オーストラリアのテニスの穴場

毎年1月はオーストラリアのテレビではテニス中継が続きます。お正月からブリスベン国際大会、パースやシドニーで行われる国別対抗戦、今週はアデレードやホバートで小さな大会が開催されて、来週からはいよいよメルボルンでグランドスラムのひとつであるオーストラリアンオープンです。クリスマスが終わると、世界中の選手たちが、夏のオーストラリアの気候に慣れるためにやって来て、前哨戦の大会に出場して調整をするのです。

僕が住んでいるアデレードでも今週は大会が開催されているのですが、その試合会場が入会しているテニスクラブなので、先週末くらいから、プロの選手たちの練習をすぐ横で見たり、センターコート以外の試合は無料で観戦したりしています。アデレードに引っ越して、一番の特典だった気がします。トップ選手たちがどんな練習をしているか、ウォーミングアップにどのくらい時間をかけているか、ボールのスピードや軌道ってどうなのか、テレビではなかなか分からない気づきがたくさんありました。

アデレードって、シニアの大会はほとんど開催されないので、テニスの機会は少ないのかと思っていましたが、実はクラブの対抗戦は充実しているし、予約できるテニスコートも充実しているので、テニスが好きな人には最高の街のひとつです。テニス好きの留学生は、アデレードに来ると充実したテニスの時間とネットワークが出来るかもしれませんよ。

オーストラリア留学は30歳までに

先月、オーストラリア政府から、来年以降の移民政策に関する方針が発表されました。コロナ以降に急増したワーホリや留学生たちに対するルールも大きく変更されます。

方針を簡単に言えば「若くて優秀な人たちは、ぜひオーストラリアに来てください。チャンスも増やしますよ。でも、ただ滞在して働くために学生ビザを申請したい人には来てほしくありません。」ということです。これは、あるべき姿というか国としては正しい方向なんだと思います。出稼ぎワーホリに来て、居心地が良かったり、稼げる環境なので母国に帰りたくない人たちが、ビザ取り学校と呼ばれる学生ビザを取得するためだけのゆるい学校に通う人が多いということは、国にとってもその人たちにとっても好ましいことではないのです。しかし、いきなりルールが変わることは、多くの人々たちの人生を狂わすことになるので、今年はオーストラリアの留学市場は少し混乱すると思います。

私たちの会社は、ビザ取り学校とは契約がないので、その市場では特に業績に影響はありませんが、今回の政府の発表で気になることと言えば、大学や大学院を卒業した時に申請できる卒業生ビザの年齢制限が35歳となったことです。今までは40代でも申請できたのが35歳までということになると、40歳の人が留学を機にキャリアチェンジをして、オーストラリアで就労・永住などを考えることがとても難しくなります。ということは、社会人になってからの留学は30歳くらいまでには考えなくてはいけないのです。人生100年時代だし、いくつになっても人生は変えることができるとは思いますが、オーストラリアでのキャリアを考えるなら、早く動かなくてはいけません。30歳までは遊んで、経験積んで、みたいなことを考えているとチャンスを逃してしまう可能性もあるので、20代の人は気をつけてくださいね。

お正月からコアラ

明けましておめでとうございます。

元旦の午後、アデレードではほぼ全てのお店はお休みなので、散歩くらいしかすることがありません。いつもの家の近くのアデレード大学のワイン醸造学のキャンパスにある樹木園みたいなところを、歩くことにしました。普段とは違う道を歩いて、ふと見上げるとなんとコアラがすぐそこでたたずんでいました。このコアラは親で、木の上の方では子どもらしい小さなコアラが一生懸命ユーカリの葉を食べていました。きっとこのお母さんは、子どもを守るために見張りをしているんでしょうけど、ちょっと頼りない感じです。途中で居眠りしちゃったりしていましたが、頑張って、こちらを警戒していました。

僕の家は、市内中心から車で10分くらいですが、そんなところでもこんな自然が残っているのがアデレードの魅力のひとつだと思います。今年は、彼らに会うために散歩の回数が増えそうです。それとも、ここでパソコンを広げて仕事をするのも楽しいかもしれません。今年はお正月から縁起が良さそうな予感がします。

