今年度もありがとうございました

オーストラリアの会計年度は6月末で、ほぼすべてのオーストラリアの会社は今日が1年の最終日となります。日本の人たちからすると、ちょっと不思議な感じでしょうが、日本の3月決算も海外から見たら不思議です。


おかげさまで、今年度も増収増益、経営の基盤もさらに強固となりました。経営者として利益をしっかりと出すことは、当たり前のことなのですが、それと同時に今年も多くの素敵な若者たちと出会えたことが、私個人として、そして会社として一番大きな成果だったと思います。そんな魅力的な若者たちを、今後もWEBサイトで紹介していきたいと思います。

私たちの会社は、ほぼ広告費を使いません。多くのお客様が私たちのWEBサイトやブログから問い合わせをされますが、実はそれと同じくらいにお客様たちからお友達を紹介していただけています。そんな理由で広告費ほぼゼロが実現できています。よく、出願手数料も無料で、現地でのサポート費用も無料なんて信じられない、何か裏があるのでは?と疑われるのですが、理由はマーケティングにほとんどお金を使わないからしかありません。

来年度もこのような経営ができますよう、ぜひ、これからもお友達を紹介してください。マーケティング費用の予算は無いので、会社としてお礼をすることはできませんが、僕が一杯くらいおごらせていただきます。それは僕にとっても楽しい学びの時間になるはずです。

今年度は本当にありがとうございました。来年度もご支援のほど、よろしくお願いします。

新しい成功の姿

54歳になりました。自分が何歳なのかは、年齢別のテニスの試合に出場するときにしか意識しないので、もう、どうでもいいことの一つです。そんなことより、素敵な景色を見るとか、素敵な会話をしたとか、毎日ひとつでもいいのでいい時間を過ごすことを重ねていくことが大切だと思うようになりました。


会社の経営については、6月に会計年度が終わる今年度も順調で、5年連続の増収増益となります。スタッフもやりがいのある仕事を楽しんでいるので、誰も辞めません。20名の会社としては、十分な成功をしています。それならこの好調な波に乗って、日本での支店を拡大したり、スタッフを増やしたりしてさらなる成長をしようと考える経営者もいるかと思いますが、僕は違う道を行こうと考えています。

そのために、今までとは質の違った成長の定義や成功観を持ちたいと考えています。それは成功を数字だけで測ることではなく、お客様ひとりひとり、スタッフひとりひとりの幸せに、ちゃんと向き合っている会社でいるかで測られたいということです。綺麗な言葉で飾るマーケティング戦略より、ひとりの苦労した留学生の体験談を大事にしていきたい。10人の成功しなかった留学生からの売上より、1人の成功した留学からの売上を評価したいと思っています。

僕もそれなりにこの留学業界で長く働いていますが、なかなか志の高い人に出会えない。みんな数字のことしか考えていない。ビジネスなんだから数字が全てという考え方ではなく、お客様ひとりひとりの最高の経験の一部として僕たちの会社が記憶されることを新しい成功の姿として定義して、そこに向かってベストを尽くしてみたいと思います。

 

 

真実を探すために

留学エージェントにとって、一番起きてはいけないクレームの一つは「日本で聞いていたことと違った」というものです。

私たちのオフィスにも、他の留学会社で学校を申し込んでオーストラリアにやってきたけど、聞いていた状況と違ったということで、学校変更の相談にいらっしゃる人が時々います。先日はある学校から何人も同じように学校を変えたいという若者たちがやってきて、相談をしていました。その学校は私たちとは契約が無く、実態はよくわかりませんが、マーケティングだけ上手い学校というのも中にはあるのだと、ある意味感心してしまいます。


リアルな情報を伝えるのが、学校を紹介するエージェントの仕事でしょ!と多くの人が考えるし、私もその通りだと思うのですが、なかなかこれが簡単ではありません。なぜなら、留学エージェントが持つ情報は、ほとんどが学校のマーケティング部門からの情報だからです。その情報は事実であっても、マーケティング用の情報です。全てを網羅しているわけではありません。

