山の中に住んでいこう

2011年にオーストラリアに住みだしてから、ゴールドコーストに3年、サンシャインコーストに6年とずーっとビーチまで歩ける場所に住んできました。サーフィンをする訳ではありませんが、ちょっとした時にビーチを散歩することは体の健康にも(風邪を引いたことがしばらくない)心の健康にも良いと思います。
でも、今回の旅では、意識的に山の中にも住んでみようと思っています。ビーチのかわりに森の中を歩いたり、おしゃれなカフェのかわりに地元のおじさんたちに愛されている店に行ってみたりすることで、何か違った発見ができるのではないかと思っています。
今週は、サンシャインコーストの内陸のConondale国立公園の近くに滞在しています。30年前に引退を機にこの土地を買って家を建てた今は86歳のおじいちゃんが来客用に建てたコテージ(小屋?)をAirbnbとして貸し出しているのです。エアコンなんてないので、昼は結構暑いのですが、それでもバルコニーに出ると風が通って気持ちがいいです。午後は、このバルコニーで過ごすことが多いです。

朝はいつものように早く起きて、テニスではなく山の中を歩いています。今週はかなり暑いので、10時くらいになるとひなたにいるのは辛くなるので、午前中に森の中にいるのはとても過ごしやすかったです。
国立公園には1時間とか2時間で歩けるいくつかの散歩コースもあり、平日の朝には人もほとんどいないので、自然を独占している感じでした。誰もいないので、池で泳いだりして、子どもの頃のような時間を過ごしました。
森の中が素敵なのは、様々な動物や植物などの生き物たちを感じることができること。コロナウイルスに翻弄されている人間社会から離れて、人間の歴史よりもずーっと長い期間が淡々と流れている自然の中で、自分もその一部だと感じると、つまらないことに悩まずに、今日も一日ちゃんと生きていられれば良しとしようと思うのです。

「気持ちの良い朝」ビジネス

オーストラリアと日本の生活の一番の違いだと思うのは、朝の時間の使い方です。住宅街のカフェは6時とか5時30分くらいから開いているし、友達やコーチとテニスを始めるのは6時30分か7時からです。奥さんは週に一度くらい日の出の時間から始まるビーチヨガに行っています。多くのオフィスも8時くらいから仕事が始まって、夕方4時過ぎくらいには退社しています。

それに比べると、日本は夜型の生活に合わせてスケジュールが組まれている感じがします。朝の7時から開いているテニスコートや、6時から開いているカフェはとても少ないと思います。その代わり、カフェは夜の11時まで開いていたりするので、その時間にカフェインを飲んだら、寝れないじゃん!と思うのがオーストラリア人の感覚です。ちなみにサンシャインコーストのカフェは、午後2時にはほぼ営業が終了しています。

僕は、「朝」というもののイメージが、オーストラリアで暮らしだしてから大きく変わった気がします。日本にいると、早起きして生産性を高めようとか、大企業の社長はみんな早起きとか、朝活をして成長しようみたいに、なんか気合を入れなくちゃいけない雰囲気が漂っていますが、オーストラリアの朝は、ただただ気持ち良い1日の始まりだから、もっと楽しいことをしようよ、みたいな感じです。

美味しいコーヒーを飲みに近くのカフェまで散歩したり、公園で深呼吸したり、運動をしたりして、かけがえのない朝の時間を満喫しています。だって、本当に気持ちがいいのですから。

もし、僕が日本に帰って、何かビジネスを起こすとしたら、「気持ちの良い朝」をテーマにすると思います。今は市場が無さそうに見えても、僕とその仲間が食べていける潜在的な市場は確実にあると思いますよ。

削ぎ落としていく生活

今日から、いよいよ旅が始まりました。アパートを引き払って、今まで住んでいた場所の隣町のAirbnbに滞在しています。

旅を始めるにあたって、荷物を整理して、旅に持っていく荷物をまとめたら、この写真にあるように、大きくないバッグが5つくらいで済んでしまいそうです。もし大きなスーツケースを持っていたら、2つくらいで収まるでしょうから、いっそのこと一生旅をしていても、困らない感じです。

仕事はパソコンひとつあれば問題ないし、本も思い出もすべてデジタル化できる時代では、大切なものの面影を持ちながら、ずーっと旅をしていくことができます。いつも持っていなければ気が済まない大切なものなんて、テニスラケット以外思い浮かばないので、僕は十分にデジタルな記憶で幸せでいられそうです。

