とても蒸し暑い日本の夏を楽しみ?ました。きっと次に日本の夏を経験するのは5年後の免許更新だと思います。(本当に暑かったです。)


さて、オーストラリアでの生活が12年目となった僕が、東京に帰ってきて少し気になるのが、人々の間で、ちょっとした会話がないこと。コロナのせいなのかもしれませんが、人々はたくさんいるのに、奇妙な静寂が少し不気味です。例えば、バスや電車に乗っていて、何も言わずに人をかき分けて降りようとする人々。エクスキューズ・ミーの一言を言えば、もっと社会は優しくなるのにと思います。

オーストラリアでは、マーケットのベンチで隣に座った人と、どこの屋台が美味しいとか、日本から来たの?とかちょっとした会話を楽しむことが日常です。会う人全員と話すわけではないけど、目が合ったら挨拶をして、少しだけコミュニケーションを楽しみます。そんなことが、オーストラリアの社会を温かくしていると思います。

ですから、僕は日本でも、カフェで隣に座った人、バス停で一緒に待っている人、井の頭線で隣に立った40歳以上若い高校の後輩などに、平気で声をかけて、少しだけ会話を楽しみます。(もちろん、怪しげな人に思われたくないので、会話しても大丈夫そうな人に声をかけます。)たった、1分にも満たない時間でも、それは僕を少しだけ幸せにしてくれます。変なおじさんに声をかけられても、これも他生の縁だと思うとあきらめがつくかと思いますので、つきあってくださいね。