今年もよろしくお願いします。

さよならSNS

2023年が終わりを迎えようとしていますが、今年は自分の人生の残り時間をどう使っていくかについて考えることが多かった一年でした。会社の業績は、おかげさまで多くの若者たちからの信頼を得ることができ、安定した経営ができました。来年も、オーストラリアで学びたい若者たちのよきアドバイザーとしての仕事を責任を持って続けていければと思います。

プライベートでは、サンシャインコーストからアデレードに引っ越しをして、新しい街での生活を楽しんでいます。来年はこのブログでももっと紹介をしていきたいと思いますが、日本人にはなかなか知られていないこの街の魅力を探っていきたいと思います。

そして、時間の使い方を考える中で、来年、つまりは明日からはfacebookなどのSNSを使うことを止めることにしました。最近はブログをアップしたことを告知するためにしか使っていなかったので、facebookでの反応などはもう気にしないで、粛々とこのブログを更新していければと思います。

facebookやインスタグラムのアプリはスマホなどから削除する予定ですが、メッセンジャーでしかコミュニケーションをとっていない方もいるので、そのような方たちとはこれからもメッセンジャーで連絡ができればと思います。明日からはさらにシンプルに、でもやるべきこと、やりたいことは必ずやって、日々を充実させていきたいと思います。ぜひ、僕の人生がどんな感じなのかをチェックしに、このブログを時々覗いてもらえればありがたいです。さよならソーシャルネットワーク。

世の中の情報というもの

先日、日本のテレビ番組制作会社から、留学生たちの間で、アデレードが留学先として人気急上昇でロケを行ったので、どのくらい留学生の数が増えたか教えて欲しいというメールがありました。きっとうちの会社は、アデレードにオフィスを持っている珍しい会社だから連絡をしてきたのだと思いますが、答えには困ってしまいました。

なぜなら、アデレードは、コロナの期間にそれまでとても人気で質の高い語学学校が2校閉鎖してしまったので、その影響でコロナ前と比べても留学生の数は増えておらず、また英語が出来ないと簡単にはアルバイトは見つからないので、普通の留学生たちにはハードルが高い街だからです。アデレードで成功するのは、英語力がかなり上達しないと難しいのです。テレビ番組制作の方に忖度して、「人気急上昇です!アデレードは今がチャンス!」みたいなコメントを返すのも、うちの会社らしくないので、正直な状況をお知らせしました。当然?ながら、返事は来ていません。作った番組はどうなったんでしょうね。その番組を見て、アデレードにワーホリとかでやって来て、話が違うとか言われても僕たちは困っちゃうんですけどね。

ということで、世の中の情報なんて、誰かが意図的に作ったものです。フェイクニュースでなくても、誰かの思惑というものが必ず入ってきます。もちろん、この僕の文章だって、「アデレードに留学に行けば楽勝!」みたいなことを考える若者はアデレードには来ないでねという思惑が入っています。そうなってくると、いったい何を信じればいいの?みたいなことになるわけです。僕は、それが大人になっていくために学ばなくてはならない、とても大切なスキルの一つだと思っています。つまり、胡散臭い話とか胡散臭い人を見極めるスキルです。これは、自分で考えて自分で意思決定して、時々間違えていかなくては育たないスキルです。大学進学とか就活とか20代になるまで、親とか友人とかに意思決定を委ねていると、40歳とか50歳の時にミスを犯してしまうので、若いうちに経験を積んでおいた方が良いですよ。

アデレードの春の生活

アデレードに住み出して、半年が過ぎました。冬は雨が多くて寒かったけど、春になって雨の日が減り、少しずつ天気が安定して暖かい日も増えてきました。春のアデレードでは、さまざまな花たちが咲き誇ります。家の近くのアデレード大学のワイン醸造学のキャンパスには、バラ園があって、そこにランチを持って行って食べるのが最近の僕たちのお気に入りです。そこに行くと五感で春を楽しむことができます。陽射しの暖かさ、そこだけ空気が違うと思えるくらいのバラたちの甘い香り、風が吹いている感触、鳥たちの声、さまざまな色のバラたち、おにぎりとお茶で十分なくらいの贅沢な時間です。



そして、10月からは夏時間になり、日の入りが遅くなってきたので、早寝早起きの僕も少し夜のイベントにも参加するようになってきました。今月はタウンホールで行われたたくさんのキャンドルの中でオーケストラが演奏するコンサート、アデレードフィルムフェスティバルでまだ日本では公開されていない役所広司主演の「Perfect Days」という監督はヴィム・ベンダースの日本映画?を観てきました。サンシャインコーストに住んでいた時は、夜に出かけることはほとんどありませんでしたが、アデレードでは少し都会の生活も楽しんでいます。


