テニスに復帰しました!

今年の前半は、体調を崩していたこともあって、テニスなどの運動は控えていたのですが、アデレードに住み、7月からテニスクラブに入会したこともあり、練習を始め、先週は久しぶりの試合に参加しました。場所は、ニューサウスウェールズ州のBarhamという内陸にある街で、アデレードからは6時間のドライブです。もう、最近は5時間とか6時間のドライブは普通なので、(もちろん1時間30分毎くらいに休んでストレッチをするのですが。)試合の前日移動でも、問題ありませんでした。

この地域は昨年の10月くらいに、オーストラリアで一番長い川のマレー川の洪水によって被害を受けたこともあり、その復興のためにテニスで盛り上げようと、新たに設定されたITF200の小さな大会でした。(小さい大会なのですが、ITFという世界ポイントが獲得できます。)初めての大会ということで、参加者も少なく、60歳の部は3回勝てば優勝ということでしたが、僕は2回戦(準決勝)で昨年に別の大会で負けた選手に3時間のフルセットで勝つことができ、体力も戻ってきたのが嬉しかったです。決勝戦は、残念ながら完敗でしたが、次回に向けて、学ぶことがたくさんありました。


やはり、試合に出て、友人と再会したり、新しい友だちが出来るのはとても楽しい時間です。60歳を過ぎても、気合を入れてテニスをしている似たもの同士だからこそ、すぐに打ち解けて、仲良くなることができます。このフランクさが、オーストラリアでテニスをすることの1番の楽しさかもしれません。試合前も対戦相手と「楽しもうぜ!」みたいな会話をするのが普通です。日本の大会は、ちょっと皆さん真面目にやり過ぎてる感じがします。

これから、何年、試合に出ることができるか分からないので、オーストラリアだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、もちろん日本やアジアの試合にも、予定が組めれば積極的に参加してみたいと思います。世界中のテニス好きのおじさん(おじいさん?)と「楽しい」試合を重ねていきたいと思います。

アンテナを閉じる?

先日のサンシャインコーストまでのドライブの途中で、ランチで立ち寄ったのが、ニューサウスウェールズ州のParkesという街の郊外にある、電波天文台。アポロ11号が月に着陸した時にも活躍したというオーストラリアの歴史的な望遠鏡ですが、まだ現役で使われています。映画にもなっているので、オーストラリア人にもよく知られた場所です。

快晴の空の下、併設されたカフェでコーヒーを飲みながら、望遠鏡を眺めていると宇宙からの声が聞こえてきそうです。もしかしたら、僕たちには知らされない宇宙からのメッセージの解読をここで働いている人たちは秘密にやっているかもしれない、、なんてことを考えるとドキドキするというか楽しくなってきます。

でも、よーく考えてみると、アンテナが大きすぎて、毎日のように大量のノイズをキャッチしてしまうのではないかと心配になりました。それがノイズなのか意味のある信号なのかをチェックしていく仕事って、けっこう大変そうだし、好きでなくては出来そうにありません。疲れたから昼寝しようとか、良い天気だから散歩に行こうみたいなことも、ここでは許されそうにありません。

若い頃には、社会にしっかりとアンテナを張って、情報を取捨選択しましょうとかって指導された気もしますが、今のようにノイズだらけの世の中だと、いかにアンテナを閉じるかの方が重要な気がします。もし、このブログを読まれている方がオーストラリアにいる留学生だったら、まずは日本に向けたアンテナを閉じてみましょう。日本の芸能界がどうなろうと、友達がパーティーをして楽しんでいたとしても、今のあなたが知る必要のないことだらけです。それよりも、オーストラリアの生活を充実させるためにやるべきことを実行しておきましょう。オーストラリアにいられる時間はあっという間に過ぎていってしまうのですから。

往復4500キロのお片付け

この2週間で、アデレードを出発して、昨年住んでいたサンシャインコーストに向かい、小さな倉庫に残していた荷物を片付けて、帰ってきました。帰りに、必要な荷物を運ばなくてはいけなかったので、車で行ったのですが、アデレードからサンシャインコーストまでの距離は2,300キロくらい。日本で言えば、札幌から福岡までの距離を毎日500キロくらい走って、4日かけて移動しました。オーストラリアでは、夜に田舎の道を走ると、カンガルーなどの野生動物にぶつかる可能性がとても高いので、昼に5時間くらい走るというペースで移動していくのが、パターンです。

