草刈りに予算を使う

オーストラリアでは、しょっちゅう草刈りをしています。街路樹の整備や芝生の管理は、公共の予算で行われている感じだし、僕が住んでいるアパートでも管理人さんたちが、よくメンテナンスをしてくれています。サンシャインコーストをドライブしていると、いつでも、どこかで誰かが草刈りをしているのです。


道路脇の芝生などは、半分雑草たちであっても、短く刈ってあるときれいに見えるものです。きれいにされていると、ゴミを捨てる人もいないので、清掃費なども削減できている感じです。何より、歩いていて気持ちがいいです。


このコロナウイルスの影響で、多くの人たちが職を失い、国や自治体は仕事を作ることを最重要課題と認識しています。オーストラリアでも、新しい鉱山を開発したり、高速道路の拡張など、昔ながらの公共工事を増やすことで仕事を増やしたと自画自賛しています。でも、そんなことで、せっかくの美しい自然が壊されていくのだったら、長期的な視点で見たら、間違いだということを歴史は証明しています。

一方、日本はこれからは人口が減っていくのですから、公共工事は新しいものではなく、美しく維持することにお金を使うべきです。車の通らない道路や橋を作ったり、人が来ない記念館を作るのではなく、歩道の脇に花を植えたり、毎月でも雑草を刈って、人々が気持ちよく生活できるために予算を使って仕事を増やしてみたらいかがでしょう。

そこに住んでいる人々が自分のコミュニティーに誇りを持てるのは、きれいな散歩道がどれだけあるかなのではないかと、いつものカフェまで歩きながら、よく考えるのです。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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