語学留学に意味はあるのか?

英語は、世界の他の言語に比較してもそんなに難しくありません。文法などは簡単な数学みたいな感じで、ルールさえ覚えれば、読んだり書いたりすることは日本にいながらでも十分に習得することができます。海外に行ったこともないのに、TOEIC990点みたいな人が数多くいらっしゃるのも、そのシンプルな構造を理解してしまえばテストの点は伸ばすことができるからだと思います。


しかし、例えばTOEIC800点でも、英語をうまく話せない人も数多くいらっしゃいます。海外に留学に行き、語学学校に通って欲しいのは、実はこういう人たちです。つまり、基礎は出来ているけど、英語のコミュニケーション力が不足してる人たちです。そんな人が1年間語学学校に通うと、ほぼペラペラになります。ビジネスの世界でも通用する英語によるコミュニケーションが可能になります。

基礎が出来ていない人は、海外留学よりも先に日本でお金をかけずに、中学高校の英語を復習すべきです。その復習が終わってから留学することが、留学における投資対効果を高める一番の方法です。

語学留学は英語を勉強しに行くのではなく、コミュニケーション力を磨きに行くべきです。日本人が苦手な、すべてを言葉で語らなくてはいけないローコンテクストなコミュニケーションスタイルに慣れること、自分の意見を明確に表現することの2つの課題を意識して語学学校に行くと、一生ものの英語によるコミュニケーション力を身につけられ、それが語学学校に行く意味なんだと思います。

私立の語学学校に通うメリット

オーストラリアの語学学校には大きく分けて、私立の語学学校と大学やTAFE(公立の専門学校)の附属語学学校があります。附属の語学学校は本来はその大学なり専門学校に将来通う学生が学びに来る場所ですが、最近ではその語学学校だけに通って日本に帰る大学生も増えています。


私立の学校も附属の語学学校もそれぞれ通うメリットがあるのですが、うちの会社のサイトも含めて留学会社のサイトではあまり取り上げられない私立の語学学校に通うメリットの一つを紹介します。

それは、それまでの人生で会ったことのない人々に会えるということです。それも違う国籍の人ということだけではなく、自分と違う世代の人々と話す機会がすごく増えます。

自分の学生時代や20代を振り返ったり、多くの若者たちと話をして気づくことは、日本の普通の若者が大人と話す機会は、親か学校の先生と話すかバイト先、あるいは勤務先の上司くらいしかないということです。オーストラリアの語学学校には、様々な国から様々な世代が勉強に来ています。すでに自分の国でいくつものキャリアを積んできた人に会うことも普通です。母国では、会計士だとか会社を経営してるとか、カフェを持ってるとか、じゃあ、なんでそんな人が、そのキャリアを中断してオーストラリアで英語を勉強してるの?と聞きたくなる人も多くいます。

日本の若者で、自分が何がしたいのかよくわからないので海外にやってきたという人にも会いますが、そんな人こそ、世界各国から来る大人たちに、積極的に話しかけて、人生について聞いてみるべきです。聞いたこともない街で育ち、なかなかイメージできない生活をしてきた人たちに、勉強する理由や将来の夢を聞いてみることは、同じような考え方しか許されない小さな日本社会に違和感を感じてきた人には、いい刺激になると思いますよ。

フェイクニュースな世の中

一国の政治でさえも、嘘の情報だろうが何だろうと、信じた人が多ければ気にしない世の中において、一人の人間として、これからの大切な能力って直感と論理と分析のバランスを取りながら、騙されないとか意思決定を間違えないということなのだと思います。


例えば、僕の住んでいる留学業界というのも、怪しい情報を載せているサイトがいくつもあります。「オーストラリア 大学 進学」と検索すると20社くらいの会社が情報を載せています。ところが、日本の留学エージェントで10校以上のオーストラリアの大学とエージェント契約をしているのは数社しかありません。1校以上の契約と考えても10社くらいしかありません。つまり、オーストラリアの大学について掲載している会社のうち、半分は怪しい会社なわけです。

怪しい会社や、怪しい話に引っかからない能力は、物事を論理的に考える能力に近いものがあります。本当にリアルな会社なのかは、スタッフの顔写真が掲載されているのか、本当に留学生がいるのかは、体験談がイニシャルではなく実名で掲載され、写真も何枚も使われているかなど、簡単なことですが、そのチェックさえ行わずに、騙されてしまう人もいらっしゃいます。そして、話がややこしいのは、留学会社を評価するふりをしたまとめサイトなども、実は誰かが作った嘘の情報が満載のサイトだったりするわけです。