それなら、定期的に学校に見学に行けばいいということになります。訪問すると学校の雰囲気は分かりますが、それでも十分ではありません。分かるのは本当に雰囲気だけで、真面目な留学生が多そうだとか、レベルの高いクラスには日本人が少なそうだ、などの見て分かる範囲の事実に気づくだけです。

現地にいる私たちは、いつも学校の情報を留学生の方と直接会い、彼らの言葉からリアルな情報を得ています。この学校のこの先生はいいけど、この先生はイマイチとか、ちょうどある大学からの研修旅行のやる気のない学生が来ていて避けるのが大変、などの学校からは絶対に聞けない情報を聞いて、社内で共有したり、学校のスタッフにもフィードバックをしたりしています。

ですから、うちの会社では留学生とお茶を飲むことは奨励しているし、会社で費用も負担しています。留学生の皆さん、お茶が飲みたくなったら僕に連絡してくれると、無料でお茶、たまにビールが飲めると思いますよ。

 

ロックでいなくちゃ

王より長嶋、ベッケンバウアーよりクライフ、ボルグよりマッケンロー、ビル・ゲイツよりスティーブ・ジョブズのファンになってきた僕としては、会社を経営するならロックじゃなくちゃいけないと思っていました。



ですから、8年前に会社を引き継いだ時点では売り上げの40%ぐらいを占めていた、日本の留学エージェントさんたちの現地サポートオフィスという下請け仕事は3年前には全て終了し、自分たちのお客様だけにベストを尽くすという環境を作りました。誰か他の人や他の会社に頼らなくてはいけないビジネスモデルはロックじゃないし、かつ将来のリスクだと考えたからです。

ところが、どんどん業績が安定し、会社の評判が知られてくると、業界でのお付き合いみたいなことや人的なネットワークについても考えなくてはいけないことが増えてきました。20人といえども社員を抱えるリーダーとしては、社長としての「大人な」仕事もすべきなのでは?ということです。

だけど、そういう仕事って全然ロックじゃない。お客様じゃない人たちに気を使ったり、話すこともそんなにないのにパーティーみたいなところに行くのは(これは日本でもオーストラリアでもあります)ちょっと苦痛です。オーストラリアの年度末は6月で、6月17日にゴールドコーストで行う全社会議で来年以降の方向性について社員に話をするので、初心とか原点のことを考えていたら、ふと、最初のスライドは

「ロックでいなくちゃ」

にしたいと思ったのでした。来年度も、お客様のことだけ考え、僕自身は相変わらずサンシャインコーストの田舎に引きこもり、会いたい人にしか会いに行かないという生活を続けたいと思います。

若い人たちと話していると、会社に入った後の人づきあいで悩んでいる人も多いのですが、社内の人間関係なんて気にしないで自分の時間を大切にと伝えています。

 

 

東京に足りないもの

僕は普段はオーストラリアの田舎に暮らしていて、年に数回東京に出張する生活をしています。

東京に帰ってきて最初の数日とまどうことが、出会う人たちに表情が無いこと。電車に乗ってくる人は座ったらすぐに寝るし、立っている人はすぐにスマホを取り出すので、人と目が合う事はありません。たとえ目が合ったとしても、一瞬の気まずさとともにすぐに目をそらしたり、目をつむったりします。


僕が住んでいるサンシャインコーストの街では、人がすれ違うときにはほぼ「ハロー」とか「ハイ」と挨拶をして、微笑みます。子どもから老人まで、人種も関係なく、それが普通の習慣になっています。

