目的と準備

僕たちの会社は、年間1500人くらいの留学生のお手伝いをしていますが、(さすがに今年は3分の1くらいになるでしょうが。。)お問い合わせいただく方はその3倍くらいいらっしゃるので、4000人とか5000人の方からの問い合わせ内容を、僕は見て、各担当に振り分けています。

そんな毎日を続けていると、問い合わせを読んだだけで、この人は留学で成功する人かどうかというのがなんとなく分かります。あるいは、問い合わせはしたけど、留学には来ないんだろうなあという人も分かります。今日は、そんな話をしたいと思います。


成功する人とそうでない人の最初の違いは、留学の目的を明確に持っているかどうかです。

この学問を世界中の人たちと学びたい、この資格を取得したい、ビジネスで使える英語力をつけたい、オーストラリアの会社で働いてみたい、などの目的や方向性がしっかりとしている人には、具体的な回答もできるし、その後のやりとりも目標に向かってシンプルに進みます。最近の高校生たちからの問い合わせは、このような目的がしっかりしたものが増えているので、僕は日本の将来が少し楽しみです。(でも、そもそも、海外の大学に進学しようと考える高校生は優秀なんだと思いますが。)

もうひとつの違いは、英語の準備をしているかどうか。

私たちの会社への問い合わせフォームには、現在の英語力のレベルを任意で記入してもらう場所があるのですが、そこに何も記入していない人は、留学に来ない可能性が高いのかなと判断しています。日本人は今でも謙虚な人が多いので、自分の英語レベルを低く申告する人も多いのですが、それでも留学を考える前に、英語力について自己評価を持っているかって、準備をしているかのバロメータになるのです。

目的と準備、留学じゃなくても、人生に成功したり、幸せになるには、大切なことだと思いますが、今のこの不安定な時期だからこそ、じっくりと考えることが、これからの人生を安定させるために必要だと思います。安定した人生を望む人がこれからはさらに増えると思いますが、それって、公務員になることではなく、ちゃんと考えて準備できる人になることだと思いますよ。

日本からでも大学見学

毎年、日本の夏休みの時期、こちらは冬の時期に、オーストラリアの各大学のオープンキャンパスが開催されます。オーストラリアの高校3年生たち(こちらではYear 12と言います。)が友だち同士、あるいは親御さん連れで、オープンキャンパス(こちらではOpen Dayと呼ばれています)に参加して、志望校を決めて、各州の統一テストで目標のスコアを取るためにラストスパートを始める時期なのです。


ちょうど、7月8月は日本は夏休みの時期ということもあり、毎年何人かの高校生たちがオーストラリアの大学見学を兼ねてオープンキャンパスに参加していたのですが、今年はそういうわけにはいきません。なんでもオンラインに変わっていく世の中ですから、オープンキャンパスもオンラインで開催する大学がほとんどです。


僕が住んでいるサンシャインコースト大学も、この日曜日にオンラインオープンデーを開催します。日本の高校生や大学生の皆さんは、オーストラリアに行かなくても、オーストラリアの大学のキャンパスの様子や授業の様子を体験することができるので、ぜひ、気軽に覗いてみてください。もしかしたら、このちょっとした興味が、みなさんの人生を変えることになるかもしれません。

登録はこちらから。そして、サンシャインコーストと日本には1時間の時差があるので(日本が1時間遅い)、オンラインレクチャーなどの開始時刻は気をつけてくださいね。

他の大学のオープンデー情報はこちらのページで随時更新しています。

理由を知っても何も生まれない

〇〇ビジネスとか〇〇経済とか昔ながらのビジネス誌のサイトを読むと、「日本がいけてない理由」とか、「〇〇が再生するための条件」みたいなタイトルが並んでいます。懐かしい昭和の時代にいらした、会社のデスクで新聞読んでるおじさんたちには、読まれてるかもしれないけど、今の30代40代も読んでいるとしたら、、、将来はあまり明るくないですね。

なぜなら原因や理由を分析するのは、そんなに難しいことではないし、それを確認しあっているだけなら、世の中は何も変わらないからです。

日本の政治がなぜいけてないのかを、社会科で政治について学んだ小学校6年生に聞いてみても、それなりの分析と答えを出すと思います。大人がやらなくてはいけないことは、その分析に基づいて対策を計画し実行することで、それはリスクや苦労が伴うわけです。ですから、ビジネス誌を読んで評論家になっても、それは小学校6年生と同じレベルです。


これからの時代、ポストコロナの時代は壮大なビジョンを持って10年計画で何かを進めていく時代ではないと思います。10年間何事もなく平和な時代が続くとは誰も思っていないからです。これからは、もっと小さな発明や、小さな改善を積み重ねていくうちに、何か大きなものが生み出されていくのだと思います。

