未来がどうなってもいいように

東京に帰ると、かなりの時間を本屋さんで過ごすのですが、日本では「2020年の日本は、、、」とか「2030年に世界は、、、」みたいな本がよく出版されています。このようなタイプの本はオーストラリアではほとんど見かけません。暇つぶしにそのような本を読めるほど余裕のある人はいいのですが、もし若い人で未来が心配な人はそんな本を読む時間があったら、5年後にやりたいビジネスプランを考える方が有意義だと思います。
Townsville Jsmes Cook Uni そもそも、そのような未来の予測はほとんど当たらないか、人によって両極端な意見なので(例えば人によって超円安になるという人もいれば、今後も円高が続くと予想する人もいます)、一般庶民の私たちは、為替がどうなってもいい戦略を考えればいいだけのことです。大切なのは戦略やビジネスプランを作る力です。

僕のキャリアにおいてとてもラッキーだったのは、新卒で入った文具メーカーの商品企画の仕事がスタートだったので、自分の仕事は自分で企画しないと始まらないという癖がついたことだと思っています。その後転職をしても、自分の強みは新規事業を作ることですとアピールし、数々の失敗と成功を繰り返してきました。その代わり、決められた仕事をこなすという能力はほぼゼロに等しいので、今のように優秀なスタッフに支えられて会社を経営するというのが、成功するための唯一の道だったのだと思います。

会社などの組織でずっと働くにせよ、独立して自分でビジネスをするにせよ、未来に翻弄されず、自分で未来をコントロールしていくことが僕は幸せにとって一番大切なことだと思っています。若いうちに1年くらい海外に出て、日本でのしがらみから解き放たれて、つまりは心地よい安定から離れて、自分ですべてをコントロールしていくトレーニングを積むことは、未来がどうなっても楽しく生きていくために欠かせないものだと思います。

 

本名で発信しよう!

ワーホリや留学を始める若者たちのほとんどに、僕は個人のブログを作ることを勧めています。それも大手のインターネット会社がやっているブログサービスにニックネームで投稿するようなものではなく、自分の名前のドメインを取得したほうがいいよともアドバイスをしています。残念ながらこのアドバイスを実践している若者はほとんどいません。

Townsville Jsmes Cook Uni 海外では、自分の名前で個人ブログを持っている人に多く出会います。個人名のブログを持っている人の数の国別の比較などをどう調べたらいいのか(そもそもそんなデータがあるのかは分かりませんが)わからないのですが、日本人で個人名のURLでブログを展開している比率は他の国の人々に比べると随分と低いと思います。

このように日本と世界とでは、個人と社会の関わり方はずいぶんと違います。日本では、個人として自立をしようとする人に、(つまりは社会からすれば目立とうとする人に)どうも生きにくい環境です。匿名で社会に無責任な発言をしたり、個人を中傷したりする人がとても多いので、意欲のある人も実名で社会に向き合うのをためらってしまいます。

それでも勇気を持って個人で社会に向き合っていきましょう。別にすべての人々に好かれる必要はないのだし、留学中だったら物理的に日本の人々に会うことはないのだから後ろ指さされることもありません。それよりもそのブログを読んだという知らない方から素敵なコメントをもらったりすると勇気づけられます。留学生活の新たなチャレンジの一つとして、社会に発信をすることを考えてみてください。

新しい成功の軸を作る

オーストラリアに留学している若者たちと成功とか目標について話していると、対照的な成功の軸があることに気づきます。

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一つの軸は、お金を稼いでいい生活をしたいというとても若者らしい純粋なイメージです。いっぱい稼いでいっぱい使う、昔ながらのこのような成功観が、日本経済を成長させていくのですから、社会としても大切に扱っていかなくてはいけませんが、これからの時代はなかなかすべての人がこのような成功を手にすることはできません。

若いうちは成功していると思っていても中高年になってからは、精神的に本当に大変です。うつ病になる方が40代、50代に多いのはこんなことも影響していると思います。

もう一つの軸は、このような経済的な成功とは真っ向から対立する、自然と共に生きていくミニマリスト的な成功観。オーストラリアではオーガニックな食品や自然の中で過ごしている人も多く、シンプルに生きる人たちのための環境が揃っているバイロンベイなどの街も有名なので、このような若者たちを魅了しています。しかし、オーストラリアは社会福祉が日本に比較するとずいぶん充実しているので、同じことを日本でやろうとすると、中高年になると経済的に苦しくなってしまいます。

