今週は、Yorke Peninsulaという半島の先にある、Marion Bayという街に滞在していました。ここは、アデレードから数時間のドライブで来れるので、アデレードの人びとには休暇を楽しむ人気の場所です。到着した日はイースターの祝日ということもあって、周りのコテージは家族づれで賑わっていたのですが、休みが終わると急に静かになってしまいました。
そんな静かなエリアを車で走っていると、不思議なことが。観光客ではなく、地元のドライバー(だいたい、おじさん)とすれ違うと、手をあげたり、親指を示したりして、何か合図をするのです。都会で、対向車から何かのサインがある場合は、この先でスピード違反の取り締まりがあるよとか、事故があるから注意したほうがいいよ、みたいなメッセージなのですが、こんな田舎でスピード違反を取り締まっても、そもそもあまり車が通らないのだから、意味がありません。
どうも、この地域のドライバーの人たちは、散歩中に道ですれ違って挨拶するのと同じ感覚で、たとえ時速80キロで走っていたとしても、「やあ!」と手を上げて挨拶するのです。それがわかってから、なんか楽しくなって、地元っぽい車とすれ違うたびに手を上げてみると、かなりの確率で挨拶を交わすことが出来ました。少しだけ、コミュニティのメンバーに加わった感覚です。
旅をしていると、その異邦人としての気軽さや自由を楽しむのと同じように、その街や人々との繋がりを強くしてみたいという思いが生まれます。それが、僕にとってはカフェに通ったり、テニスクラブに通ったりすることなのですが、この街では、挨拶だけでそれが感じられる思い出ができました。