英語は日本語の実力次第

滞在期間1年程度の留学生の場合、日本語よりも英語のほうが上手くなったり、英語で語ることのほうが自分らしくなったりすることはないと思います。(長期で海外に住むことで、それが逆転していく人もいらっしゃると思いますが、今回は一般的な留学生の話です。)


ということは、英語力を高めるためには2つのことを考えると分かりやすいです。

ひとつは、日本語とできるだけ同じことを英語で表現できるようにすること。このためには、ひたすら日本語で考えたことを英語でつぶやいたり、書いたりすることです。多くの留学生たちがSNSで日本語と英語の両方で表現していますが、これはすごく良いトレーニングだと思います。これを1年間続けていくと、だんだん日本語と英語の境界がなくなってくることを実感できると思います。また、このようなトレーニングを積んでいくと、自然と英語脳を使って日本語を組み立てる能力(英語に訳すことを前提とした日本語での文章を作るクセ)ができていくので、日本語の文章が論理的になったり、分かりやすくなる副次的な効果もあると思います。

もう一つは、日本語でも英語でもコミュニケーション力それ自体を高めるということ。オーストラリアで会う留学生の多くが、日本語においても大人との会話に慣れていない感じがします。自分の考えていることを、自分の言葉で分かりやすく、かつ魅力的に相手に伝えるという練習をする機会は日本ではなかなかないのかもしれません。ですから、留学する前に英単語を覚えることも大切ですが、日本語でのプレゼン力を高めたり、論理的に話すことも意識してみてください。皆さんの英語でのコミュニケーション力は日本語でのコミュニケーションでの実力次第だということを忘れないように。

こんなワーホリは雇いたい

ワーキングホリデーでオーストラリアにやってくる若者たちの90%(95%?)のマインドセットは、仕事といえば日本食レストランの皿洗いか、クリーニングか、ファームからスタートして、最後にはローカルのレストランで働ければいい、みたいなものです。ツアーガイドとかも含めて、ほぼサービス業での仕事を選択肢として考えているようです。


ワーホリの人たちが日本に帰って、仕事探しに苦労する原因の一つは、このほぼ全員が似たような経験をしてきているということだと思います。海外客をターゲットとした日本食レストランに就職するなら、その経験は活きるかも知れませんが、それ以外の業種であると、他のワーホリの人と同じ経験を売りにしていたら、なかなか魅力的にはうつりません。

僕の会社では、時々ワーホリの若者を各支店のアシスタントとして雇っていますが、条件は3つです。

1) クリエイティブかどうか

文章が書ける、写真が撮れる、ビデオの編集ができる、、、とにかくしっかりと考えたことや感じたことを発信できる才能やスキルや考え方を持っている人はポイントが高いです。

2) 英語ができる

英語学校で少なくとも中上級クラスにいました、というレベルでないとうちの会社での仕事はできません。

3) 人間的な魅力がある

いろいろな経験や苦労をしてきた方は、留学生のサポートをするときに多くの引き出しを持っています。僕みたいなおっさんの説教よりもずーっと強い信頼関係を留学生たちと作ってくれます。

これからの時代、どんな企業もクリエイティブな若者たちを求めています。そのスキルは、チャレンジして失敗して学んでの繰り返しで磨かれていくものです。facebook、Instagram、youtube、blog、、、、個人として発表できる場はすでに整っています。周りと同じワーホリ経験で終わるのか、オリジナルな経験を将来のために作っていくのか、人生の中で大きな1年にしてみてください。

プラン通りには絶対にいかない

留学の相談に来る若者の中で、すごく綿密に計画を立てようとする人がいます。徹底的に情報を集めないと安心できないタイプの人です。スーパーで野菜がいくらで売ってるかとか、ホームステイ先までは交通費がいくらで何分時間がかかるのか。。。こういう人って、ツアーガイドとかが天職になるのかもしれませんね。僕は今まで、旅行のツアーって使ったことがないので、自信を持ってはアドバイスできないけど。


