胃袋をつかまれる日本の若者たち

東京に出張するときの、楽しみのひとつは日本の食べ物たち。美味しいし、安いし、オーストラリアでほとんどお寿司などを食べる機会が無い僕の味に対するハードルは下がってるし、ということで、外食生活を楽しんでしまいます。ちょうどオーストラリアから東京に出張に来ていた学校経営者とランチを取った時も、彼曰く「日本はどこの店に入ってもハズレが無いし、安いし、食べ物は世界一だよね。」と絶賛していました。
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しかし、こんなことだから、ただでさえ内向きな草食系男子たちは、胃袋まで女の子ではなく国につかまれ、外国に浮気することもなく、日本最高!ってことで、世界に飛び出していくのをあきらめてしまっているのかもしれません。

それなら、これからはグローバル人材の大切なスキル?能力?として「食べ物にこだわりが無い」というのを「英語力」と同じくらい大切な扱いにすることを提案しようかと思います。もちろん、健康にいい物を食べることはとても大切ですが、若いうちから美味しいものしか食べないとか、おしゃれなレストランめぐりが趣味とか言ってると、ハングリー精神はどんどん失われていきます。世界に行って、その国の食べ物をこだわりなく楽しめるのは、信頼を得るためにも大切な能力なんだと思います。

どうせ、僕ぐらいじじいになったら、食べ物くらいしか楽しみがなくなるんだから、その時までそんな楽しみはとっておけばいいと思います。

まずはテストを受けてみよう

半年後でも1年後でも、休学をしてオーストラリアに留学をしようと決めたら、まずはIELTSのテスト(アカデミック)を受けてみることをお薦めします。IELTSはオーストラリアやイギリスの大学や、TAFE(公立の専門学校)などに入学する際に英語力の証明として受験を義務付けられているテストです。大学入学や聴講に必要なスコアは6.0〜6.5、専門学校への入学は5.5が必要になります。
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1ヶ月後か2ヶ月後のテストを予約したら、それまではひたすら自分で勉強して、受験してみてください。テストの説明もすべて英語で流れるし、緊張感や雰囲気に飲まれて、実力が発揮できないかもしれません。しかし、その最初のスコアがスタートラインになります。私たちに休学プログラムの相談をされるときに、そのスコアがあると、レベルに応じて特色のあるプログラムを紹介することができます。大学での認定留学や聴講などを考えている人は、英語学校に行く必要があるのか、IELTS専門の塾で短期間にスコアをアップさせて、大学の授業に直接入れるようにした方がいいのかなど、一番効率的なプログラムを提案できるので、ぜひスコアを手に相談に来てください。

誰でもテストを受けて、ショックで落ち込みたくはありません。しかし留学で大きく飛躍することを考えているなら、ぜひ、最初に自分の実力と向き合って、ショックを受けておいてください。スタートラインが決まったら、あとはひたすら成長するだけです。1年前の実力が笑い話になるくらい、成長する若者たちがうちの留学生にはたくさんいます。休学留学というのはうまく使えば本当に人生を変える1年になると思います。

リモートワークの時代にむけて

これから20年で働き方が大きく変わるとしたら、その一つはリモートワークをする人々が普通になっているということです。

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会社という組織に属しながら、あるいはフリーランスという形態で、家からあるいは家の近くのシェアオフィスのようなところでネットを通じて働くリモートワークをする人々は確実に増えていきます。今のように都会のオフィスに満員電車に揺られながら通勤する人々は20年後にどのくらい減っているのか楽しみです。今、私はオーストラリアのサンシャインコーストという地域に住んでいますが、そこで出会うテニス仲間たちも何人かは自宅でコンサルティング会社を経営していたり、リモートでアメリカと仕事をしています。そして私自身も自宅からスカイプなどでオーストラリアの主要都市や東京のスタッフと会議を定期的に行うことで経営をしています。

