エスカレーターの不思議

先々週から、日本に滞在して、今夜の便でオーストラリアに戻ります。日本に帰ってくると、日本の不思議なことシリーズみたいなネタを考えるのですが、今日は、その一つの「エスカレーター」。


日本では、だいたいの場合、片側をあけて、東京で言えば左側にみんなが並びます。通勤ラッシュで混んでる時はそのおかげで、エスカレーターに乗るまでに1分とか2分とか待たなくてはなりません。

それだったら、時間も早いし健康にもいいんだから、怪我とかしていない人は階段を歩いた方がずーっと生産的なのにもかかわらず、みんな効率の悪い片側通行のエスカレーターに並んでいます。なぜなのでしょう?

僕の解釈としては、エスカレーターを利用した方が楽だから、エネルギーを節約できるから、つまりお得だからということなんだと思います。せっかく、そこにあるんだし、無料だし、動いてるんだから乗った方がお得、ってことのような気がします。ご意見のある方、教えてください。

日本での違和感は、なんでもお得なものを探している雰囲気です。オーストラリアでお得な大学はありませんか?みたいなことを聞かれても、教育は結局は頑張って多くを学んだ人がお得ですよとしか答えられないのですが、「私に合ったお得な学校を探してください」という問い合わせは、不滅です。

パースのエディスコーワン大学のスポーツ科学の野坂教授曰く、階段は降りる方がトレーニングになるそうですので(興味のある方はこちらのビデオを)、少なくとも下りはエスカレーターではなく階段を使うことをお勧めします。

ダンボの羽根

娘たちがまだ小さかった頃、アメリカなどに出張に行くとディズニーアニメのビデオを買ってきては、一緒に見ていました。子どもって飽きないので、何度も何度も。ですから、ディズニーアニメの名作は結構今でも覚えています。今年はティム・バートン監督が実写版のダンボを製作したみたいですね。

ストーリーを覚えている方は、ダンボがカラス?の友達にもらった羽根を覚えているかもしれません。飛躍するためのお守りというか、自分が飛べると信じるための、つまり自信の象徴みたいなものです。


アデレードに出張した時に朝ごはんを食べたカフェに、「Dumbo Feather」という興味をそそる名前の雑誌があったので、読んでみると、社会をよりよくしていくために頑張っている人たちをインタビューしている雑誌でした。面白かったので、紙の本は買わない僕ですが、雑誌の購読を始めました。

WEBサイトはこちら

農家や科学者や文学者やカフェの経営者やビジネスオーナーまで、様々な仕事をしていても、社会や自然環境を良くしていきたい人たちの言葉たちは、多くのヒントを与えてくれます。

僕が留学という仕事をしていて、一番気にしていることは、お客様ひとりひとりの「ダンボの羽根」が何かということです。飛躍するためのきっかけが何なのか?留学がそれだ!とかいう乱暴な話ではなく、留学においてどんな経験が、それ以降の飛躍につながっていくのか?そんなことを知りたいので、うちの会社のWEBサイトではひたすら留学生たちにインタビューをして体験談を掲載しているのです。

消費税より罰金?

先週、ニュースを見てたら、7月1日からクイーンズランド州の交通違反や、禁煙区域での喫煙の罰金が上がるということでした。オーストラリアの交通違反取り締まりは、最近はカメラで行われることが多いので、いきなり郵便で罰金の請求書が届きます。罰金の額は、日本の2倍以上、10キロくらいのスピード違反だと250ドルくらい支払います。


昨年、車で旅をしていた時は、住所をゴールドコーストのオフィスの住所にしていたのですが、そこにニューサウスウエールズ州からの交通違反の請求書が届き、経理のスタッフから、「違反切符が届いてますよ」というメッセージが届き、渋々ネットバンキングで罰金を支払いました。僕の免許証、車のナンバー、住所、銀行口座、など、すべての情報はリンクしているので、すぐに支払わないとロクなことにならない感じです。

そう考えると、オーストラリアの違反取締りのシステムは、かなり生産性が高いと思います。カメラ撮影、ナンバーをデータベースで検索、請求書送付だけ。人が介在していないので、「妻が身重で、、、」みたいな泣き落としも効かないし、払わないと何が起きるかもわからないので、仕方なくみんな支払ってるんだと思います。

そして、何よりいいことは、そんな厳しい取締りのおかげで、オーストラリアのドライバーたちは日本のドライバーたちよりも、ずっとマナーがいい感じです。もちろん、ある確率で変な人はいますが、イライラしてあおり運転みたいな人は、すごく少ないと思います。(僕が田舎に住んでるからかもしれないけど)

日本は、中学とか高校のくだらない校則を厳しくすることは止めて、交通違反、特に学校区域や高速道路でのスピード違反の罰則を、どんどん厳しくして、罰金を徴収してしまえばいいと思います。もしかしたら、日本の自治体などの財源不足の救世主になるかも。

留学生ブログ「タイムカプセル」スタートしました

留学は、人生の中でも、ユニークな時間だと思います。今までに経験をしたことがない海外の文化の中で、基本的には一人で、いろいろなことを考える機会に恵まれます。しかし、そんな大切な時間も、あっという間に過ぎていき、気がついたら来月には帰国しなくてはいけないなんてことになります。


