広い画面で考え始める

私たちがお手伝いして留学をしている若者たちのほぼ100%はスマホを持っていて、彼らのスマホとのやり取りをしています。今の世の中、すべてはスマホで完結するし、逆にスマホの方が便利なアプリもたくさん開発されています。オーストラリアでも銀行振り込みなどは、圧倒的にスマホアプリで行う方が簡単です。
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ところがここで、ちょっと問題が起きます。私は留学の一番の目的は新しい世界や文化や考え方を知ることで、視野を広げ、自分を一度壊す作業だと思っているのですが、狭い画面ではなかなか壊して作り直すことがやりにくいのです。例えば、僕の仕事は経営に関わる様々な問題に関して、前提条件をゼロベースに近いところまで持って行ってから、方向性と何をすべきかを考え直すことなのですが、A4かそれ以上大きな紙や画面の真ん中に問題をひとつ書いてその周りに考えなくてはいけないことや、アイデアをマインドマップ的に書いていくうちに、問題の本質ややるべきことが何か明確になってきます。

この作業を今の若い人々はパソコンやタブレットの上でもできてしまうのでしょうから、紙でもなくてもいいので、広い画面に疑問を書いてみてください。例えば「なぜ、オーストラリア人の休日は外でバーベキューなんだろう?」とか「午後6時に店が閉まっちゃうオーストラリア社会のメリットとデメリットは?」とか日本の生活と違うところをピックアップして、自分なりの答えを様々な観点から考えることが、人に語れる留学になるための大切な起点になると思います。お金のある人はタブレット端末を、お金のない人はA4の素敵なノートを一冊、持ち物リストに加えてみてください。

TAFEでギャップイヤーを過ごしてみる

休学留学において、英語だけではなく、英語で何かを学びたいというお問い合わせが増えてきています。しかし、残念ながら日本の大学生の英語力は英語で何かを学ぶレベルには届いていない人が多いのが現実です。オーストラリアの教育システムは資格の定義がとてもしっかりとしているので、英語力が少し低くても留学生が学べる環境が整っています。
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例えば、Diplomaという資格は、大学卒のBachelor degree の下で、日本で言うところの短期大学卒に近いものです。これらの資格は、TAFEと言う公立の専門学校や、私立の専門学校で開講されています。英語力もIELTS5.5で入学できるので、オーストラリアの大学での学部聴講に必要なIELTS6.5に比較すると、日本からの学生にとってずいぶんと入学しやすくなっています。

それ以外にもいくつか、このような専門学校で学ぶメリットをあげてみると、

1)学生の70%〜80%はオーストラリアの学生が学んでいます。これは地方のTAFEなどにいくとさらにローカルの学生が増えます。

2)大学などに比較すると少人数のクラス編成。これも地方に行けば行くほど、学んでいる学生数が少なくなるので、教師と学生の比率は良くなって、教師に相談できる機会が増えてきます。

3)半年でDiplomaの資格を取れるコースもあります。1年間の休学で、半年は英語、半年はDiploma取得というデザインも可能です。

オーストラリアの大学の広大なキャンパスで休学留学を過ごすのも素晴らしいですが、少し田舎のコミュニティーに融合したTAFEで1年間を過ごすのもきっと忘れられない経験になると思います。

 

 

 

 

海を眺めながら思うこと

海まで歩いてすぐの場所に引っ越したので、朝とか夕方に砂浜を散歩することが多くなりました。そして、海を眺めながらよく思うことは、昔の人たちが、この果てしない(果てしなさそうに見える)海に漕ぎ出していく勇気はどこから湧いてきたのかということ。
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人類の歴史の中で、名前も残されていない人たちが、海に漕ぎ出し、新しい土地にたどり着く人もいたし、たどり着かなかった人たちもいたわけです。しかし、こうやって海を眺めていると、ここから漕ぎ出していく勇気だけでも賞賛に値する気がするのです。そんな勇気を持った人たちが歴史を作り変えていく。

そんな人たちの末裔が留学をしたり、起業をしたりするのかもしれません。そこには合理的な判断や、納得できる理由があるわけではなく、ただ「漕ぎ出したい」という強い思いや決意がその人を動かしてきたのです。そして、そんな若者たちに出会えるのが、この仕事の一番面白い部分だと思っています。

 

良い質問をする工夫

当たり前の話ですがリスニングとスピーキングを比較すると、リスニングの方が早く上達します。「相手の話すことは、だいたい理解できてもなかなか自分の思ったことを話すことができない。」そんなフラストレーションをためる留学生がほとんどです。

