健康な人々という資源

オーストラリアでは、先月のクリスマスを前に人々の移動の規制が緩和されたので、すごい勢いでコロナウイルスの感染が広がっています。国民の90%以上はワクチンを接種したので、重症化になる人たちの確率は低いということで、政府はそのような決断をしたのですが、思った以上の影響が出ているようです。


多くの人たちが感染したり、濃厚接触者になったおかげで、決められた期間働くことができず、さまざまなところで人手不足になっています。農場、食肉工場、運送業、小売業などなど、人手不足のおかげで経済のシステムがまわらず、スーパーマーケットなどでは、品不足になっています。この写真は、僕が住んでいるサンシャインコーストで撮影したヨーグルト売り場のものですが、大都会はもっと深刻なのかもしれません。

こういう現実を見ると、健康な人々というのは、社会を回していく上で、とても大切な資源というか歯車なんだと実感します。ですから、社会として住民の健康を維持するのは、それぞれの人々にとってだけでなく、経済にとっても大きな影響を与えるのだということが分かります。

でも、多くの人々を巻き込んだ大きなシステムを維持することよりも、もっと小さな社会というか経済圏で世の中が回るようにしておくことも、先が見えない世界ではさらに大切になってくると思います。スーパーマーケットが機能しなくても、週に1回のファーマーズマーケットには十分な食べ物が準備されているし、生活に必要なものが少なければ、社会の機能が少しストップしても耐えることが可能です。若者たちにとっては、どちらの経済圏を軸に自分の生活を作っていくかも考えてみるべきです。

世の中の全ての人が自給自足とかオフグリッドで生きていくことはたぶん不可能ですが、今回のコロナ禍でのさまざまな経験は、小さなコミュニティーで助け合える仕組みを構築する必要があることを考え始めるいい機会になったのではないでしょうか。僕たちは、まずは明日のファーマーズマーケットで野菜を買いたいと思います。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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