成長させてくれる環境

今朝、テニスクラブに行ったら20歳のプロを目指している男の子と久々に会いました。ジュニアの時には時々練習していたけどさすがに最近は球のスピードが違いすぎるので、ボールを打ち合うことはなかったのですが、今日は少し話をしました。

最近見かけなかったけど調子はどう?試合に出てたの?と聞いてみると、なんとメキシコの大会に出ていたのだそうです。メキシコを選んだのは、アウエイ感があるから。オーストラリアの若手の選手は国内とアジアの試合には良く出るのですが、南米の試合に出ようなんて普通は考えないそうです。サッカーなどでも分かるように南米・中米には独特の雰囲気がありますよね。


だからこそ、興味があったとのこと。相手は、アジアの選手たちよりもずっとアグレッシブで怖いくらいだったけど、けっこう勝つことができて嬉しいなんて話をしてくれました。彼はプロ選手として生活ができるかはわかりませんが、随分と人間的に成長していました。海外に出て、様々な人種や文化を持った同世代と戦ったり話したり生活をすることは、人間を大きくするとてもいい方法です。

オーストラリアにはアジアだけではなく、世界中から留学生が来ています。(大学に交換留学で一番来ている学生の国籍はアメリカからなんですよ)そんなアウエイの世界で勉強や生活することは必ず皆さんを成長させてくれると思います。

逆境でもクリエイティブにいられるか

海外から日本社会を見ていて、面白いなと思うことの一つは、相変わらず高度成長期を支えてきた方々がけっこう元気で、何事も我慢して根性で乗り切れと言っているのに対して、若者たちはもっと人生は楽しくて遊ぶように仕事をしたり暮らしていけるはず、と年寄りから見れば甘い話で対抗していることです。


どちらも当たってもいるけど、外れてもいるという感じでしょうか。これからの時代、今までの時代とは比べものにならないほど不確定な要素が転がっているわけですから、同じポリシーやコンセプトに固執していてはいけないのだと思います。

僕が思うのは、逆境や踏ん張らなくてはいけない時に、どれだけ強い気持ちを持ってクリエイティブに動けるかが、成功の鍵なんだと思います。僕も含めて、中小企業の社長さんというのは創業時から常に順調だった人はいないと思います。必ず、どこかで苦しい時や踏ん張らなくてはいけない時期を経験しています。その時に、ただ我慢して根性で耐えるだけでは、状況は打開できないし、みんなで楽しく頑張ろうと言っても誰もついてきてくれることはありません。どんなに辛い状況でも、何かクリエイティブなアイデアを考え、それを実行することで会社を救ってきたのだと思います。

創業から10年で9割の会社がうまくいかなくなるということの理由の一つは、逆境の練習ってなかなか出来ないことだと思います。タフな状況を解決していく、たとえその時は失敗したとしても次に活かせるという経験は、本当に踏ん張らなくてはいけない状況になる前に何度か経験をしておくべきです。

若いうちに留学とか、海外で自分で生活をしていくこと、海外じゃなくても自分の快適な世界から抜け出して生きていくことは、大人になってから必ず活きてきます。僕たちの仕事は、そんな若者たちにセーフティーネットを提供しつつ、健全な逆境を経験してもらうお手伝いをしているのだと思っています。

奨学金より大事な戦略

最近、大学進学などに際しての奨学金の問い合わせがとても増えています。留学して勉強はしたいけど、先立つものが無いということで、まさに教育格差は経済格差につながっていることを実感します。

しかし、早くから、将来は海外の大学に行くことを想定して準備を始めたり、勉強を工夫することで、貸与型の奨学金を受けずに、つまりは借金をしなくてもオーストラリアの大学に進学することが可能なので、いくつかアイデアを書いてみます。


親ができること

1)子どもが生まれたら、積立型の貯金を始めること。18年間は216ヶ月、毎月1万円積み立てで216万円、2万円で432万円、3万円で648万円貯まります。(もちろん学資保険などで受取額を増やす方法はあると思います)