僕自身の荷物はこれだけですが、奥さんの荷物や、食材とか生活用品も含めると、車のトランクや後部座席は荷物でそれなりにいっぱいになります。でも、旅を進めていくうちに、きっと少しずつ荷物は減っていくことでしょう。

それはサンテグジュペリが残した言葉のように

完璧がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなった時ではなく、何も削るものがなくなった時である。

そんな素敵なライフスタイルに向かって、これから1年間くらいかけて、のんびりとオーストラリアを一周していきたいと思います。旅の途中で皆さんと会えることを楽しみにしています。

世界で一番住みやすい場所

オーストラリアに住んでいて、いいなあと思うことの一つは、どんな場所に住んでいる人たちも、自分の住んでいる場所は一番好きだと思っていることです。うちの会社のスタッフも、自分たちが住んでいる街が一番だと思っているし、仕事で出会う大学や学校の人たちも、自分たちの街に誇りを持っています。ですから、お客様たちから、どこの街に留学するのがいいですかと聞かれても、直感に任せてくださいとお伝えしています。そしてほとんどのお客様が、自分が留学した街が最高だと思って帰国していくのです。

ということで、あと2週間で旅を始める僕も、今住んでいるところが最高だというメッセージをお届けしたいと思います。

僕が住んでいるのはサンシャインコーストの中でも特筆するものがないマウントクーラム(Mount Coolum)という田舎街です。もちろん、その名前にもあるように山というか丘というか、火山の溶岩が固まった山が海の近くにあるので、印象的な風景は提供してくれますが、それだけです。

でも、落ち着くカフェはあるし、毎朝、海には歩いて行けるし、3つのテニスクラブが車で30分圏内だし、人々はのんびりしているし、日本人はほぼいないので、すぐに顔を覚えられて、挨拶してくれるし、コミュニティーの一員になっている感じが、とても心地よいのです。

「住みやすさ」、それは都会的な選択肢の多さではなく、コミュニティーとの良い距離感である気がします。シャイだからか、あまり積極的にはからんでこないけど、いつもフレンドリーな日本人の夫婦、というのが僕たちのポジションです。旅が終わったら、また帰っておいで!とみんなが声をかけてくれる住みやすい場所に、また戻ってきたいと考えています。

悪い連鎖を切るために

日本社会の一つの問題は、一度悪いサイクルに入ってしまうとなかなか抜け出せないことでしょう。

親の貧困は子どもの教育の機会損失につながるし、虐待はまた次の世代の虐待につながっていくし、キャリアのスタートでつまづいて非正規雇用に甘んじると、正規雇用になるハードルをなかなか超えることはできません。悪い連鎖の中で生きている人たちは、その中の世界でしかチャンスを得ることができず、つまりはいつまでたっても抜け出すことができず、最後にはあきらめてしまうのです。

これとは反対に、いい世界に入った人たちは、その既得権益を守るために努力して、その世界にとどまり、その世界の人々のネットワークで世の中がまわるように組み立てていくのです。

つまり、格差社会というのは悪い連鎖の中で生きる人たちと、いい連鎖の中で生きる人たちの間で、普通にしていると自然と起きてしまう現象なのだと思います。ですから、社会としてこの問題は行政が取り組まなくてはいけないことに間違いはないのですが、一人一人の個人がその解決を待っている時間はありません。

悪い連鎖の中にいる人は、その連鎖を断ち切らなくてはいけないし、そのためにキャリアや人間関係も含めて、自分の住んでいる世界をリセットする必要があります。留学は、そのリセットのきっかけになるかもしれません。でも、そのためには、お金も含めて準備やしっかりと覚悟をもってから来てください。1年間で修了するGraduate Diplomaなどの資格を取るだけで、企業からの評価も違うし、経験も積めるし、自信を持ってキャリアの立て直しにつながっていくと思います。簡単ではないことは重々わかっていますが、その後の人生が大きく変わっていくので、30歳までにはなんとかすべき問題なんだと思います。

ビジネスセンスを磨く習慣

仕事って、自分の作りたいものだけを作って、それが売れている芸術家でもない限り、必ずお客様というものを意識していなくてはいけません。お客様に価値を提供することで、お金をもらうことが、ほとんどの仕事だからです。そして、その価値とは、お客様の何かしらの問題を解決するものです。街角のカフェだって、美味しいコーヒーを飲んでリフレッシュしたいとか、ゆっくり考え事をしたいなどのお客様の問題を解決しています。