経済的な余裕を優先とするのか、精神的な余裕を優先とするのか、僕はこの中間の新しい軸を自分なりに見つけていくきっかけがオーストラリアへの留学にはあると思っています。もしかしたら、その探す過程が、新しい時代のワークライフバランスの議論のひとつになってくるのかもしれません。ワークライフバランスは会社や社会が作るのではなく、個人が自立的に探していくものというイメージです。

僕は社長という、精神的にはけっこうタフな仕事をしていますが、サンシャインコーストという田舎に住み、シンプルな生活を楽しみながら、会社が順調であればそれなりに経済的に安定した生活をしています。50歳を過ぎても、こんな風に新しい軸を探し続けているので、留学に来る人たちは焦らずに、しかししっかりと自分の軸ってどのあたりに置くかを考えてもらえればと思います。

目標はマイナス思考で?

この時期は新年の目標の設定の仕方とか、達成のための習慣化みたいな話題を発信している方が多いのですが、僕もちょっと気付いたことがありました。

多くの人が、健康維持のために運動を欠かさないとか、毎日ブログを書くとかいう現状よりも新しくていいものを”加えていく”目標を立てていますが、僕の場合、昨年末から”引いていく”目標で効果を上げている感じです。
IMG_7230 昨年から、よほど体が欲しない限りは肉は食べませんし、ジョコビッチの食事本に影響されて12月からはグルテンフリーになり、パンやパスタをほとんど食べず、年末に娘が持ってきた砂糖がいかに体に悪いかと言う本を読んで砂糖を取らなくして、チョコとかクッキーを買うのを止めました。つまりは、すべては何かをストップしたりあきらめたりする目標設定です。効果は劇的です。ちょっとぷよぷよしそうだった腹は引っ込むし、食べ物に(特に砂糖に)すごく敏感になってきています。ただ、我慢するだけのことなので難しいことではなく、この1年はこの引き算の目標は続けていけると思います。

このマイナス目標設定は留学にも使えるかもしれません。無理に飲み会に出かけないとか、日本語の活字は読まないとか、週末に街に買い物に行かないとか、留学本来の目的以外のものは絶対にやらないという目標設定は裏を返せば、本来の目標に集中することになります。あれもやりたい、これもやりたいと悩んでいる人が、なんとなく終わってしまった留学期間に後悔するよりも、僕はこれを全くしなかったというのも、語れる話題になるかもしれませんね。

 

2016年を迎えて

明けましておめでとうございます。

サンシャインコーストという田舎に引っ越して約9ヶ月、ここでの年末年始の休暇は、テニスをするか本を読むかビーチを散歩するかぐらいしかやることがない、日本の師走とは対照的なライフスタイルでした。
IMG_2475 (1) この1週間に読んだ(読んでる)本は、セス・ゴーディンの” What to do when It’s your turn”、マルコム・グラッドウェルの” David and Goliath”、キャロル・ドゥエックの”Mindset”です。後ろの2冊はすでに日本語訳も出ているので、興味のある方は読んでみてください。僕はこのような本に代表される、成功するかどうかはその人の考え方や戦略次第だよねというタイプの話が好きですし、実際にそう思っています。

いい教育、お金持ちの家庭、いい大学、いい会社、そんなことは若干のアドバンテージはもたらしてはくれますが、成功や幸せに自動的には導いてはくれません。そんなこと大人はみんなわかってるのに、日本の社会は一生懸命若者たちを昔ながらの固定概念にはめようとしていきます。実際はそんなアドバンテージは簡単にひっくり返せるのに、植えつけられてきたマインドセットのおかげでなかなか大胆な道を選べない若者たちにも多く出会います。それでも自分の力で(大学の語学研修なんかじゃなく)海外に飛び出してみたいという若者たちに、どうしたら成功や幸せに近づけるのかの考え方のアドバイスをしていきたいと思います。

2016年もさらに多くの若者たちとじっくりと話す機会を作り、ビジネスでは「オーストラリア留学」市場でのNo1のポジションをさらに強固なものにして、ご縁のあったすべての人に少しでもお役に立てればと思います。