東京でそんなことをしたら1日中挨拶しないといけないのは分かりますし、そんな人は怪しいだけなのも分かっています。

それでも目があったら会釈する、ちょっと微笑んでみる、そんなことが普通になったら、東京は随分と住みやすくなるはずです。

セミナーを続ける理由

今年に入って、オーストラリアの各支店において「キャリアセミナー」というものを行っていて、すでにシドニー、アデレード、メルボルン、パース、ブリスベン、ゴールドコーストと、弊社の6支店すべてで開催しました。今後も、支店に出張するときには継続的に行っていこうと考えています。

セミナーの内容は就職活動をどう成功させるかというものではありません。その分野はプロの方がいらっしゃるので、そのような方たちにお任せして、僕のメッセージはもっと基本的な仕事とは?とかキャリアとは?とか自分らしい人生って?などのトピックでお話をしています。


留学会社は、お客様に海外の学校に通学してもらえば、学校から紹介料が入り、ビジネスとしては完結します。多くの留学会社が、海外に留学生を送ってしまえばそれで終わりという対応になるのもうなづけます。しかし、留学が成功するかしないかは、現地でのカルチャーショックを乗り越えたり、マインドセットを修正したりと、海外でどう成長していくかが鍵になります。

おかげさまで、ビジネスとしては安定した成長ができるようになり、無理をして利益拡大をするのではなく、ご縁のあった若者たちが、留学をきっかけに本当に人生に成功したり幸せになったりできるように、まずは僕の時間を利益ゼロでも投資してみることにしました。そして、始めてみると、このセミナーをきっかけに若者たちと本音の話ができることは、僕にとって一番の楽しみであり、かつライフワークになってきた感じがします。

 

変わりたい vs 変わりたくない

多くの人たちの留学を考えるきっかけは「自分を変えてみたい」というものです。「もっと英語が話せる自分になりたい」「狭い世界ではなく、世界中に友だちを作りたい」「将来につながるかもしれない勉強や資格を海外で学びたい」などなど、日本での現状からの脱却のために世界に飛び出すことを決意します。


ところが、不思議なもので、留学に来て失敗というか諦めていく人たちは多くの場合「変わりたくない」症候群によるものです。「日本ではこんなことありえない」とか「私にこの学校は合ってない」とか、ちょっとマインドセットを変えるだけで解決するような話も「変わりたくない」人たちにはとても難しい問題のようです。

しかし、よーく考えてみると、この問題は自分自身にとっても、組織にとっても、社会にとっても、いつも問われていることだと気づきます。僕自身が、実は「変わりたくない」側に簡単に行ってしまうタイプであることは、よく分かっています。だからこそ、責任から逃げられない会社の経営者のポジションや、セミプロみたいなレベルでテニスをしていた選手たちと戦うトーナメントに身を置かなくてはいけないのです。そこに身を置くことで、「変わりたい」と言う気持ちが「変わりたくない」に勝つようになり、「変わるしかない」になります。

この境地に達した人は、ほとんどの人が満足いく成果と満足いく留学を経験します。本当に、マインドセットがすごく大きな影響を与え、だからこそ、現地で相談に乗っているスタッフのトレーニングは欠かせないのだと思っています。

 

 

メルボルンでの時間の使い方

先日、メルボルンに出張に行ってきましたが、年の初めに航空券などを予約した時にイースターの祝日であることはすっかり忘れていて、幸運にも!1日はのんびりと休日を過ごすことになりました。

それならと、奥さんも誘って、メルボルンを1日楽しもうと思ったのですが、サンシャインコーストの田舎暮らしに慣れてしまった僕たちは、祝日のイベントなどで混んでいる市内の人に酔ってしまいそうだったので、結局少し離れた植物園の散歩になりました。オーストラリアの各都市には必ずと言っていいほど植物園があるのですが、日本に比べると様々な木や植物が植えられている自然公園という感じで、神代植物園のバラ園(東京・多摩地区のローカルネタ)とはずいぶんと雰囲気が違います。