ビジネスセンスって、つまりは、そのような問題発見能力と、その解決能力なんだと思います。そして、僕は問題発見の能力の方が、大切だと思っています。問題がわかれば、解決法は想像がつきやすいからです。

そして、そのビジネスセンスはトレーニング可能です。まずは、困っている人がいたら、助けてあげればいいのです。不思議なのですが、世の中には、困っている人に気づかないという人がたくさんいます。あるいは、面倒だから気付こうとしないのかもしれません。そんなマインドセットは、どんどんビジネスセンスを劣化させていきます。

まだ、社会に出ていない大学生や高校生の人たちは、とにかく、困っている人がいたら、助けてみてください。両手に荷物を持っている老人がいたら、エレベーターのボタンを押してあげましょう。道に迷っていそうな外国人がいたら、声をかけてみましょう。

あるいは、ふと見かけた人とか出会った人が、どんな問題を抱えているか想像してみるのは、面白いトレーニングです。昔、東京に住んでいた時には、電車に乗っている人を観察して、この人が買いたいものってなんなんだろうって想像するゲームをしていました。服装とか髪型とか持っている電話の機種などで、その人の生活って、けっこう想像できたりします。その人が買いそうな商品やサービスを考えてみると、あっという間に時間は過ぎていくし、退屈な電車の中でもビジネスのトレーニングになりますよ。

1ヶ月後に旅を始めます

「オーストラリアを旅する社長のブログ」のはずが、コロナウイルスの影響で、ずいぶんと静かな生活を続けてしまいました。

僕が住んでいるサンシャインコーストやクイーンズランド州は、ほぼコロナウイルスの感染が収まったので、来月11月の中旬から、またアパートを引き払って、旅を始めることにしました。前回の旅が2017年の後半からスタートしたので、ほぼ3年ぶりの家なき子生活です。前回同様に、スバルのフォレスターに荷物を乗せて、夫婦2人でAibnbのまるまる貸切物件に滞在していく予定です。あまり急いだ旅にはしたくないので、週末に移動して、同じ街に1週間は滞在するというパターンで動いていきたいと思います。最終的には西オーストラリア州まで行って帰ってくる予定です。つまりオーストラリア大陸の反対側まで行ってきます。

滞在する街の選び方は、本当に適当です。うちの支店のある街にはもちろん滞在しますが、それ以外の場所は、観光地ではなく、普通の街に泊まっていければと思います。そんな場所で、通えそうなカフェを見つけ、地元の果物や野菜を食べて、テニスクラブを訪ねてプライベートレッスンやヒッティングパートナーを見つけられれば、それで十分です。その土地の地元の人と、同じような生活をすることで、新しいライフスタイルの発見ができることが、僕にとっての旅の面白さです。

ネット環境があれば、どこでも仕事ができる時代というのは、若い人たちには当たり前すぎて意味がないのかもしれませんが、僕にとっては、こんな時代に間に合ったことが、嬉しくてたまりません。この特権を最大限に活かして、人生を楽しんでいきたいと思います。

草刈りに予算を使う

オーストラリアでは、しょっちゅう草刈りをしています。街路樹の整備や芝生の管理は、公共の予算で行われている感じだし、僕が住んでいるアパートでも管理人さんたちが、よくメンテナンスをしてくれています。サンシャインコーストをドライブしていると、いつでも、どこかで誰かが草刈りをしているのです。

道路脇の芝生などは、半分雑草たちであっても、短く刈ってあるときれいに見えるものです。きれいにされていると、ゴミを捨てる人もいないので、清掃費なども削減できている感じです。何より、歩いていて気持ちがいいです。

このコロナウイルスの影響で、多くの人たちが職を失い、国や自治体は仕事を作ることを最重要課題と認識しています。オーストラリアでも、新しい鉱山を開発したり、高速道路の拡張など、昔ながらの公共工事を増やすことで仕事を増やしたと自画自賛しています。でも、そんなことで、せっかくの美しい自然が壊されていくのだったら、長期的な視点で見たら、間違いだということを歴史は証明しています。

一方、日本はこれからは人口が減っていくのですから、公共工事は新しいものではなく、美しく維持することにお金を使うべきです。車の通らない道路や橋を作ったり、人が来ない記念館を作るのではなく、歩道の脇に花を植えたり、毎月でも雑草を刈って、人々が気持ちよく生活できるために予算を使って仕事を増やしてみたらいかがでしょう。

