By jcoterhals
「ギャップイヤー」とか「ギャップターム」という言葉が少しずつ日本でも知られるようになりました。東大などを中心とした日本の多くの大学が秋入学を導入することがきっかけで、高校卒業から大学入学までの期間をどう過ごすかが議論されています。
もともと欧米では、高校生が大学に入学する前、あるいは大学終了後大学院に入学、あるいは仕事を探し始める前に、半年〜1年程度休みを取って世界を旅したりボランティアを行ったりすることをさします。ワーキングホリデーの制度などは、そもそもこのようなギャップイヤーをする若者を対象にしているので、社会に入って数年してからワーホリに出かけるという日本的なワーホリは世界的に見れば珍しいと思います。
ギャップイヤーは1960年頃からイギリスでスタートして、人気が高まり、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの若者の間で流行し、最近ではあまり外国に出たがらないと言われていたアメリカの学生たちにも浸透しているようです。
英語圏の若者たちは、このようにその言語のアドバンテージを活かして、様々な場所での経験やネットワークを作る事で、将来的なビジネスや生活設計に活かしているのです。英語は、多くの国で第2外国語として教えられているので、英語圏の若者たちにとっては世界はとても身近なものだと思います。このような言葉の有利さが、欧米諸国の若者たちがギャップイヤーに出かけられる要因にもなっていると思います。
ギャップイヤーの目的としては、リフレッシュして次の学生生活へのステップとすることや、世界を見ることで将来の仕事やキャリアについて考えることがあげられます。ただ、純粋に今まで行ったり、見たことがない世界を旅してみたいというのが一番人気のある理由のようです。そのような経験を大切なこととして、社会が受け入れていることが日本との大きな違いです。日本で、ギャップイヤーの議論をするときの一番の課題は社会の成熟度だと思います。