今回の旅は、ほぼ終わっていますが(サンシャインコーストで新しい家に落ち着くのは10月末なので、それまではこの辺りのいくつかのAirbnbに滞在する予定です。)、これから時々、印象に残った場所についてのブログも書いていきたいと思います。
まずは、7月に訪れた西オーストラリア州北部のバングルバングル。
25年前、初めてオーストラリアに映像制作の仕事の関係で訪れたときに、セスナ機をチャーターして空からこの場所を眺めました。オーストラリアのアウトバックの写真集で見たことのある印象的な縞模様の丘たちを、ただ面白い風景の一つとして空から眺めたことを覚えています。
そして、今回は、何時間も悪路を運転してやってきて、あの景色を下から見上げています。この景色のもとが出来たのは3億年以上前のことだそうです。実際にこんな地形が出来上がる前に、これだけの地層の堆積があったわけですから、さらにその前の何億年かをかけて準備がされていたのです。地面に立って見上げた時に、最初に感じたのは、その3億年の歴史が一望に見渡せる圧倒感でした。今、見ている風景と似たような景色が3億年前にもあったというのは、火山活動や地震や多くの雨による浸食でどんどん地形が変わっている日本で育った僕には、それだけで不思議な感じがするのです。
きっと何万年か前には、先住民のアボリジニの人々も、同じようにこの景色を眺め、物語を紡ぎ、それを繋いでいったのだということが、容易に想像できる気がしました。それほど、周りの景色とは全然違う世界が広がっているのです。きっと、僕は、もうあそこに立って風景を眺めることは無いと思いますが、留学生の皆さんは、もし時間が許すのであれば、バングルバングルの中を歩いてみてください。地層1センチ分にも満たない僕たちの人生を大切にしなくてはと大地が語りかけてくると思います。