ですから、若者たちはビジネス情報の消費活動なんて放っておいて、何か小さくてもいいので生み出すことに時間を使いましょう。ブログに文章を書いたら100円で買ってくれる人もいるかもしれないし、他のyoutuberとは違ったアプローチで映像を作ることもできるし、アート作品を販売することもできるし、何かセミナーを開発することだって、いいのです。

何も生み出すことができない人は、これからの時代、必ず苦労します。でも、自分に何か生み出す能力があるとは思えないという人も、数多くいると思います。でも、人はそれぞれ他の人とは違った何かを持っていたり、こだわっていたりします。最初はそれについて、発信してみたらどうでしょう。今回のブログを書くきっかけになったのは、60歳になったら「死ぬまで一球入魂」みたいなタイトルのサイトを作って、シニアテニス愛好者たちにメッセージを送るのはどうかなと思ったからでした。この年齢でこんなにテニスにハマっている人は多くはないでしょうが、きっと楽しいコミュニティができる気がします。

消費するにはお金が必要ですが、何かを生み出すにはお金は入りません。この週末から、何かを始めてみるのは、どうでしょう。

出会いがたいせつ

自粛生活を経験してみて感じることは、僕には友だちってそんなに多くないなあ、ということ。ましてや、僕のように田舎に住んでると、日常的に話すのは奥さんとテニス友達の合計5人にも満たない人たちで、あとは会社のメンバーだけという、なんともシンプルな生活です。

それでも、十分に幸せなので、僕にとって、友人の多さと幸せには相関関係は無さそうです。だいたい、不幸やストレスの多くは人間関係によってもたらされ、それも自分で選べない集団の中で起こります。学校のクラスであったり、会社の上司であったり、マンションの隣の人だったりするわけです。


それなら、何かを選択するときに、その集団と自分の相性のようなものについて、想像を巡らすことはとても大切な戦略ではないでしょうか?例えば、語学留学のための学校選びで、真面目な留学生が多い学校と、不真面目な(とはなかなか書けないので、楽しみを優先している)留学生が多い学校と、どちらを選ぶかなどは、よく起こる問題です。うちの営業方針は、ちゃんと説明しても真面目さよりもゆるい学校を望む(そして、そのような学校は値段が安い)お客様に対しては、積極的に営業することもなく、他の留学会社で申し込まれても、あまり気にしません。やはり、できるだけ素敵な友だちができる環境で勉強してほしいからです。

また、大学選びも、頭のいい友人たちから知的な刺激を受けたり議論をしたかったら、クイーンズランド大学などのトップ大学に行けばいいし、素朴で優しい友だちたちと時間を過ごしたければ、地方国立大学みたいな雰囲気のウーロンゴン大学とかサンシャインコースト大学などを選ぶ方がいいと思ってカウンセリングをしています。いい友人たちと出会うと、成績もよくなっていくというのが、経験上見えてきたし、いい成績をとって、自信を持って卒業することは、その若者にとって大きな財産になるのだと思います。

よく、「自分に合った学校を探したい」という問い合わせを受けますが、それって、「自分に合った人々が学ぶ学校を探す」と翻訳してもいいのではないかと思っています。

第六感で大切なもの

若いうちにはいくつか失敗もすることもあるでしょうが、大人になる過程で、身につけなくてはいけないのが、胡散臭さを嗅ぎ分ける力だと思います。そのためにも、若者は自分の力で旅に出たりして、判断力を養っていく必要があるのだと思います。


昔から、社会に胡散臭い人々はある割合で存在していて、そういう人たちには気をつけておけば遭遇することも被害に遭うこともなかった訳ですが、今では、どこかの国の大統領や、どこかの国の首相は、その国で一番胡散臭い人なのだから、なかなか大変な世の中です。

なぜ、胡散臭さを嗅ぎ分けられなければいけないのかは、人生の歯車が狂っていくきっかけになるからです。自然災害は、残念ながら避けることは難しいですが、胡散臭い会社や人たちに騙されることは避けることができるはずです。おいしい話だなと思ったら、まずは疑ってみることです。あなたには永住権獲得の可能性があると、留学会社に言われたら、その可能性は今まで何パーセントだったのですかと聞いてみることです。

胡散臭い人は、たぶん見れば分かります。話すともっとよく分かります。食事をするとさらによく分かります。留学ビジネスでいえば、そのカウンセラーは会社の売上のためにそのアドバイスをしているのか、あなたのキャリアや人生について最適だと思っているからそのアドバイスをしているのか見極めてください。

世の中が混乱して、荒れてくると、胡散臭さが普通になってしまうかもしれません。そんな時でも、常に自分の直感や判断力を信じて、間違った選択をしないように気をつけてくださいね。

書けるか作れるか

世の中の多くの会社が在宅勤務になり、必然的に働き方改革が行われている会社もあると思います。僕の会社もすでに2ヶ月近くスタッフ全員が家から仕事をしていますが、幾つもの気づきが生まれました。