ただ、自信を持って言えるのは、多くの情報を集めて、細かいプランは立てても時間の無駄だということです。

留学やワーキングホリデーが面白いのは、思わぬ出会いや出来事に心を揺らしながらも、自分らしく生きていく事だと思います。だから、3ヶ月で英語がペラペラになって、そのあと日本食レストランで4ヶ月働いたら、車を買ってファームに行って、その後は、、、などのプランを綿密に立てる事は、せっかくの思わぬ出来事に出会う機会を失うことにもつながりかねないのです。

プランを立てると、そのプランが達成されたかが、評価基準になり、それはすなわち予測可能な世界で生きるだけの話です。留学でも人生でも迷った時に、プランに頼るのではなく、直感に頼った方が僕はうまくいくと思ってます。だいたい、人生プラン通りですみたいな人と友達にはなりたくないですもんね。

美味しいカフェの見つけ方

オーストラリアは日本の人々が思っているより、カフェ文化が浸透しています。どの街に行っても素敵なカフェを探すことができ、そこで文章を書くのはとても充実した時間です。(実際この文章もパースのカフェで書いています。)

では、どうやって素敵なカフェを見つけたらいいのか。今日は僕がやっている方法をお教えします。しかし、これはあくまで僕のやり方なので、ぜひオーストラリアにいる人は違う方法があれば教えてくださいね。

僕はここ数ヶ月、豆乳(ソイミルク)を使ったソイラテあるいはソイフラットホワイトを頼むようにしています。それから気づいたのですが、ソイミルクというのは商品によってすごく味が違うので、どのソイミルクを使っているかはそのカフェの味に対するこだわりを測る上でとても参考になるのです。

オーストラリアで売られているソイミルクで圧倒的に美味しくて値段も高いのがボンソイという商品です。オーガニックストアやColesなどのスーパーマーケットでも買えるのですが、普通のソイミルクが1パック3ドルくらいなものがボンソイは5ドル程度します。つまり、ボンソイを使っているカフェは原価が高くても品質を上げることに気を使っている傾向があり、豆の焙煎や牛乳選びもしっかりとしているのではという仮説が成り立ち、今のところその仮説は当たっているような気がします。

ボンソイのサイトはこちら、そしてこのページでは、このボンソイを使っているカフェの検索が出来るので、カフェ選びに困った時は、このサイトを利用しています。そしてここで見つけたカフェはBeanhunterなどのカフェ検索アプリでも評価が高いカフェと一致するようです。

どんなビジネスでも、いい会社は大切なことにしっかりとこだわっていると思います。単に価格を比較するのではなく、そのこだわりのポイントを見極めることは、とても楽しい探検です。

経営って何が美しいかの問題

このビジネスを始めて間もない頃、ある留学会社の方とお話をした時に、「お客様は何もわからないのだから、学校選びをアドバイスしてあげてその対価をいただくのは当然のこと」というアドバイス?コメント?をいただいたことがあります。


それは暗に「お前の会社みたいに、何でも無料とか言って、大したサービスもしてないくせに、業界を荒らされると困るんだよね。」ということなんだろうなあと解釈して、「確かに、そうですね。」みたいな大人の対応をしたことを覚えています。何しろその頃は、本当につぶれそうだったので、それに対して反論をできるような立場でもありませんでした。

しかし、僕の会社は「日本の普通の若者たちができるだけ多く、安心して留学できるインフラを作る」というのが目標なので、学校や大学からの紹介料だけで会社を運営し、お客様には無駄なお金を一切払わせないという美学は譲れない部分で、その美しさは儲けやすいという合理性よりも上位概念だと思ったのです。

美しさを追求していても、会社はやっていけないよという方もいるかと思います。しかし、成功している会社はみんな美しさを徹底的に求めているのではないでしょうか?ここで言う美しさとは、会社の目標や夢に向かって、会社の要素がすべてデザインされていて、何の矛盾もない美しさです。例えば社員を大切にしますと言いながら、サービス残業が普通な会社とかは美しくないわけです。