今から20年前、Windows95などと騒がれた頃は、パソコンはインターネットにそんなにつながっていなかったので、私のようなライフスタイルはそもそも選択肢にありませんでした。今、このようなリモートワークスタイルは限られた人の特権のように見えますが、20年後はごく普通の働き方になっているはずです。つまり、現在20歳の大学生たちが、40歳の働き盛りの年代になっているときには、そんな社会で活躍しているのです。

そんな時代が到来するにあたって、準備しておかなくてはいけないことは、英語でのコミュニケーション。リモートワークはたぶん日本よりも世界の方が進み方が早く、その波に乗るためには仕事ができるレベルの英語力は身につけておくことが必須です。あなたの能力を発揮できる市場が世界中になります。

もうひとつはデジタルの世界で、何かを作れるということ。レポート、企画書、分析など昔ながらのものでもオリジナリティーがあれば生きていけるし、デザイン、プログラミング、などクリエイティブな仕事はリモートワークには相性がいいはずです。TAFE(公立の専門学校)などでも、クリエイティブな科目は数多く開講されているので、休学を考えている学生は1年間英語とデザインの世界を勉強すると、将来海のそばから仕事ができるかもしれませんよ。

広い画面で考え始める

私たちがお手伝いして留学をしている若者たちのほぼ100%はスマホを持っていて、彼らのスマホとのやり取りをしています。今の世の中、すべてはスマホで完結するし、逆にスマホの方が便利なアプリもたくさん開発されています。オーストラリアでも銀行振り込みなどは、圧倒的にスマホアプリで行う方が簡単です。
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ところがここで、ちょっと問題が起きます。私は留学の一番の目的は新しい世界や文化や考え方を知ることで、視野を広げ、自分を一度壊す作業だと思っているのですが、狭い画面ではなかなか壊して作り直すことがやりにくいのです。例えば、僕の仕事は経営に関わる様々な問題に関して、前提条件をゼロベースに近いところまで持って行ってから、方向性と何をすべきかを考え直すことなのですが、A4かそれ以上大きな紙や画面の真ん中に問題をひとつ書いてその周りに考えなくてはいけないことや、アイデアをマインドマップ的に書いていくうちに、問題の本質ややるべきことが何か明確になってきます。

この作業を今の若い人々はパソコンやタブレットの上でもできてしまうのでしょうから、紙でもなくてもいいので、広い画面に疑問を書いてみてください。例えば「なぜ、オーストラリア人の休日は外でバーベキューなんだろう?」とか「午後6時に店が閉まっちゃうオーストラリア社会のメリットとデメリットは?」とか日本の生活と違うところをピックアップして、自分なりの答えを様々な観点から考えることが、人に語れる留学になるための大切な起点になると思います。お金のある人はタブレット端末を、お金のない人はA4の素敵なノートを一冊、持ち物リストに加えてみてください。

良い質問をする工夫

当たり前の話ですがリスニングとスピーキングを比較すると、リスニングの方が早く上達します。「相手の話すことは、だいたい理解できてもなかなか自分の思ったことを話すことができない。」そんなフラストレーションをためる留学生がほとんどです。

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そんな時にお勧めするのが、良い質問をして会話をコントロールしていくテクニックを身につけること。良い質問をするには、一つのことに関して深く聞いたり、視点を変えて聞いてみたりするアプローチが簡単です。例えば、「この街で一番お勧めのカフェはどこ?」「どんなメニューがあるの?」「あなたのお気に入りのメニューは?」「何時から開いてる?」「お客さんはどんなタイプの人たちが多いの?」「今度一緒に行かない?」、、、、

つまりは聞き上手になることです。

誰だって、相手の話を聞いているより、話している方が楽しいと感じます。だからこそ、良い質問をして、まずは友人たちを楽しませてみましょう。それがネイティブの友人なら、表現方法やスラングなど勉強になるし、その表現方法も「それどういう意味?」と聞けば教えてくれるし、「面白い表現だね!」と感謝すれば、もっと色々教えてくれるかもしれません。そうやってコミュニケーション能力が養われていくのだと思います。

