学部は世の中を見るためのフィルター

今月は高校生3年生からのオーストラリアの大学への出願が増え始める月ですが、大学での学部選びは、悩んでしまう問題です。自分はこれを学びたいと思っても、親とか周りの人が、それではつぶしが効かないとか、就職で苦労するかもしれないからとか言って、若者たちの心を悩ませます。


でも、他の人がなんと言おうと、自分が学びたい勉強をしてください。

大学で学ぶことって、社会に出る前の、自分づくりの集大成みたいなものです。(もちろん、一生勉強しなくてはいけないので、それ以降学ぶ必要がないということではありません。)自分の興味に従って、深く勉強したことをベースにして社会で自立をしていかなくてはいけないのです。

僕は大学時代には人間とか社会とかに興味があったので、文学部の行動科学科という学部で勉強をしました。あまりつぶしが効かない感じの学問です。はっきり言って、ビジネスというものが何かさえ分からずに社会に出ましたが、今は会社の経営者として、楽しく生きています。そして、僕の経営者としての成功要因は、ビジネスについて詳しいからではなく、人間について今でも興味があり、人はどうして働くのだろうとか、人はなぜこちらを選択するのだろうかということを、少しだけ競合の経営者よりも分かっているからだと思っています。つまり、僕は社会やビジネスを行動科学科というフィルターを通して今でも見ている気がするのです。

ITを学んだのであれば、ITというフィルターで社会を見ていく。環境保護を学んだら、環境というフィルターで社会を見ていく。でも、フィルターの先には人間たちや様々なビジネスや最新の技術など社会のありとあらゆることが混沌としてあるわけで、それを全部きれいに理解することは、不可能に近いので、自分なりのフィルターが必要になるのだと思います。

どのフィルターを選んだからと言って、それで成功の確率は変わらないと思います。大切なことは、そのフィルター越しに見えている社会の中に、なんとしても直したくなることや、良くしたくなることを発見して、自分の大切な時間をその解決のために使うことなのです。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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