農業高校のマーケット

週末のファーマーズ・マーケットに行くのは、スーパーマーケットでは食品をほとんど買わない僕たちのルーティンのひとつなのですが、家から歩いて5分のところにある農業高校で、月の最初の土曜日に、マーケットが開催されるというので、初めて行ってきました。高校の駐車場の一部を使って開催されていて、その高校で生産されているりんごやオリーブ、はちみつ、卵などが販売されていました。それ以外にも高校生がクラスのプロジェクトで作ったケーキ屋さんとか、先生みたいな人と高校生がやってるホットドック(オーストラリアでは、ソーセージシズルと言いますが)屋さんとか、生徒がやってるコーヒースタンドなどがあって、文化祭の屋台の縮小版みたいな感じでした。それ以外に近くの農家が野菜を売りにきてたりとか、パン屋さんが店を出していたりと、マーケットとして儲けるというよりは、地元の人たちが月に一度集まってワイワイするという目的のようでした。





市内からたった15分くらいの場所に農業高校があるというのが、アデレードらしいと思うのですが、このキャンパスには公立の専門学校であるTAFEのキャンパスも併設されていて、留学生向けの園芸関係の講座も開講しています。自然や植物を理解していくって、とても奥の深い学びなので、若いうちから始めておけば良かったとこの歳になって少し後悔しているので、短期のコースとかがあったら参加してみたいと思っています。



僕はこれからの時代って、英語とITと農業ができる・分かる人ってすごく自由に生きていけると考えています。世界中の企業とITの仕事をリモートで契約して、自分の好きな街や田舎に家を作って、小さな庭でも野菜などを栽培して家庭の食料自給率を高めておくと、いつ起きるかわからないさまざまな危機に対応できる可能性が高くなります。Work Globally, Live Locally. というのが、これからの生き方の一つの方向性になってくるのだと思います。

留学することの意義

アデレード近郊に約1ヶ月滞在していました。これだけ長い期間その街にいると、愛着も湧いてきて、将来はもっと長く住んでみたいなと思い始めました。もしかしたら、将来はアデレードに引っ越しをすることもあるかもしれません。食べ物は美味しいし、ファーマーズマーケットは素敵だし、街は落ち着いてるし、テニスクラブもちゃんとありそうだし。とても楽しめた1ヶ月でした。

さて、先週は、3年ぶりくらいに、お客様を集めたセミナーを開催しました。コロナ禍ではなかなかお客様を集めて何かを開催するということができませんでしたが、本当に久しぶりに留学生たちと対面でお話をすることができました。


そして、今週にはセミナーに参加された何人かのお客様たちとは個別にお茶やランチをする機会がありました。数日の出張だと、なかなかそんな機会はないのですが、今回は時間もあったので、一人一人の夢や考えていることなどを聞くことができました。彼らも60歳のおじさんと、コーヒーを飲みながら話をするなんて機会は日本ではなかったのだと思います。

僕は海外留学の意義の一つは、日本では話さない人とじっくりと話をすることなんだと思います。違う国の人たち、違う世代の人たちと、カフェでも公園でもキャンパスでも、時間を気にしないで、それまでの人生のことやこれからの夢のことや今の興味のあることなどを語り合うことで、自分にしか経験できない充実した時間を過ごすことができるのです。観光地に行って写真を撮って、インスタにあげるのは、まあ、誰でもできる話です。

週に1回でいいので、誰かを誘ってカフェに行ってみましょう。皆さんの知らない世界や人生を聞くことができると思います。そして、僕も多くの人たちと話をしていく時間を楽しみにしていきたいと思います。

海外を旅しながら磨けるスキル

オーストラリアの国境が開いてから、止まることなく留学の問い合わせをいただいています。特に日本の大学生の語学留学はコロナ禍の前に比べてもずっと増えています。コロナの時代に、大学でちゃんとした授業を受けられなかった不安からなのか、就職には英語力が必要と人材会社がアピールしているからなのか分かりませんが、とにかく毎日のように大学生たちから問い合わせがやってきます。


でも、英語ってツールなので、英語そのものが必要十分条件になることはないわけです。ある強みを持った人が、それを世界でも通用させるために英語を学ぶのは意義があるかもしれませんが、自分の強みとかやりたいことが決まっていない段階でとりあえず英語を留学して学ぶというのは、コストパフォーマンス的には勿体無い感じがします。お金持ちならともかく、借金してまで語学留学をするのは、回収にかなりの時間が取られてしまいます。

