最低賃金がまた上がる

オーストラリアでは、毎年7月が会計年度のスタートとなり、この時期には次年度の最低賃金などが発表されます。先日発表されたこの7月からの最低賃金は時給16.37ドルです。1豪ドルが90円とすると、日本円では1,473円です。日本の全国の平均最低賃金は時給749円。(厚生労働省のホームページより)ということはオーストラリアの最低賃金は日本のほぼ倍であるということが分かります。
オーストラリアドル

私のようにオーストラリアで会社の経営をしていると、最初の頃はその人件費の高さに頭を悩ます事も多かったのですが、今は逆にそれだけ払うのだから、育成して付加価値を生んでくれる一人前のスタッフとして頑張ってもらおうと発想の転換が出来ました。(というか、そう考えなければ、経営は成り立ちません。)そうなると、若手でも新たなチャンスが与えられ、やらせてみると、とてもいい働きをしてくれて、そのスタッフもさらに成長するという、会社にとってもスタッフ個人にとってもうれしい状況が生まれます。

日本で最低賃金を上げると、経営者が人員削減に走るから良くないという人もいるようですが、長期的な視点で考えたら、賃金を上げてそれに見合った付加価値を従業員に求めていった方が、従業員の方もスキルアップができるので、企業も個人も成長できるので社会としては好ましいと思います。日本もオーストラリアのように倍の最低賃金レベルに思い切って変えてしてしまうと、思わぬ発想の転換が出来るかもしれませんね。

海外進出の新たな機会

先週末に、ゴールドコーストのアパートにインターネットを引く申し込みをOptusという電話会社のWEBサイトから行いました。「お申し込みありがとうございました。あらためて連絡します。」というメールが届きました。


Call Centreby alanclarkdesign


そして休み明けの火曜日、携帯に電話がかかってきました。営業マンらしき人が「この度は申し込みありがとうございました。つきましてはIDなどを確認したいので、、、」という訳で、生年月日とか住所とかカードの下4桁などを伝えるとまたスケジュールなどをご連絡しますと言って切られました。それから2時間後、同じ番号から電話だったので、スケジュールが決まったのかと思って出てみると「この度は申し込みありがとうございました。つきましてはIDの確認を、、、」おいおい、それはさっき違う人に話しましたよ、社内で確認してくださいと伝えて、個人情報を伝えるのは拒否しました。それからまた2時間後、今度は「Optusです。残念ながら、お宅にはネットをつなげることはできないことが分かりました。。。」普通のマンションなのに、どういうことなのか分かりませんでしたが、面倒くさいので「はいはい、キャンセルでかまいません。」とキャンセルの確認をしました。そして、それからまた2時間後電話がかかってきて、「この度はお申し込みありがとうございました。つきましては、IDの確認、、」さすがの私もあきれ果てて、今日はあなたで4人目の電話だということ、どうみてもサービスのシステムがおかしいということなどを伝えました。クレームを言うときは英語のほうが若干勇気が出るのは僕だけでしょうか。「お客様の不満は、ごもっともです。社内でまた検討させてもらいます。」こんな言葉もマニュアル通りに話しているだけという対応で、日本のサービス産業の質の高さを感じました。

ということは、、日本の会社にはまだまだ進出する余地が大きいということです。私が通信会社の社長だったら、中堅のオーストラリアの通信会社に投資して、サービスチームは日本から連れてきて改革をしたら、サービスの質の評判でシェアを伸ばせると思います。モノを輸出することで高度成長を実現した日本ですが、サービスという市場にも大きなポテンシャルがあることをアピールしていきたいですね。

ネットを切って歩き出そう

何か物事をじっくりと考えたいとき、僕は歩くようにしています。ネットがつながった状態でパソコンの前で考えていても絶対にいい解決策は生まれてこないのです。ネットにつながってからの僕たちの生活はいつも誰かとコミュニケーションをしていないと不安になるようになっています。ですから、ネットがつながらない(出来れば電話もつながらない)場所で一人であるいは信頼の置ける人と歩くということは、とても贅沢なことのひとつだと思います。

僕が住んでいるゴールドコーストは海沿いに長い散歩道があるし、ビーチに降りてしまえばそれこそいくらいでも長く歩けるのですが、週末はときどき山にもでかけます。
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ゴールドコーストの市内から車で1時間ちょっとで世界遺産の森があります。いくつか歩くのにいいコースがあるのですが、この週末はラミントン国立公園のオライリーの付近を歩いてきました。オーストラリアはちょっと街を離れると、とても空気がおいしいのです。また植生によって、香りが違うので、そのようなことにも敏感になっていくのは動物としての五感を維持するのにも大切だと思っています。
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また、このエリアはとても古い大陸の一部なので、植物や大地から人間の歴史を超えた時間の流れのようなものを感じることができます。そんな場所を歩いていると、僕の抱えている悩みや課題はとても些細な気がしてくるのです。留学生で、一緒に歩きに行きましょうという方は、声をかけてください。
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ケアンズで日食を見ながら考えたこと

先週は休暇をもらって、ケアンズで皆既日食を体験してきました。私は生まれて初めての経験でしたが、皆既日食の2分間は「見る」というより、不気味に暗くなっていくことを「体験」した時間でした。世界各地からケアンズには6万人の見物客(日食マニア?)が集まって、普段は静かな観光地のケアンズもとても賑わっていました。
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さて、実はこの皆既日食なるものは、毎年2回は地球のどこかで起きているそうです。しかし、それは海の上であったり、人が住んでいない場所であったりして、普通の人々が都市近郊でこのように見える機会は稀なのだそうです。

また、宇宙の時間のスケールで考えると、現在の月の大きさと地球からの距離は皆既日食をみるにはとても恵まれたひとときだそうです。何億年か前はもっと月は地球に近かったし、これから何億年か経過すれば、月は地球から離れすぎて太陽とぴったりと重ならなくなります。
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そんな偶然が重なって初めて見れるからこそ、多くの人たちがその瞬間を体験しに地球の裏側からもやってくるのだと思いました。私たちの生きている時間、場所、環境はほんとうに偶然です。だからこそ、目の前にある機会やチャンスはかけがえの無いものとして、今後もチャレンジしていこうと思いました。