留学エージェントに問い合わせする前に、本当にその会社は信用がおけそうなのか、自分で調べられることはちゃんと調べたのか、今が問い合わせをする最適なタイミングなのか、など、一歩立ち止まって考えてみてください。何気に、「留学に興味があってー。」とか「大学ってどんな感じですかー。」みたいな問い合わせを怪しげな会社にしてしまうと、毎日のようにうざい電話がかかってきますよ。そんなことで、皆さんの世界に飛び出していきたいモチベーションが萎えてしまうのは、とてももったいないことだと思うのです。

仕事ではなくビジネスモデルを理解して辞める

日本は新年度で、きっと今週から働き出した初々しい新入社員たちが街を闊歩しているのでしょう。ところが、こんな仕事をしていると、新卒で入社した会社を1年くらいで辞めた若者たちにも多く出会います。ブラック企業が多い日本社会で最初の会社の選択を間違うことはある確率で起こるでしょうし、キャリアの最初の頃に転職を何回かする人は40代50代でのポジションが高いというリサーチが欧米ではあるようですから、日本社会が昔とはずいぶん変わっていることを考えれば、別に気にすることは無いのかもしれません。


ただ、それなりに夢や目標を持って入った業界で、配属された部署の上司が尊敬できないとか、会社の将来性が無いとか、理不尽なノルマを押し付けられたからと言って辞めてしまう前に、その業界で成功する会社になるためにはどうすれば良いのかを考えてまとめる時間を取るといいと思います。どんな業界でも、成功している会社とそうでない会社があります。辞めたくなる会社って、成功していない会社であったり、展望の見えない会社である場合が多いので、なぜ成功してないのかを深く考えてみるべきなのです。そして、その業界で成功するためのビジネスモデルはどのようなものなのか、自分の言葉で語れるようになることが、辞めてもいい基準になるのだと思います。

会社に入ったら、まずは与えられた仕事を一人前にこなすことに集中しろ、と指導する大人たちも多いかもしれません。しかし、それと同時に与えられた仕事が会社の成功のために意味があるのか、もっといい方法がないのか、そもそもこのビジネスモデルが最善なのかなどを考え続けることが、思考停止の人々が多い日本社会を良くしていくために、そして新入社員が将来成功するために、やるべきことなのだと思います。



ステージに上ろう

スポーツをスタジアムで観戦すると、興奮して2日くらいはうまく眠れない。ドームを埋めつくすコンサートに出かけると、興奮して3日くらいは、頭の中でその音楽が鳴っている。今をときめく経営者のセミナーに参加したら、1週間くらい仕事が楽しくてたまらない。世の中はそんな観客で溢れていて、そんな観衆を動員するためのイベントを企画することが生業の会社も腐るほどあります。


でも、歌が好きなら、歌を人に聞かせよう。スポーツが好きなら、試合に出てみよう。語ることがあるなら、自分のセミナーを開いてみよう。最初は下手かもしれないし、負けてばかりかもしれないし、話を聞きに来る人はいないかもしれないけど、時間が経てば必ずうまくなっていく。うまくなっていけば、楽しくなってくるし、悔しくなってくるし、謙虚になってくる。それが素敵な人になる道なんだと思うのです。

バリスタだけでは食べていけない

ワーキングホリデーや長期語学留学をしている若者たちにとって、バリスタ講座って、不動の人気講座です。オーストラリアのローカルカフェでバイトを探すには、バリスタのスキルと接客用の英語力を持つことは大きなアドバンテージになります。ですから、このような講座は半年待ちとかにもなるくらい人気なのです。

しかし、日本に帰って、カフェで働いて生計を立てることを考えるなら、バリスタの技術だけで食べていくのは、傑出したスキルを身につけない限り、不可能です。それに、バリスタを10年以上続けて、給与がどんどん上がっていくということも無いでしょうから、もしカフェという世界で生きていきたいなら、どこかのタイミングで「ビジネス」ということを考えなくてはいけません。

僕はビジネスを学ぶというのは、何かやりたい方向性が決まった時に、その可能性を高めるために学ぶのがいいと思っています。将来会社を作りたい、勤めている会社で経営陣になりたい、新規事業を始めたい、カフェを持ちたい、お店をプロデュースしたい、そんな方向性や何かイメージを持った時からビジネスを学ぶと、学ぶことすべてが自分のビジネスに生きてくるのです。