ですから、もし、留学しようかなと言う思いが、周りの学生たちが行ってるからとか、就活の履歴書に経験として加えたいからとかであれば、焦る必要はないので、多くの人たちが本当に留学が必要と感じる20代後半になるまで、日本で英語の勉強を続けながら、お金を貯めておきましょう。20代後半での留学は、人生を変えてくれる可能性が高いです。

留学するお金はないけど、それでも、どうしても大学時代に海外を経験したいのであれば、バックパックを背負って、海外を旅してみてください。例えばオーストラリアだったらケアンズで飛行機を降りて、高速バスに乗って、南を目指して、停車したらその街で1日暮らしてみて、またバスに乗ってを繰り返してメルボルンまで降りてきて、日本に帰るとか。そんな旅は、かなりタフさを鍛えてくれると思います。そして、日記をつけて、考えたことを大切に残しておいてください。大学時代って、どんなスキルよりも、ちゃんと考えたことを表現するスキルと、危機回避のための勘を磨くこと(胡散臭い話についていかないみたいな)が大切だと思うのです。

自然の中で1年間暮らしてみる

今は、タスマニア州の州都であるホバートの郊外に暮らしています。市内の中心から車で30分も走らないのに、自然の中の小屋で人工的な音はほとんど聞こえてきません。鳥の鳴き声とカエルの鳴き声くらいで、庭には時々ワラビーもやってきます。タスマニアにしかいない鳥の家族も近くに住んでいて、あまり可愛くない鳴き声で、時々うるさいです。




ホバートにはタスマニア大学、タスマニアTAFE、そして語学学校がいくつかありますが、日本人の留学生たちはほとんど見かけることはありません。他の州に比べても留学生の数が圧倒的に少なく(例えばニューサウスウエールズ州の留学生の数%しかタスマニア州には留学生がいません。)留学生の仲間を作りたいという人には、向いていないかもしれませんが、ローカルの人々と交流する機会は、他の州に比べて多いと思います。



そして、この自然。週末にやることは、この自然の中を歩くくらいしかありません。でも、留学って、SNSにアップできるようなことを毎日探すことではなく、自然の中で考え事をする時間を大切にすべきだと思うのです。オーストラリア、特にタスマニアのような田舎の地域に来ると、成功というものが経済的な成功ではなく、人生を楽しんでいるかの方が大切で、かつ自然が周りにあると、それを楽しむことで十分だということがわかってくるかもしれません。


例えば、大学を休学して留学をするなら、タスマニアも候補の一つに入れてみてください。生活費も安いし、週末はサンドイッチ買って、バスに乗って、どこか自然の中に行って、歩きながらこれからの生き方について考えてみる。そんな1年を過ごした人が、最終的には自分らしい人生を歩めるのだと思います。

自分にしか語れないこと

ソーシャルネットワーク(SNS)は直接会えない人たちをつなげるという意味では、本当に価値があるものだと思いますが、一方で、大衆が大衆として固定されていくのを促進している感じがします。多くの人々は、SNSへの参加証明として、時々投稿をするわけですが、周りを見渡しながら、当たり障りのないコメントや写真をアップします。それらは、「ここに行きました!」「これを買いました!」「これを食べました!」にほぼ集約されて、それぞれ「いい経験ができました。」「いい買い物ができました。」「美味しかったです。」という、同じようなコメントが添えられます。


誰にでも語れることは、情報としてはノイズでしかありません。ノイズからは、新たな気づきも得られないし、読んでいても疲れるだけなので、SNSから少しずつ人が離れてしまうのは必然なのだと思います。

これから、どんなプラットホームが流行ったり廃れたりするのかは分かりませんが、ノイズではない、自分にしか語れないことを表現していくことが、成功をしていくための大切な要素になっていくと思います。そのために、安定した慣れ親しんだ同じ環境ではなく、外に飛び出した方が、新しいことを語るための気づきが増えていきます。留学は、国境を飛び越える大きな機会なのですから、オーストラリアのスーパーマーケットの牛肉はいくらだから安い!みたいな、誰にでも発信できることに貴重な時間を使ってはいけないのです。