2)お金がかかる遊びを日常にしないこと。週末に何かイベントをして、インスタにあげるような生活は、お金持ちの方はどうぞ。でも普通の方は、お子さんのために、図書館か公園に行くべきです。留学生たちを見ていて感じることは、成功している子は本が好きだということです。そして、それは小さな時にできた習慣で、学校の図書室や地域の図書館が遊び場だった子たちです。

留学生ができること

1)海外の大学に行こうと決めたら、その日から英語の勉強をひたすらすること。当たり前の話ですが、大学に進学するために英語学校に多くの費用を使うのはもったいないです。英語は、使えば使うほど上達するので、まずは自分でできることに時間を使いましょう。

2)高校の成績を上げることに集中すること。日本の大学を受験しないのであれば、受験用の塾などに行く必要はなく、ひたすら学校の成績を上げることに時間を使いましょう。例えばオール5であれば、いくつかの大学から返済不要の給付型の奨学金を得ることができます。自分の力で大学に行くなんて、カッコいいですよね。

他にもいくつものアイデアがありますが、これからの日本社会では、企業たちがかつてのムラ的というか学校的な日本的経営スタイルが立ち行かなくなるとともに、海外で学んできた若者たちにチャンスが増えていくと思います。20年後くらいの社会を展望しながら、進路を決めて準備をされることをお勧めします。

予測不能を楽しむ

今月の頭に、夏のオーストラリアから東京にやって来て、約10日が過ぎました。やっとこの寒さにもなんとか慣れてきたところです。

日本に帰ってきて、東京の街の中を歩いていると、「小さな楽しみ」が数多く売られている印象です。かわいい雑貨、おしゃれなスイーツ、様々なファッション、美味しいラーメン屋など、1,000円とか2,000円とかで、ちょっと幸せになれるものを消費し続けていけるのが、きっと日本のいいところなんだと思います。


ささやかな幸せという言葉も、考えてみると日本っぽいし、僕たちはそんな社会や時代でうまく生きていく術を学び続けているのだと思います。

でも、そんな「ささやかな幸せ」や「小さな楽しみ」だけでは、満足できない若者たちが、ある割合で存在します。きっと昔よりはその数は少なくなっているのかもしれませんが、そんな若者たちのまた何割かが、海外での機会(opportunity)を求めて、留学をするのです。

小さな楽しみを求める若者のマインドセットと、留学をする人のマインドセットの違いは、予測可能な世界で安心して生きたいか、予測不可能な世界を楽しめるかの違いです。どちらがいいとか悪いとかという話ではありません。でも、予測できない道を、一歩一歩自分の力で歩いていく方が、一つ一つの場面やその時に考えたことを鮮明に思い出せるので、ここまでなんとか生き抜いてきた僕としては老後の楽しみが貯まっているような気もします。あの時に、違う道を選んでいたら、どうなっていたのかを想像するのも、楽しいですよ。

永住権よりも大切なこと

オーストラリアは、自然も豊かだし、治安も良く、人々も優しく、住みやすい国なので、世界中から永住を目指す人たちがやってきます。それは日本人も同じで、私たちの会社にも永住権を目指すために何を学べばいいかの問い合わせがやってきます。


残念ながら、私たちは永住権などのビザのアドバイスをすることはできませんが、永住権を取得できる環境は毎年のように難しくなっています。僕が取得した10年前とは、大きな違いです。そして、永住権に関する法律は毎年変わるので、今、その職種で永住権の申請ができたとしても、留学して資格を取る数年後には、そのルールがどうなっているかはわからないので、人生においては大きな賭けです。

それよりも、僕がお勧めしたいのは、20代のうちに、小さい会社や事業を経営するスキルと経験を積んでいくことです。マーケティング、商品開発、リーダーシップ、組織運営、経理・財務など、ビジネスに関することは何でも楽しんで働き、経験することで、30代、あるいは40代までに小さな会社を経営できるスキルを身につけることができます。そのための一つの手段として、海外のビジネススクールで学んでみることは価値のあることです。

そのスキルは、これからの時代に大きなアドバンテージになると思っています。日本の多くの小さな優良企業が、継承者がいないという問題を抱えています。そんな会社を手に入れて、グローバルな市場を目指せば、1年の半分を海外で過ごすような生活も可能です。住みたい街に、支店を作れば、出張ではなく、その街に滞在することもできます。

