
冷戦が終わった90年代、世の中が平和に向かっているとみんなが思っていた時に、当時の日本の偉い人たちは、無理して食糧を自給することより、安い食糧を仲良しの国から買った方が消費者のためになると考えて、どんどん輸入しました。もちろん、アメリカからのプレッシャーも大きかったと思いますが、当時の人々は、それでも安く食糧を手に入れられるなら、それが合理的な考え方だと思っていたと思います。僕自身も特に疑問を感じていませんでした。

しかし、また世界の情勢が不透明になった現在、食糧の自給については考えを新たにしなくてはいけないと考えている若者たちも多いのかもしれません。衣食住が足りて、これからは自己実現だ!とか言っていた時代が幻のように、世界は分断され格差が広がっています。そんな時代だから、世界の若者たちは農業に目を向けているのではないかと思います。
世界の貧困問題を解決したいので、国際関係を学びたいという若者たちからの問い合わせが増えていますが、もしかしたら、農業などを学んだ方が、より問題解決に直結した仕事ができるかもしれませんね。