パラダイムが変わる

僕たちの会社は、大学や大学院を目指す人たちのために「オーストラリア留学センター 進学版」というサイトを運営しています。例えば「オーストラリア 大学」などで検索してもらえれば、1位とか2位に表示され、読んでみていただけば、その情報量にびっくりされると思います。

それでも、さらに改善して、オーストラリアに進学する方のためにお役に立ちたいので、現在、留学生の方々に大学決定までのプロセスをインタビューしています。オーストラリアの大学進学に興味を持ち始めて、留学を開始するまでに、どんなプロセスがあり、どんな悩みがあり、どんな意思決定をしてきたのかをできるだけ細かく聞いています。インタビューにご協力いただいた方はありがとうございました。


すでに、さまざまな気づきをインタビューから得ているのですが、その中でも面白いのが、「手続き無料って怪しくない?」というものでした。僕たちは、日本の若者たちが、一人でも多く、安心してオーストラリアに留学できるように、出願手続き無料、現地サポート無料という約束を設立当初から掲げてきました。当時は、大学に出願するのに20万円とか30万円の手続き費用をエージェントは請求していました。留学エージェントは大学と契約をして、大学からコミッションをもらえるので、僕たちはそれだけでやっていけると計算しましたが、欲張りな方々は留学生からも費用を徴収していたわけです。

でも、その時代があまりに長かったおかげで、留学エージェントにはお金を払うのが当たり前だと考えている人たちも、特に親の世代で多いわけです。そんな親たちからすると、僕たちのビジネスモデルは、怪しく映るのかもしれません。でも、ちゃんと考えてみれば、どちらが正しいのかは明白です。オーストラリアの大学たちも、契約時には余計な手数料は取らないようにと留学エージェントには指導しています。(それでも手数料を請求する会社があるのはなんなんでしょうね。)

留学エージェントは、怪しいビジネスで、留学生からお金を巻き上げる存在、というパラダイムを変えることが、僕の目標であり、それを見届けたいと思っていました。今回のコロナウイルスの影響で、多くの留学エージェントが危機に瀕しています。天動説から地動説へのパラダイムのシフトは、単に天動説を主張していた人たちが、みんな歳をとって死んでしまったことによるものらしいので、留学ビジネスにおいても、この時代の自然淘汰が、日本の若者たちが無駄なお金を払わずに安心して留学できるという新しいパラダイムを作り上げるきっかけになるのではないかと期待しています。

腕時計ってなんだったんだろう?

オーストラリアに住むようになって、すでに10年近くになりますが、東京で暮らしていた時と変わったことのひとつは、腕時計というものをしなくなったことです。もちろん、スマホの普及で、日本でも腕時計をしなくなった人も増えているでしょうし、Apple Watchのように時計以上の機能を持った腕時計をしている人も多いとは思います。

でも、オーストラリアではどうも日本とは違った時間が流れている気がします。ですから、時間を気にして時計をチェックしている人たちの数は、シドニーなどの都会であっても、東京に比べると随分と少ない感じでした。時計を見ながら焦ってる雰囲気の人はいないし、時間に遅れそうで走ってる人も見かけません。


考えてみると、僕たちの世代は中学生になった時に、みんな腕時計を買ってもらい、自分で時間を管理するのだという意識を植えつけられました。それって、すごく大人になった気がして、嬉しいことだったのですが、実は社会の時間に管理されるために時計を持たされたとも言えます。それから30年、僕は社会の時間のルールにちゃんと合わせられるように、時計を見て自分を管理し、遅刻をしないで学校や会社に行き、時間に追われながらサラリーマン生活をエンジョイしていたのです。

オーストラリアに来て、腕時計をつけなくなって、最初は違和感もありましたが、時間に対する考え方も変わりました。時間に追われるのではなく、時間を気にせず楽しむようになったのです。時間を守ることに気を使うことより、一緒にいる人を楽しますために気を使った方が健全です。

日本で時間を気にせず生きるのは難しいのかもしれませんが、オーストラリアに留学に来る時には、時計を外して来てくれると、さらにオーストラリアの生活を楽しめるかもしれませんよ。

焦らないこと

これだけ長く国境が閉まっていると、そろそろ待ち切れない人たちが出てきています。大学生で就活の前になんとか留学をして、英語力や海外経験について履歴書に書きたいと考えている人たちや、ワーキングホリデービザの申請はしたものの、ビザの期限が近づいている方から、どうすればいいかという問い合わせも増えてきています。

そして、自転車操業で食いつないでいる留学エージェントたちは、少しでも早く申し込むとお得だと甘い言葉で営業をしています。また、いくつかの語学学校は信じられないくらいの安い価格をオファーして、少しでも資金を獲得しようとして躍起になっています。


