自分らしいライフスタイル

たぶん、幸せは「自分が望むライフススタイルを実現する」ことで実感できるもので、仕事とか地位とか収入とかはライフスタイルのごく一部だと思います。

すごく収入があって、大きな家に住んで、豪華な食事を毎日食べていても、あまり幸せそうじゃない人がいるのは、自分が望んでいるライフスタイルと現実が違うからかもしれません。日本の社会は相変わらず、50年前くらいの価値観が生きていて、都市に近い場所に家を持って、大企業に勤めて、それなりに出世して、週末はショッピングして、、みたいなライフスタイルから抜け出ていない人がすごく多いと思います。


しかし、この50年で社会は大きく変わり、インターネットがあれば働けるチャンスがいくらでも作れる時代になりました。僕は、ほとんど家から仕事をしていますが、若い時に夢に描いていた田舎のホームオフィスで働く(そんな洋書の写真集とか眺めてました)ことが現実になっています。これはインターネットが無ければ絶対に実現しなかったわけで、この時代に生きることができて、本当にラッキーだと思います。

オーストラリアでは、旅をしながら仕事をしている人たちにも出会います。田舎で仕事ができるなら、旅をしながらでも仕事はできるはずです。僕も来年か再来年には、そのような旅をメインにしたライフスタイルにチャレンジしていきたいと考えています。オーストラリアに来て、さらにライフスタイルの夢の幅は広がった気がします。

「自分らしい」ライフスタイルを構築していくプロセスは、とてもクリエイティブな作業です。ちょっとだけマインドセットを変えるだけで、誰にでもチャンスがある世界です。周りの人や社会の目を気にせず、そのクリエイティブな作業を始めるためにも、旅行ではなく、海外で生活してみることは若いうちにしておくべきことだと思います。

いい友だちに出会う方法

人のモチベーションやムードは、周りの人たちから大きな影響を受けているそうです。確かに、ちょっとしたミスにも厳しい上司や同僚ばかりいる組織では、人々はミスをしないことに目標を置いて、新しいことにチャレンジすることはないでしょうし、いつも愚痴ばかり言っている集団と付き合っていると、その人も愚痴っぽい人間になっていきます。私たちが思っている以上に、周りの人の影響って大きいものだと思います。


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留学においても、その学校にどんなタイプの留学生が多いのかは、その人の留学生活に大きな影響を与えます。どんな友達たちと出会うのかは重要ですよね。


学校にどのようなタイプの留学生たちが集まるのかは、学校のマーケティングの戦略を見ればなんとなく分かります。

例えば、価格が安いことを売っている学校は、安いことを求める留学生が増え、真面目な学生の比率は下がる傾向にあります。アクティビティが盛んなことを訴求する学校には、放課後を楽しみたい留学生たちが集まります。母国語禁止ルールが厳しい学校には、真面目で少しでも英語を伸ばしたい留学生たちが集まります。つまり、自分の目的に合った学校を選ぶと、似たような目的を持った留学生たちに会うことができるということです。

よく、留学生たちの国籍割合を気にする方がいらっしゃいますが、国籍割合よりも、他の留学生たちの質というか留学に対する考え方を気にした方が、一生の友人に出会えるチャンスは高まると思います。

「空気読めない」ことが英語上達の秘訣

あなたの書く(話す)英語は、曖昧で意味がよくわからない、と多くの日本人留学生たちは語学学校の教師に指摘された経験があるかと思います。この問題は、英語の能力の問題ではなく、日本社会で慣れ親しんだハイコンテクストな僕たちのコミュニケーションスタイルの問題の方が大きいので、落ち込む必要はありません。ハイコンテクストとは、「空気読んでよ」みたいなことに代表される、社会や組織の文化を共有することで可能な、多くを語らなくても通じるコミュニケーションのことです。


では、言葉で全てを説明しなければならない、ローコンテクストな英語の世界でのアプトプット力をつけるためにはどうしたらいいのか?

すでにオーストラリアに留学に来ていて、学校に通っているなら、何かテーマを決めて作文を書き、それを先生やネイティブの友達にどんどん添削してもらうことをお勧めします。語学学校の先生はそのためにいると思ってもいいくらいです。時間がないなら、意味がわかりにくいところにアンダーラインを引いて、「?」と書いてもらうだけでもいいので、皆さんが書いている文章のどこが分かりづらいか指摘してもらいましょう。指摘されれば、どう修正すればいいかは、だいたい分かるはずです。それを繰り返していくと、必ず英語らしい文章が書けるようになります。

では、留学前で日本で英語の勉強をしている人はどうしたらいいか?ハイコンテクストな日本人のコミュニケーションスタイルが問題なら、ローコンテクストな日本語を書く練習から始めてください。つまり、分かりやすい日本語を書くという練習です。できれば、英語に訳すことをイメージしながら日本語を書いてみましょう。最初は慣れないかもしれませんが、書き続けていくとコツも掴めてくるし、英語のアウトプット力にも必ず効果が現れてきます。