ですから、考えたことを自分向けに日記などを書いている人も多いかと思います。そして、僕のオススメは、考えたことを世の中にも発表していくということです。発表するためには、日記に書くよりも、構成を考えたりさらに論理的に深く考えたりしなくてはなりません。それは、きっといいトレーニングになるはずです。

そんなトレーニングの場所として、会社のマーケティングとかのためではなく、ほぼ僕の個人のプロジェクトとして、留学生のためのブログサイトを作りました。

そのサイトの名前は「タイムカプセル」

社会人になれば、誰にもやってくる、悩む時代や、苦しむときに、留学時代の自分に向き合うことをイメージして、この名前にしました。世界に飛び出して頑張っていた自分に出会うことで、きっと勇気を得ることができるのだと思います。

留学生に会うたびに、このブログの話をしていって、多くの留学生たちに参加してもらえたらと思っています。留学中も、そして留学後も、何かあれば相談にのったり、ご飯を食べにいったりしたいなと思っています。興味のある人は連絡をくださいね。

小さくても多民族な街

先日の週末は、テニスの試合もあったので、イプスウィッチという街に滞在しました。ブリスベンから電車で約一時間内陸に入った街で、ブリスベンの市内に通っている人も住んでいるような、そんな街です。下の写真で右に見える高層ビルたちが、ブリスベンの街です。


人口は21万人、163カ国の人々が暮らしていて、152の言葉が話されているそうです。もちろん、南クイーンズランド大学という大学のキャンパスがあるので、世界から留学生が来ているわけでしょうが、それでも21万人の中に163カ国の人たちが住んでいるのは、日本人にはあまりイメージがわかないと思います。

日本では、相変わらずグローバル人材がどうの、という話をして偉そうにしている人たちもいますが、僕が日本人に圧倒的に不足している経験というのは、多民族な社会で生きたことがないということだと思います。そんな社会の中で、寛容になって生きていくことが、良い社会を作るための基礎的なスキルになるわけです。


街自体は、なんとなく古くて、お洒落さには欠けてましたが、それでも通いたくなるカフェはいくつかあったし、出会った人たちは、みんな優しかったし、図書館は大きかったし、自然はすぐそこにありました。



ワーホリで、こんな街に来て、仕事を探して、地元の人たちと濃い時間を過ごす、そんなことにチャレンジしてみるのも、ちょっと田舎の街の可能性だと思いました。オーストラリアには、そんな場所がいくらでもありますよ。

21世紀の科学は?

週末はブリスベンで行われていた、サイエンス・フェスティバルに行ってきました。サウスバンクの博物館を中心に、外でもいくつものテントが出されて、様々な機関が自分たちの研究や、子どもや家族向けの科学的なイベントを紹介していました。


ブリスベンにキャンパスのある、クイーンズランド大学、クイーンズランド工科大学、グリフィス大学もそれぞれ、学生たちが自分たちの研究を披露していました。僕が面白いなと思ったのは、クイーンズランド工科大学の環境に優しい新しい服の素材についての発表。服の素材って、コットンも化学繊維も、もちろん毛皮も、あまり自然環境には良くないわけです。そんな時にバクテリアを繁殖させて服に使えるかつ自然に戻りやすい素材を開発するのは意義があることだと思います。


そのほかの多くのブースがそのような、自然環境に優しい研究をテーマにしていたのが印象的でした。たぶん、そういうものの方がお金もかからないし、小さな研究団体においては取り組みやすいテーマなのでしょう。



そして、博物館では、アポロの月面着陸から50年を記念した特別展が開催されていました。きっとNASAが世界中でこの展示を巡回させているんだと思います。あらためて、その当時に使われていた装備やロケットのレプリカなどを見てみると、まだ技術も未熟な中で国家の威信を賭けた大きな挑戦だったということが分かります。当時の人々(僕は小学校1年生だったから、当時の人々の一人だったわけですが)が熱狂したのもうなずけるのです。

しかし、その熱狂から50年を経て、宇宙のことがさらにわかっていけばいくほど、僕の中での宇宙開発に対する興味はどんどん冷めてしまっています。それは、僕たちの地球がいかに幸運な奇跡のもとに生まれ、僕たちが存在しているかがわかることによって、人間に使命があるのであれば、その奇跡である地球を壊さないことが、宇宙に飛び出すよりも大切だからです。

お金持ちたちが、植民地開拓的な発想で宇宙旅行を計画したりしていますが、僕たちは与えられた地球をいかに美しく保つかに科学と技術をもっと使うべきなのでしょう。

NASAの展示の妙なノスタルジック感と、小さなテントのささやかな環境保護のテーマのコントラストが印象に残った1日でした。

世界を広げる本屋さん

新しい街に行くと、僕は本屋さんを探します。基本的に本はkindleで読むので、amazonくんは僕の好きな分野の本をよく知っています。オススメの本もよく紹介してくれます。しかし、それって、地元の顔なじみの友達と会ってる心地よさはあっても、世界は広がっていかないのと同じで、ときどきは冒険をする必要があるのです。