永住権を獲得しても、自分がやりたくない仕事をしたり、常に雇用の不安を抱えるより、20代のうちに世界で様々な経験や学びを積み重ねていくことで、目標とするライフスタイルのためのキャリアが作れていくのだと思います。

成功する問いかけのヒント

小さい頃、学校で習った問いかけとは
「なんでこうなるんだろう?」
ということ。それにうまく答えられる人が成績がいい人であって、いい学校・いい大学に行ける人だ。


テレビを見ていても、「日本経済が停滞する理由」とか「台風の被害が拡大した理由」とか、いつも誰かが何かの理由について話している。そして、僕たちは何となく分かった気になったりしていた。

ところが、大人になって社会に出ると、「なんでこうなるんだろう?」という問いかけは、ビジネスの世界ではほとんど意味がない。ずーっと理由を説明している人は出世できない。高度成長期にはそれでも生きていけた人もいるけど、これからの時代は残念ながら、そのような人にチャンスはない。

大人になってから必要な問いかけは、
「どうしたら、もっとうまくいくんだろう?」
ということ。

「何で売上が増えないんだ!」と怒鳴る上司に未来はなく、「どうしたら売上が増えるんだろう?」と意見を聞いてくる人たちがいる会社を選ばなくちゃいけない。もし、微妙な会社に入ったとしても、みんなで「どうしたら、もっとうまくいくんだろう?」と語り合うことで、会社の文化は驚くほど変わっていく。

理由を探すマインドセットを壊すこと、これがビジネスの世界で成功をしていく最初の一歩だと思います。

個人情報は大切に

先日、あるお客様に、なぜうちの会社を選んだのかを聞いてみました。その方は、最初に留学資料一括請求サイトのようなところに問い合わせをしたそうです。ところが、その瞬間から電話や連絡が様々な会社からやってきて、収拾がつかなかったそうです。このサイトに連絡すると、このようなことが起きるということが分かり、以降は連絡に回答しないで、弊社のサイトに問い合わせをしたそうです。


世の中には、このような資料請求を一括して行うサイトがいくつかあって、このビジネスモデルは、僕がこの業界に入った10年前にも存在していたように記憶します。問い合わせした人の個人情報や問い合わせ内容を見て、そのサイトに登録した留学会社がお金を払ってその問い合わせを買い、問い合わせをした人に連絡をするという、個人情報保護の観点から大丈夫なのかと心配になるようなビジネスモデルです。

僕が見たサイトでは、個人情報について、他の会社に渡すことに問い合わせ者は同意するという内容の規約になっていました。その会社としては、責任は回避してる感じなのですが、実際、個人情報を渡した先の会社の個人情報の扱いについては触れられていないので、そこから先で自分の個人情報がどのような扱いになっているかは、それぞれ確認しないといけないようです。これだけ個人情報保護に厳しい時代の今でも、そんなビジネスがあり、引っかかってしまう人がいるのは悲しい話ですが、自分の情報を守ることを意識させられるという意味ではいいレッスン?必要悪?なのかもしれません。

世の中には、このような限りなくグレーなビジネスモデルというものが存在しています。正しくビジネスをやっていても、そのような会社に時々足元をすくわれます。結構悔しいわけですが、そんな時は、自分が悪魔に試されているのだと思って、さらに正しいビジネスを極めていこうと思うのです。

迷惑メールをクリックしない

僕の会社では、社内のコミュニケーションツールはSlackを使っていますが、外部とのコミュニケーションは、ほぼ電子メールを使っています。そして、このメールというものの厄介なところは、外部に開かれたシステムであるがゆえに、迷惑メールがひっきりなしにやってくることです。


数日見ないでいると、数百件のメールが迷惑フォルダに溜まっていきます。そして、そのうちの1つくらいが迷惑メールではないので、時々チェックをしなくてはなりません。しかし、優秀なメールソフトのおかげで、そのチェックは1分もかからないわけですが、考えてみると僕にやってくるメールの半分以上が(もしかしたら8割くらいは)悪意のある迷惑メールなのです。