正しいスタート地点なのか

先週、下の娘から電話があり、仕事が決まったとのこと。彼女は西オーストラリア大学の動物学と環境保全学を勉強していて、オーストラリアでもなかなかその分野では仕事が見つからないと言われていたので心配をしていました。
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仕事内容は彼女が希望していた環境コンサルティングの会社で、それも動物専門というオーストラリアでも珍しいニッチで小さな会社です。そして、彼女は正社員でもなく、カジュアルというプロジェクトごとの採用なので時給は高いけどいつ契約が終わってしまうか分からないポジションですが、多くのオーストラリアの新卒はそこからスタートします。その期間にどれだけの実績を作り、多くのことを学んで、正社員として雇用されるか次のキャリアを探すことになります。

彼女と話していて印象的だったのは、「これで正しいスタート地点に立てたと思う」ということ。何か新しいことを始めるにあたり、正しいスタート地点なのかはしっかりと考えるべきだと思います。留学を新しいスタート地点として考える人にも多く出会いますが、僕は留学は新しいスタート地点に立つための準備であって、だからこそ、多くの経験や失敗をしたり、日本では考えてこなかったような将来について真剣に考える時間なのだと思います。

正しいスタート地点かを判断するために、ひとつだけ考えて欲しい観点があるので、お伝えしておきます。それは、そこからスタートして多くの学びがあるかどうか?それもあまり予測がつかないような学びがあるかどうかです。ファーストフードのお店スタッフは学べることは容易に想像できるので、学生バイトに任せておけばいいのです。正しいスタート地点から見える景色は、山の頂上からの見晴らしのいい世界ではなく、ただ大きな山が目の前にそびえているだけだということをわかっておきましょう。

しばらくは高待遇が続きそうな仕事

先日ニュースを見ていたら、平均給与が高い業界として、今までは鉱業関連が一番だったけれども、それに急激に追いついているのがサイバーテロ対策を中心としたITセキュリティー業界だそうです。なんとその平均給与は年間13万ドル。日本円で1200万円弱です。これが平均給与で、かつこの業界には年寄りはいないので、若者にとっては一番給料の高い業界になるそうです。また、全く人が足りていないようで、しばらくは優秀な人たちの争奪戦が繰り広げられるだろうと報じていました。
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きっとこれからは各大学もそのような専攻を充実させるとは思いますが、現時点でサイバーテロ対策という専攻があるのは、パースの2大学。詳しい内容はこちらをご覧ください。

きっとこのような業界は10年くらい働けば疲れてしまうのかもしれませんが、その間に十分に稼いで、そのあとはビーチの近くに小さなカフェでも始めるなんていうのは悪くないアイデアですね。そんな大胆な発想の若者たちに会えることを楽しみにしています。

人と違う道を選ぶ

オーストラリアの多くの街にある公立の専門学校であるTAFE(Technical And Further Education)では、地元のオーストラリア人向けのプログラムだけでは無く、留学生用のコースも数多く用意されています。その中でいつも人気なのが、Commercial Cookery という調理師になるためのコースです。
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先日、この調理師のコースを学んでいる留学生が企画したランチに、サンシャインコーストのTAFEに招待されて行ってきました。メニューもレシピも調理もそしてお客様サービスもすべて学生たちが行い、先生は横で見ているという、実践的なトレーニングで、学生たちの動きは若干ぎこちなく、それも楽しめたランチでした。味は一流レストランにひけをとらないくらい良かったです。 IMG_0331 オーストラリアの調理師の資格は、永住権を取得できる職業リストに出たり入ったりしていて、永住権を申請できるときは留学生が殺到し、外れると留学生がいなくなるという歴史があります。2015年現在はリストに入っていますが、またいつ外れるかわからないので、エージェント泣かせの科目の一つです。ただ数年前、ちょうどそのリストから外れているときにTAFEの方と話したことが印象的だったので共有しておきます。

たとえ永住権にはつながらなくても、純粋に料理を学びたくて Commercial Cookeryのコースを学んでいた留学生たちがいました。その人たちは留学生が多かった時代の学生よりも真面目で、優秀なシェフを探しているレストランはその当時もいくつもあり、留学生の数は随分と減って競争も少なかったので、多くの留学生たちがビジネススポンサーをもらってオーストラリアのレストランに働くことができたそうです。皮肉な話ではありますが、成功する人は他の大勢と同じようには動かないという黄金のルールがそこでも証明されていました。

