今週は南オーストラリア州のCoober Pedyという街に2泊3日で滞在しました。この街は約150年前からオパールの採掘で有名になり白人たちが住み出した街です。アデレードからは850キロ離れたアウトバックの何もない街での生活は過酷なものだったに違いありません。そして、その過程で、斜面に穴を掘ってそこに人々は家を作りました。周りには家の材料になりそうな木は生えてないし、そこにいたのは、穴を掘るのが上手い人たちと、穴を掘る道具だったので、その発想は自然と言えば自然な流れだったのでしょう。
オパールの採掘は、まずは垂直に穴を20メートルくらい掘って、そこから横に掘り進めながら、オパールの地層を探します。実際に訪れる前は地下深く潜ったところに部屋があるのかと思っていたのですが、そうではなく家は洞窟のような形状をしていました。(考えてみれば当然です。雨だって時々は降るんだし。でも、横井庄一さんの家の豪華版みたいなイメージを持っていたのは、なぜなんでしょう。)そのような家は宿泊施設などになったり、いまだに普通に人が住んでいます。もちろん、最近はエアコンが完備された普通の家も数多く建っています。
今回私たちが泊まった洞窟の家の中は、一年を通じて24度くらいに保たれていて、真夏の50度の世界でも冬の10度の世界でも、室内は快適だそうです。実際、到着した時は屋外は38度だったのですが、家の中はひんやりとして、とても過ごしやすかったです。そして、思っていたよりも随分と広かったです。長距離ドライブが苦にならない人は、2泊くらいの予定で体験してみてください。オパール博物館とか、地下の教会とか、近くのナショナルパークで壮大な景色を見るとか、楽しむことができます。
さて、Coober Pedyでは今でもオパールの採掘は可能で、個人で登録して(登録料は1万円くらいの世界だそうです。)許可を得て、掘る場所を決めて、チャレンジすればいいだけの話のようです。3人くらいのチームで行うことが多く、それは会社ではなく個人でみんな一攫千金を狙うそうです。オパールの地層を発見してそれなりのオパールを得ることが出来たら、数年は働かなくてもいい感じみたいです。(つまりは何千万円か、儲かるということでしょうね。)
僕にはそんな勇気はないけど、そういう世界にロマンみたいなものを感じる人っているのでしょうね。現在も採掘をしている現場がいくつもあったし、マッチョな感じの男の人たちが乗っているトラックに何度かすれ違いました。なぜか思い出したのは、高校生の時に観たスターウォーズの砂漠の街です。晩御飯は2泊とも洞窟の家のダイニングで食べましたが、こんな街の酒場に出かけたら、かなりディープな世界を体験できそうです。
最近は「出稼ぎワーホリ」なんて言葉もあるそうですから、こんなところに日本人がやってくる日も来るのかもしれませんね。