ロールモデルなんて、の時代

今は、「ロールモデル」つまり見習うべき大人を目標にする、ということが死語になりつつある時代だそうです。


まずは、ロールモデルとなるべき大人の側では、終身雇用の時代はとっくに終わり、昔に比べたら安定した人生設計をすることができません。ですから、若者の見本になるなんてことより、まずは自分の仕事が成功することが重要で、余計なことは考えている暇はないのでしょう。そうなると必然的に余裕がなくなって、かっこいい大人が増える構造ではありません。また、大人になってから起業をする人も増えているようですが、10年後にその会社が生存している可能性は半分以下でしょうから、ここでも成功している大人に出会える可能性は高くはありません。

また若者の側でも、「君は素晴らしい、だから強みを活かして生きれば大丈夫」みたいな微妙な自己啓発本みたいなメッセージに惑わされて育ってきているので、奇妙な自信に溢れた人が多く、人生の目標や方向性を大人や先輩に求めることは少ないのかもしれません。そうなると、夢や目標にあまりリアル感が感じられないのです。

幸運にも、僕の20代は、本当に素敵な大人たちと出会えた時代でした。会社の上司、先輩、社長、勤めていた会社がお願いしていたコンサルタントの方々、ビジネススクールの教授、一緒に仕事をさせていただいたデザイナーやプランナーの方々、思い出すだけでワクワクするような人々との時間のおかげで、こうやって海外で会社を経営するという夢が生まれ、それに向けて何を準備したらいいのかが、少しずつ学べたのだと思います。

そして、少しだけ僕が頑張ったことと言えば、出会った大人たちから出来るだけ多くのことを学ぶために、少し無理して自分の実力よりも背伸びしたり、緊張したりしても話を聞きに行ったことだと思います。自分の知らない世界を知っている人から、なんでも吸収したかったのが僕の20代だった気がします。

ですから、20代の人に伝えたいのは、ロールモデルにならない大人の方でもいいので、とにかく話をしてみたらということです。緊張もするし、あまり快適ではない時間になるかもしれません。それでも大人たちと話す練習は、必ず将来に役立つと思うし、留学中に外国人の大人たちと将来や仕事や人生の話をする機会は、きっと皆さんの世界を広げてくれると思います。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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