40年前の時間の流れ

今回のブログも、プラスチックを減らす試みの紹介です。

僕は髭を剃るときは、電動のシェーバーではなくカミソリを使っています。電動シェーバーは手入れも面倒だし、別に電気使わなくてもいいんじゃない?ということで随分と前に一度買いましたが、しばらくして使うのを止めました。

日本でサラリーマンをやっていた時期は、会社に行くときは、ちゃんと綺麗に剃らなくては!とかって思ってましたが、オーストラリアで、それもほとんど家で仕事をする現在に至っては、気になったら剃るという感じです。


そんないい加減な状況なので、髭剃りにお金を使うのはもったいないと、使い捨ての安いカミソリをスーパーで買っていたのですが、やはりプラスチックは放置しておくわけにはいかないので、週末に、shaver shopで昔ながらの髭剃りを買ってきました。

40年前くらいに、父親の使っている髭剃りを借りて、恐る恐る初めての髭剃りをした時に使った、1枚のカミソリをセットして使うやつです。と言っても、今の若い人たちには想像もできないのかもしれません。この髭剃りって、ちょっと角度を間違えたり、垂直方向に動かさないと、ヒゲだけではなく皮膚も切っちゃうので、とても緊張感のある作業です。さっそく、ちょっと血が滲みました。

そういえば、40年前は髭剃りにも、随分と長く時間を使っていました。お湯やクリームみたいなものを使って、ヒゲや皮膚が柔らかくなるまで待ってたり、カミソリももっとゆっくり動かしていました。そんなことを懐かしく思い出しながら、これからは、血だらけにならないように、ゆっくりと髭剃りを楽しんでいきたいと思います。

もしかしたら、世の中には40年前に戻った方が、地球にも自分にも素敵なこともあるのかもしれませんね。

人生を賭けた仕事探し

最近はタクシーではなく、UBERを使うことが普通になってきましたが、日本はまだタクシーを使う人の方が多いのですよね?UBERは運転手にお金を支払うと言うプロセスがないので、お金を持ってなくても良いのがいいですね。

さて、先日、アデレードの出張から帰るときに、早朝の6時くらいにホテルから空港までUBERを頼みました。ドライバーは随分と若い感じで真面目そうなアジア顔の男の子だったので、助手席に座って(オーストラリアではタクシーやUBERでは、よほどのことがない限り助手席に座って運転手と話をするのが基本です)話しかけました。



「学生?」
「南オーストラリア大学で、アカウンティング(会計学)のマスターを終えたところです。」
「じゃあ、卒業生ビザを使って仕事をしてるんだね。」
「はい、なかなかフルタイムの仕事が見つからないので、いいチャンスを探しています。」

昼は会計の仕事をパートタイムでやりながら、お金を増やすために夜や早朝にUBERの運転手をしているとのこと。

「どこの国から来たの?中国?韓国?」
「香港です」
「そっかあ、大変な状況だね。友だちはデモに参加してるの?」
「はい、友人たちのSNSをみると、全てがその話題なので、心が痛みます。」
「そうだよね、でもあの状況で、国に帰るのは大変そうだね。」
「だから、何としてもオーストラリアで仕事を探して安定したいと思ってるんです。」

そんな話をしているうちに、空港に到着して、「Good Luck」と声をかけて、3ドルのチップをUBER経由で送りました。

アジアから永住権を目指す若者たちは、彼のように本当に懸命です。「どのコース取ると永住権取れますかあ?」みたいなお気楽な人には、なかなかチャンスは巡ってこない感じがします。

ココナッツスポンジ

僕の生活の目標のひとつは、出来るだけプラスチック製品を使わないということです。エコバックやKeepcupを使ったり、野菜はパックされたものではなく、マーケットに買いに行くなどは、習慣としてできてきましたが、生活用品にはまだまだ思わぬところにプラスチックが隠れています。今後は、それらをどう無くしていくかを、機会があれば書いていきたいと思います。