でも、焦らないことです。

今のオーストラリアの政府の発言を聞いていると、大学生などの留学生たちが入国できるのは年明けくらいから、語学学校の留学生やワーキングホリデーの人たちが入国できるのは、その数ヶ月後でワクチンができてから、と考えるのが妥当なところです。

ですから、来年から大学や大学院に通いたい高校生や大学生は、今が情報収集や出願をどこの大学にするかを考えるには大切な時期ですが、語学留学やワーホリの人たちは、国境がいつ頃からどのように開いていくのかを確認してからでも遅くはありません。焦らずに、セミナーなどに参加して情報収集をしたり、自分でできる英語の勉強を地道に続けていってください。今は、何かを決める必要は全くありません。

また、休学を考えていた大学生の方々は、今年に渡航することは不可能なので、スケジュールを変えるか、大学卒業後に1年間の大学院留学を考えてみることをお勧めします。企業の新卒採用もこれから2年くらいは低調で厳しい状況が続くでしょうから、1年間あるいは2年間、ビジネスやマーケティングを大学院で学ぶことは就活を成功させるためにも、いい選択だと思います。休学できない!と焦る必要はなく、違う可能性を考えてみてください。

悩む必要がないことは悩まない、悩むタイミングでないものは悩まない、そんなマインドセットでいることの大切さを、中小企業の社長として10年間苦労をしていると自然と学ぶことができました。先が見えない時代がしばらく続くでしょうが、今やるべきことに集中して、落ち着いて有意義な時間を過ごしてくださいね。

20代の1年

この前の週末は、ブリスベンから350キロほど北上したBundaberg(バンダバーグ)という街にテニスの試合に参加するために滞在しました。

この街は10年くらい前は、ワーキングホリデーの若者たちが、さらに1年間滞在できるセカンドワーホリの権利を得るために働く農場がある場所として有名で、その農場の手配をする会社もあったりして、それなりに知られた街でした。僕も名前は知っていたものの、どんな街なのか全く想像できなかったので、とても楽しみにしていました。農場の街というイメージが強すぎて、すごい田舎の街だと思っていたのですが、サンシャインコーストの街と変わらないくらいのちゃんとした街でした。


さて、そんな地方都市に滞在しながら、かつてここで働いていた何千人もの日本人の若者たちが目指していた、セカンドワーホリとして、もう1年オーストラリアに住めることって、どんな意味があるのだろうと考えていました。


たぶん、人生で一番大切な時代って、20代なんだと思います。多くの人たちが大学を卒業し、社会に出て働き始め、自分のキャリアについて悩み、転勤したり、転職をしたり、留学をしたり、恋愛をしたり、結婚をしたり、子どもができたりなど、本当に様々なことが起きますが、それって20代の特権みたいなものです。でも、その特権って苦労や責任も伴うので、先送りしたくなる気持ちもよくわかります。あるいは時間をとってリセットしたい気持ちも理解できます。ワーホリに出かける人たちの多くが、25歳から30歳までであることを考えても、考えたりリフレッシュするのに時間が必要なのでしょう。

しかし、さらに1年をオーストラリアで過ごすことが、その後のキャリアにおいて、あるいは自分らしいライフスタイルを作っていく上で、本当に必要なのか?セカンドワーホリを目指す人たちは、もう一度考えてみてください。20代でちゃんと日本社会の中でもがくことは、セカンドワーホリで楽しい時間を過ごすことよりも、未来の成功のためには大切かもしれませんよ。

目的と準備

僕たちの会社は、年間1500人くらいの留学生のお手伝いをしていますが、(さすがに今年は3分の1くらいになるでしょうが。。)お問い合わせいただく方はその3倍くらいいらっしゃるので、4000人とか5000人の方からの問い合わせ内容を、僕は見て、各担当に振り分けています。

そんな毎日を続けていると、問い合わせを読んだだけで、この人は留学で成功する人かどうかというのがなんとなく分かります。あるいは、問い合わせはしたけど、留学には来ないんだろうなあという人も分かります。今日は、そんな話をしたいと思います。


成功する人とそうでない人の最初の違いは、留学の目的を明確に持っているかどうかです。

この学問を世界中の人たちと学びたい、この資格を取得したい、ビジネスで使える英語力をつけたい、オーストラリアの会社で働いてみたい、などの目的や方向性がしっかりとしている人には、具体的な回答もできるし、その後のやりとりも目標に向かってシンプルに進みます。最近の高校生たちからの問い合わせは、このような目的がしっかりしたものが増えているので、僕は日本の将来が少し楽しみです。(でも、そもそも、海外の大学に進学しようと考える高校生は優秀なんだと思いますが。)