往きは、途中でゴールドコーストとブリスベンのオフィスに寄って、それぞれ留学生の方たちにセミナーという名の座談会をして、キャリアについてのお話をして、とても楽しい時間を過ごしました。オーストラリアの大学に留学する若者たちは、自分の考えをしっかり持っているし、授業でも発言しないと評価されないという環境で学んでいるので、座談会をしても、面白い質問をしてくれるので、ありがたいです。

そして、懐かしのサンシャインコーストに3日半滞在しました。冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電製品は、Salvation Army に寄付をしました。倉庫まで引き取りに来てくれるので、本当にありがたいサービスです。オーストラリアには、このように不用品などの寄付を受け付けて、それを安く販売するNPOなどが、それぞれのコミュニティーにありますが、コミュニティーの活性化に役立っているので、日本でももっと普及してほしいシステムです。僕たちは、アデレードに引っ越して、お皿とかマグカップなどは、すべてそんな店で20ドルくらいで調達しました。

結局、本や書類など小さな段ボール10箱くらいに、荷物はまとまり、余裕で車1台で運ぶことが出来ました。考えてみると、アデレードに移動した時に車1台の持ち物しか持っていなかったので、僕たち夫婦の持ち物は車2台分で十分だということです。60年以上も生きているのに、持ち物が一人車1台に入ってしまうというのも喜ばしいことなのか悲しいことなのかよく分かりません。少なくともパーティーに呼ばれてもスーツやドレスシャツやテニスシューズ以外の靴は持っていないので、出かけることはないでしょう。(それに、呼ばれることはないでしょう。)


それなりの時間とコストとそして大きな労力を使って、2300キロ彼方にあった小さな倉庫を片付けたのですが、なんか清々しい気分です。些細なことでも、仕事を終わらせることは、達成感もあるし、きっとそれなりに苦労をともなったから(だって、毎日5時間運転して、モーテルに泊まって、似たような食事をしてましたから。)純粋に満足感があるのだと思います。経営って、終わりのないマラソンみたいなところもあるので、今後は、小さなゴール設定をしながら仕事を楽しんでいこうかと考えています。

花よりアーモンド

この週末は、アデレードの郊外で「アーモンド・ブロッサム・フェスティバル」というイベントがあるというので、美味しいアーモンドでも買えるのかと思って、行ってきました。僕は、木の上に住んでいた時代のDNAのおかげかどうか分かりませんが、ナッツが好きで特にアーモンドは大好物です。

しかし、フェスティバルは名前の通り、アーモンドの花が咲いたからみんなで楽しもうという企画のようで、子ども向けの移動遊園地とかが来ていて、あまり僕には関係のない世界でした。でも、驚いたのは、アーモンドの花って桜の花と見分けがつかないくらい似ているということです。調べてみると、桜もアーモンドも同じバラ科サクラ属だということで、兄弟?姉妹?なんですね。開花時期がアーモンドの方が桜よりも1ヶ月くらい早く、まだ寒い冬の間に花が咲くと言うことです。


花の美しさも、散った感じの儚さも、ほぼ桜と同じなので、これからは、桜の植樹の代わりにアーモンドを植えたら、実を食べる楽しみも加わって、良いんじゃないかと思うのは、僕だけなのでしょうか?桜は日本の国を代表する花ですから、そんなわけにはいかないのかもしれませんが、僕がもし、庭のある家に住んだら、絶対にアーモンドの木を植えて、少し早い花見も楽しみたいと思います。

シドニー大学と契約をしました

留学エージェントという言葉は誤解されていることが多いのですが、留学エージェントのメインの仕事は、留学生が学校を探すためのお手伝いではなく、大学や学校のために、最適な留学生たちを探してきて手続きを円滑に進めるためのお手伝いをすることです。ですから、私たちは、お客様(留学生)に費用を請求することはなく、大学や語学学校からコミッションとしてお金をいただいています。

そうなると、大学としては、どの会社とエージェント契約するかはマーケティング戦略的にも、大学の教育の質を維持するためにも(優秀な学生を獲得するために)重要な意思決定になります。日本市場は、オーストラリアの大学にとっては、そんなに多くの留学生を期待している市場ではないので、どの大学も3社くらいの日本エージェントと契約を結んでいます。インターネットの世界では、正式なエージェントではない会社も大学情報を掲載していたりするので、気をつけてください。(僕には、なぜそのような会社が多いのかはよく分かりません。)