ですから、もし、バリスタコースを学び、オーストラリアのカフェでバイトを始め、そのビジネスの面白さを追求したくなり、いつかカフェを経営したいと思ったら、TAFEなどの専門学校レベルでいいので、ビジネスやマーケティングのクラスを受講してみてください。きっと、将来に生きるヒントがノートいっぱいになると思いますよ。

ロールモデルなんて、の時代

今は、「ロールモデル」つまり見習うべき大人を目標にする、ということが死語になりつつある時代だそうです。


まずは、ロールモデルとなるべき大人の側では、終身雇用の時代はとっくに終わり、昔に比べたら安定した人生設計をすることができません。ですから、若者の見本になるなんてことより、まずは自分の仕事が成功することが重要で、余計なことは考えている暇はないのでしょう。そうなると必然的に余裕がなくなって、かっこいい大人が増える構造ではありません。また、大人になってから起業をする人も増えているようですが、10年後にその会社が生存している可能性は半分以下でしょうから、ここでも成功している大人に出会える可能性は高くはありません。

また若者の側でも、「君は素晴らしい、だから強みを活かして生きれば大丈夫」みたいな微妙な自己啓発本みたいなメッセージに惑わされて育ってきているので、奇妙な自信に溢れた人が多く、人生の目標や方向性を大人や先輩に求めることは少ないのかもしれません。そうなると、夢や目標にあまりリアル感が感じられないのです。

幸運にも、僕の20代は、本当に素敵な大人たちと出会えた時代でした。会社の上司、先輩、社長、勤めていた会社がお願いしていたコンサルタントの方々、ビジネススクールの教授、一緒に仕事をさせていただいたデザイナーやプランナーの方々、思い出すだけでワクワクするような人々との時間のおかげで、こうやって海外で会社を経営するという夢が生まれ、それに向けて何を準備したらいいのかが、少しずつ学べたのだと思います。

そして、少しだけ僕が頑張ったことと言えば、出会った大人たちから出来るだけ多くのことを学ぶために、少し無理して自分の実力よりも背伸びしたり、緊張したりしても話を聞きに行ったことだと思います。自分の知らない世界を知っている人から、なんでも吸収したかったのが僕の20代だった気がします。

ですから、20代の人に伝えたいのは、ロールモデルにならない大人の方でもいいので、とにかく話をしてみたらということです。緊張もするし、あまり快適ではない時間になるかもしれません。それでも大人たちと話す練習は、必ず将来に役立つと思うし、留学中に外国人の大人たちと将来や仕事や人生の話をする機会は、きっと皆さんの世界を広げてくれると思います。

タフさを創り出す留学

留学後に日本に帰国して、就職などの面接でどんな話をしたらいいのかという質問に対して、いつも僕が答えているのは、「苦しい状況をいかに克服して新しい道を開拓したか」というストーリーが語れるかということです。「楽しかったです」とか「海外の友達がたくさんできました」とか「オーストラリアはいい国でした」みたいな話は小学生の読書感想文じゃないんだから、いくら語っても強い印象は残せないと思います。


絶体絶命のピンチの時には「戦う」か「逃げる」かの2つの選択肢しかありません。日本のおじさんたちには、「何もしないで先送りにする」というのも選択肢になりそうですが、きっと状況は改善しないでしょう。そして、僕のおすすめは、まずは逃げないでその問題に向き合ってみるということです。友達関係や、勉強や、アルバイトなど、留学の様々な局面での問題は、失敗すると人生が終わっちゃうほどの問題ではないはずです。そのような問題に対して、感情的にならずに冷静にそしてしっかりと考えて自分の意見を伝えてくことで、たとえうまくいかなかったとしても、交渉の経験も積めるし、その分タフになることができます。

若者に限らず、日本人に不足しているのはこのタフさです。外国人の前で、ヘラヘラせず、卑屈にならず、無礼にならず、いつも穏やかな笑顔なんだけど交渉はちゃんとやる、という大人になるには留学時代の数々の悔しい経験が生きてくるのだと思います。

試験を受けるマインドセット

オーストラリアで公立の専門学校であるTAFEや大学に進学するためには、英語力を証明しなくてはなりません。そのためにはIELTSやTOEFLなどの試験を受けて、合格するためのスコアを取得するか、あるいは大学附属や提携語学学校の英語クラスを指定された週数通う必要が出てきます。