地元の人たちが、のんびりとするためにやってきていて、のどかなひと時を楽しんでいました。この植物園の市内側の入り口には天文台とインフォメーションセンター、そしてビールまで飲めちゃうカフェもあり、散歩のあとのビール、そして芝生で昼寝というぜいたくな休日を過ごしました。




このあと、夕食のために市内まで歩くと、そこには観光客やアジアからと思われる留学生たちの若者たちでレストランやカフェは賑わっていました。メルボルンの都会だけを見ると、「東京とあまり変わらない」という印象を持つかもしれません。世界で一番住みやすい都市として何年も1位を獲得している理由が、都市部分だけではなく、都市の周りを見ることで分かった気がします。メルボルンでは、ぜひそんな時間の使い方をしてみてください。

短期留学はちょっと不便な街に

日本の春休みや夏休み期間は、オーストラリアにも多くの大学生たちが短期留学にやってきます。この時期は、大学附属の語学学校などへは提携している日本の大学からの研修旅行のような団体が多いので、そのような語学学校への留学はあまりお勧めしていません。そもそも大学生のくせに団体で留学するなよと思います。みんなと一緒なら安心というメンタリティーは、年齢関係なく日本人の弱みの一つです。


では、やる気のある大学生の春休みや夏休みの短期留学はどうしたらいいか?僕は短期留学に適する街というのがいくつかあると思っています。

短期留学の街選びの条件は、

1)オーストラリアらしいビーチカルチャーやライフスタイルを体験出来る場所

2)リゾート地など、海外からのお客様に対して地元の人々がおおらかであること

3)質の高い語学学校があること

の3つを押さえたいと思います。

短期間なので、物価が高いとか安いとかはあまり気にしないで、短い期間でもより人生における刺激があって、日本とは違う文化を感じられる場所を選ぶべきです。


例えば、シドニー市内からフェリーで30分のリゾート地のマンリー、ゴールドコーストから車で1時間のバイロンベイ、ブリスベンから車で1時間30分のサンシャインコーストなどは時間の流れ方も日本とはずいぶんと違ってゆっくりのんびりしているので、1ヶ月以内の短期留学にはお勧めです。リフレッシュもできると思います。ただ、これよりも長い期間の場合は、人によっては退屈だと感じてしまう方がいるので、うちの会社としては都市の語学学校をお勧めしています。

たとえ短期間でも、留学には一人で行きましょう。そして、日本とは全く違う空気や時間を満喫して欲しいと思います。

 

好きなことを勉強しよう

日本の大学に入学していざ勉強を始めてみると、もっと違った分野の勉強がしたくなることもあるかと思います。あるいは就職してからも、大学時代の専攻とは関係ない勉強がしたくなることもあるのではないでしょうか?特に世界に目を向けるようになってくると、国際関係とか環境学などは、文系理系を問わず興味が出てくる分野です。
IMG_1904 オーストラリアの大学では「Study Abroad」と呼ばれる、休学留学用のプログラムが用意されています。英語力がある海外の留学生たちに対して、基本的には4科目の聴講が可能です。もちろん、テストも受けて単位を取ることもできるので、日本の大学が認めるのであれば、単位の認定留学にもつながります。

このプログラムのいいところは、日本でどんな学部にいるかは関係なく、好きな科目が取れるということです。(医学関係など、特別な知識が必要なものは対象にはなりません)ですから日本で経営学を学んでいる人が環境学とか、日本で科学を勉強している人がアジア学を勉強することなどもできるわけです。日本では、高校の時から文系とか理系とか分けられて、壁ができていきますが、面白いと思う学問に壁なんか作る必要はありません。

必要なのは英語力だけ。ちゃんと英語を勉強して(IELTSで6.0あるいは6.5)、ぜひ1年間オーストラリアの大学で学んでみてください。社会人の1年留学だって大丈夫です。社会人イコールワーキングホリデーと考えるのではなく、本当に興味のある学問を1年間チャレンジするという選択肢も考えてもらえればと思います。