今回は、皿洗い用のスポンジ。我が家の皿洗い担当の僕としては、スーパーで買った5個3ドルとかのお得なスポンジを使っていたのですが、洗っているうちに少しずつ削れているのがわかり、これってマイクロプラスチックとして海に流れて、魚が食べて、それを大きな魚が食べて、それを鳥が食べて、、みたいなことを考えたら、夜も眠れなくなっちゃうわけです。


ということで、近くのオーガニックショップに行って、プラスチックではない食器洗い用商品を買ってみました。

この商品はココナッツの繊維を使った食器洗い。なんか頼りなさげなのですが、使ってみると結構泡立つし、長持ちもするし、すぐに乾くし、悪くないです。何しろ、捨てるときには庭とかに捨ててね、と書いてあるのが嬉しいです。


これを作っている会社はインドの会社ですが、日本も昔からたわしの文化があるわけですから、こんな商品を作ってプラスチックのスポンジを止める運動をしてくれたらと思います。

数値では測れないもの

火曜日に東京からサンシャインコーストに帰ってきて、またのんびりとした生活に戻りました。さっそくお気に入りのカフェに行ったり、テニスをしたり、日本から見学に来た高校生をサンシャインコースト大学に連れて行ったりと、まあまあ忙しい?生活をしています。

日本の社会とオーストラリアの社会は統計上ではほぼ変わらない、生活の質の高さを表していると思います。便利さでは圧倒的に日本の方が上でしょうし、治安はほぼ同じレベル、最低賃金はオーストラリアの方が高いけど、失業率は日本の方が改善しているなどなど。


それでも、多くの留学生たちはオーストラリアに残りたいと考えるし、僕自身もこれから先もオーストラリアに住み続けると思います。その理由は数字では現れてこない部分の違いなんだと思います。それは人の温かさ。

すれ違う人に挨拶したり、電車や飛行機で隣の人と話したり、タクシーやUBERではお客は助手席に座ったり、横断歩道では必ず車が止まったり、馴染みのカフェではオーダーするときに世間話をして列が長くなっても誰もあまり気にしないなど、そんなのんびりした生活は慣れてしまうと、とても心地いいわけです。たぶん、1人あたりの笑っている時間はオーストラリアの方がずーっと長いと思います。

日本も昔はのんびりと人と人が温かく社会を作っていたわけで、その時代に戻ることはそんなに難しくないと思います。でも、もし、そんな社会のイメージが湧かないのであれば、サンシャインコーストに来ることをお勧めします。

都市は素敵な街を隠している

1週間ほど、暑い東京に来ています。2011年にオーストラリアに引越しをしてからはじめての日本の夏なので、冬の爽やかなオーストラリアからやってきた人間としては、この蒸し暑さはかなりこたえます。オフィスは渋谷にあるのですが、相変わらず人は多いし、この猛暑では散歩する気にはなりません。結局、実家がある吉祥寺に戻って、買い物したり、友だちとご飯を食べたりしています。

渋谷などの東京の中心はどうも居心地が悪く、ちょっと離れたおしゃれな街や地域が、実はその都市の魅力を作っているのだと思います。


オーストラリアでもその公式は当てはまっていて、シドニーならサリーヒルズ、ブリスベンならパディントン、メルボルンならフィッツロイ、パースならスビアコなどの街は、市内中心からちょっと離れたおしゃれな街としてすでに有名ですが、他にもきっと素敵な街がたくさん、都市の周辺にはあるのだと思います。

そんな街に住むことで、オーストラリアらしい、のんびりした人生を楽しむライフスタイルを経験することが出来ます。よく、市内に出来るだけ近くて便利な場所に住みたいというリクエストをもらいますが、市内に通学するのに少し時間がかかったとしても、生活の質が高い街周辺に住むことの方が、一生に一度のオーストラリア留学を印象的にできると思いますよ。

コミュニテイーという優先順位

今、多くの人々にとって、消費活動は自分を表現するひとつの手法になっています。つまり、どこで何を買ったかとか、どこで何を食べたかを、インスタにあげたときにいいねがつくかどうか?みんなが素敵!と言ってくれるかどうかが消費活動を選択する大切な要素になっているわけです。

でも、それって、自分のアイデンティティを表現しているつもりでも、企業のマーケティングに乗せられているだけなので、自分らしさを構築していくことにはつながりません。若いうちにそれに気づくことが、幸せになるための大切なステップになるのだと思います。