アデレードという街は日本の若者たちにはほとんど知られていないし、日本からの直行便も無いのでやって来るのは大変だし、日本の留学エージェントも僕たちしかいないのですが、留学にやってきた若者たちはほぼ全員、アデレードが大好きになって帰っていきます。自然の美しさと文化的な都会の生活がうまくミックスされた環境だと思うので、友人たちに「どこ?それ?」とか言われても気にしない人は、留学する街として、検討してみてくださいね。

久々のシドニー

テニスの試合も含めて(どちらがこの旅のメインの目的なのかは微妙なところですが)久しぶりにシドニーに1週間ほど滞在して、大学やTAFEを訪問したり、学生さんたちにも会ってきました。かつては、オーストラリアで留学=シドニーに行くというのが一般的だったのですが、都会すぎて東京と変わらないとか、街が雑然としていてオシャレじゃない、とかの理由で、メルボルンやブリスベンに人気を奪われてきたのが、この数年のトレンドでした。


でも、コロナの期間に街中は整備され、大学も新しいビルなどの建設を行なったので、集中して勉強するのには、とてもいい環境になっていました。シドニーという街の面白さが復活している感じです。相変わらず、市内での家探しは苦労がともなうようですが、これからは滞在するためだけの目的で学生ビザが取れるような学校に対する規制も厳しくなっていくので、世界から、ただ働く目的でやってくる若者たちの数は減少し、来年以降は大学生たちの家探しも少し楽になりそうです。


特にビジネスや、IT、あるいは最先端の技術などの、将来的に経済を動かす世界の勉強をしたいのあれば、オーストラリアの産業の中心であるシドニーで学び、ネットワークを広げていくことは、キャリア構築には良い戦略なんだと思います。シドニー大学やシドニー工科大学の図書館などで、一生懸命勉強している学生たちを見ながら、この環境にもっと多くの日本からの若者たちに来てもらうためにも、もっと発信をしていかなくてはと気合いが入ったのでした。

テニスに復帰しました!

今年の前半は、体調を崩していたこともあって、テニスなどの運動は控えていたのですが、アデレードに住み、7月からテニスクラブに入会したこともあり、練習を始め、先週は久しぶりの試合に参加しました。場所は、ニューサウスウェールズ州のBarhamという内陸にある街で、アデレードからは6時間のドライブです。もう、最近は5時間とか6時間のドライブは普通なので、(もちろん1時間30分毎くらいに休んでストレッチをするのですが。)試合の前日移動でも、問題ありませんでした。

この地域は昨年の10月くらいに、オーストラリアで一番長い川のマレー川の洪水によって被害を受けたこともあり、その復興のためにテニスで盛り上げようと、新たに設定されたITF200の小さな大会でした。(小さい大会なのですが、ITFという世界ポイントが獲得できます。)初めての大会ということで、参加者も少なく、60歳の部は3回勝てば優勝ということでしたが、僕は2回戦(準決勝)で昨年に別の大会で負けた選手に3時間のフルセットで勝つことができ、体力も戻ってきたのが嬉しかったです。決勝戦は、残念ながら完敗でしたが、次回に向けて、学ぶことがたくさんありました。


やはり、試合に出て、友人と再会したり、新しい友だちが出来るのはとても楽しい時間です。60歳を過ぎても、気合を入れてテニスをしている似たもの同士だからこそ、すぐに打ち解けて、仲良くなることができます。このフランクさが、オーストラリアでテニスをすることの1番の楽しさかもしれません。試合前も対戦相手と「楽しもうぜ!」みたいな会話をするのが普通です。日本の大会は、ちょっと皆さん真面目にやり過ぎてる感じがします。

これから、何年、試合に出ることができるか分からないので、オーストラリアだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、もちろん日本やアジアの試合にも、予定が組めれば積極的に参加してみたいと思います。世界中のテニス好きのおじさん(おじいさん?)と「楽しい」試合を重ねていきたいと思います。

アンテナを閉じる?

