ぐっすり眠る方法

今週は西オーストラリア州のManjimupという街から20分ほど車で走った牧場の中の家に滞在しています。今までも、こういうシチュエーション(朝起きて外を見ると牛しか見えないみたいな)は経験してきたのですが、今回は携帯電話の電波が全く飛んでいない場所でした。


仕事の時は、街まで行って、カフェでメールの返信をしたり、会議はカフェでは音楽がうるさかったので車の中でやったりと不自由しながらも、なんとかこなしたのですが(オフラインの時間も多かったです)、夕食の時間からはネットとテレビのない生活が1週間続きました。

夜は本を読んだり、そのAirbnbにあったDVD(裏を綺麗に拭いたりなんかして)を観たりすると、すぐ眠たくなっちゃうので、9時くらいには寝てしまうのですが、携帯が使えないと本当によく眠れるのです。寝る前にニュースを見たり、メールをチェックしたり、何気なくやっていたことが、ちょっとしたストレスを増大させていたことに、あらためて気づかされました。特に、オーストラリアの国境がずーっと閉じたままで大きな打撃を受けている留学会社の社長としては、最近はストレスがかなり溜まっていたので、こんなによく眠れると、ポジティブな新しいアイデアや戦略も浮かんできます。

僕たちが24時間常にネット環境と繋がるようになってから、まだ10年くらいの話なのに、僕の脳はかなりネットに侵されてしまっていたようです。今は、不安で夜も眠れない方も多いかと思いますが、まずは、夕方から携帯電話の電源を切ってみてください。明日から、また違う場所に移動しますが、これからも、この習慣?は続けていきたいと思います。

人口35,000人

今週は西オーストラリア州のAlbanyという街に滞在していました。この街の人口は約35,000人。日本で検索すると静岡県熱海市とかが出てきましたが、日本の市町村の人口ランキングでは673位。つまり、このくらいのサイズの街って日本にはいくらでもあるんですね。しかし、人口が少ないオーストラリアではAlbanyは全豪で45位の主要な?街なのです。


オーストラリアでは、同じくらいの人口の街として、ビクトリア州のWarrnambool、タスマニア州のDevonportなどがあります。どちらもしばらく住んでみたい、素敵な街です。おしゃれでオーガニックなカフェがいくつかあり、こだわった本屋さんがあって、ファーマーズマーケットが開催されて、テニスクラブもあります。どうも、僕はこのくらいのサイズの街に惹かれるのです。人も優しそうだし、きっと1年も住んだら多くの友だちができそうです。

そして、Albanyの魅力は、この写真にあるようにダイナミックで変化のある風景。街から20分ドライブすれば、国立公園です。自然と近い街というのは、僕にとってはすごく大切な条件です。

もし35,000人が魅力的な街を作るために適したサイズなのであれば、日本には何百もの可能性のある場所が存在していることになります。オーストラリアに留学したり生活した若者たちは、日本に戻ったら素敵な街づくりやコミュニティーづくりに参加して、オーストラリアでの経験や考えたことを活かしてほしいと思います。

ひたすら真っ直ぐな道

南オーストラリア州から西オーストラリア州にかけて、陸路で移動しようとすると、オーストラリア人も人生で一度は経験したいと考えているナラボー平原をドライブする必要があります。このEyre Highwayが唯一の舗装された道路だからです。


僕たちは南オーストラリア州のCedunaという場所から西オーストラリア州のNorsemanという街まで、この道路を使いました。信号も何もない道が1200キロくらい続きます。1200キロって東京から熊本くらいまでなので、長距離トラックの運転手ってこんな生活なのね、という体験でした。その間に数カ所のガソリンスタンドとモーテルが一緒になったような、Roadhouseという休憩地があります。僕は安全も考えて1日のドライブの距離は300〜400キロくらいに抑えているので、3ヶ所のRoadhouseに泊まりました。

そして、西オーストラリア州に入ると、オーストラリアで(たぶん世界でも)一番長い真っ直ぐな道と言われる90マイルの直線道路があります。約150キロ、ひたすら真っ直ぐな道なのです。その道を走りながら感じたのは、ここに道を作らなくちゃいけないという当時の人々の強い意志です。その意志が、ここに道ができれば物資が動かせてお金が儲かるという、金銭欲と同義語だとしても、その強さに敬服してしまうのです。

