写真にストーリー

先日、TAXリターン(確定申告みたいなことです)をやったら、少し税金が返ってきたので、4年間使ったiPhone7plusからiPhone13miniに買い替えました。サイズを小さくしたのは、iphoneを眺める時間を意識的に減らすための、ささやかな工夫です。もう、SNSからは離れて、世の中との接点はブログだけにしようかとも悩み始めています。

そして、この週末にデータの移行をするために、保存していた写真を整理してみようと眺め出したら、この4年前の風景ってなんのために撮ったんだろう?みたいな写真が多いことに気づきました。撮影場所はiPhoneに保存されているので、どこで撮ったのかは分かるのですが、なんとなく綺麗だなあと思って撮影した写真は、数年後の僕には何も訴えてこないのです。それに比べて、人と一緒に撮った写真は(ほとんどの場合は奥さんとですが)、あの時はこうだったよねとかこんなことを話してたよねみたいなストーリーが蘇ってくるのです。

写真を撮る時って、何かしらの驚きや、このシーンを残しておきたいという思いがあるはずです。その思いをちゃんと残しておく、あるいは、一人で旅をしていたとしたら、もう一人の自分との会話をちゃんと残しておくことが写真を撮る行為に意味を与えてくれます。今の時代、そんなことをいちいち考えている必要はないと思う人も多いかもしれません。でも、新しいiphoneの中が、数年後に見返してもなんの感動もない写真にあふれないように生きていくのが、残り時間の少なくなっていく僕にとっては大切なことなのだと反省して、来週からは素敵なストーリー付きの写真を撮っていきたいと思います。

準備を始めよう

この11月から、国外にいたオーストラリア人、永住権保持者のオーストラリアへの入国に対して、ワクチン接種が完了してかつ検査結果が陰性であれば、ホテル隔離が必要なくなりました。これは、ニューサウスウェールズ州など限られた州での話ですが、ワクチン接種が広がっていくにつれて、他の州でも同じような対応になっていきます。

シドニーのあるニューサウスウェールズ州の今日時点でのワクチン接種率は16歳以上でほぼ90%。首都のキャンベラはすでに90%以上、メルボルンのあるビクトリア州も今月中に90%超えると予想されています。このような状況なので、留学生たちの受け入れ方法についても各州でプランが検討され、限られた人数を入国させるトライアルが始まっています。

あと2ヶ月くらいすると、オーストラリアは国全体でワクチン接種率も90%以上、感染者数もすごく少ない、留学先として一番安全な国になると思います。昨年の3月から国境が閉じ、多くの学生たちが日本に帰国しましたが、戻ってくるときには、とても安心できる環境になっているはずです。

ですから、来年の入国に向けて、そろそろ準備を始めていきましょう。まずは、ワクチンの接種の完了をしておくこと。そして、有効な学生ビザを持っているかの確認をすることです。私たちの会社でお手伝いしている学生たちで、オーストラリアへの入国を待っているのは約250人、今は一人一人に状況を確認しています。250人すべての学生たちがスムーズに再入国できるように、私たちも準備に忙しい毎日です。

そして、250人の学生の皆さんは、この2年間に考えることも多かったと思います。自分の人生においてのオーストラリア留学の位置付けも変わった人もいるかもしれません。大学だけでなく、その先の将来についても、きっといろいろ考えてきたことだと思います。ですから、それをまとめておくことも、すごく大切な準備です。この2年間に社会は大きく変わってしまったし、皆さんも2年分成長したと思います。2年前に戻るのではなく、このタイミングでオーストラリアで学ぶことを再定義して、帰ってきてください。そして、その話を僕たち現地スタッフと共有してください。きっと皆さんの新しい夢やビジョンに対して、良いアドバイスをしてあげられると思いますよ。

旅の生活に戻るのは

ほぼ1年間の旅の生活を終えて、またサンシャインコーストに戻ってきました。引っ越しから3日が経過しましたが、前に住んでいた同じアパートの違う部屋なので、1年前とほぼ同じ生活に戻った感じです。朝は海まで歩いていけるし、同じカフェに行けるし、同じテニスクラブに通うことも可能です。

旅の後半、西オーストラリア州やノーザンテリトリーのアウトバック(オーストラリアの荒野)をひたすらドライブしていた時には、早くサンシャインコーストに戻ってのんびりしたいなあと思っていたのですが、戻ってみると、どうしたわけかあまり落ち着きません。1週間ごとに小さな街に移動してAirbnbに泊まってシンプルかつ刺激的な生活をするのに慣れてしまったのかもしれません。倉庫にしまっていた荷物が部屋に転がっていて、まだ片付けが済んでいないからイライラしているからかもしれません。