もうひとつの違いは、英語の準備をしているかどうか。

私たちの会社への問い合わせフォームには、現在の英語力のレベルを任意で記入してもらう場所があるのですが、そこに何も記入していない人は、留学に来ない可能性が高いのかなと判断しています。日本人は今でも謙虚な人が多いので、自分の英語レベルを低く申告する人も多いのですが、それでも留学を考える前に、英語力について自己評価を持っているかって、準備をしているかのバロメータになるのです。

目的と準備、留学じゃなくても、人生に成功したり、幸せになるには、大切なことだと思いますが、今のこの不安定な時期だからこそ、じっくりと考えることが、これからの人生を安定させるために必要だと思います。安定した人生を望む人がこれからはさらに増えると思いますが、それって、公務員になることではなく、ちゃんと考えて準備できる人になることだと思いますよ。

糾弾する権利

僕が住んでいるオーストラリアのクイーンズランド州は、コロナウイルスの感染をほぼ封じ込め、新規感染者数ゼロが何日も続いていたのですが、19歳の女性の3人組がホットスポットのメルボルンに旅行してパーティーして、クイーンズランド州に帰ってきたときに、訪れた場所の嘘の申告をして自己隔離を免れていたら、1週間後に発症して、大問題になっています。


その女性たちがクイーンズランド州に戻ってきてからの1週間にどこのレストランに行ったかなどの、全ての情報が公開され、それに関連しそうな人たちは感染していないかのテストを受けるように指示されて、多くの市民がいきなり不安な状況に陥っています。

その嘘の申告をした女性たちは、顔も名前も公開され、犯罪者として警察の取り調べを受けているわけですが、当然ながら、その人たちのSNSは炎上して誹謗中傷が絶えないようです。

そんな状況で、朝、テニスにいく途中の地元のFMを聞いていたら、パーソナリティーの女性が

「あの女性たちは、本当にばかで、間違った意思決定をして、嘘をついて、最悪で、これから裁判で罪や罰金などが科されるけれども、それを個人的に中傷する権利は皆さんにはない。それは絶対にやるべきではない。」

と力説していました。

そう、SNSで個人的な中傷や悪意のあるコメントをするのは人道的にも良くないからやめましょうという議論がありますが、そもそも、多くの人たちにとって、そんなことをする権利が無いという言葉に妙に納得をしました。権利が無いからやってはいけない。権利って、認められることばかり議論されてきましたが、認めてはいけないことも大切なのではないかと、朝のドライブをしながら考えていました。

正しい平常に戻るということ

コロナウイルスの影響で、オーストラリアのカフェがテイクアウト(こちらではTake away)のみの営業になったときに、Keepcupなどのマイカップの使用も禁止され、使い捨ての紙カップのみとなっていました。環境問題を考え、留学生全員にKeepcupのプレゼントをしていた僕たちにとっては、とても複雑な気持ちでしたが、地元のカフェも応援したいので、紙カップでも時々買いに行っていました。


そして、ほとんど感染者がいなくなった僕の住んでいる地域では、先週くらいからKeepcupなどのマイカップの持ち込みが可能になりました。そんな小さなことでも、正しい生活に戻っていくことに、僕は喜びを感じます。なぜなら、それって少し正しい社会に軌道修正された気がするからです。

現在のように、社会が非常時には、環境に悪いことは分かっていても、清潔であるからと言う理由で、使い捨てパッケージや容器が無尽蔵に使われたり、人々がそれに疑問を感じなくなります。それって、「良い社会」という基準からすると、後退であり、時間が経てば経つほど、その非常時が平常になっていく危険性をはらんでいます。

ですから、僕たちは、何があるべき姿なのかということに敏感になっていないと、非常時なんだからという論理に、つい惑わされてしまいます。留学業界でも、今は特別だからという理由で、キャンセルや返金の規定をいきなり変更してくる学校やエージェントが今後出てくると思います。僕たちは、そんな人たちを警戒しながら、常に正しい対応を続けていきたいと思っています。

日本からでも大学見学

毎年、日本の夏休みの時期、こちらは冬の時期に、オーストラリアの各大学のオープンキャンパスが開催されます。オーストラリアの高校3年生たち(こちらではYear 12と言います。)が友だち同士、あるいは親御さん連れで、オープンキャンパス(こちらではOpen Dayと呼ばれています)に参加して、志望校を決めて、各州の統一テストで目標のスコアを取るためにラストスパートを始める時期なのです。


