グローバルについての2つの文脈

最近は「グローバル人材」がキーワードのセミナーや雑誌の記事や情報がブームになっていて、おかげさまで海外に留学する若者たちも徐々にではありますが増加傾向であるようです。
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ただ、この「グローバル化」という言葉に大きく分けて2つの文脈が混在しているので、気をつけていかなくてはならないと思います。

1つは、日本人は世界に出かけていって他国の企業との競争に勝って、シェアを拡大していかなくてはいけない!という高度成長期に育まれた文脈の復活を唱えているもの。大企業の社長さんなどが、「今時の若者は、、」と怒っているのがこのパターンです。

私は、どうもこの文脈に違和感を覚えます。

確かに、これからの日本経済は国内需要だけでは成長することは不可能で、海外市場を視野に入れていかなくてはなりません。しかし、海外に出て行って「戦う」のではなく、どうやって異文化の人々と共通の目標を持って仕事を進めたり、協力しながらプロジェクトを進めていける人間になるかが、現代の「グローバル」に求められていることです。

そのためには、英語の上達は十分条件ではなく、海外で、それも様々な国から来た人々の間で自分のポジショニングを探していき、生活を楽しむ経験やスキルが必要になってくると思います。留学やギャップイヤーはその部分を考えなければ、意味が無いと思います。単に英語だけを向上させたいなら自分でできることはいくらでもあります。「留学に行かないでもTOEICで満点!」みたいな方も多くいらっしゃいます。

しかし、様々なバックグラウンドを背負った外国人たちの中で、悩み、傷つき、笑い、語り合い、仲間になっていくプロセスを経験していくことが、TOEIC満点よりも価値のある時代になってほしいと思います。
衛藤 伸彦
オーストラリア留学センターの代表をしています衛藤伸彦(えとう のぶひこ)です。 現在は南オーストラリア州のアデレードに住んでいますが、全豪6都市(シドニー、ブリスベン、メルボルン、パース、アデレード、ゴールドコースト)にある支店や全豪の学校や大学、東京支店などを出張しながら、若者たちが自分らしい人生を送るためのアドバイスやセミナーを開催しています。

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