最初が肝心

日本の大学を卒業した人たちで、大学の単位をひとつも落としたことの無い人ってあまりいないのではないでしょうか?僕も大学3年生までに落とした単位をカバーするために、大学4年生の時には毎日授業を受け、かつひとつも落とせない綱渡りな状況で大学を卒業しました。すでにそれから40年も経っているのに、時々単位が足りないという夢を見るので、いかにそれがトラウマになっているかが分かります。

しかし、トラウマだけでは済まないのがオーストラリアの大学です。当時の日本の大学の授業料は年額が決まっていて、いくつ授業をとってもとらなくても年額の授業料は同じというシステムでした。(今も考え方は似ていると思います。)

オーストラリアの大学の場合、授業料は科目ごとに支払うので、ある科目を落としたら、次の年にまた同じ金額を払って履修しなくてはいけません。そして1科目の料金は40万円から50万円くらいなので、難しそうなので辞めましたみたいに気楽にあきらめることが出来ないのです。(科目を変更しても問題ない期間も設定されています。)入学前は奨学金の申請とか、授業料が比較的安い大学を選ぶなどして、一生懸命学費を抑える努力したのに、その努力があっけなく無駄になってしまいます。

そして、その悲劇の多くは、最初の学期に起こります。オーストラリアの大学は英語力のスコアと高校の時の成績で査定され、合格を得るまでのプロセスもシンプルで早いので、合格通知を受け取ってから実際に留学するまでに余裕のある時間が過ぎていきます。ちょっと気が緩んで、あまり準備しないままに大学がスタートしてしまうと、取り残されてしまうのです。そんな若者たちを何人か見て来ているので、私たちのオリエンテーションでは、最初の学期はアルバイトがどうとか、住むところがどうとか心配しない環境を作って、ひたすら勉強しなさいとアドバイスしています。最初の学期を無事に乗り越えて、自分のペースで勉強する方法が分かったら、生活も楽しむ余裕が出てきます。高校の友人たちが日本の大学で楽しんでいる姿のインスタを横目で見ながら、最初の学期は歯を食いしばって頑張ってください。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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