ちょうど、7月8月は日本は夏休みの時期ということもあり、毎年何人かの高校生たちがオーストラリアの大学見学を兼ねてオープンキャンパスに参加していたのですが、今年はそういうわけにはいきません。なんでもオンラインに変わっていく世の中ですから、オープンキャンパスもオンラインで開催する大学がほとんどです。


僕が住んでいるサンシャインコースト大学も、この日曜日にオンラインオープンデーを開催します。日本の高校生や大学生の皆さんは、オーストラリアに行かなくても、オーストラリアの大学のキャンパスの様子や授業の様子を体験することができるので、ぜひ、気軽に覗いてみてください。もしかしたら、このちょっとした興味が、みなさんの人生を変えることになるかもしれません。

登録はこちらから。そして、サンシャインコーストと日本には1時間の時差があるので(日本が1時間遅い)、オンラインレクチャーなどの開始時刻は気をつけてくださいね。

他の大学のオープンデー情報はこちらのページで随時更新しています。

街づくりを学ぶなら

先日、ニュースを見ていたら、コロナウイルスの自粛により、自宅から仕事をしている若者たちが住みたい場所として、今までの大都市ではなく、ゴールドコースト、ニューカッスル、サンシャインコーストなどの地方の街が人気が出てきたという話をやっていました。それらの街は、近くの大都市(ブリスベンやシドニー)まで、1時間から2時間圏内なので、地方というほど遠くはありません。


僕はサンシャインコーストに住んで、6年になりますが、この後、旅にしばらく出かけたとしても、ここに戻ってくると思います。(もしかしたら娘たちが住んでいるパースに住む可能性もありますが。)豊かな自然、信頼できるファーマーズマーケット、素朴なカフェやレストラン、すぐに予約できるテニスコートと友だち。緑をメンテナンスする人たち、そして、年間300日の晴れの日。かつては、引退した人たちが住む年寄りの街だったのが、引退するまで待てない若い世代たちが、リモートワークという新しいワークスタイルとともに、増えてきているのです。考えてみれば、まさに僕もその一人です。

これから、日本の若者たちの中でも、このようなライフスタイルをしていきたい人たちが少しずつでも増えていくと思います。残念ながら、そのような人たちが満足できるような街が多くはないのでしょうが、房総や軽井沢や那須などは可能性があるのかもしれません。でも、無ければ作っていけばいいのだから、とても面白い分野だと思います。


今まで、街の開発や地方の開発というのは、どんなに素敵なコンセプトを考えたとしても、現実的にはミニ東京っぽい、お洒落な消費活動が実現できることが目的になってしまっていた感じがします。物質的ではない、生活の豊さを目的とした街づくりを勉強したり体験したりしたい人は、オーストラリアの地方都市にある大学に行くことをお勧めしますよ。大学の勉強だけでなく、それらの街での生活はきっと多くのヒントを与えてくれると思います。

優しい個人主義経営

僕たちの会社には20人のスタッフが働いていますが、階層というものがほとんどありません。対外的には支店長という肩書もありますが、社内では何か特別扱いをされるわけでもなく、みんな同じルールの中で毎月の目標値があり、目標が達成されるとインセンティブがもらえます。


でも、目標に達しなかったからといって、僕が怒ったり、詰問したりすることはありません。そもそも、スタッフの人たちと、最近数字の話をしたこともありません。目標達成したら、「良かったね、お疲れ様」とねぎらい、達成できなかったら、「来月頑張ってね」くらいの会話です。

そんなことでマネジメント出来るのか?と疑問に思われる経営者の方もいるかもしれませんが、僕がマネージしているのは、数字ではなく、正しく仕事をしているかです。正しく仕事をすれば、ちゃんと利益が出てくる仕組みを作ることが経営であり、数字を管理することの優先順位は高くありません。

おかげで、業績は安定してるし、何よりいいのは、クレームが無いことです。正しく仕事をしているので、お客様から疑問があればすぐに答えられるし、無理をしてお客様を説得するようなこともありません。正しく仕事をすることは、時間の無駄も減るし、何よりスタッフの心に良いのだと思います。

僕が目指しているチームというのは、様々なバックグラウンドがある個人がいて、その個人の業績が良い時も悪い時も批判されることなく尊重され続ける組織です。

昭和の時代のような、個人を殺してまで集団のために働くなんてことはあり得ないし、ここ最近の全ては自己責任という理由で強い人が昇進し、弱い人がリストラされていく、厳しい個人主義経営も選択肢にはありません。

これからの時代、リモートで働く人たちが確実に増えていく中で、優しい個人主義のマネジメントについて、しっかりと考え、仕組みを作っていける会社が、安定した成長をしていくのだと僕は考えています。