まずは、勤務時間というものについて。20世紀の工場で従業員を管理するために作られた、労働時間による契約というのは、ほぼ意味のないものになっています。在宅勤務になって、律儀に9時から5時までパソコンの前に座っている人がいたとしたら、僕としてはそんな人はあまり雇いたくない感じです。それよりも、本を読んだり、ベランダや庭でノートに様々なアイデアを書き溜める時間も会社のためなら、それは仕事なんだと僕なら思います。


時間ではない指標で仕事として評価されるべきことは、当たり前のことですが、付加価値を生み出すことで会社に貢献できているかということです。私は言われたことをちゃんとやる業務遂行能力があるので、評価してほしいという人もいるかもしれませんが、残念ながらそんな業務屋さんは10年後には仕事はありません。確実にAIやロボットに替わられています。

ですから留学生やこれから留学を考えている若い人たちに伝えたいことの一つは、クリエイティブなことにチャレンジすることをひたすらやらないといけないということです。もしかしたら、それだけが、今後の予測できない社会で生き残るための重要なスキルになると思うのです。別にアーティストにならなくても、ちゃんとした文章が書けるとか、プログラムが書けるとか、デザインができるとか、商品が作れるとか、ビジネスが作れるとか、自分の得意技を磨いていけるはずです。

何かを生み出すために必要な材料の一つは、今までに経験したことのない世界や、考え方に出会うことです。予定調和を重んじる日本社会にはない刺激を、海外で体験し、ちゃんと考え、何かを作り上げ、発信してみることが大学での勉強と同じくらい大切な留学中のトレーニングになると思います。

WEBサイトでわかるエージェントの信頼性

新型コロナウイルスの影響で、旅行業界と同じように、留学業界も大きな打撃を被っています。何しろ、今は、世界中どこにも留学生が渡航できる国は無いのですから、留学エージェントとしてはほぼ売り上げゼロの日々が続きます。しかし、それは永久に続くことでは無いので、今年の10月ごろ、あるいは来年には、少なくともオーストラリアには渡航できるようになると思います。(日本のニュースではあまり取り上げられませんが、オーストラリアでは、ほぼ感染の拡大はストップしています。)

ということで、これから半年後くらいの留学に向けての問い合わせが来るように、会社のWEBサイトの記事をスタッフが更新しているのですが、その内容と他の競合のエージェントさんたちのサイトの状況を最近はチェックしています。普段は、あまり見ることのない他の会社さんたちのサイトは良い気づきを与えてくれます。


その中で、評判の良い会社と評判の悪い会社の(いちおう、僕のところにもそんな評判は学校経由だったり、お客様経由で届きます。)2つのポイントを見つけたので、共有しておきます。エージェント選びの参考にしてみてください。

まず、評判の良いエージェントは、新型コロナウイルスに関する記事をしっかり載せていたり更新していますが、評判の悪いエージェントさんは、それはさておき、、という感じです。トップページに夏休みの留学をしようとか出しているのは、現実的なマーケティング戦略では無いとは思うのですが、どうなんでしょうね。それよりも、各国の対応状況をしっかりと更新しておくことが重要だと、僕たちは考えています。日本のニュースメディアはオーストラリアの状況をしっかりと伝えていはいないので、少なくとも政府の発表は更新するようにしています。これが1つ目のポイントです。

もう一つはスタッフの顔です。留学エージェントの経営が傾いてくると、残念ながらスタッフは解雇されます。オーストラリアの学校でもこの1ヶ月で何人かのスタッフの方達が辞められました。そんな状況だからこそ、どんなスタッフが残り、どんなスタッフが対応をしているのかをWEBサイトに載せているかどうかは、その会社の経営状況を見極める大切な情報になると思います。

皆さんの大切な留学資金を、留学エージェントの倒産などで失わないように、くれぐれもエージェント選びには気をつけてくださいね。

悪徳エージェントの被害者にならないために

新型コロナウイルスの影響で大きな損害を被っている業界は数多くありますが、留学業界もそのひとつです。オーストラリアも、今夜からしばらく(たぶん2ヶ月くらい?)外国人は入国できませんので、留学がスタートできません。弊社でも、これから入国する留学生たち一人一人に連絡をして、延期にするか中止にするかを確認しています。もちろん、例え中止にされても弊社がキャンセル料などを徴収することもなく、学校から返金されたお金は全て払い戻しをしています。


しかし、この状況が2ヶ月くらい続くと、資金が足りなくなってくる留学エージェントも出てくると思います。過去に倒産した留学エージェントが倒産前にどのような動きをしたかを参考にして、皆さんが留学エージェントの被害者にならないためのアドバイスをしたいと思います。