私たちは、この7月から、オーストラリアのトップ大学のひとつである、シドニー大学と契約を結ぶことになりました。1850年に設立されたオーストラリアでは一番古い大学で、多くの著名な卒業生たちを輩出しています。この大学に、日本人の優秀な高校生や大学生たちが学ぶためのお手伝いができることは、私たちにとって、とても光栄な機会です。

これで、私たちは、オーストラリアの29大学と契約を結ぶことになります。これは、日本の留学エージェントでは、大学との契約数では最多となります。それだけ私たちを信頼をしていただいている大学が多いということに感謝して、これからも謙虚に、世界で学ぶことを考えた日本の若者たちに、人生を変える機会を提供するお手伝いをしていきたいと思います。

袖ふれあうも

実は日本に短期間、帰ってきていました。今は羽田空港にいて、これからオーストラリアに戻ります。今回のメインの目的は、日本の免許証更新だったので、それは簡単に終了し、あとは友人と会ったり、お客様と会ったりして、とても蒸し暑い日本の夏を楽しみ?ました。きっと次に日本の夏を経験するのは5年後の免許更新だと思います。(本当に暑かったです。)


さて、オーストラリアでの生活が12年目となった僕が、東京に帰ってきて少し気になるのが、人々の間で、ちょっとした会話がないこと。コロナのせいなのかもしれませんが、人々はたくさんいるのに、奇妙な静寂が少し不気味です。例えば、バスや電車に乗っていて、何も言わずに人をかき分けて降りようとする人々。エクスキューズ・ミーの一言を言えば、もっと社会は優しくなるのにと思います。

オーストラリアでは、マーケットのベンチで隣に座った人と、どこの屋台が美味しいとか、日本から来たの?とかちょっとした会話を楽しむことが日常です。会う人全員と話すわけではないけど、目が合ったら挨拶をして、少しだけコミュニケーションを楽しみます。そんなことが、オーストラリアの社会を温かくしていると思います。

ですから、僕は日本でも、カフェで隣に座った人、バス停で一緒に待っている人、井の頭線で隣に立った40歳以上若い高校の後輩などに、平気で声をかけて、少しだけ会話を楽しみます。(もちろん、怪しげな人に思われたくないので、会話しても大丈夫そうな人に声をかけます。)たった、1分にも満たない時間でも、それは僕を少しだけ幸せにしてくれます。変なおじさんに声をかけられても、これも他生の縁だと思うとあきらめがつくかと思いますので、つきあってくださいね。

今年度もありがとうございました

オーストラリアの会計年度は6月末で終了するので、毎年この時期にはこんなタイトルでブログを書いています。おかげさまで、今年度も安定した業績を残すことができました。私たちの会社を信頼して利用していただいた留学生の皆さん、本当にありがとうございました。また、同じように私たちを信頼して、契約をしていただいている学校の方々にも本当に感謝しています。昨年は、オーストラリア国立大学など、トップ大学からも声をかけていただけるようになり、オーストラリアの大学進学市場では重要なプレーヤーになれたと思います。

しかし、このビジネスの最も重要な指標は、お手伝いをした留学生の皆さんが目標を達成して、人生の新たなステージに立てたかどうかなのだと思います。その方たちが、僕たちの会社のファンになって、留学後も相談をしてくれたり、逆に友人の紹介などのサポートしてもらえるような、そんな関係を続けていければありがたいです。

明日から始まる新年度も、僕自身の目標として、出来るだけ多くのお客様や学校の方と会い、お茶を飲み、ご飯を食べ、深い話をしていきたいと思います。どんどん声をかけていきますので、つきあってくださいね。明日からもよろしくお願いいたします。

61歳だってタイパは大切

61歳の誕生日がやってきました。若い頃の誕生日の感覚と全く違うのは、未来に限りがあるということをリアルに感じることです。この感覚は、若い人々、つまりは私たちのお客様たちの世代には、説明しても理解してもらえないことですが、今はタイパが重要な若者たちにも、いつかこの感覚が分かる日がやってくるのです。


