海を眺めながら思うこと

海まで歩いてすぐの場所に引っ越したので、朝とか夕方に砂浜を散歩することが多くなりました。そして、海を眺めながらよく思うことは、昔の人たちが、この果てしない(果てしなさそうに見える)海に漕ぎ出していく勇気はどこから湧いてきたのかということ。
Marcoola Beach

人類の歴史の中で、名前も残されていない人たちが、海に漕ぎ出し、新しい土地にたどり着く人もいたし、たどり着かなかった人たちもいたわけです。しかし、こうやって海を眺めていると、ここから漕ぎ出していく勇気だけでも賞賛に値する気がするのです。そんな勇気を持った人たちが歴史を作り変えていく。

そんな人たちの末裔が留学をしたり、起業をしたりするのかもしれません。そこには合理的な判断や、納得できる理由があるわけではなく、ただ「漕ぎ出したい」という強い思いや決意がその人を動かしてきたのです。そして、そんな若者たちに出会えるのが、この仕事の一番面白い部分だと思っています。

 

小さな観光の街の小さな学校

ゴールドコーストから1200キロほど北に向かったところに、ウィットサンデーというグレートバリアリーフに面した地域があります。エアリービーチという街からは、ハミルトン島やグレートバリアリーフへクルーズ船が運行しています。オーストラリアに住んでほぼ3年になりますが、まだまだ行った事の無い街も多く、今回も初めての旅となりました。

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この街には、オーストラリアで最も古い語学学校のひとつのSACEのウィットサンデー校があります。SACEはSouth Australia College of Englishの頭文字をとった名前で、本校はアデレードにあります。私たちが昨年アデレード支店をオープンしてから、おつきあいが深くなったSACEの経営者に、ウィットサンデーは良いところだと薦められてやってきました。学校も綺麗なビルに入っていて、アットホームないい雰囲気でした。

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この街の良いところは、会う人たちがとてもフレンドリーで、すぐに話しかけてくる事。レストランでも、その店のオーナーが日本での旅行の事や日本企業とのビジネスの話をしてくれたり、マーケットでも息子が表参道に出来たAppleストアで働いているので、日本に行ったらよろしく伝えてくれと、おじさんがいきなり話しかけてきたりして、とても楽しい街です。

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海が好き、ダイビングが好き、小さな街が好き、のんびりと勉強したいという人にはとてもお薦めの場所だと思います。

英語の他に何を学ぶか

人生において「学ぶ習慣」というのが、とても大切だというのは、色々な本でも書かれているし、まさにその通りだと思います。留学において「学び」というか「好奇心」に焦点を当てて生活してみると、本当に様々な気づきが生まれると思います。

さて、私の今年のテーマの一つは、オーストラリアの語学学校と共同して「英語+何か」を学べるプログラム開発です。オーストラリアで学べる事、日本人の若者たちに刺激のあるものはどんなことか、整理していきたいと考えています。英語+マネジメントや英語+マーケティングなどはもう定番として人気があるので、小さな市場でもしっかりとフィットするような特色のあるものも企画しようと思います。
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今日はバイロンベイにあるバイロンベイイングリッシュランゲージスクール(BBELS)に、サーフライダーファウンデーションジャパンの広美さんと訪問して、英語プラス「海の環境保護」「バイロンベイのライフスタイル」「サステナビリティ」「ヨガ」などなど、バイロンベイならではのプラスαを加味したプログラムについて意見交換をしました。BBELSの経営者のマイケルさんもご自身もサーファーなので様々なアイデアを出してもらい、2014年中には何かしらのプログラムをご紹介できるようになると思います。もちろん、普通にバイロンベイに英語を学びに来てもらっても、多くの気づきが生まれてくるはずです。

私はサーファーではありませんが、ビーチ、海を起点とした街作り、文化作りというのはこれからの日本にとってとても大切なテーマだと思います。震災の記憶も少しずつ薄れていき、オリンピックだ景気回復だと外から見ると若干浮かれ気味な日本社会ですが、自然とともにある、いいライフスタイルとは何かを、オーストラリアからお届けできるようなプログラムにしていきたいと思います。

アジアでは作れないアジアのネットワーク

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先日、クィーンズランド大学のエージェントセミナーに参加してきました。アジア・オセアニアのトップのビジネススクールを持つこの大学へは世界から多くの留学生たちがやってきます。残念ながら日本から参加しているエージェントは私たちだけ、他の日本のエージェントは語学学校だけに焦点をあてているのかもしれません。


セミナーの中で印象に残ったのは、クィーンズランド大学で学んでいる留学生の国別ランキング。中国、香港、韓国、シンガポール、マレーシア、、、そして日本は8位でした。

これは何を意味しているのかと言えば、アジア各国の優秀な学生たちはオーストラリアの大学に学びに来て、すでにネットワークを作り始めているのです。もちろん、そこにはオーストラリアの若者たちも加わり、アジア・オセアニアの将来活躍する若者たちが動き出しています。日本人の学生たちがその流れについていけているのか、ちょっと心配です。