しかし、現代には、もうここに道を作らなくてはいけないなんて場所は残っていないでしょう。それよりも作ってしまったけど今はいらない道を美しい自然に戻すための強い意志が必要なのかもしれません。そして、そのモチベーションの考え方が、大人と若者とでは、随分と乖離してしまっていると思うのです。金儲けという貧乏な時代の大人の論理ではなく、地球環境というテーマにずっと敏感な若者の論理で開発(回復?)は進められるべきなのだと、なが〜い退屈な道を走りながら思ったのでした。

Eat Local

今週は、Port Lincolnという街に滞在していました。ここは、オーストラリアでも有数の漁業の街です。街にはいくつもの日本で言えば〇〇水産みたいな会社があって、加工をしたり冷凍して輸出の準備をしています。安定した需要のおかげで、なんと、この街は、人口あたり一番ミリオンネア(日本円で言えば億万長者)の数が多いそうです。確かに、漁村というよりはお洒落なヨットハーバーの街みたいな場所もありました。


そして、その漁業を支えているのは日本市場。このPort Lincolnは南マグロの養殖が盛んで、その多くが築地に空輸されているそうです。日本人の食欲がこの街を作っていると考えると、その繋がりにちょっと嬉しくなったり、しかし、こんな南半球の遠くからコストやガソリンをいっぱい使ってわざわざ送っているグローバル市場の胡散臭さみたいなものを感じたりしています。

この旅で気をつけていることは、できるだけ地元の食材で美味しいものを食べようということです。今週は久しぶりに日本向けのマグロの刺身も食べたし、とれたての生牡蠣を楽しんだりしました。でも、一番フレッシュで美味しいと感じたのは、この地域の特産であるGarfish(日本ではサヨリ)のフィッシュ&チップスでした。これからも、グローバル市場に流されるおしゃれな食べ物ではなく、ローカルな人が食べてる素朴な味を楽しんでいきたいと思います。

運転しながら「やあ!」

今週は、Yorke Peninsulaという半島の先にある、Marion Bayという街に滞在していました。ここは、アデレードから数時間のドライブで来れるので、アデレードの人びとには休暇を楽しむ人気の場所です。到着した日はイースターの祝日ということもあって、周りのコテージは家族づれで賑わっていたのですが、休みが終わると急に静かになってしまいました。


そんな静かなエリアを車で走っていると、不思議なことが。観光客ではなく、地元のドライバー(だいたい、おじさん)とすれ違うと、手をあげたり、親指を示したりして、何か合図をするのです。都会で、対向車から何かのサインがある場合は、この先でスピード違反の取り締まりがあるよとか、事故があるから注意したほうがいいよ、みたいなメッセージなのですが、こんな田舎でスピード違反を取り締まっても、そもそもあまり車が通らないのだから、意味がありません。

どうも、この地域のドライバーの人たちは、散歩中に道ですれ違って挨拶するのと同じ感覚で、たとえ時速80キロで走っていたとしても、「やあ!」と手を上げて挨拶するのです。それがわかってから、なんか楽しくなって、地元っぽい車とすれ違うたびに手を上げてみると、かなりの確率で挨拶を交わすことが出来ました。少しだけ、コミュニティのメンバーに加わった感覚です。

旅をしていると、その異邦人としての気軽さや自由を楽しむのと同じように、その街や人々との繋がりを強くしてみたいという思いが生まれます。それが、僕にとってはカフェに通ったり、テニスクラブに通ったりすることなのですが、この街では、挨拶だけでそれが感じられる思い出ができました。

四季があるっていいよね

先週は、日本の友人たちのSNSの投稿は「桜」一色だった気がしますが、オーストラリアは季節が逆なので、秋が深まっています。

僕が旅を始める前に住んでいたサンシャインコーストは緯度が26度くらい。日本だと沖縄の那覇と同じくらいなので、冬でも寒くならず、1年中テニスをするには最適ですが、四季を感じることはほとんどありません。暑い時期と暑くない時期、みたいな1年です。

今週、滞在しているのは南オーストラリア州のアデレード。南緯35度くらいなので、ほぼ東京と同じです。ですから、秋の感じがとても懐かしい感じがするのです。

先週末に、Mount Loftyという市内から30分もかからない小さな山の植物公園に行ったのですが、そこではすでに紅葉が始まっていました。空気も乾燥しているので、東京の10月とか11月の、秋の長雨や台風の時期が終わって、冬に向かって空気が乾燥し始める、そんな季節を思い出させてくれます。(いったい、いつになったら日本に行けるのだろう。)

