SpotifyでElton JohnとEd Sheeranのクリスマスソングを聴いていたら、次の日には、僕へのおすすめとして、アコースティックのピアノとかギターで歌う人のアルバムが提案されてきます。Tenniswarehouseでテニスシューズの検索をするので、どんなサイトをみても、テニスグッズの広告が表示されます。Amazonからもしょっちゅう、僕におすすめの本の情報がメールで届きます。AIの時代は、常に僕のために(もちろん、僕のためではなく企業のために)誰かがおすすめ情報を教えてくれる時代なのです。
ですから、そんな時代に育った若者たちからの問い合わせには「私におすすめの語学学校を提案してください。」というものもちらほら見かけます。まずは、私たちは「あなたのこと」は全然知らないので、留学の目的とか今の英語力とか学校に求めることなどの情報を得てから、それならあなたにはこの学校ですねと提案をするのですが、なんかそれでいいのかなあとも思ってしまうのです。つまり、その提案ってそのお客様の予定調和的な枠を超えることはないからです。快適な場所で少し英語が話せるようになって、それなりに満足して帰っていくことの、それ以上でもそれ以下でもない世界が待っているのです。
でも、「めちゃくちゃ努力する準備はできているので、オーストラリアで一番厳しい学校を提案してください。」みたいな問い合わせには、こちらもワクワクします。その人は、世界に出ていくマインドセットになっていると思うのです。留学って、たぶん、人生に一度きりで、かつ、人生を大きく変える可能性のある1年とか2年を経験することができるので、たとえ少し苦しくても、大変でも、自分の枠を少しはみ出した方が面白いと思うのです。おすすめな世界の退屈さに気づくいいチャンスだと思います。