日本の企業やそこで将来働く若者たちにとって、アジアやオセアニアとのネットワークは必ず構築していかなくてはならないものです。それをアジアに行って作るのか、多くの優秀な若者が集うオーストラリアの大学で作るのか、戦略としてどちらが効果的なのか考えてみるべきだと思います。

 

意思決定するための情報

先日、オーストラリアの大学で学んでいる娘から「レーシック手術を受けようかどうか考えているけど、どう思うか?」という相談のメールがありました。彼女の視力はとても悪い訳ではないのですが、日常生活のために、夜にコンタクトレンズで目の形を矯正して、昼間は裸眼でいるということをしています。

親としては、どうしても手術のリスクについて考えてしまいます。ネット上で交わされているやり取りは、広告のようなものから、悪意のあるものまで様々で、ニュートラルな立場にたったものはなかなか見つかりません。確かに、人の意見というものに中立なんてことはほとんど無い訳ですから、どの情報を信じるかの意思決定も難しい話です。
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そんな情報を一通り見た後、娘に電話をして、リスクについてどう判断すべきかを聞いたところ、「インターネットにやり取りがされている質の悪い情報は見ないようにしてる。それよりも医学的な研究や論文にアクセスして決めるようにするよ。」と大学生らしい答えが。すでに世界では様々な研究がされていて、英語でリサーチが出来れば意思決定をするための十分な情報は手に入ります。

このようなリサーチをするという姿勢が、英語というツールを普通に使える大学生たちの一般的なものであるとしたら、やはり英語はこのレベルまで出来た方がいいと思います。そして、1年でもいいので日本の若者には世界の大学というものを経験してほしいと思うのです。休学して留学をしに来ている学生たちが良く話してくれるのが、この英語の世界でリサーチの技術を学ぶことが面白いということです。

娘がどのような判断をするのかは分かりませんが、私の仕事はそのプロセスを確認して、判断を尊重することだと思っています。親の出番はだんだん少なくなってきました。それは、きっといい事なのでしょう。

クィーンズランド大学のギャップイヤープログラム

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クィーンズランド大学はアジアオセアニア地区でトップのビジネススクールを持つブリスベンにある大学です。キャンパスは写真のようにとても美しく、訪れた人は誰でもここで学んでみたいと思う大学です。

この大学附属の語学学校であるICTEは、大学に入学するためのアカデミックな英語プログラムだけではなく、ビジネス英語や社会人を対象とした英語でビジネスを学ぶコースも開催されています。
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校舎も大学のキャンパスの中にあり、語学学校の学生であっても大学の図書館やスポーツ施設を利用することや、大学のクラブなどに参加出来ます。普通の語学学校では味わえないオーストラリアの大学生たちとの交流する機会もあるので、日本の大学生たちが休学して留学する場所としてお勧めしています。

このICTEでの私の一番のお勧めは Go Global というプログラムです。すでにある程度の英語力があり、将来的にグローバル企業で活躍をしたい人向けのプログラムです。就職活動前の大学生やすでに社会人となり、キャリアチェンジを考えている人を対象しています。

まずは10週間、あるいは15週間の英語クラス。一般英語、またはビジネス英語を受講して様々な国からの留学生たちとともに英語のブラッシュアップをします。TOEICなどのテストで高得点の方でも、実際にそのような多国籍クラスに入るとコミュニケーション力の無さを痛感すると思います。しかし、グローバル企業で働くということはそのような環境に慣れて、自分をアピールしていかなくてはなりません。語学学校ではそんな実践ができる練習の場所だと考えてください。

次に2週間の、オーストラリアの企業で働くための異文化理解クラス。これは日本人に取ってはとても役に立つクラスです。面接の受け方から様々な国からの社員が集まるチームでの問題解決方法など、日本ではなかなか学べないトピックばかりです。この2週間のプログラムは私も受けてみたいくらい魅力的です。いつか潜入させてもらえないか頼んでみたいと考えています。
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そして、このプログラムの一番の魅力である8週間のオーストラリア企業でのインターンシップに参加します。どのような業種の会社でインターンシップをしたいかは事前にリクエストができます。オーストラリアのインターンシップ機関と提携しているので、様々な業種から選ぶことが出来るのもクィーンズランド大学というブランドがあるからだそうです。

トータルで学校で17週間のクラスと8週間の企業インターンシップ。ほぼ半年でこのプログラムを完了できますので、ワーキングホリデーの残りの期間は旅をしたり、他の企業で働くことも可能です。このプログラムを利用して、とても有意義なギャップイヤーにしてください。

英語を上達させるための秘訣(その1)

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By PromoMadrid


せっかくの留学ですから、英語はできるだけ短期間に上達をしたいところです。これから、そのための秘訣をときどき紹介していこうと思います。

まず、第1回目の今日は、ちょっと過激に「ネットにつながない」という秘訣です。私が留学をした25年前は、インターネットが無かったので、日本に連絡するとか日本の情報を得るなどということはとても難しいことでした。ときどき届く友人からの手紙、国際電話は値段が高すぎてかけられないし、日本の活字は大学の図書館の日本語コーナーにある古い小説といくつかの新聞のみでした。だからこそ、英語を勉強することしかやることは無く、3ヶ月でTOEFLをゼロから550点にするというけっこう無謀な目標も達成することができました。24時間英語漬けで3ヶ月過ごすと私は多くの人がその程度の目標なら達成できると思っています。