おかげさまで、今は、どの学校や大学もうちの会社と働きたいと言っていただけるようになり、描いていた会社のイメージに近づいてきました。しかし、面白いのは、この会社やビジネスをデザインしていくことは、終わりがないことです。もっと美しくできないか、いつもチャレンジしていきたいと思います。

2017年のセミナーのテーマ

昨日は、シドニーのナビタス・イングリッシュの新しい校舎で、今年最初の留学に来ている若者たちへのキャリアセミナーを開催しました。学校が移転したり改装したりすると、必ず行くようにしているのですが、今回のナビタスシドニー校の新しい環境は、私立の学校としてはオーストラリアで一番ではないかと思うくらい綺麗だし、眺めもいいし、共有のスペースも広々と確保されているので、きっとこれから人気が出てくると思いました。


今年のセミナーのテーマは、「未来に向けて、留学中に考えるべき5つのこと」ということで、「社会について」「仕事について」「自分について」「幸せについて」「習慣について」という、マクロな視点から始まって、ミクロな行動に落とし込んでいくことを一緒に考えていくような流れにしています。

「社会について」では、これからさらに格差社会が進んでいくと予想される中で、支配する側と支配される側以外のポジションを考えることの可能性だったり、「幸せについて」では、自分なりの幸せの軸を持ち、これからの仕事選びなどの意思決定がその方向性に向かっているかなど、就活を成功させるノウハウなどの一般的なキャリアの話とは随分と違うので、全員に受ける内容ではありませんが、日本を飛び出して生き方を模索している若者たちにはフィットしているようです。

留学は、日本ではない環境で、どれだけ考えることができるかで、成功するかどうかが決まると僕の会社ではアドバイスしているので、これからも日本で凝り固まった価値観を少し揺さぶりながら、一生懸命考えてもらう時間を作り、印象に残るセミナーを続けていきたいと思います。

TPPより地元のおじさん

最近、我が家では、有機栽培をしている地元の農家の野菜だけを扱っているお店の宅配サービスを利用して、ほとんどの野菜や果物を買っています。宅配サービスと言っても、配送業者が指定時間に届けてくれる洗練されたサービスではなく、お店のオーナーがダンボールの箱に詰めて、のこのこ自分の車で届けてくれるという、昔ながらのスタイルです。


実はこのお店、前は小さなオーガニックショップを構えていたのですが、昨年火事にあって、お店の再建ができず、宅配方式に変えたのです。この話を聞いた地元の人たちが多く申し込んでいるようで、うちのアパートにも何人か仲間がいるようです。
この店のオーナーは、サンシャインコースト大学で環境学を教えている講師で、このビジネスに加えて、様々な場所で講演などを行っています。地元の環境保護のリーダーの仲間の農家たちの作物なので、安心して食べられるし、味も濃くて美味しいのです。

誰もがすべてのビジネスは環境によくあるべきだと考えています。しかし、いざ消費者の立場になった時に、価格の安さよりも環境や社会にとっていい買い物ができているのか。なかなか難しい問題です。僕はTPPの行方よりも、この地元の頑張ってるオーガニックショップのおじさんの将来の方がずっと気がかりです。

自分らしく仕事をする

サラリーマン時代に学んだことの一つは、どんな仕事も「自分らしく」することができるというものです。

マニュアルに書いてあるだけのことをするとか、上司に言われた通りにするという範囲を超えて、自分なりの工夫でこれは自分の仕事だと言えるようにできることは、仕事に対する姿勢を変えることができました。それを許してくれた当時の上司や環境に感謝するとともに、すべてのスタッフが自分らしく仕事ができるように、会社の中に余裕を持っておくことを僕自身も気をつけています。