日本で暮らす魅力の一つは、四季の移り変わりを楽しめることだと思いますが、アデレードなどのオーストラリアの都市にも、こんな素敵な紅葉と、春にはジャカランダというまるで桜のように期間限定で楽しめる花が満開になり、同じように四季を楽しむことができます。多くの日本人はオーストラリアを、青い空、青い海、美しいビーチ、みたいな南国のイメージとしてとらえることが多いのですが、日本に負けないくらいの繊細な自然を楽しんでもらえたらいいなと思います。

計画された困難

アデレードで、久しぶりに友人と会い、ランチとテニスをしました。彼はかつてはフリンダース大学附属英語学校のマーケティングの担当として一緒に仕事をしていた仲間です。

現在、彼は自分が通った小学校の体育の教師と、放課後は地元のサッカークラブのコーチをしながら生活をしています。テニスも週に1回か2回は友だちと楽しんでいるということで、お互い、スポーツのネタは話がはずみます。

テニスもサッカーも技術や体力や戦略はトレーニングできるけど、それらよりもずっと重要なメンタルを鍛えるのは大変だよね、という話になりました。しかし、それって10代の頃にちゃんと鍛えないと、プロの選手になることは出来ないし、たとえプロの選手になれたとしても成功できる可能性はゼロです。特にテニスなどの個人スポーツはなおさらです。

彼も、それをどうトレーニングに組み込んでいくかを試行錯誤しているそうです。話を聞いていて面白かったのは、優秀な選手にあえて困難な状況を経験させるのだそうです。日本だと、しごいて根性を鍛えるみたいな話になっちゃうかもしれませんが、彼は、サッカーの練習試合などでその子にどんどん反則を与えるのだそうです。それで、キレさせてプレーに集中できなくして、あとで呼んで話をするそうです。どんな困難が降りかかっても、過去ではなく、次のプレーを良くする為に集中することの大切さを教えていくのだそうです。なるほどって感じですよね。そして、そんなマインドセットはスポーツだけではなく、その後の人生にも役に立つのだと思います。

困難に打ち勝つ強さは、経験でしか養われません。しかし、本当の困難はそんなにはやってこないし、準備していない状況でいきなりやってこられたら、誰だって深い傷を負うことになります。だからこそ、計画された困難を経験しながら、それを学びに変えていくことは大切なトレーニングになるのです。

今の日本の社会を見ていると、子どもが困難に遭わないように、親たちは出来るだけ楽な道を探そうとしますが、果たしてそれが本当に子どものためになっているのかは疑問です。だって、子どもだって大人だって、困難のない世界なんてあり得ないのですから。

計画された困難として、オーストラリアの大学進学を考えてくれる家族が増えると良いなと思っています。

誤解してました

今週はカンガルー・アイランドという島にいます。ここは南オーストラリア州のアデレードから1時間半ほどのCape Jervisという街からフェリーで45分ほどで行くことができます。



アデレードに住む友人の一人が、将来カンガルー・アイランドに住むのが夢だと話していて、今回の旅ではいきたい場所の一つでした。あまり観光地というものには興味はないのですが、ここはアデレードに留学に来た若者たちにはぜひ訪ねてほしいおすすめの場所です。ちょうど今くらいの時期に1週間くらいのんびりと滞在して、素敵な時間を楽しんでほしいと思います。

この島で印象に残るのは、オットセイたち。Seal Bayという場所は、オットセイの繁殖地がビーチの近くにあるので、人間が近づいて観察ができる珍しい場所です。今回は、お金を3000円くらい払って(37豪ドル)ビーチまで降りて説明を受けられるガイドツアーに参加してみました。

オットセイと言うと砂浜で、こんな感じでだらけているイメージが強く、お気楽な動物たちだなと思っていましたが、それは全くの誤解でした。彼らは3日間遠洋に漁に出かけて、疲れ切って家に戻ってきて、こうやって休んでいるのです。3日間泳ぎっぱなし、働きっぱなしですよ。人の目なんか気にしてる余裕なく眠たくなるのは、当たり前です。これからは、尊敬の眼差しを持って、接していきたいと思います。

オットセイの写真を見て、「休日のうちのお父さんみたい」と思った若者の皆さん、確かにお父さんも電車に揺られて、マスクして、酸素が足りなくて、大変かもしれません。でも、オットセイくんたちからすれば、「君のお父さんと一緒にされるのは心外だなあ。こっちは3日間寝ずに働いているんだぜ。」と言われそうです。日本のお父さんたち、オットセイに負けるな!

