アートのつなぐもの

今週はGladstoneという港町に滞在しました。この街は、クイーンズランド州最大の産業製品の積み出し港で、石炭、アルミニウム、アンモニアなどの工場や精錬施設なども港に隣接して建設されています。オーストラリアの産業を支えている、でもおしゃれさには若干欠ける、あまり住みたいとは思わない街です。



とは言いながらも、近くのカフェに一度くらいは出掛けてみようと、滞在先のAirbnbから一番近いカフェを検索して行ってみました。どうみてもオフィスビルみたいな入口を開けてみると、ギャラリーの中にカフェが併設されていました。ギャラリーについても看板などはできていないので、たぶん、始まったばかりのプロジェクトなのでしょう。

バリスタをやっていた男性と話をしたら、数ヶ月前に10年近く住んだニューヨークから、コロナウイルスの混乱から逃げるために、ご両親の住むこの街に帰ってきて、お父さんのオフィスを改装して、ギャラリーとカフェを始めたとのこと。来週には、「鳥」をテーマにしたアートを集めて、展覧会をするので、ぜひ来てよ、みたいな話をしてくれました。


確かに、ニューヨーク(ブルックリンだそうです)の生活に慣れ親しんだ人にとって、このGladstoneという街はあまりに田舎すぎるので、アートを使ってコミュニティーを活性化させるというのは自然な発想なのかもしれません。(それにそのためのコストはあまりかからない)


僕たちがコーヒーやアート鑑賞を楽しんでいる間にも、来週の展覧会用の絵を持ってくる人がいたり、ファンの若者たちがコーヒーを買いに来たりしていて、ネットワークが広がっていることを感じました。どんな街にも、おしゃれな人や素敵な生活を目指している人たちは、隠れていても存在するわけで、そんな人たちを繋いでいくのはアートのイベントなのかもしれません。結局、このカフェには水曜日から今日まで3日間、通ってしまいました。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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