日本社会を海外から眺めていると、「過去」となかなかうまくつきあえていない感じがします。社会も企業も個人も、「失敗」という過去、「成功」という過去、「つぎ込んだお金」という過去、「頑張ってきた努力」という過去、「築き上げてきた地位」という過去などに、どうも引きずられているようなのです。
特に社会や企業など、組織や集団になると、「過去」との決別はほとんど不可能で、それが日本に限ったことではありませんが、社会の閉塞感を作っているのです。「過去」に引きずられている人が集団の半分いれば、変化が必要と分かっていても新しいことにはチャレンジされなくなるのは当然なのです。
ですから、僕は、社会がどんどん良くなっていくことはあり得ないと思ってるし、期待もしていません。しかし、個人や小さな集団には期待を寄せています。「過去」ではなく「未来」のために世界に飛び出していく若者たちをこれからも支援したいし、そんな若者たちが社会のある割合になった時、きっと、その社会はいい方向に動き出すのだと思っています。