穴ぼこだらけの街

メルボルンのあるビクトリア州を離れ、アデレードが州都の南オーストラリア州に入りました。今週は、南オーストラリア州側の最初の都市、Mount Gambier(マウント ギャンビアーみたいな発音です。)に滞在しています。



この街の面白さは、マグマの噴火で出来た山というか丘みたいな場所や、噴火で出来たカルデラ湖というかカルデラ池みたいな場所が街の近くにもいくつもあることです。この地域でマグマが活発に動いて噴出した理由は、オーストラリア大陸が南極大陸から離れたことによって断層などができたからだそうで、今では安定した大地なオーストラリアもかつては小さな火山がいくつもあったというのは不思議な感じです。アボリジニの方達の伝説にも火山の話が出てくるので、地球の歴史の時間軸で考えたら、つい最近までこの辺りでは大地が常に動いていたのでしょうね。

また、そんなカルデラの場所以外にも、この辺りは石灰岩の大地なので(つまり昔は海の底だった。)鍾乳洞や、自然に陥没した大きな穴なども街中にいくつもありました。その穴全体に植物を植えて、庭というか公園のようにデザインしています。地元の人たちの憩いの場として、かつ観光客も呼べるスポットになっていました。
そんな不安定な土地になんで街が出来たのか?ネットで調べてみても、答えが探せなかったのですが、多分安定した水の存在がこの街を発展させたのだというのが、奥さんと議論した結論です。街の外れにある火山の噴火でできたBlue Lakeには大量の安定した水があり、1800年代にはそれが何よりも重要な資源だったのだと思います。今でもこの街の水道は、Blue Lakeの水を使っているそうです。
いつか、どこかが陥没してしまうリスクと共存しながらも、アデレードから400キロも離れたこの街には、若い世代がカフェやレストランをオープンさせたりしてコミュニティーを盛り上げているのが、とても印象に残った街でした。

珍しいからチャンスがある

今週はグレートオーシャンロードの最終地点のWarrnambool(ウォーナンブール)という街の近くに滞在しています。メルボルンからグレートオーシャンロードで12使徒の岩までは多くの人が行くと思いますが、それよりさらに50キロ先にも素敵な街があるのです。

そして、この街にはDeakin大学のWarrnamboolキャンパスがあるので、ふらっと寄ってみました。キャンパスは思った以上に大きく、ここだけでも十分に一つの大学として認められそうなサイズでした。午前中はキャンパス内のカフェで仕事をするというのが日課になりました。

まだ、夏休みから帰ってきていないのか、コロナウイルスの影響でオンラインの授業が多いのかはわかりませんが、学生の数はそんなに多くありませんでした。調べてみると、留学生が学ぶことができる学部もビジネスとか環境学(海洋学)などがありましたが、日本人が学んでいる可能性はとても低そうでした。街を歩いていても日本人らしき人には全く出会わなかったので、こんな街のこんなキャンパスで学びながら生活をしたら、日本人というだけで、チャンスが訪れたり、友人が増えたりすると思います。(「日本語教えます!」と看板を出すだけで、何人かのお客様が連絡してくるに違いない。)

マーケティングの基本は、scarcity(希少性)です。季節限定商品だからみんな買いたくなるし、一度きりのコンサートだからみんなが殺到するわけだし、優秀な人材だから給料が高くなるのです。皆さんの希少性を獲得するには、自分の能力を高めるか、場を変えるかのどちらかです。こんな街に住んでいると、日本人というだけでチャンスが訪れる可能性が、メルボルンの市内にいるよりはずっと高くなるのです。

でも、多くの人たちは、なかなかそう考えません。自分が目立たないところ、他の人々と同じところにいようとする。大企業に入っていれば安全だと思ってしまう。でも、いつか、自分が目立つ場所に行かないと自分らしい人生を生きたと思えなくなってしまいます。能力を高める、場を変える、あるいはその両方をやる。人生の戦略はそんなシンプルなことの繰り返しだと思います。