そこに住んでいる人々が自分のコミュニティーに誇りを持てるのは、きれいな散歩道がどれだけあるかなのではないかと、いつものカフェまで歩きながら、よく考えるのです。

学部は世の中を見るためのフィルター

今月は高校生3年生からのオーストラリアの大学への出願が増え始める月ですが、大学での学部選びは、悩んでしまう問題です。自分はこれを学びたいと思っても、親とか周りの人が、それではつぶしが効かないとか、就職で苦労するかもしれないからとか言って、若者たちの心を悩ませます。

でも、他の人がなんと言おうと、自分が学びたい勉強をしてください。

大学で学ぶことって、社会に出る前の、自分づくりの集大成みたいなものです。(もちろん、一生勉強しなくてはいけないので、それ以降学ぶ必要がないということではありません。)自分の興味に従って、深く勉強したことをベースにして社会で自立をしていかなくてはいけないのです。

僕は大学時代には人間とか社会とかに興味があったので、文学部の行動科学科という学部で勉強をしました。あまりつぶしが効かない感じの学問です。はっきり言って、ビジネスというものが何かさえ分からずに社会に出ましたが、今は会社の経営者として、楽しく生きています。そして、僕の経営者としての成功要因は、ビジネスについて詳しいからではなく、人間について今でも興味があり、人はどうして働くのだろうとか、人はなぜこちらを選択するのだろうかということを、少しだけ競合の経営者よりも分かっているからだと思っています。つまり、僕は社会やビジネスを行動科学科というフィルターを通して今でも見ている気がするのです。

ITを学んだのであれば、ITというフィルターで社会を見ていく。環境保護を学んだら、環境というフィルターで社会を見ていく。でも、フィルターの先には人間たちや様々なビジネスや最新の技術など社会のありとあらゆることが混沌としてあるわけで、それを全部きれいに理解することは、不可能に近いので、自分なりのフィルターが必要になるのだと思います。

どのフィルターを選んだからと言って、それで成功の確率は変わらないと思います。大切なことは、そのフィルター越しに見えている社会の中に、なんとしても直したくなることや、良くしたくなることを発見して、自分の大切な時間をその解決のために使うことなのです。

なぜ私たちは高校留学を扱わないのか

私たちの会社は、大学進学以上の年齢(17歳以上)のお客様しかお手伝いをしていません。小中高の留学に関する問い合わせは、残念ながらお断りしています。今週も「高校留学は手配できないの?」という問い合わせをいただいたので、なぜ、私たちの会社が高校生の正規留学を扱わないのかについて、ご説明をしておきます。ここで言う正規留学とは、高校同士の交換留学とかではなく、オーストラリアの高校を卒業する目的で現地校に留学することを指します。

まずは、高校留学の目的が、オーストラリアの大学へ入学しやすくするためと考えているのであれば、それはなかなか思ったようにうまくいかないことが多いです。日本の中学を卒業して、オーストラリアの高校に入学した場合、英語というハンディキャップがあるため、良い成績を取ることはかなりハードルが高くなります。オーストラリアの大学は入試というものがなく、高校の成績と各州で行われる統一テストで、合否が決まります。ですから高校の成績が英語力という問題で芳しくないと、志望大学の選択肢が狭まってしまうのです。トップ大学に合格したければ、日本の高校で良い成績を取った方がずっと可能性が高くなります。

また、若いうちに留学したほうがネイティブに近い英語力を習得できるからと考える方もいらしゃると思います。これについても、私は大学から留学するので十分だと考えています。日本の状況を考えていただいても、高校生の日本語が典型的な日本人の日本語かと言えばそんなことは無いわけで、若者特有の表現やスラングに浸っても大人になって使える言葉にはならないのです。高校時代は「やべー」という一言でほとんどの意思疎通ができたとしても、それは社会に出たら通用しないので、大人の言葉を学ぶには大学からがいいのだと思います。

こんな理由から、私たちは高校留学は扱っていません。もちろん、こんな心配を吹き飛ばすような優秀な中学生・高校生はたくさんいらっしゃるので、そんな人たちは直接オーストラリアの高校に連絡したり、州政府の教育セクションなどに問い合わせをすると、いい留学エージェントや必要事項を教えてくれると思います。