僕もついビジネスの席では力が入って会社の宣伝とか話しまくってしまうのですが、ちょっとスタンスを変えて、いろいろ質問をしてみると、学校関係者から思わぬ話が聞けたりします。ぜひ試してみてくださいね。

 

シンプルに生きるためのギャップイヤー

同じ場所に住んでいると、必ずモノは増えていきます。そしてモノが増えることはほとんどの場合幸せにつながるというよりはストレスにつながっていきます。それがわかっているのに、僕たちは買い物をしてしまいます。それはモノを持つストレスよりも、モノを買う(それもたくさん)快感のほうが強いからです。
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留学やギャップイヤーは、最低限のモノとともにシンプルに生きるためのいいトレーニングになるはずです。今の時代は本や書類や音楽はすべて電子化されてスマホやタブレットに入れておけばいいわけだし、留学に来て数週間もすると日本から持ってきた服の中には全く着ていないあるいは似合わない服の処分を考える日が出てきます。

留学の副次的な効果として、「シンプルな生き方を習得する」ということをもっと意識したほうがいいと思います。日本にいると、友達たちや周りの人や社会からの影響を受けてシンプルではない選択をしてしまいがちです。オーストラリアでは多くの人たちが勝手に生きているので、少なくとも人の影響は受けません。自分でやりたいライフスタイルを作っていけばいいのです。

とは言いながら、今回引っ越しをして、4年間に増えたガラクタたちと格闘した反省をふまえて、僕もシンプルな生き方をさらに磨いていこうと思いました。

都会に留学する意義

先日、メルボルンに行ってきました。
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普段は観光地のゴールドコーストに住んでいる僕としては、スーツを着ている人たちが忙しく歩いていて、まるで東京に帰ってきたみたいな錯覚。

しかし、一人一人を見ていくと本当に面白い。世界中から集まった人たちが、それぞれのファッション、生き方を楽しんでいます。カフェで一生懸命話しているビジネスマン、図書館の前の芝生でリラックスしている人、ストリートアーティストたち。

そして、古さと新しさが混在した建物たちや、街中のアートや、サインや、路面電車などのインフラなどのハードも東京に比べるとこじんまりしているので、1週間も住めば多くのことが把握できて面白そう。

将来、ビジネスで活躍したい若者たちには様々なネタが転がっている気がします。

感性とは、美しいものに感動することだけではなく、感動を超えて新しい可能性に気づけること。ビジネスにおける可能性は、人と人、人と都市のインタラクションを注意深く見ていくことで気づくものだと思います。

都会は刺激に満ち溢れています。若いうちはそんな環境に身を置くのも大切なのでは?、そんなことをメルボルンの街を歩きながら考えていました。しかし、大切なのはその刺激を楽しみながら消費していくのではなく、その刺激の本質やそこから生まれてくる可能性について考えられるかどうか。感性を磨くというのは、そういうことだと思います。

平均的な留学は考えない

留学に関する質問で、僕たちがかなり困ってしまうのは、「皆さん、平均的にどのくらいの期間で英語がうまくなるのですか?」とか「皆さん、だいたいバイトは見つかるのでしょうか?」のような、留学生の平均の姿を聞かれる事です。実は留学生には平均的な姿はありません。目標に対して、うまくいく人とうまくいかない人がいるだけです。
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僕たちの世代くらいから、偏差値と言うものが普通の言葉として学力の評価に使われて、いつも平均との差について意識するように訓練されてきたのが日本人なんだと思います。だから、まずは平均的な姿をイメージしたいのかもしれません。しかし、そこそこの平均的な留学なんて意識しないで、自分らしい留学生活を目指してください。学校以外の時間はひたすらスポーツをしてみるとか、ひたすらカフェ巡りをしてブログに残してみるとか、ひたすらパーティーに明け暮れるとか(たぶん、これは就職・転職には活きてきませんが、、、)。ちょっと工夫をするだけで、オリジナリティーのある、人に語れる留学が可能です。