留学で失敗しない方法

おかげさまで、毎日留学の問い合わせを多くいただいていて、僕も新規の問い合わせの担当をしているのですが、僕が担当するのは、まだどんな留学をしたら良いのか悩んでいそうな方々です。そして、そんな人たちの何割かは、本当に自分の中から留学に行ってみたいと思っているわけではなく、留学ってどうかなあと周りの人に聞いたら、行った方がいいよと言われて考え出したという人たちです。


そんな時に、留学エージェントとかに行くと「行かないで後悔するより、行きましょう。」「今、行かないと、チャンスを逃すことになるよ」「就活に活かすために、多くの大学生が留学してますよ。あなたは行かなくていいの?」みたいなことを言われ、いくつか留学エージェントに話を聞いてみたいとうちのサイトにも連絡してきたということです。

そんな人たちに、僕がお話しするのは、留学に行かないと就職で不利になるのではないかとか、英語が話せないと転職できないのではないかというような不安から生まれた動機であれば、今は留学は止めておいた方がいいのでは?ということです。留学には誰にも適齢期みたいなものがあって、このタイミングで行くべきだと分かる時があると僕は思っています。高校生の何割かにとっては大学進学のタイミングだし、社会人であれば、ビジネスのことや自分の将来のことが見えてくる入社5年目くらいだと思います。

ですから、焦らないでも大丈夫です。そして、人生の先輩からのアドバイスとしては、不安を煽ってきたら、絶対にその人を信用してはいけません。「あ、この人、不安を煽ってきたな」と思ったら、とっとと話を切り上げて、逃げましょう。怪しげな金融商品も、怪しげな宗教も、怪しげな留学エージェントもみんな同じ手法です。人々の弱いところに、うまく入り込んできます。留学でも人生でも、失敗しないための大切なルールだと思います。

されど英語力

最近は、社会人や大学生の方からの、大学院進学の問い合わせが増えています。日本の企業や社会の将来に不安を感じている人が増えているのでしょう。大手企業に勤めているから安心というよりは、逆に自分の将来が見えてしまって、このままではいけないと思ってしまうのかもしれません。


しかし、その問い合わせの3割くらいには、現在の英語力についてのコメントがありません。自分の英語力はさておき、どんな学部で学んだら、思い描く将来に近づくのかが知りたいのかと思います。でも、大学や大学院でドロップアウトする学生のほとんどが、能力が低いからではなく、英語力がなくてついていけなくなって、モチベーションも下がり、学校に行かなくなってしまうのです。英語は他の言語に比べてルールも簡単な算数みたいな言葉ですが、されど外国語ですので、どうしても習得できないタイプの人が存在することも確かです。

オーストラリアの大学院で学んでみようと考えたら、まずは、IELTSでもTOEFLでも良いので、一度テストを受けてみてください。それを受けることで、英語で学ぶということが自分には合っているのか合っていないのかが、分かるかもしれません。あるいは、自分の英語力が大学院に入学するためのIELTS6.5に到達するまでにどのくらい離れていて、到達までにどのくらいの時間と予算がかかるのかも考えることができると思います。

どの学部に入ったら成功できるのかという夢の可能性に悩むより、地道に今日10個の英単語を覚え続けていく人が成功していってる気がします。

視野よりも視力

学生ビザを申請するときに、なぜオーストラリアに留学をしたいのかという作文をしなくてはいけないのですが、その理由で多いのが、「視野を広げたいから」というものです。視野が狭いという言葉が、ネガティブにとらえられるので、視野が広い人の方が人間的にも大きな人だと認められそうな感じがするんでしょうね。


でも、とても多くの人が「視野が広くなるために」って書くので、ほぼ思考停止ワードとして、日本社会では流通している感じがします。留学の目的が「視野を広くするために」で、留学から帰ってきて、留学の結果を就活の面接で聞かれたときに「視野が広くなりました!」なんて答えて、落とされるみたいな。