そんな時に、いい本屋さん、適当な広さで、そして編集能力が高い本屋さんを探せると嬉しくなります。本屋さんって、セレクトショップみたいなものなので、限られたスペースの中で、その店独自の品揃えに工夫を凝らしています。僕はビジネスのコーナーを見て、その本屋さんがどのようなマーケティングを考えているかを判断しています。新しい本だけではなく古典のいい本を揃えてくれてると信頼できるという感じです。


先週はメルボルンにいたわけですが、メルボルンでのいい本屋さんは、このReadingsという本屋さん。メルボルンに何軒かあるみたいです。ニュースレターも発行していて、本が好きなスタッフがやってるんだろうなというのが、伝わってきます。


小説からアートからビジネスからサイエンスまで、様々な分野を適度なスペースを割きながら網羅していて、飽きない空間でした。夜遅くまでやっていたので、滞在中ほぼ毎日通いました。今では珍しい、CDやDVDコーナーもしっかりあるのが面白かったです。

留学生の皆さんにお願いです。自分の住んでる街に素敵な本屋さんがあったら教えてくださいね。

繋がりを回復すること

メルボルンのような都会の面白いところは、様々なイベントが開催されていること。


ちょうど環境問題などをテーマにした映画祭が開催されていて、最終日だったのですが、ラッキーに観にいくことができました。

その映画祭を締めくくる、僕が観た映画は「セレンゲティ・ルール」
で、自然界の繋がりにおいて、重要な役割を果たす生き物が外れるとその地域の自然全体が崩壊していくけれど、逆に、その生き物が何かを人間が把握し、それらが復活していくと自然全体が再び繁栄していくという内容を何人かの科学者の研究から紹介しています。

数人の科学者たちが別々に研究していたテーマがある鍵となる人物によって繋がってくということも面白かったし、繋がりを注意深く読み解いていくという姿勢は、自然科学だけではなく、ビジネスや政治や組織など人間の世界や、技術の世界にも応用できるに違いないわけで、今日からの僕の生き方が少し変わった気がします。

シドニーにもこの映画祭が行くようですので、シドニーにいる人は観てください。日本で上映されるのかどうか、よくわかりませんでしたが、映画の元になった同名の本はすでに翻訳もされているようです。

これからも時々、都会にやって来て、知的な刺激を受けることを楽しみたいと思います。

僕たちの究極のゴール

先日は、ブリスベンの大学に通っている学生を集めて、キャリアについてのセミナーを行いました。ほとんどの学生さんは初めて会う若者たちだったので、このような機会は僕にとって仕事の中で一番楽しい時間です。


今回、セミナーをして改めて感じたことは、みんな、しっかりと自分で考えることが出来るということと、18歳で海外に飛び出してきた勇気と強さがあるということ。質疑応答の時間に、いろいろな意見や鋭い質問が出てくると、いい刺激や学びになるので、セミナーでは大切な時間にしているのですが、今回は多くの若者たちが意見を披露してくれました。

現時点ではほとんどの学生たちは海外での就職を考えていて、キャリアという意味では、日本での就職よりもハードルが高いわけですが、今後も機会あるたびに話をして、少しでも彼らの成功(やりたい仕事で社会に貢献しながら生きていける)に役に立てていければと思います。

そして、そんな幸せな若者たちがどんどんと増えていき、日本社会の中で、オーストラリアに留学することが成功するための一つの道として認められることが、僕たちの会社の究極のゴールになるのだと思います。だからこそ、彼らが卒業して社会に出るまで、できれば社会に出てからも、サポートをしたり話ができる関係でいたいと思います。

予測不能を楽しむ

今月の頭に、夏のオーストラリアから東京にやって来て、約10日が過ぎました。やっとこの寒さにもなんとか慣れてきたところです。

日本に帰ってきて、東京の街の中を歩いていると、「小さな楽しみ」が数多く売られている印象です。かわいい雑貨、おしゃれなスイーツ、様々なファッション、美味しいラーメン屋など、1,000円とか2,000円とかで、ちょっと幸せになれるものを消費し続けていけるのが、きっと日本のいいところなんだと思います。


ささやかな幸せという言葉も、考えてみると日本っぽいし、僕たちはそんな社会や時代でうまく生きていく術を学び続けているのだと思います。

でも、そんな「ささやかな幸せ」や「小さな楽しみ」だけでは、満足できない若者たちが、ある割合で存在します。きっと昔よりはその数は少なくなっているのかもしれませんが、そんな若者たちのまた何割かが、海外での機会(opportunity)を求めて、留学をするのです。

小さな楽しみを求める若者のマインドセットと、留学をする人のマインドセットの違いは、予測可能な世界で安心して生きたいか、予測不可能な世界を楽しめるかの違いです。どちらがいいとか悪いとかという話ではありません。でも、予測できない道を、一歩一歩自分の力で歩いていく方が、一つ一つの場面やその時に考えたことを鮮明に思い出せるので、ここまでなんとか生き抜いてきた僕としては老後の楽しみが貯まっているような気もします。あの時に、違う道を選んでいたら、どうなっていたのかを想像するのも、楽しいですよ。