僕たちは英語ができないのではなく、コミュニケーションのスタイルが違うんだと考えると、英語はそんなに怖いものではなくなりますよ。

誰かを助けてみよう

ほぼすべてのビジネスは、誰かに役に立つこと、誰かを助けることによって成立しています。
ということは、ビジネスセンスを磨くということは、人を助けるセンスを磨くと言えるかもしれません。


「誰かを助けるなんて、私には、、」と思ってる人でも、友達の恋愛の相談にのってあげたり、旅行の計画を考えたり、様々なところで誰かを助け、役に立っています。その助けている場面を分析していくことで、自分の得意な分野を活かすことを意識できるようになります。例えば、ホームパーティーで料理が得意なら食事担当、情報収集が得意なら買い物担当、デザインが得意ならデコレーションや招待状作成担当、など自然と役割分担もされているのですが、ほとんどの人は、このような自分の得意分野というものを意識していません。今日からそれを意識してみることで、自分のキャリアの方向性が少し見えてくるかもしれません。

オーストラリアに留学に来ると、もちろん自分にも困ったことは必ず起こりますが、世界中から来た友達にも困っている人がたくさんいます。そんな時に「なんか困ってることない?大丈夫?」と声をかけることは、新たな可能性を発見するための効果的なステップです。日本人では困らないようなことも、他の国の若者は困っているかもしれないし、日本人ならではの悩みも発見できると思います。

もちろん、すべての他人の悩みを解決してあげることはできませんが、「ごめん、それは無理。」と Noと言う練習もできるし、周りを巻き込んで解決することで交渉力もつくなどの副次的な効果もあるので、ちょっとだけ首を突っ込んでみて、自分に何ができるか試してみてください。そんなことを続けていくうちに、いい友人もできるし、新たな自分自身を発見できると思います。



都市に留学するということ

50歳を過ぎて、都市で暮らすということには、あまり魅力を感じなくなってしまいました。僕の場合、東京生まれ東京育ちということもあり、約50年、東京という刺激的な都市を十分楽しんだということもあるかもしれません。


しかし、自分の経験を振り返って考えてみると、20代に海外の都市に行った時の印象は今でも鮮明に覚えています。建築物、サイン、小売店、交通機関、歩いている人々、走っている車、すべてが刺激的で、新しく感じられ、そこを歩いている自分も少し国際人らしくなったのではと勘違いもしていました。

都市に留学する一番の目的は観察することです。見渡せば、観察すべきものはいくらでもあります。将来、ファッションに興味があれば、セレクトショップや歩いている人々を、食に興味があれば、レストランやカフェを徹底的に観察すべきです。うまくいっている店とうまくいっていない店の違いとか、日本に売れそうなもの、あるいは日本から売れそうなものを考えてみることは、ビジネスを立ち上げたい人にはとても良いトレーニングになると思います。

最近、物価が高いので都市には行きたくないという若者も見受けられますが、20代なんて基本的にみんな貧乏なので、自分の領域でつましく生きていくことを考えるより、その後の成功のために充実した経験、観察ができるかを考えて、留学先を選んだほうがいいと思います。消費しに行くのではなく、観察し、自分の言葉で語れる知識を増やすことが留学だということを忘れずに。

 

蚊帳の外に生きる

東京でのセミナーなどでオーストラリアについてお話しするときに、「蚊帳の外」にいる感じという表現をよく使います。地政学的にも、アメリカやヨーロッパからかなり遠く、紛争などに巻き込まれるリスクは少ない代わりに世界経済からは「資源と牛肉売ってる国でしょ」みたいに期待もされてないので脅威にも思われていないというポジションです。(オーストラリア関係者の皆さん、すみません)


しかし、そんなポジションだったからこそ、のんびりとした文化が育ち、国民の幸福度が高く、多民族国家として成功してきたのだと思います。

今、日本だけではなく多くの国で、2極化が進み、勝ち組と負け組、富める者と貧しい人たち、支配する側とされる側の争いが続いています。若者たちは支配される側に入らないために勉強し、大企業や安定した地位を目指します。また、留学業界も「グローバル人材」などのキーワードで、留学すると勝ち組に入れるかのごとくのメッセージを発信して若者たちを海外に送り出します。

僕は蚊帳の外での生活が長くなってきているせいか、そのような状況にとても違和感を覚えます。たぶん、勝ち組にも負け組にも支配する側にもされる側にも僕たちが求めている幸せは無さそうです。どちらにも属さず、蚊帳の外の幸せな国で、自分を見つめ直し、自分の足でしっかりと立てるようになり、誰にも翻弄されない人生を歩むきっかけとして、オーストラリアに留学に来て欲しいと思います。

グローバル人事のプロになる

最近、就職の相談もよく受けるようになってきたので、これからの日本で、あるいは世界でどんな仕事が必要になってくるのか、その仕事で活躍するためには、オーストラリアでどんなコースがあるのかを、発信していきたいと思います。いくつ見つけられるかわかりませんが、思いついた時に書いていこうと思ってます。今日は、その第1回。


これからの日本の企業で、必ず需要が増える職種の一つは、グローバルな案件に対応出来る人事のプロだと思います。従来の日本企業のグローバル展開では、日本の仕組みや考え方をどう現地に落とし込んでいくか、現地の労務系の弁護士なんかと考えながら、ルールを作ってきたのだと思います。ところが日本の常識は世界の非常識とか言われてしまう中で、グローバル感覚をしっかりと持った人事の人間が必要になってくるはずです。