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そんな時にお勧めするのが、良い質問をして会話をコントロールしていくテクニックを身につけること。良い質問をするには、一つのことに関して深く聞いたり、視点を変えて聞いてみたりするアプローチが簡単です。例えば、「この街で一番お勧めのカフェはどこ?」「どんなメニューがあるの?」「あなたのお気に入りのメニューは?」「何時から開いてる?」「お客さんはどんなタイプの人たちが多いの?」「今度一緒に行かない?」、、、、

つまりは聞き上手になることです。

誰だって、相手の話を聞いているより、話している方が楽しいと感じます。だからこそ、良い質問をして、まずは友人たちを楽しませてみましょう。それがネイティブの友人なら、表現方法やスラングなど勉強になるし、その表現方法も「それどういう意味?」と聞けば教えてくれるし、「面白い表現だね!」と感謝すれば、もっと色々教えてくれるかもしれません。そうやってコミュニケーション能力が養われていくのだと思います。

僕もついビジネスの席では力が入って会社の宣伝とか話しまくってしまうのですが、ちょっとスタンスを変えて、いろいろ質問をしてみると、学校関係者から思わぬ話が聞けたりします。ぜひ試してみてくださいね。

 

シンプルに生きるためのギャップイヤー

同じ場所に住んでいると、必ずモノは増えていきます。そしてモノが増えることはほとんどの場合幸せにつながるというよりはストレスにつながっていきます。それがわかっているのに、僕たちは買い物をしてしまいます。それはモノを持つストレスよりも、モノを買う(それもたくさん)快感のほうが強いからです。
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留学やギャップイヤーは、最低限のモノとともにシンプルに生きるためのいいトレーニングになるはずです。今の時代は本や書類や音楽はすべて電子化されてスマホやタブレットに入れておけばいいわけだし、留学に来て数週間もすると日本から持ってきた服の中には全く着ていないあるいは似合わない服の処分を考える日が出てきます。

留学の副次的な効果として、「シンプルな生き方を習得する」ということをもっと意識したほうがいいと思います。日本にいると、友達たちや周りの人や社会からの影響を受けてシンプルではない選択をしてしまいがちです。オーストラリアでは多くの人たちが勝手に生きているので、少なくとも人の影響は受けません。自分でやりたいライフスタイルを作っていけばいいのです。

とは言いながら、今回引っ越しをして、4年間に増えたガラクタたちと格闘した反省をふまえて、僕もシンプルな生き方をさらに磨いていこうと思いました。

ありがとうサーファーズパラダイス

オーストラリアに移住してから、ほぼ4年近く過ごしたサーファーズパラダイスの街を出ることにしました。理由は、ただ新しい街に住んでみたかっただけで、これからも数年ごとに、オーストラリアで住んでみたい街を転々としていきたいと考えています。
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ゴールドコーストは、日本からも直行便があり、日本人にとってはとても生活がしやすく、海外が初めてという留学生たちが新しい生活に慣れるのにもとてもいい場所です。オーストラリアのイメージそのままの、青い海、青い空、流れる風、1時間で行ける世界遺産の森など、オーストラリア人たちにとっても老後に住みたい街に住めたことはとてもラッキーだったと思います。

特に僕が好きなのは、夕方からサーファーズパラダイスの海沿いの道を散歩すること。オーストラリアだけでなく、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南米など、世界中の家族連れが楽しそうに食事をしたり、遊んだり、海を眺めたりしています。それぞれの家族や友達たちが、みんな幸せそうに楽しんでいます。このような、自然が美しく、ストレスが少ない世界では異文化同士も調和していき、楽園を作っていくのだと思います。

新しく住む場所は、ブリスベンから車で北に1時間程度の、サンシャインコーストという地域の静かな場所です。オーストラリア人しか住んでいないと思われる小さな街で、どんな生活ができるか、楽しみにしています。

 

都会に留学する意義

先日、メルボルンに行ってきました。
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普段は観光地のゴールドコーストに住んでいる僕としては、スーツを着ている人たちが忙しく歩いていて、まるで東京に帰ってきたみたいな錯覚。

しかし、一人一人を見ていくと本当に面白い。世界中から集まった人たちが、それぞれのファッション、生き方を楽しんでいます。カフェで一生懸命話しているビジネスマン、図書館の前の芝生でリラックスしている人、ストリートアーティストたち。

そして、古さと新しさが混在した建物たちや、街中のアートや、サインや、路面電車などのインフラなどのハードも東京に比べるとこじんまりしているので、1週間も住めば多くのことが把握できて面白そう。

将来、ビジネスで活躍したい若者たちには様々なネタが転がっている気がします。

感性とは、美しいものに感動することだけではなく、感動を超えて新しい可能性に気づけること。ビジネスにおける可能性は、人と人、人と都市のインタラクションを注意深く見ていくことで気づくものだと思います。