周りの人が海外に行くからではなく、自分らしく、自分が納得する道を歩くために、オーストラリア留学という選択をしてきた若者たちをこれからもサポートしていきたいと思います。

 

休学留学での英語力の目標

大学を1年間休学して留学をする時に、オーストラリアの大学の聴講とかインターンシップなどの英語以外に興味を持つ学生が多いのですが、英語力を徹底的にあげるという選択肢も考えるべきだと思っています。なぜなら、英語が本当にできるようになると、読む本の量、会える人の質、話すことの深さなどが圧倒的に変わっていくからです。

就活に語れるちょっとしたエピソードよりも、長い目で見たら人生にとってはずっと重要なことだと思います。

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では具体的にどのくらいのレベルの英語力を目標にすべきかということですが、日本での就職にはよくTOEIC750点などと言われますが、それではたぶん今後は海外要員どころか、海外出張も一人では行かせてくれないレベルです。誰が言い出したレベルかは分かりませんが、TOEIC750点はあまり現実的ではない甘いスタンダードです。

韓国ではTOEICは900点以上なければ、英語が出来るとは言えないそうですし、ヨーロッパではケンブリッジ英検のCAE合格が就職のための資格として一般的です。世界標準の目標というと、そのレベルなのです。では、休学留学でそのレベルには到達可能なのかという問題ですが、高校までの英語をしっかりと勉強してきた学生であれば大丈夫だと思います。もちろん、かなりの努力が必要になりますが、その努力は必ず報われると思います。

特にケンブリッジ英検のCAEは先ほど書いたようにヨーロッパでは就活にも必要ですし、オーストラリアの大学や大学院への出願にも使える一生ものの資格になります。ですから、大学在学中にCAEを取得しておくことは、卒業後数年内に海外の大学院に行きたくなったときの準備としてとても有効だし、世界中で働ける可能性を広げてくれることを覚えておきましょう。

コーチを雇おう

ほとんどのプロスポーツの選手にはコーチがついています。強くなるためには、選手では気づかない弱点の矯正や、戦略をアドバイスしてくれるコーチが絶対に必要です。プロの選手がコーチを雇うのに、アマチュアの下手くそな選手がなぜコーチを雇わないのか、という記事を読んで感化された僕は、ここ2ヶ月ほど、2週間に1回くらい同じコーチにテニスのプライベートレッスンを受けています。
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コーチングを受けるようになってから、僕のテニスは大きく変わりました。技術よりも試合に対する考え方が大きく変わったのです。僕は現在オーストラリアの50歳から55歳のシニアの部で100人中40位くらいのランキングです。来年には20以内に入るのが目標ですが、そこには大きな壁があり、20位以内の選手たちは別世界にいるくらい強いのです。

そんな目標について話をしたところ、僕のコーチから「ミスをしたくないというマインドセットを根本から変えて、戦うんだというマインドセットに変えることが最初のステップだ」とアドバイスされました。今までミスを極力減らすことを考えていた僕の考え方は完璧に否定され、かつそれが自分自身でも納得できたので、それからのテニスは全く新しいチャレンジで、最近は競ることも多いけど勝率は上がっています。コーチのおかげで、テニスがまた楽しくなりました。

さて、ここで留学の話に無理やりもっていきましょう。オーストラリアでは、多くの若者たちが自分なりに試行錯誤しながら、留学生活を送っています。試行錯誤している留学生同士が情報交換をするので、みんな似た考え方になっていきます。せっかく、日本という枠を超えてきたのに、ミスをしたくないマインドセットの中で、悩んでいます。(悩むのが面倒くさくて、流れに身をまかせている人もけっこういますが。)その状況は、なかなか自分では突破できないのではないかと思います。

ということで、どれだけ貢献できるかまだわかりませんが、2016年の新しいテーマとして、コーチングを始めようと思います。留学をより素晴らしいものにするために、自分らしい生き方のきっかけとするために、ちょっとだけマインドセットの変え方をアドバイスしていこうと思います。今のところ無料(たぶん、ずーっと)なので、鬼コーチ?に興味のある方はご連絡ください。