多くの若者たちと話をしていて感じることは、視野を広げることよりも視力を良くするというか、観察力を高めることに時間とエネルギーを使ったほうがいいのだろうなということです。環境問題を解決するために日本人が努力した方が良いこととか、自分が住んでいる街はどうするともっと魅力的になるのかとか、なんでもいいので問いを作って、自分の見える範囲でまずは調べたり考えたりする練習をしてみることです。実は、インターネットのおかげで、調べることはとても簡単になっています。そうすると、自分なりの仮説を作ることも昔より簡単になっているはずです。

そして、たくさんの仮説をメモに書き留めてから、オーストラリアに留学に来てください。違う世界に触れて、自分の仮説が正しかったとか、間違いだったとか、修正が必要だったりとか、多くの気づきがあると思います。視野が広がるというのは、そういう経験なんだと思います。

留学相談はオンラインの方がいいよ

週に1人くらい、留学エージェントと契約してしまったのだけど、何か違う気がする、これでよかったのかどうか?みたいな問い合わせがやってきます。契約してしまったら、その契約書に何て書いてあるのかを調べないといけないのですが、世の中の契約書って、大事なことを分かりづらく書いてあるんですよね。ちなみに、うちの会社の規約は超シンプルで、お金を払わない限り(つまり申込時点では契約ではない)契約をしたとはみなさず、申し込みをしても考えが変わったらキャンセルができます。でも多くの会社では、申し込みをした瞬間に契約が成立して、その後に解約しようとすると違約金(キャンセル料)を取るカラクリになっているようです。


だから、多くの会社は、対面でのカウンセリングをして、なんとしてもその場で申し込みをさせるという手法を使います。もう何十年も前から、そういうビジネスってありましたよね。本屋さんで綺麗なお姉さんに声をかけられて、英語は勉強しなくてはいけませんよ、みたいに説得されて英語教材を買わされたりとか、必ず儲かりますとか言われて金融商品を売りつけられたりとか。

そういう業界の営業の人って、相手をその気にさせる技術のプロですから、その人のホームグラウンド、つまりオフィスに行って会議室みたいなところに入ると、もう逃げることは出来ません。手を替え品を替えてあなたにサインをさせるのです。若者って、基本的にいい子が多いので、Noとはなかなか言えないのでしょうね。

そんな状況にならないためにも、オンラインでの留学相談をうまく活用してみてください。胡散臭いかどうかは、顔を見るとわかるでしょうから、実際にオフィスに行かなくても判断はできると思います。オンラインであれば、その場でサインをするということは回避できるので、じっくり考えて、自分のペースで意思決定を進めていってくださいね。

休学留学中に考えると良いこと

最近は、日本の大学生たちから、休学しての留学について相談が増えています。うちの会社としても、これからの時代にどんな休学留学が良いのだろうかという議論もスタートしました。オーストラリアの大学の聴講をしたり、専門学校に通って資格を取得したり、英語力を徹底的に伸ばすなど、さまざまな学びを経験することができます。それ以上に、オーストラリアという国で暮らしてみるということが、きっと人生観に良い影響を与えてくれると思います。自然の中で仲間とのんびり時間を過ごすことなどが、普通になっていくでしょう。


どんな休学留学をするにせよ、1年後には日本に帰って就活について考え始めなくてはいけません。そして、オーストラリアに留学した人たちは、何か日本とオーストラリアを結ぶ仕事ができないかと考えます。そんな人たちにやってほしいことは

「現在日本にあるビジネスで、オーストラリアの市場にも売れるモノやサービスは何か?」

ということを時々考えて、答えをメモしておくことです。別にすごく大きなビジネスである必要はありませんが、安定して利益が出そうなビジネスやサービスにはどんなことがあるのかを考えていく癖をつけることは、社会で成功するためのスキルの一つになります。そして、勇気を持って、そのビジネスを展開している会社に、「オーストラリアに進出しませんか?」と履歴書と一緒に提案をしてみるのです。僕が企業の採用担当者だったら、その提案がイマイチでも、一度話してみようと思うでしょう。


うちの会社のお客様で、そんなチャレンジをしてみたい人には、提案書のサポートもしてあげようと思います。そんな若者に出会えるのを楽しみにしています。

ちなみに、ここ1週間くらいの僕のアイデアはもやし工場の誘致です。オーストラリアで売ってるもやしって日本の10倍くらいの値段なんですよね。せめて一袋1ドルくらいにならないと、、、。もやし工場って作るのいくらぐらいかかるのでしょう。調べてみようっと。