今回のハッピーフレンズは、ブリスベンのグリフィス大学でアジアン・スタディー(アジア学ですね)を専攻している柴田奈々さんです。彼女は考え方もしっかりしていて、とにかく、話していて楽しい留学生の一人です。
なぜ、オーストラリアの大学に留学しようと考えたのですか?
中学校3年生の時に修学旅行でパースに2週間行き、それがオーストラリアとの出会いです。現地サポートがオーストラリア留学センターで、支店長の早川さんには、その時からすごくお世話になりました。パースでの印象がとても良かったので、必ずオーストラリアでまた勉強したいと思ったのです。中高一貫校だったので、大学はオーストラリアの大学、あるいは日本の大学に行ってもオーストラリアに交換留学をしたいと考えていました。
グリフィス大学でアジアン・スタディー(bachelor of Asian Studies)を専攻されていますが、その理由はどうしてですか?
実は、最初はホスピタリティーの勉強をしようと思って、グリフィス大学を目指しました。QIBTと言う、Diplomaコースを経由して、ホスピタリティーの学部に入学するつもりだったのですが、QIBTに入学して思った事が、「アジア人が多い!」ということでした。そして、これはもしかしたら、面白いチャンスかもしれないと思ったのです。それで、進路変更をして、アジアン・スタディーを専攻する事にしました。アジアン・スタディーはビジネススクールに属していて、私たちが第1期生の新しい学部です。正規の学生としては日本人は一人、その他中国人、フィンランド人、スウェーデン人がいて、多数はオーストラリア人の学生たちです。
実際、アジアン・スタディーってどんなことを学ぶのですか?
アジアの様々な問題について、テーマが選ばれます。特に日本、中国、韓国などの東アジアの問題と東南アジアの経済発展などについてのテーマが多いです。靖国神社の話、原爆の話、アメリカとの安全保障条約の話など、日本人なら本来は自分なりの意見を持っていなくてはいけないテーマが多く、それをきっかけに日本の政治や社会について、興味を持つようになりました。日本で大学生をしていたら、きっと疑問にも思わなかったし、興味も湧かなかった日本の政治やこれからの日本社会の問題について、外国人の学生たちと議論できるのは、とても有意義な経験だと思っています。
将来はどんな仕事をしたいと考えていますか?
映像とジャーナリズムがかけ合わさった世界、例えばドキュメンタリーの制作をしてみたいと考えています。昨年日本で、そのようなテレビ番組の制作会社でインターンをして、さらにその思いが強くなりました。その会社も、海外向けに発信していく事を考えているので、将来はそのように海外にも発信できるようなドキュメンタリーが作れたらいいなと考えています。
特に今、興味があるのは沖縄です。結局何年も、何十年も大きな問題だと分かっているのに、先送りし続けてきています。日本、アメリカ、地元の政治、経済、地元の人々、とても複雑な問題ですが、私は沖縄が日本の中で、一番政治の影響が人々の生活に影響を与えている場所だと思います。日本全体では政治に関心が無くなっている人々が増えている時代に、「政治と人々」という観点で沖縄を取り上げる事で、少しでも自分の生活と政治について考えてもらえればと思います。それから、まだまだ、日本は世界に対して発信が足りていないと思うので、世界の人々ともっと理解し合い、語っていくためにも、アウトプットしていく仕事をしていきたいと思います。
すでに、将来の仕事や夢を明確にされている奈々さん。留学に来て「アジア人が多い」と感じたことをチャンスにつなげようとした考え方、アジアン・スタディーを勉強して日本をもっと発信したくなった考え方、物事をいつもポジティブにとらえて、挑戦を続ける奈々さんに「海外の大学進学」の素晴らしさを改めて教えてもらった気がします。将来、彼女が作るドキュメンタリーを見るのが楽しみです。