そして、これが今の世の中の現実であり、僕たちはそんな世界で生きていかなくてはいけません。知らない人についていってはいけませんよと小さい時に教わったことはネットの世界でも同様です。「オーストラリア留学」の世界の情報も、プロから見たら怪しげな情報があふれています。最近、気になるのが、どう見てもいけてない学校を「価格が安くて評判がいい」とかって推してる情報。僕たちは、そんな学校とは契約もしないので、そんな情報に引っかかる人が増えないことを祈るばかりです。

僕たちの現地オフィスに、「他の会社の美味しい話に騙されたみたい」と相談に来られても、僕たちが助けてあげられる範囲にも限界があります。美味しい話(格安で質のいい授業とか、永住権が取れるとか、一流企業でインターンシップができるとか)は、まずは疑ってみてください。外国などアウェイな環境で、正しい情報を選び取っていく経験は、これからの時代に必要なスキルだと思うので、意思決定をする前に、様々な人の意見を聞くことをお勧めします。

「自分の人生」の先にあるもの

今、日本社会において、若者たちに対するメッセージとして圧倒的に多いのは、「自分の人生を生きろ」というものです。その文脈からいえば、僕は自分の会社を経営し、その仕事がとても社会的にも意義のあるものだし、オーストラリアのビーチ沿いの街に住み、家から仕事をしたり、旅をしながら経営をして、まさに自分の人生を生きている、成功者のひとりだと思います。僕のようなライフスタイルは若者たちの憧れで、羨ましいと言われることもよくあります。


しかし、このような状況と自分自身が求めている満足感というものはどうも違う感じがするのです。結局は自分以外の人たちをどれだけ助けることができるのか、そこに僕の満足感があり、自分が食べる美味しいご飯や、自分が着るためのおしゃれな服や、自分が運転するための豪華な車とかにはあまり(全く)興味がないのです。そして、この感覚って、ある程度の年代の人には、たぶん共感されるものなんだと思います。つまり、自分のために生き、自分の欲求を満たしていっても、実は結構早くに限界がきて、他人のために生きてく方が満足感が高いことに気づくのだと思います。

自己実現ってそのような満足感や充足感みたいなものからくるもので、最高レベルの欲求とかって言うから、勘違いする人も出てくるのではないかと思います。ということで、僕はご縁のあった留学生たちに出来るだけ多く会って、地道に話を聞いていくことを続けていきたいと思います。

手に職があるとワーホリは楽しい

これからの働き方や仕事についての本や記事を読むと、同じ会社で定年まで安定したサラリーマン人生を歩むことはほぼ不可能、ということが常に書かれているのにもかかわらず、なかなか自分自身のスキルを磨いていこうという人は多くありません。


今、持っているスキルを少しレベルアップするだけで、見えてくる世界は違ってきます。その方法の一つとして、ワーキングホリデーってなかなかいいチャレンジの場だと思います。例えば、日本でバリスタやシェフの経験がある人は、英語力次第でオーストラリアの最先端のカフェやレストランで働ける可能性があります。そして、その経験は、また、さらに新しい世界や人々との出会いを広げて、良いサイクルが始まっていきます。ワーキングホリデーの醍醐味ってそういうところにあるのだと思います。

学生時代にテニスのコーチをしていた、武道が得意、おかし作りが好き、写真が好き、音楽ができる、ビデオの撮影や編集ができる、美容師だった、大工だった、農業をやっていた、プログラムが書ける、手芸が得意、、そんな人たちには、英語力と勇気があればチャンスが広がっていきます。実は勇気の方が大切だったりします。頑張ってみたいという人は、相談してくれれば、何らかのアドバイスができると思います。

でも、得意なことも好きなことも無い人はどうすればいいのでしょう?時間がある人は、焦らず、日本で好きなことを見つけてから海外に飛び出してみましょう。一刻も早く飛び出したい人は、オーストラリアでは、徹底的に英語でのコミュニケーション力を高めることに集中してください。日本人と付き合うのは最小限にして、いつも海外から来た友人たちの中で日本代表として話していると、世界での自分の快適なポジションや強みなどが分かってきます。その強みのようなものを伸ばすことが、良いサイクルを作り出すきっかけになると思いますよ。