どうも、この1年間の旅人生活は、僕の中の普通の生活を変化させてしまったようです。いつも身軽にシンプルに、かつコミュニティにはそれなりに入って、出会った人とはちょっとした会話を楽しむというライフスタイルは、外国人として暮らしている今の僕にとっては心地良かったみたいです。そして、そんな生活はこんな年齢になっても刺激的で、新しい考え方やアイデアに導いてくれます。

1年間、あるいは数年間、今までとは全く違う生活を送ることができる海外留学というのは、それを経験することで、日本での常識みたいなものから少しだけ自立をさせてくれると思います。少なくとも、世の中には色々な考え方や、想像できない人生を歩んできた人々がいるのだということを若いうちにしっかりと経験しておくことで、さらに先が見えなくなるであろうこれからの時代をたくましく、かつしなやかに生きていく術が身につくのだと思います。

僕はこれから数年は、事業の回復(いよいよ来年からは国境が開きます)とテニスに集中して、また5年後くらいに旅の生活に戻ろうと思っています。

2050年に向けての今日の消費

オーストラリアでは2050年のカーボンニュートラルの宣言をするかどうかで政治家たちは揉めていますが、オーストラリアのように資源や畜産などが経済を支える大きな柱になっていると、産業界からは大きなプレッシャーがかかっているのでしょう。

そして、日本の経産省のサイトなどを見ると、カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略などのページがあったりして、どうしても国や産業界は環境保護と経済成長を両立させたいのですね。でも、今回のコロナウイルスのロックダウンの大都市では大気がきれいになったり、エネルギーの消費が減ったりしたことを見れば、人が減ったり動かなくなると環境には良い影響を与えることが分かります。

ということは、世の中の全ての人々が、少し動くのを止めたり、夜は早く寝て電気を消したり、食べる量を減らすだけでも、随分と環境は良くなり、国に頼ることも少し減るかもしれません。だいたい、僕たちの子どもたちや孫たちやさらにその先の世代のために(もちろん、動物たちも)環境をよくしていこうという話なはずなので、人任せ、国任せにしてしまうのは責任から逃げていることになります。

僕と奥さんは、かなりのガソリンを使って、オーストラリアを一周してきたので、罪滅ぼしの意味もこめて、いつも買い物ではフードマイルが少ない(短い?)ものを買うようにしていました。つまり地元で取れた野菜や果物をマーケットで買ったり、地元の海で獲れた魚を料理していました。最近は、朝の時間に欠かせないコーヒーもオーストラリアのバイロンベイ近郊で栽培されている豆を発見して、飲み始めました。あまり期待していなかったのですが、クセがなくて美味しいです。オーストラリアでコーヒー栽培なんて想像したことなかったけど、頑張っている人たちはいるんですね。

僕は、2050年には生きてはいないと思うけど、その年が地球にとって良い年であることを願って、これからもちゃんと気を使って今日の消費をしていきたいと思います。

永住権について考えること

最近は、オーストラリアの永住権を取るために、どうしたらいいのかという問い合わせが増えてきています。残念ながら、私たちの会社は留学エージェントなので、大学や学校に関するアドバイスは出来ても、永住権を取るにはこうしたらいいですよみたいな移民などに関するアドバイスは法律で禁じられています。留学エージェントの中には、かなり危ない橋を渡っている方たちもいらっしゃいますが、私たちはその領域に関してはとても慎重に対応しています。ですから、お問い合わせいただいても、「すみません、移民弁護士にその質問はしてみてくださいね。」という回答をしています。

オーストラリアは2010年以降になって、永住権の取得の条件がどんどん厳しくなっていて、現在は基本的にはオーストラリアが国家としてほしいスキルを持った人にだけ永住権をあげますというのが方針です。ですから、どうやったら永住権を取れますか?みたいな方にはかなりハードルが高いのが現実です。

このような永住権についての問い合わせをされる方とコミュニケーションをしていて不思議だと感じることは、「どうやったら、楽に、確実に永住権が取れるのか?料理人とIT技術者ではどっちが、安く、確実に資格と永住権が取れるのか」みたいな質問が多く、「どうこの分野で貢献したら、オーストラリアは私に永住権をくれるのか?」みたいな展開にならないことです。

子どものメンタリティーと、社会に出て成功していく大人の考え方の一番の違いは、こういうところなんだと思います。どう貢献したら会社は私を昇格させるのか?どのように貢献したら、お客様は私の会社を選ぶのか?そのような問いを常に続けていくことが、社会で成功する唯一の方法です。

オーストラリアの永住権を持っていても、成功している人が全てではありません。永住権を取ることだけにフォーカスを当てすぎずに、その後の人生で、オーストラリアという国・社会に、どう貢献していくかをしっかりと考えて、人生プランを作っていってくださいね。