社員の文化的なバックグラウンドもバラバラ、現地のルールを遵守しなくてはいけないけど、日本のおもてなしの文化が一番大切な価値観。。。すぐ近い将来、そんな組織をまとめていくリーダーが社長とは別に必要になってくるのではないかと思います。

もし、社会に入って3年くらい経過し、このような分野にキャリアチェンジしたい方がいたら、オーストラリアの大学院で1年で取得できるGraduate Diplomaがお勧めです。多くの大学で、人事・組織にテーマを絞ったコースを開講しています。英語で、そして多民族国家のオーストラリアで、これからの人事戦略の勉強をすることは、アイデンティティ・キャピタルを築くのに役に立つと思います。

 

大学のキャンパスを歩いてみる

都市の街中にある語学学校で勉強している留学生やワーホリの人たちの中には、生活にも慣れてきて、海外で暮らせているという達成感も得て、勉強に飽きてきたり、なんとなく勉強にやる気が出ないという人も見受けられます。海外の都市でしっかりと暮らしているという目標達成は出来たのに、それに比べて伸びていかない英語力にフラストレーションを溜めてしまうようです。


そんな人たちにオススメなのが、大学のキャンパスを歩いてみるということ。できれば、図書館にもぐり込んでみたり、カフェなどでコーヒーを飲みながら、勉強してみてください。

大学には当然ながら、学生しかいないし、彼らは勉強するためにそこに来ています。ですから、視界に入る多くの人が「勉強」を主目的に生きているわけです。そのような環境に自分を置くことで、自然と勉強する雰囲気になり、都市の雑音も無く集中でき、やる気も効率も上がると思います。

僕も時々、打ち合わせ以外でもノート片手に大学に出かけて、お茶を飲みながら経営のことを考えると、不思議に新しいアイデアが浮かんできます。素敵なキャンパスには、そんな力がある気がします。

 

 

今年度もありがとうございました

オーストラリアの会計年度は6月末で、ほぼすべてのオーストラリアの会社は今日が1年の最終日となります。日本の人たちからすると、ちょっと不思議な感じでしょうが、日本の3月決算も海外から見たら不思議です。


おかげさまで、今年度も増収増益、経営の基盤もさらに強固となりました。経営者として利益をしっかりと出すことは、当たり前のことなのですが、それと同時に今年も多くの素敵な若者たちと出会えたことが、私個人として、そして会社として一番大きな成果だったと思います。そんな魅力的な若者たちを、今後もWEBサイトで紹介していきたいと思います。

私たちの会社は、ほぼ広告費を使いません。多くのお客様が私たちのWEBサイトやブログから問い合わせをされますが、実はそれと同じくらいにお客様たちからお友達を紹介していただけています。そんな理由で広告費ほぼゼロが実現できています。よく、出願手数料も無料で、現地でのサポート費用も無料なんて信じられない、何か裏があるのでは?と疑われるのですが、理由はマーケティングにほとんどお金を使わないからしかありません。

来年度もこのような経営ができますよう、ぜひ、これからもお友達を紹介してください。マーケティング費用の予算は無いので、会社としてお礼をすることはできませんが、僕が一杯くらいおごらせていただきます。それは僕にとっても楽しい学びの時間になるはずです。

今年度は本当にありがとうございました。来年度もご支援のほど、よろしくお願いします。

新しい成功の姿

54歳になりました。自分が何歳なのかは、年齢別のテニスの試合に出場するときにしか意識しないので、もう、どうでもいいことの一つです。そんなことより、素敵な景色を見るとか、素敵な会話をしたとか、毎日ひとつでもいいのでいい時間を過ごすことを重ねていくことが大切だと思うようになりました。


会社の経営については、6月に会計年度が終わる今年度も順調で、5年連続の増収増益となります。スタッフもやりがいのある仕事を楽しんでいるので、誰も辞めません。20名の会社としては、十分な成功をしています。それならこの好調な波に乗って、日本での支店を拡大したり、スタッフを増やしたりしてさらなる成長をしようと考える経営者もいるかと思いますが、僕は違う道を行こうと考えています。

そのために、今までとは質の違った成長の定義や成功観を持ちたいと考えています。それは成功を数字だけで測ることではなく、お客様ひとりひとり、スタッフひとりひとりの幸せに、ちゃんと向き合っている会社でいるかで測られたいということです。綺麗な言葉で飾るマーケティング戦略より、ひとりの苦労した留学生の体験談を大事にしていきたい。10人の成功しなかった留学生からの売上より、1人の成功した留学からの売上を評価したいと思っています。

僕もそれなりにこの留学業界で長く働いていますが、なかなか志の高い人に出会えない。みんな数字のことしか考えていない。ビジネスなんだから数字が全てという考え方ではなく、お客様ひとりひとりの最高の経験の一部として僕たちの会社が記憶されることを新しい成功の姿として定義して、そこに向かってベストを尽くしてみたいと思います。