面白いのは、多くの若者たちがそれらの英語の試験を受けるのではなく、語学学校に通うことを選ぶことです。IELTSを受けずに進学する方法を問い合わせてくる方も少なからずいらっしゃいます。そのような若者たちは、テストを受けることにすごく拒否反応を示すのです。試験というものにとても緊張するタイプなのか、試験にあまりいい思い出がないからなのかわかりませんが、試験を回避したいという思いは、今の若者たちの特徴なのかもしれません。日本の大学への進学も推薦入学が多いらしいですもんね。

試験で自分の実力を見せることよりも、真面目に勉強している姿を評価してもらう方がリスクが少ないという考え方は、これからの時代は通用しなくなってくると思います。やるべきことは早く終わらせて、新しいことにチャレンジする人の方が、言われたことはちゃんとやってますので評価してくださいという人よりも、組織は必ず評価するでしょうし、人間的にも魅力的な人が多いと思います。

このような仕事をしていると、様々な局面で、若者たちのマインドセットを観察することができます。リスクを恐れて、できるだけ先延ばしにするタイプの人に、今、まずはチャレンジして学んでみて、そこから次のステップに踏み出すことの大切さについて、僕も嫌われるリスクを恐れずアドバイスしていきたいと思います。

いい大学に行こうよ

世界の大学ランキングって2つくらい有名なのがあるのですが、そのうちの1つのQSランキングが先週発表になりました。

こちらのサイトでそのランキングが確認できるのですが、世界で1,000位まで名前が出ています。ということは、その1,000位までが、まあまあいい大学だということなのでしょう。


面白そうなので、日本の大学とオーストラリアの大学を比較してみました。

100位まで
日本:東京大学、京都大学、東京工業大学、大阪大学、東北大学(5校)
オーストラリア:オーストラリア国立大学、メルボルン大学、ニューサウスウェルズ大学、クイーンズランド大学、シドニー大学、モナッシュ大学、西オーストラリア大学(7校)

300位まで
日本:名古屋大学、北海道大学、九州大学、慶応大学、早稲田大学、筑波大学(6校)
オーストラリア:アデレード大学、シドニー工科大学、ニューカッスル大学、ウーロンゴン大学、マッコーリー大学、クイーンズランド工科大学、RMIT大学、カーティン大学、南オーストラリア大学、ディーキン大学(10校)

600位まで
日本:広島大学、神戸大学、東京医科歯科大学、一橋大学、千葉大学、岡山大学、横浜市立大学、金沢大学、熊本大学、長崎大学、大阪市立大学、東京農工大学(12校)
オーストラリア:タスマニア大学、グリフィス大学、ラトローブ大学、ジェームズクック大学、スインバーン大学、ボンド大学、マードック大学、フリンダース大学、キャンベラ大学、西シドニー大学(10校)

1000位まで
日本:岐阜大学、鹿児島大学、首都大学東京、新潟大学、大阪府立大学、上智大学、東京理科大学、群馬大学、名古屋工業大学、山口大学、横浜国立大学、青山学院大学、同志社大学、九州工業大学、明治大学、お茶の水大学、立命館大学、埼玉大学、信州大学、東海大学(20校)
オーストラリア:セントラルクイーンズランド大学、チャールズダーウィン大学、ビクトリア大学、エディスコーワン大学、サザンクイーンズランド大学、オーストラリアカソリック大学、チャールズスタート大学、サザンクロス大学、ニューイングランド大学、サンシャインコースト大学(10校)

世界ランキング1,000位まで、日本の大学は43校、オーストラリアは37校が入っています。日本、頑張ってますね。ただ、ここで日本の大学が全部で何校あるか押さえておきましょう。日本の大学数は2014年の数字で781校、そのうちの世界ランキング1,000位以内の43校は日本全体の6%にあたります。オーストラリアの大学数は40校なので、世界ランキング1,000位までの大学が占める割合は92%。つまり、日本の90%の大学は世界ランキング1,000位圏外、オーストラリアの大学の90%は1,000位圏内ということです。うーん。

オーストラリアの大学は、英語力と日本の高校の成績で入学の査定が可能で、私たちの経験では、ほとんどの日本の高校生は英語力さえつけてくれれば、オーストラリアのどこかの大学に入学できています。海外への大学進学が、一部のエリートやお金持ちのためのものではなく、日本の普通の高校生にとっても当たり前の世界になることが、日本の社会を良くしていくための大切なステップになると僕たちは考えています。