最近の日本の状況を見ていると、様々なグループが様々な思惑の中で相手を批判しあっています。そして、たぶん個人としてはとても良識ある方々でも、グループや団体で動き出すと、暴力的になったり、冷静さを失ったりします。なぜ、そんなことが起きるのか?たぶん、それぞれの方にとって、利害関係を共にするグループや組織に属していることが一番安全で、かつ居心地が良かったり、自分らしさを発揮できると感じるからなのだと思います。守られていると、人はちょっと傲慢になるのかもしれません。
日本の教育は属している組織や団体の中でいかに成功していくかを学ぶことを重要視しています。ですから、組織がどちらに向かっているかを敏感に察知して自分の行動を変えていける能力は日本人の強みのひとつです。しかし、一人になったときにどちらに向かって漕いでいったら良いのかは、誰も教えてくれません。
海外に出て、一番学べることは自分で進む方向を見出していく力だと思います。留学中に一人で苦労したときには冷静に辺りを見渡してみましょう。他の国から来ている留学生の中にお手本となるような自立している若者たちを見いだすことができるかもしれません。最後は必ず僕たちが助けてあげるので、少しだけ自分で漕ぎ出してみましょう。そのためにも、留学は一人で来ましょう。
中学生、高校生ならまだしも、大学生になっても大学が主催する語学研修にやって来ている学生たちを見るたびに、人生の大切な機会を無駄にしているなあと、悲しくなりながら眺めています。