そこそこ勉強して、そこそこ英語が出来るようになって、そこそこバイトをして、そこそこ遊んで、そこそこ旅行して、なんてちょっと聞いてて退屈ですよね。

就職に活かしたい、自分の人生で語れるものにしたい、そんな目標を考えているなら、他の人たちのことは忘れて、自分しかできないことを今日から実行していきましょう。

僕がワーホリだったら

僕がもし25歳で、オーストラリアでワーキングホリデーをやろうとしたら、どんな計画を立てるのだろう?という空想をすることがあります。その時に絶対に欠かせないアイテムが車です。ですから、きっとその分のお金はちゃんと準備してからワーホリ生活を始めると思います。

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最初の街で語学学校に3ヶ月ほど通い、死ぬほど英語を勉強して、準備が出来たと感じたら、車を買います。オーストラリアの中古車は信じられないくらい値段が高いのですが、価値が下がりにくいので、売る時も高く売れる事を考えて、間違いなく壊れにくい日本車を買うでしょう。

僕のワーホリの目的は、世界中に友だちを作るとか、楽しい時間を過ごすことではなく、自分との対話のような暗ーい目的だと思います。たぶん、ワーホリを考えるキッカケは、恋に破れるとか仕事に行き詰まるとかネガティブなことでしょうから(僕の場合)、癒しを求めてとかではなく、徹底的なアウエイの地で、自分を鍛えるという体育会的な発想になっていると思います。

そうなると、都会のカフェで働くなどの華やかなものではなく、WWOOFなどで探した、小規模でもこだわりを持って有機農業をしている農家の住み込みの手伝いなどを探しながら、オーストラリアの大地をドライブしていくと思います。そこで出会った意識の高い農家のお父さんたちと環境問題や、国などに頼らない生き方についてじっくり話をしたり、この頑固なオヤジになぜこんな可愛い奥さんがいるのかという、男の魅力についても学んでしまいます。

そんな日々を日記に残し、あるいはブログに書きながら、空いている時間は本を読み、同じように旅をしている違う国から来た若者たちと議論をしながら、何かしなくちゃという焦りも無く、タフになって日本に戻り、新しい仕事や、車1台に入るモノだけで満足出来る新しい生活をスタートさせることでしょう。

 

街の魅力を発見する能力

オーストラリアに留学するにあたって、最初に考えなくてはならないことのひとつはどこの街に行くかを決めることです。そして、多くの留学生やワーキングホリデーの方たちが、似たような質問を私たちに投げかけます。「バイトが見つかりやすいところはどこですか?」とか、「物価が安いのはどこですか?」とか、「日本人の少ない街はどこですか?」とか。
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しかし、ほとんどの場合、そのような質問は留学が成功するかにはほとんど影響を及ぼしません。それどころか、そのような環境のことばかり質問をする人のほうが、なんとなく消えて行ってしまう印象があります。それよりも、自分の直感を信じて街を選び、その街の素敵なところをどんどん発見して行く人は、英語力も伸びる傾向にあるし、いい友人に巡り会えている気がします。つまり、分析が好きな評論家タイプより、好奇心おう盛な冒険家の方が留学は成功するということです。

オーストラリアの街は、どの街も魅力的で、素直な気持ちでその街に接すると必ず住めば都になると思います。例えば、僕が現在住んでいるゴールドコーストの魅力は、ビーチはもちろん素晴らしいのですが、歩くのに最適な山まで1時間もかからないことと、山と海をつなぐ風がいつも心地よい事(時々、すごい風になりますが。。。)です。きっと簡単に何十ものゴールドコーストで気に入っている事をあげることも出来ると思います。

「好きなところ」を発見したり探せたりする能力、人間でも会社でも社会でも、どんなことにでも応用出来ます。オーストラリアに来たら、ぜひその能力を磨いてください。