考えてみると、僕にとってもタイパ(タイムパフォーマンス)はとても重要なことで、そのパフォーマンスを測る指標が、若い人たちで言うところの量とか生産性ではなく、大切な人々、つまり家族や友人や会社のメンバーやお客様と、ゆっくりと深く語り合う時間を過ごせるかということです。

これから先の限りある時間だからこそ、記憶の彼方に流れていってしまうのではなく、印象に残る時間を積み上げていきたいと思います。お茶に行きたい人、声をかけてくださいね。

ダメもとな人々

人生は意思決定の連続ですが、大人になっていけば簡単な意思決定の場面というのは、ほとんどなく、トレードオフについて、慎重に考えていかなくてはいけません。トレードオフってこちらを立てればあちらが立たずみたいなことで、2つの選択肢の矛盾を解決するのではなく、妥協点を探るということが必要になってきます。


留学の話で言えば、「質の良い語学学校で日本人が少ないところを探しています。」というのは、トレードオフをあまり理解していない人の典型的な問い合わせです。日本人(あなた)は質の良い学校で勉強したいと考えているのに、日本人がいない学校を探すというのは、最初から無理な注文なのです。こういう場合は、学校の質と日本人の数について、学校を決める際にどちらがより重要なのかを考えてもらいます。

似たような話だと「大学時代は成績が悪かったのですが、こんな私でも申請できる奨学金がある大学院を探しています。」という問い合わせも時々やってきます。奨学金とは、その大学が授業料を負担しても入学してほしい学生に対して提供するものなので、成績が悪い人が申請してもそれが承認されることはないのです。

このような問い合わせをしてくる人って、トレードオフを理解していないというよりは、ダメ元でも良いので、とりあえず聞いておこうというタイプの人が多いし、10年前に比べて明らかにそのような人が増えていると思います。そういう人たちって、戦略性があるようで無いわけだし、とりあえず聞くだけなので分析力が養われていくこともなく、頭は良くなっていきません。

でも、これからAIの時代になると、このダメ元でなんでもとりあえず聞いてみる人たちって、さらに増えていくんでしょうね。AIが、「君、頭悪くなるから、もう少し自分で考えてから、質問した方がいいよ。」とかって答えてくれることは無いんでしょうね、きっと。

お金で買えないやりたいこと

アデレードは、どうも冬の時期は雨が多いようで、日曜日に雨が降ると午後は図書館にやってきて、雑誌を読んだり、こんな文章を書いたりしています。街の図書館ですが、広いしのんびりできるので、お金がかからないのにいい時間を過ごせるなと思ったところから、今日のお話です。


やりたいことって、2つの種類があると思います。少し無理やりな分け方ですが、お金で買えるものとお金では買えないものの2つです。旅行したいとか、あそこのレストランで食事したいとか、あの映画を観たいなどは、お金で買えることです。そして、今の時代としては、それらのことはSNSに親和性があり、インスタ映えしていくものです。

それに比べて、お金で買えないのは、文章を書いたり、散歩をしたり、図書館で本を読んだり、友だちと時間を忘れて語り合ったり、その後に、その話について考えたりする時間です。それは、あまりインスタ映えはしないけど、何かしらの新しい気づきや価値を生み出したり、新たなやりたいことや、解決したい問題などを気づかせてくれるかもしれません。

10代の頃のやりたいことって、お金はあまりかからなかったのに、大学生くらいになると、やりたいことにお金がかかるようになってきて、やりたいこと=消費活動の癖がついていきます。そのマインドセットのまま、社会人になると、お金をどんどん使って、あまり意味のないやりたいことに時間を費やしてしまいます。そして、やりたいことがだんだん減っていくのです。

そんな日常を変えるためにも、オーストラリアに留学に来たら、どうせお金は無いし、物価は高いので、海外から来た留学生や地元の人たちとコーヒー一杯の投資でひたすら話をしてみてください。あるいは、街をひたすら歩いて、写真を撮ったり考えたことを書いてみてください。やりたいこと=消費のマインドセットを変えることで、その後の人生がきっと充実してくると思います。

なぜなら、AIの時代に、人間に残された仕事って、やりたいことを考えるということだからです。優秀なアシスタントに何をやってもらうか、常にアイデアが出せるようなトレーニングをしておくと、きっと成功していくんだと思うのです。「やりたいことってないんですよねー。」みたいなことを言ってる場合では無いのかもしれません。