先日のサンシャインコーストまでのドライブの途中で、ランチで立ち寄ったのが、ニューサウスウェールズ州のParkesという街の郊外にある、電波天文台。アポロ11号が月に着陸した時にも活躍したというオーストラリアの歴史的な望遠鏡ですが、まだ現役で使われています。映画にもなっているので、オーストラリア人にもよく知られた場所です。

快晴の空の下、併設されたカフェでコーヒーを飲みながら、望遠鏡を眺めていると宇宙からの声が聞こえてきそうです。もしかしたら、僕たちには知らされない宇宙からのメッセージの解読をここで働いている人たちは秘密にやっているかもしれない、、なんてことを考えるとドキドキするというか楽しくなってきます。

でも、よーく考えてみると、アンテナが大きすぎて、毎日のように大量のノイズをキャッチしてしまうのではないかと心配になりました。それがノイズなのか意味のある信号なのかをチェックしていく仕事って、けっこう大変そうだし、好きでなくては出来そうにありません。疲れたから昼寝しようとか、良い天気だから散歩に行こうみたいなことも、ここでは許されそうにありません。

若い頃には、社会にしっかりとアンテナを張って、情報を取捨選択しましょうとかって指導された気もしますが、今のようにノイズだらけの世の中だと、いかにアンテナを閉じるかの方が重要な気がします。もし、このブログを読まれている方がオーストラリアにいる留学生だったら、まずは日本に向けたアンテナを閉じてみましょう。日本の芸能界がどうなろうと、友達がパーティーをして楽しんでいたとしても、今のあなたが知る必要のないことだらけです。それよりも、オーストラリアの生活を充実させるためにやるべきことを実行しておきましょう。オーストラリアにいられる時間はあっという間に過ぎていってしまうのですから。

往復4500キロのお片付け

この2週間で、アデレードを出発して、昨年住んでいたサンシャインコーストに向かい、小さな倉庫に残していた荷物を片付けて、帰ってきました。帰りに、必要な荷物を運ばなくてはいけなかったので、車で行ったのですが、アデレードからサンシャインコーストまでの距離は2,300キロくらい。日本で言えば、札幌から福岡までの距離を毎日500キロくらい走って、4日かけて移動しました。オーストラリアでは、夜に田舎の道を走ると、カンガルーなどの野生動物にぶつかる可能性がとても高いので、昼に5時間くらい走るというペースで移動していくのが、パターンです。

往きは、途中でゴールドコーストとブリスベンのオフィスに寄って、それぞれ留学生の方たちにセミナーという名の座談会をして、キャリアについてのお話をして、とても楽しい時間を過ごしました。オーストラリアの大学に留学する若者たちは、自分の考えをしっかり持っているし、授業でも発言しないと評価されないという環境で学んでいるので、座談会をしても、面白い質問をしてくれるので、ありがたいです。

そして、懐かしのサンシャインコーストに3日半滞在しました。冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの家電製品は、Salvation Army に寄付をしました。倉庫まで引き取りに来てくれるので、本当にありがたいサービスです。オーストラリアには、このように不用品などの寄付を受け付けて、それを安く販売するNPOなどが、それぞれのコミュニティーにありますが、コミュニティーの活性化に役立っているので、日本でももっと普及してほしいシステムです。僕たちは、アデレードに引っ越して、お皿とかマグカップなどは、すべてそんな店で20ドルくらいで調達しました。

結局、本や書類など小さな段ボール10箱くらいに、荷物はまとまり、余裕で車1台で運ぶことが出来ました。考えてみると、アデレードに移動した時に車1台の持ち物しか持っていなかったので、僕たち夫婦の持ち物は車2台分で十分だということです。60年以上も生きているのに、持ち物が一人車1台に入ってしまうというのも喜ばしいことなのか悲しいことなのかよく分かりません。少なくともパーティーに呼ばれてもスーツやドレスシャツやテニスシューズ以外の靴は持っていないので、出かけることはないでしょう。(それに、呼ばれることはないでしょう。)


それなりの時間とコストとそして大きな労力を使って、2300キロ彼方にあった小さな倉庫を片付けたのですが、なんか清々しい気分です。些細なことでも、仕事を終わらせることは、達成感もあるし、きっとそれなりに苦労をともなったから(だって、毎日5時間運転して、モーテルに泊まって、似たような食事をしてましたから。)純粋に満足感があるのだと思います。経営って、終わりのないマラソンみたいなところもあるので、今後は、小さなゴール設定をしながら仕事を楽しんでいこうかと考えています。