もうひとつ加えること

新しいビジネスを考えようとしても、もう、ほとんどの領域で人間の欲しいものは満たされていると思います。もちろんスマホのように、私たちの生活を大きく変える物というのは、時々生まれるかもしれませんが、衣食住の基本的な世界で、今までに見たこともないような物が生まれてくることは極めて稀なことでしょう。それでも人々を幸せにするためには新しいビジネスが生まれなくてはいけません。そうでないと、成長しないビジネスは利益を確保するためにコスト削減に走り、つまりは人々の給料が下がっていく構造になるからです。

となると、既存のビジネスに何を加えていったら良いのか?が鍵となってきます。その一つは「倫理」なのだと最近は思っています。倫理的に正しい服とか倫理的に正しい食べ物とか倫理的に正しい家、みたいな質問を投げかけることで、新しい商品やサービスが生まれてくるし、金儲けだけに走らない今の若者たちや、すでに成功した人たち(つまりお金に余裕のある人たち)はそのような正しいことを消費しようとするのではないでしょうか。

先日、娘と話していたら、最近、銀行口座を変えたとのこと。理由を聞いてみたら、環境保護に良くない会社やビジネスに投資や融資をしている一般的な銀行ではなく、そのようなビジネスには投資しないことを宣言した倫理的な銀行にお金を移したのだそうです。オーストラリアでは、最近、そのような倫理的な企業活動をアピールするビジネスが増えてきています。年間購読をすれば植林をしてくれる雑誌、携帯のSIMを買うとその売上の一部を社会貢献活動に寄付してくれる電話会社、カーボンニュートラルを実現させながら煉瓦を作ってる会社などなど、既存の産業やビジネスに倫理的な観点を加えることで、ファンを増やすことができるのです。

日本はデフレ的なマインドが本当に長く浸透してしまったので、「社会貢献は分かるけど、結局選ぶのは価格が安い方。」みたいな人たちが大多数だと思います。でも、オーストラリアに留学をしにきている若者たちと話していると、価格よりも正しさを判断基準にしている割合が増えてきている感じがします。インフレ目標とかを議論するよりも、正しさ目標みたいなものを議論した方が、社会が長期的に良くなっていく気がします。

そして、僕の会社も何か倫理的な要素を加味できればと思うのです。

家を出るための留学

高校を卒業して大学を選ぶときに、一度は家を出る選択肢を考えた人もいるかと思います。特に地方の高校生にとっては、東京などの大都市の大学に通うことイコール家を出ることになり、大人になるための大きなステップです。最近はコロナウイルスの影響もあり、地元志向が強まっているそうですが、それでも18歳の若者たちの何割かにとって、親元から離れたいと考えるのは、健全で自然なことなんだと思います。

しかし、若者の人口のうち半分以上が大都市圏に住んでいる今の時代は、大学に進学したとしてもなかなか実家から独立できません。実家で暮らすことは、居心地の良さもありますが、経済的にあるいは精神的にそこから抜け出ることが出来なくなっていると言えるかもしれません。

そんな時、オーストラリアの大学たちは絶妙な距離感を与えてくれます。時差がないので連絡を取り合ったり、オンラインで話をするのは簡単です。でも物理的な距離は何千キロも離れているので、実際に会えるのは年に1回とか2回。たとえ休学しての1年間の留学でもいいので、実家としっかりと距離を取って、自分でなんでもやる生活の経験を積んでおくべきです。将来必ず役に立ちます。そして、そんな姿を見せていると、親たちも子どもたちに対して、リスペクトする気持ちが芽生えてきます。そして子どもたちも、実家で暮らしていたことの有り難さが身にしみて、親に対するリスペクトが生まれるのです。

お互いに認め合う状況が、親子の関係を次のステージに押し上げてくれるのだと思います。

3億年前からの風景

今回の旅は、ほぼ終わっていますが(サンシャインコーストで新しい家に落ち着くのは10月末なので、それまではこの辺りのいくつかのAirbnbに滞在する予定です。)、これから時々、印象に残った場所についてのブログも書いていきたいと思います。

まずは、7月に訪れた西オーストラリア州北部のバングルバングル。
25年前、初めてオーストラリアに映像制作の仕事の関係で訪れたときに、セスナ機をチャーターして空からこの場所を眺めました。オーストラリアのアウトバックの写真集で見たことのある印象的な縞模様の丘たちを、ただ面白い風景の一つとして空から眺めたことを覚えています。