都会は刺激に満ち溢れています。若いうちはそんな環境に身を置くのも大切なのでは?、そんなことをメルボルンの街を歩きながら考えていました。しかし、大切なのはその刺激を楽しみながら消費していくのではなく、その刺激の本質やそこから生まれてくる可能性について考えられるかどうか。感性を磨くというのは、そういうことだと思います。

平均的な留学は考えない

留学に関する質問で、僕たちがかなり困ってしまうのは、「皆さん、平均的にどのくらいの期間で英語がうまくなるのですか?」とか「皆さん、だいたいバイトは見つかるのでしょうか?」のような、留学生の平均の姿を聞かれる事です。実は留学生には平均的な姿はありません。目標に対して、うまくいく人とうまくいかない人がいるだけです。
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僕たちの世代くらいから、偏差値と言うものが普通の言葉として学力の評価に使われて、いつも平均との差について意識するように訓練されてきたのが日本人なんだと思います。だから、まずは平均的な姿をイメージしたいのかもしれません。しかし、そこそこの平均的な留学なんて意識しないで、自分らしい留学生活を目指してください。学校以外の時間はひたすらスポーツをしてみるとか、ひたすらカフェ巡りをしてブログに残してみるとか、ひたすらパーティーに明け暮れるとか(たぶん、これは就職・転職には活きてきませんが、、、)。ちょっと工夫をするだけで、オリジナリティーのある、人に語れる留学が可能です。

そこそこ勉強して、そこそこ英語が出来るようになって、そこそこバイトをして、そこそこ遊んで、そこそこ旅行して、なんてちょっと聞いてて退屈ですよね。

就職に活かしたい、自分の人生で語れるものにしたい、そんな目標を考えているなら、他の人たちのことは忘れて、自分しかできないことを今日から実行していきましょう。

便利と幸せはちょっと食い違う

オーストラリアに来ると、多くの人が「日本はもっと便利なのに」とイライラします。電車は遅れるし、店は6時くらいには閉まっちゃうし、とにかく、日本に比べると様々な事が不便なのです。さらに日本人をイライラさせるのが、その不便さをオーストラリア人はそんなに気にしていない事。便利じゃなくてもやってけるし、別に気しなくてもいいんじゃない。そんな感じです。何事においてもずいぶんとのんびりしています。

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しかし、よくよく考えてみると、日本では世界最高の便利さを提供するために、夜遅くまで働かなくちゃいけない人は出てくるし、夜中も動く自動販売機のエネルギーも使わなくてはいけないし、社会や人々はかなりのコストを払っていると思います。みんなが幸せになるには、ちょっとくらい不便でもいいよねというオーストラリア的な発想は、これからの日本人に取っては凄く大切なものではないでしょうか。ワークライフバランスをみんなが取るためには、便利さはあきらめなくてはいけない時もあるのではと、日本に帰ってくるたび思うのです。

そこそこベジタリアン生活開始

最近2ヶ月くらい、ほとんどお肉を食べない生活をしています。先日はテニスの後に居酒屋のようなところで他の人がオーダーした唐揚げをぱくぱく食べて、「あっ!」みたいなことはありましたが、酔っぱらっていない、かつ自分で注文する時は間違いなくお肉以外のものを食べています。

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なぜ、肉を食べなくなったのかは、健康のためとか動物愛護のためとかではなく(若干はあるけど)、単に肉と言う食べ物に興味が湧かなくなってしまったのです。

「俺の事、あんなに好きだって言ってたのに、どうしちゃったんだよ。」「分かんない、別に嫌いになった訳じゃないのよ。」「俺がいなくて、やってけるのかよ。」「2ヶ月、別々だったけど、あんまり恋しいとかって思わないんだよね。これからも大丈夫じゃない?」

このような青春の苦い思い出を肉にぶつけている感じです。そして、肉を食べないと心に決めてしまうと、世の中から選択肢がすごく減るので、シンプルな生き方が可能になります。オーストラリアのレストランは、ほぼどこに行ってもベジタリアンメニューがあるので、それだけ頼めばいいので、誰かと食事に出かける事になっても困る事はほとんどありません。

実際、消化は良くなるし、もたれるということも無いし、おならも臭くないし、とても快適です。スタミナが心配と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、一昨日学生君とシングルスを3時間やっても全く問題ありませんでした。肉を食べないと力が出ないと言う事は無さそうです。

もしかしたら、またお肉をどうしても食べたくなる日が来るかもしれませんが、自分が食べたいものを気持ちよく食べる(正確には奥さんに作っていただく)というポリシーでこれからも人生を楽しんでいきたいと思います。体調を整えたい人にはお薦めですよ。