最近の僕の消費活動のテーマは、グローバル企業に貢献するのではなく、いかにコミュニティーに貢献するかということです。


食材は基本的に週末のファーマーズマーケットに買いに行きます。野菜や果物は、有機栽培で新鮮な方が、スーパーの野菜に比べて、やはり美味しいし、健康にもいいのだと思います。スーパーマーケットに行くのは、ミルクとか豆腐とかを買う時のみなので、滞在時間も短いです。

魚は地元の漁師さんたちがやってる魚屋さんに買いに行きます。その方達は、グレートバリアリーフの保護にも積極的に関わっているので、応援したくなります。オーストラリアには珍しいマグロの刺身があるときは、「今日はあるよー」みたいに声をかけてくれます。

朝にコーヒーを外で飲みたくなったら、家から歩いて5分くらいの同じカフェに行きます。バリスタも店員のメンバーもみんな顔馴染みなので、僕がソイ・フラット・ホワイト(豆乳入りのコーヒーってことです)を飲むことを知っているので、何も言わなくても準備をしてくれます。

ビールが飲みたくなったら、ライフセーバーたちのクラブであるサーフクラブに行きます。ここはNPOなので、収益はビーチを守るライフセーバーたちの活動に使われています。日本で言えば、ファミレスみたいに、週末は家族づれで賑わっています。

あとはタイのおばちゃんがやってる美味しいタイ料理屋さんとか、留学生たちとランチをするのはベジタリアンのカフェに行くことが多いです。

こんな感じで僕の活動範囲はとても狭く、でも選択肢が少ないからこそ、コミュニティーに深く繋がれて、友達(知り合い)が増えています。そして、僕にはこちらの生活の方が幸せを感じるのです。

留学生の皆さんも、自分が住むことになったコミュニティーにもっと繋がってみると、新しいオーストラリアの魅力を発見できるかもしれませんよ。

よく眠るために気をつけていること

昨晩はウインブルドンの錦織対フェデラー戦を朝の3時30分まで観てしまったので、ちょっと眠い1日です。

学生の時は、平気で昼まで寝ていたりしたのに、年齢を重ねるごとに睡眠時間は少しずつ減ってきています。世の中の年寄り同様に、10時くらいに寝て、朝の4時とか5時とかに起きてしまいます。別に睡眠時間はそれで構わないみたいですが、睡眠の質は高めておきたいところです。

そんなことで、この半年くらいやっているのが、お昼を過ぎたらカフェインを取らない、つまりはコーヒーを飲まないというルールです。朝食にコーヒーというのは習慣になってしまっているので、コーヒーを飲まないと1日が始まらない感じですが、午後は飲まないと決めたら、けっこう無理なく続けられています。おかげで、特に眠り始めから数時間の眠りが深くなった気がします。


カフェインって、紅茶にも日本茶にも入っているので、では午後は何を飲んでいるかというとひたすらルイボスティーです。最初は、クセのある味のような気がしましたが、慣れてくるとこの素朴な味がたまらなくなってきます。

地元のオーガニック食品店で売ってる、まさにサンシャインコーストの会社のお茶を飲んでいます。これって、他の州で売られているかは分かりませんが、見つけたら、ぜひ試してみてくださいね。記憶は眠ることで定着するそうですから、留学生の皆さんも勉強したらとっとと眠るのはいいらしいですよ。

半年は住んでみたい街

Northern Territory(日本語では北部準州と呼ばれます)のダーウィンと言う街に行ってきました。ダーウィンの人口は15万人弱、他の州都に比べると随分と小さな街です。


しかし、この10年ではエネルギー関連の投資や成功から、モダンなアジアへの玄関口として変身を遂げています。だからと言って、新しい人々が押しよせた都会ということでも無く、相変わらず田舎の雰囲気もある、とても落ち着く街でした。