そして、今回は、何時間も悪路を運転してやってきて、あの景色を下から見上げています。この景色のもとが出来たのは3億年以上前のことだそうです。実際にこんな地形が出来上がる前に、これだけの地層の堆積があったわけですから、さらにその前の何億年かをかけて準備がされていたのです。地面に立って見上げた時に、最初に感じたのは、その3億年の歴史が一望に見渡せる圧倒感でした。今、見ている風景と似たような景色が3億年前にもあったというのは、火山活動や地震や多くの雨による浸食でどんどん地形が変わっている日本で育った僕には、それだけで不思議な感じがするのです。
きっと何万年か前には、先住民のアボリジニの人々も、同じようにこの景色を眺め、物語を紡ぎ、それを繋いでいったのだということが、容易に想像できる気がしました。それほど、周りの景色とは全然違う世界が広がっているのです。きっと、僕は、もうあそこに立って風景を眺めることは無いと思いますが、留学生の皆さんは、もし時間が許すのであれば、バングルバングルの中を歩いてみてください。地層1センチ分にも満たない僕たちの人生を大切にしなくてはと大地が語りかけてくると思います。

市場規模と社員規模

マーケティングの授業では、最初に市場規模を分析して、その市場がどのくらいの成長率があって、その中で、どのくらいのシェアを獲得するのかを目標設定して、それに向けて戦略を立てることを学びます。その計画に多くの資料や情報や頭脳が使われ、成功する確率が高そうな事業計画が準備されます。それなのに、8割とか9割のビジネスは成功することなく、消えていきます。

市場規模は、多くの現実的な情報を基に計算されたとしても、最後に未来という変数をかけることで夢の数字や夢のシナリオを描く舞台になってしまいます。留学業界で言えば、子どもたちの数は減っていくのにもかかわらず、これからは海外で学ぶ若者が増えるから、市場は伸びていくのだ!みたいな考え方です。それは当事者以外の誰が見ても間違った考え方ですが、当事者たちは夢を見たがるのです。

僕は市場規模というものをほとんど考えません。これは中小企業でしかできない方法だとは思いますが、社員一人当たりの安定した売り上げがどのくらいかを考えて、その足し算で計画を考えます。掛け算的な発想は持たず、現実的な数字だけを見るようにしています。そうであれば、あまり計画が下振れすることはないので、こんな厳しい環境であってもストレスは少なくてすみます。

ポストコロナの時代では、失敗するのが怖くてビジネスを始めようとする若者が減ってしまう気がします。でもビジネスをちゃんと続けていけて、お客様が喜んでくれる状況を作ることは、少なくとも僕にとっては人生に大きな満足感を与えてくれています。ビジネスは簡単ではないけど、難しいことでもありません。ひたすら現実に向き合いながら、でも少し夢のある目標に向かって一歩一歩進んでいく、そんなプロセスが楽しめるのは、ビジネスを始める人の特権だと思います。これからもそんな若者たちと出会っていきたいなと思っています。

いちばん大切な社会貢献

僕は、毎朝、社員に向けてメッセージを書いているのですが、最近は僕からの一方通行ではなく、社員の方々に質問をしてその回答を共有したりしています。例えば「ポストコロナの時代におけるワーホリの意義ってなんだろう?」などの質問を投げかけるのです。社員がどのようなことを考えているか、どのくらい深く時代や社会について考えているかなど、僕にとっては大切な気づきだし、社員の中でも大きな学びになっていると思います。

先週の質問の一つに、僕たちの会社の業績がまた平常に戻って社会貢献のプロジェクトを再開するとしたら、どんな問題に取り組んだらいいだろう?ということを聞いてみたのですが、環境問題などよりも、日本社会の貧困問題であったり子どもたちの教育格差などの問題に意識が向いていることが分かりました。経済格差による不公平な状況をどう解決していくかは、あまりに問題が大きくて、国とかに責任を転嫁しがちですが、これを行政や政治家に期待すること自体が、ストレスの原因になりそうです。

多くの国民が経済的に安定するための方法って、シンプルに考えれば、いい会社が増えればいいのだと思います。自分が優秀だと思ったら、組織の中で出世することを考えずに、小さくてもいいから安定していて、社員を大事にする会社を経営することが一番の社会貢献です。例えば、10%の優秀な人がそれぞれ10人雇える会社を経営すれば、世の中、かなり幸せになると思うのです。

でも優秀な人たちは役人になったり、大企業に入ったりして、不毛な出世争いに時間と能力を使ってしまいがちです。その過程で、何人もクビにしたとしても、あまり胸を痛めることもなくなってしまいます。そうすると社会貢献とかに頭を悩ますよりも、いかに素敵なお金のかかった生活をしているかをSNSで自慢できるかに頭を悩ますようになるのです。

オーストラリアに留学してくる若者たちが、将来、自分の会社を作って社会にも社員にも貢献していくことを楽しみにしながら、アドバイスを続けていこうと思います。