ところが時代は変わり、ネット使い放題で、いつも誰かとつながっている若者たちは、学校に通っていても夜は日本の友だちとスカイプをしたりチャットをしたりと圧倒的に英語に触れる時間が海外に住んでいても少なくなっています。ですから、昔に比べると英語の上達に要する期間は長くなっている印象を受けるのです。

英語を上達させたいと思ったら、ネットの無い世界で我慢してみましょう。外国人の友人たちと話すののもいいし、一人で本を読んだりテレビを観たりして、とにかく英語と接する時間を増やすことです。幸い、オーストラリアはインターネットの値段も高いし、スピードも遅いので、毎日30分とか1時間とか接続時間を制限することを絶対にお勧めします。1年くらい音信不通でも、友だちはあなたのことは忘れません。それよりも、英語力を上げることが一番大切な目標なのだということを忘れずに。

将来、違う国に住んでみることを考えてみる

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これから10年後、20年後の日本社会について、若者の皆さんはどうとらえているのでしょうか?明るい見通しを持っている人がどれだけいるのでしょうか?消費税が上がるとか、受け取れる年金が少なくなるというレベルの話で済むのでしょうか?どうなるかは、誰にも分かりません。たぶん、偉い人たちも本当に誰も分かっていないのです。

そんな状況で、日本の若者たちに少し考えてもらいたいのが、他の国に住むという可能性についてです。日本人は、世界でも最も信頼されている国のひとつで、ほぼどこの国にでも旅行することができます。オーストラリアでもアセスメントレベル1と言って、一番学生ビザが取りやすい国民です。そのようにどこにでもぷらっと旅行に行けるから、海外に住むということはあまり考えないのかもしれませんが、日本の経済や財政が破綻したら、現在の開発国のようにお金持ちでしっかりとした理由が無ければ観光旅行にさえ行けなくなるかもしれません。そんな状況が来ないとも限らないのです。

私は、日本がまだ元気?なうちに、他の国に住めるかどうかの可能性を探っておくのも必要なのではとこの頃思い始めました。東南アジアの国であれば簡単に住めるかもしれません。しかし、私自身は3年間くらい地域担当で毎月のように出張に行きましたが、一生住みたいとは思いませんでした。オーストラリアはアジアの国に比較したら永住権を取得するには困難な道のりが待っています。しかし、現在こうやって縁があって住むようになり、日本以外にもうひとつ住むことができる国があることは本当に良かったと思います。

ギャップイヤーはそんなことを考えるのに、いいきっかけとなると思います。オーストラリアのように移民が多い国では、それぞれの人々にバックグラウンドがあり、それぞれ支え合って生きています。世界一幸福を感じている国民ということもうなずけます。そんな国で一生懸命英語でのコミュニケーション力を伸ばし、将来の選択肢を増やしていくことを考えてみたらいかがでしょうか?若ければ若いほど、多くの選択肢が見つけられる国だと思います。

 

欧米におけるギャップイヤーの意義

Backpacker in CairnsBy jcoterhals


「ギャップイヤー」とか「ギャップターム」という言葉が少しずつ日本でも知られるようになりました。東大などを中心とした日本の多くの大学が秋入学を導入することがきっかけで、高校卒業から大学入学までの期間をどう過ごすかが議論されています。

もともと欧米では、高校生が大学に入学する前、あるいは大学終了後大学院に入学、あるいは仕事を探し始める前に、半年〜1年程度休みを取って世界を旅したりボランティアを行ったりすることをさします。ワーキングホリデーの制度などは、そもそもこのようなギャップイヤーをする若者を対象にしているので、社会に入って数年してからワーホリに出かけるという日本的なワーホリは世界的に見れば珍しいと思います。

ギャップイヤーは1960年頃からイギリスでスタートして、人気が高まり、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの若者の間で流行し、最近ではあまり外国に出たがらないと言われていたアメリカの学生たちにも浸透しているようです。

英語圏の若者たちは、このようにその言語のアドバンテージを活かして、様々な場所での経験やネットワークを作る事で、将来的なビジネスや生活設計に活かしているのです。英語は、多くの国で第2外国語として教えられているので、英語圏の若者たちにとっては世界はとても身近なものだと思います。このような言葉の有利さが、欧米諸国の若者たちがギャップイヤーに出かけられる要因にもなっていると思います。

ギャップイヤーの目的としては、リフレッシュして次の学生生活へのステップとすることや、世界を見ることで将来の仕事やキャリアについて考えることがあげられます。ただ、純粋に今まで行ったり、見たことがない世界を旅してみたいというのが一番人気のある理由のようです。そのような経験を大切なこととして、社会が受け入れていることが日本との大きな違いです。日本で、ギャップイヤーの議論をするときの一番の課題は社会の成熟度だと思います。