ダーウィンは1年のうちの4月から9月までが乾季、10月から12月までが暑い時期、そしてクリスマスくらいから3月までが雨季だそうです。辛いのは10月からの暑い時期で、東京の夏のような蒸し暑さが続くとのことです。8年間、東京の夏を経験していない僕としては、ちょっと怖い感じです。雨季はシャワーが気温を下げてくれるし、街がどんどん緑になっていくので、ローカルの人は好きだと言ってました。(日本の梅雨みたいでないことを祈ります)


今は、乾季で暖かいけど爽やかな日々でした。こんな気候であれば、乾季の半年は暮らしてみたいと思います。なぜ、そんなことを思ったかというと、今まで訪れたどこの街よりも、さまざまなバックグラウンドを持った人々が、調和しながら生活している気がしたからです。

オーストラリア先住民、オーストラリア人、アジアからの移民、ヨーロッパからの移民や旅行者、中東からの人たちなどが、グループで歩いてたりします。他の都市だと、マルチカルチャーだけど、あまり混ざってはいない感じ、でもここではみんなが友だちになっている雰囲気です。



僕が、ある街に住むために必要なもの、美味しいカフェ、ファーマーズマーケット、テニスコート、綺麗なビーチ、図書館、みんなここにはありました。


来年か再来年、半年くらい住んでみようかと、本気で考えています。

865人からのスタート

昨年の9月からお客様に配りはじめたKeepcupですが、今日時点で865人の留学生の皆さんにお渡しできています。私たちの支店がないエリアに留学している方や、お渡しするのを忘れてしまっている方は、ぜひ声をかけてくださいね。


865人の人たちが、そのKeepcupをどのように使っているかは、興味のあるところです。毎日持ち歩いて、Take awayでコーヒーを買うときに使っている人もいれば、家で自分用のマグカップとして使っている人もいれば、すでにどこにあるかもわからない人もいるかもしれません。

でも多くの人がコーヒーを買うときに使い捨てのカップに対して何か考えてもらえればこのプロジェクトは成功だと思っています。僕はKeepcupを持たずに外でコーヒーが飲みたくなったら、必ず店内でマグカップで飲むようにしています。Take awayということはあり得ません。そんな些細なルールでいいのだと思っています。

僕の小さな努力が地球環境を良くすることはありませんが、865人では少しインパクトがあり、毎年1,000人の人たちに渡していけば10年後には1万人の人に渡せているわけで、それは僕たちらしい社会貢献につながっているのだと思います。カフェのロゴが入った紙のカップ(将来ゴミになる)をインスタにあげることがかっこ悪い時代になるまで、僕たちは地道にKeepcupを渡し続けていきたいと思います。

もう、特に楽しみはいらない

57歳の誕生日を迎えました。2人の娘たちからそれぞれ電話がかかってきて、自分のやりたい仕事が出来て、毎日が忙しいけど本当に楽しいということでした。2人ともパースという西海岸の街でプロフェッショナルな仕事をしています。彼女たちと話している時間が、本当に僕にとっては幸せな時間です。


経営している会社は11年が経ち、おかげさまで業績は安定し、それよりも社員がほとんど辞めずに同じメンバーで頑張り続けていられることに幸運を感じます。多くの大学や専門学校、語学学校から信頼をいただけているのも、長年働いてくれている社員のおかげです。

僕の生活はというと、相変わらず田舎の家で仕事をしながら、同じカフェに通い、肉はほとんど食べず、出来るだけ毎日運動(テニス)をして、ときどき各支店を訪問して、社員たちや留学生たちと話をしたりセミナーをしたりして、僕が役に立つことはないか試行錯誤しています。インスタ映えしない毎日です。

そんな僕が誕生日に考えたことは、これからは、もっと考え、大人らしい発言をしていこうということ。SNSの時代が今までの時代と大きく違うのは、かつては子どもっぽい発言とされた、論理性がないとか、感情にまかせた発言が許容されているということです。そんな発言に対して、何か言っても、その大きな悪意みたいなものに僕自身が押しつぶされそうな気もするので、僕自身の発言をいつも磨いて、ちゃんと説明していきたいと思います。

おかげさまで、すでに人生を十分楽しませてもらってきたので、これからの残りの人生は、若い人たちに役に立つことだけに集中して、大人らしく(今でも多くの失敗を重ねていますが)生きていこうと思います。