そのような話をすると、「私の部署ではそれは許されない、難しい」という反応をする若者たちにも出会います。確かに、マニュアルに則って、決められた仕事をしなくてはいけない仕事もあるかと思いますが、僕はそんな部署ほど、チャンスがあると思っています。僕は20年以上前、「総務部」に在籍していたことがあります。そこで会社全体の固定資産の管理という、地味な仕事を担当しました(させられました)。20代は商品企画とか会社の戦略とか、そんな仕事をしていた僕にとってはアウエイ感漂う仕事で、本当に何もわからない状況だったのですが、その仕事をどう自分らしく出来るかを考えました。

結果として、当時使用していた随分と古い固定資産管理システムを一新して、macでしか動かないfilemakerというデータベースソフトを導入してシステムを作り直して、生産性をたぶん10倍くらい高めました。おかげで、データベースというものの考え方を20年以上前に勉強することができ、それは今でもすごく仕事に役立ってます。総務部に行かなければ会うことのできない世界でした。

その時のレッスンは「みんな、もっと効率的にしたいけど、自分たちがリスクを取って仕事を変えるのは面倒くさいなと思っている」ということでした。ですから、僕が新システムの提案をすると周りの皆さんはとても好意的に色々教えてくれたのです。自分らしく仕事をすることにこだわることは、実は周りの人にとってもいいことなんだと思いますよ。

快適な未来のためへの投資

会社の業績が安定して成長するフェーズに入ると、会社に貯まっていくお金をどうするかという問題は経営の大きなテーマです。上場企業であれば、そこでさらなる成長戦略をスタートしないと貪欲な株主たちの支持は得られないのでしょうが、株主が僕ともう一人の共同経営者しかいない弊社の場合、他とは違うキーワードで議論をします。


それは「最大化」ではなく「最適化」ということ。

利益の最大化ではなく、無理をしないで獲得した最適な利益かどうか。市場におけるシェアの最大化ではなく、狙ったターゲットを中心とした最適なシェアを獲得できているかどうか。これらを常に自分たち自身に問いかけてきたことが、今のところ成功している要因の一つだと考えています。会社経営の大きなゴールは「強い会社」を作るということです。不況や災害など社会の変化に対応するための体力や戦略を準備しておくために「規模」を求める市場や業界もあるとは思いますが、留学市場はそうではなさそうで、今までに「規模」を求めた多くの会社が失敗し、市場から追放されています。

それは普通に考えれば当たり前のことで、留学は人生にほぼ一度の大きなイベントなので、一人のお客様のLTV(Life Time Value)は限られていて、無理に規模を大きくしても、何度も留学をする人はいないので、無理をする分だけ非効率です。それよりも、質に注目して、人生に一度の留学という経験が素晴らしいものであれば、お客様は口コミや体験談で語ってくれたり、友達を紹介してくれるので、広告費がいらなくなるという効果が現れるのです。

これから5年後も、お客様の全員が価値のある留学を経験し、もちろん出願手続きや現地サポートはすべて無料で、スタッフが余裕を持って目標を達成し、十分な利益を確保できる強い会社であり続けるために、未来の「最適な姿」をしっかりと見据えて、しっかりとした投資と工夫を継続していきたいと思います。

素敵な成分

基本的にはスーパーマーケットには行かず、地元のオーガニックショップで買い物をするようにしています。少し値段が高くても、できるだけ地元のものを消費して、地元の経済に貢献したいからです。ただ、日用品は日本で言うところの「マツキヨ」みたいな格安の薬局などで買っていました。そういうところでもなんちゃってオーガニックみたいな商品はあるので、まあそれでもいいかって感じです。


先日、いつも行くオーガニックショップで何気に石鹸を見たら、成分に「rain water」と表記が。。「雨水」でできた石鹸なんて、何かとてもエコな感じでいいですよね。ということで1個4ドルのこの石鹸を買って試してみたら、少ない量でもすごく泡立ってとても良かったです。ラベンダーの香りと大自然の雨水の香りが混ざって、自然な空気感が漂います。(ウソです。雨水には香りなんてありません、たぶん。)


どこかの名水でできた香り麗しい石鹸か、雨水でできた素朴な石鹸、どちらを選ぶかは人それぞれだとは思いますが、僕は「雨水」をずーっと買い続けると思います。