誰のための支援なのか

日本も緊急事態宣言が発令されて、次は経済支援が注目されますが、あまりオーストラリアの経済支援策は取り上げられていないので、ひとつ紹介をしておきます。日本に比べるとずーっと分かりやすくシンプルです。(これ以外にも企業救済の様々なプログラムが発表されています)


まずは、このような支援を考えるときに、「誰に」「どのくらい」「どのように」支援をするのかを決めなくてはいけません。

オーストラリアの場合、「誰に?」は今回の新型コロナウイルスで被害を受け、売上が対前年から30%ダウンした企業に勤める社員が対象です。彼らが無職にならないように支援をするということで、「Jobkeeper」と呼ばれています。公務員やトイレットペーパー屋さんは当然ながら対象にはならず、カフェなどの飲食店や観光業に携わったり、もちろん僕の会社の留学ビジネスで働く人々も対象になります。

次に「どのくらい?」の支援があるのかというと、国民、永住権保持者の社員1人あたり2週間で1,500ドル、1ヶ月でいうと約3,000ドルの給与分を6ヶ月にわたって国が支払ってくれます。融資などではなく、給付してくれるのです。この金額の設定基準は最低時給程度というものです。僕の会社では10人くらいが永住権保持者で対象となるので、毎月3万ドル、6ヶ月で18万ドルを国から貰えるのです!これは助かります。おかげで僕の会社では誰かを解雇したり休業したりすることはありません。

最後に「どのように?」というお金の渡し方ですが、これは企業に国から毎月支払われ、企業は対象者にちゃんと給与を支払った証明を国に対して行います。お金がちゃんと雇用の維持に使われたかをチェックする仕組みができるはずです。企業にお金が渡っても、それを資金繰りに使われたりしたら意味がありませんからね。

いかがでしょう?分かりやすいですよね。特に、「企業」を助けるのではなく、「企業で働く人」を助けるための仕組みなのだということが誰にでも分かるのがいいと思います。日本で、果たしてこんな支援策ができてくるのか?注目したいと思います。

海外で会社を経営するというのは、なかなか苦労も絶えないわけですが、今回の支援策はとてもありがたく、オーストラリアで会社をやってて良かったと思います。まだまだ苦労は続きますが、こういうときに経営者の手腕が問われてくると思うので、頑張っていきたいと思います。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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