大きなディスカウントを提供する

留学エージェントは授業料のある割合をコミッションとして学校から受け取ります。授業料は学校が提示した価格を維持しなくてはいけないという契約をしているので、学校がキャンペーン価格などを出している以上に割引をすることは許されていません。それなのに、それ以上の割引を提示してくるのは、資金が、足りていないことを示しています。利益よりも何かの支払いに使える現金が欲しいということです。

半年以上も先の留学なのに入金を急かす。

確かに、今は日本円が高いので、授業料を払うにはとてもお得な時期です。それでも、しつこく入金を急かすような会社は要注意です。多くの場合、そのお金は学校に支払われず、違うことに使われます。急かされたとしても、自分で考えて対応してください。

もし、すでに留学エージェントにお金を支払ってしまっていて、心配であれば、留学する学校に直接連絡して、自分の授業料が支払われているかを確認してみてください。もし、支払われていなければ、すぐ留学エージェントに連絡をしてすぐに払ってもらいましょう。

普段は普通に経営していても、危機になると道を間違える会社や経営者はどんな業界にも存在します。そんな会社の被害者にならないためにも、会社や担当者を評価する目を持ってもらえたらと思います。

なんだかなあ

先日、ある大学附属の語学学校で打ち合わせが終わって、食堂のようなところを通り過ぎようとしたら、日本語が聞こえてきたので振り返ってみると10人くらいの大学生らしき日本人のグループがテーブルを囲んで話をしていました。仕事柄、「日本の大学生?」と声をかけ、彼らと少し話をしました。


聞いてみると、1ヶ月間の語学研修だということで、それに参加することで日本の大学の単位も得られるようでした。

何か困ったことはないか聞いてみると、「遊ぶところがよくわからない」とか「英語が上手くなっている気がしない」ということだったので、たった1ヶ月ではあるけれども、地元のスポーツや趣味のサークルなどに入って、現地の方達と知り合いになったら、英語力もいい経験も積むことができるよとアドバイスをしました。しかし、彼らには、全く響いていないようでした。そうですねと言いながら、その場からは動く感じではありませんでした。外は快晴でとても清々しい午後3時だったのに!

きっと、彼らはあと1ヶ月、放課後はみんなでつるんで「つまんねえなあ」とか言いながら時間を過ごしていくのでしょう。英語での会話力が伸びることもないでしょう。でも、留学の感想文はそれなりのことを書き、単位をもらって、履歴書には留学しましたと書き、就活に活かすのだと思います。

こういう話って、本当に時間やお金がもったいないと、僕の視点では思いますが、彼らにしてみれば、楽勝な単位獲得術で、この仕組みは、もう何年も(何十年も!)その大学では続けられていることでしょうから、彼らの問題ではなく、システムの問題なのです。

僕が言えることは、「留学には一人で行こうね。」

新しい時代のワーキングホリデー

ワーキングホリデーというと、英語力のない方は、最初の4ヶ月の期間に語学学校に通って英語力をつけ、レストランやカフェで働くというのがもう10年?20年?の定番コースです。この定番コースの歴史があまりに長いので、その後のキャリアアップには繋がりにくいというのが現状だと思います。僕たち留学会社も含め、若干思考停止になっていた気がします。

しかし、まだまだ数は少ないですが、最近は新しいタイプのワーキングホリデーの若者たちがやってくるようになりました。日本の企業などとインターネットを通じて働ける、フリーランスのような人々です。朝から語学学校に通い、放課後に少し休んだら、ネットにアクセスして仕事を始めて、自分のやるべきことが終わったら、あとはオーストラリアらしくのんびり過ごす。そんなライフスタイルが可能な時代になっています。


うちの会社でも、ご家族の都合でオフィスに来ないで自宅から働いている人がいます。きっと、日本には数多くの若者たちが、オフィスに行かずに、つまりは世界のどこからでも働ける可能性をすでに持っているのかもしれません。

そんな人たちにとって、オーストラリアは生活する場所として、最高の環境だと思います。

まずは、時差がほとんどありません。日本の企業と連絡を取り合うのに、時間を調整する必要はありません。当然ながら時差ぼけも無し。

モバイルのwifiが日本の半額くらいのイメージ。数年前はオーストラリアはネット後進国でしたが、今は、日本よりも安くなった気がします。僕は毎月5,000円くらいで100ギガのプランのモデムを持って旅をしています。

気候が良くて人が優しい!公園のベンチでもカフェでも空気が綺麗な環境でいくらでも仕事が可能です。カフェで仕事してても、店員さんに嫌な顔はされませんよ。(証明済み)

これからの時代、自由に働くことを望み、それを実践する若者たちがどんどん増えていくと思います。どうせ働くなら、海外で、英語も勉強しながら、1年間を過ごしてみたら、日本にいるときとはずいぶん違う価値観を養えると思いますよ。