今年度もありがとうございました

オーストラリアの会計年度は6月末決算なので、今日が2017年度の最終日です。おかげさまで、今年度も業績は目標を達成し、6期連続の増収増益となります。22人の会社としては、十分な利益も出ているのですが、だからこそ、来期は一度立ち止まってすべての「真実の瞬間」を見直していきたいと思います。


WEBサイトの継続的な改訂や、セミナー内容をもっと役に立つものにしたり、オーストラリアから格安で直接日本に電話できるインフラを整えたりして、さらにお客様との距離を縮めていきたいと考えています。オーストラリアと日本という物理的な距離はこの時代は全く不利ではなく、逆に僕たちがオーストラリアに住んで最新の情報を届けていられるのが圧倒的なアドバンテージになっています。

最近の20代、30代の若者たちと話していて、日本社会では、働き方・ライフスタイルについて新しい(というか当然な)考え方がどんどん浸透していると感じます。それは非生産的な仕事を長時間頑張るスタイルから、生産性を高めて人生を楽しむスタイルへの転換ということです。

オーストラリアという国で、半年、1年、あるいは数年勉強しながら暮らすという経験は、きっとその新しい価値観のライフスタイルの構築に役立つと思います。ワークかライフかのどちらかを選ばなくてはいけないワークライフバランスではなく、ワークもライフも楽しめる世界がオーストラリアにはあると思うので、明日からの新年度も多くの若者たちにそんな話をしていきたいと思います。

今年度もお世話になりました。ありがとうございました。

何やってんだよ、俺。

18歳の時、日常生活には何の支障もないのに、テニスをちゃんとしたいがために、肩の手術をしました。麻酔から覚めて腫れ上がった肩の痛みに耐えながら、眠れない、何も食べれない夜を過ごしながら「何やってんだよ、俺」とつぶやいたのを覚えています。しかし、その手術のおかげで55歳の今でも、元気にテニスができています。


47歳の時、潰れそうな会社を引き取って、金策に駆けずりまわったり、事業がよくわかってない人に頭下げたり、眠れない日々を何日も過ごしながら、何度となく「何やってんだよ、俺」とつぶやいていました。しかし、素晴らしい共同経営者に出会い、そこを乗り切ったおかげで、今は「オーストラリア留学」のNo1の会社として、成長する喜びを社員たちと分かち合っています。

何度か訪れる 「何やってんだよ、俺」 という時がなければ、僕の人生は本当に退屈だったのかもしれません。後戻りできないところから復活していくことがドラマだし、たった一度の人生なら、ドラマであって欲しいと思うのです。

55歳になっても、テニスの試合を2日間で9試合もやって、帰りの運転中に全身がつって、車を停めてのたうちまわっている時に「何やってんだよ、俺」と何度も叫んだりしていますが、これから60歳になり、70歳になっても、「何やってんだよ、俺」と言ってたいし、そんな状況を楽しみながら、最後まで突っ走っていきたいと思います。

おっさんでは住みにくい社会

今日は55歳の誕生日でした。

オーストラリアに住みだして6年が過ぎようとしています。これだけ離れていると、日本の学生時代の友人たちとも年に1回くらいしか会わないので、僕には日本の55歳がいったいどんな感じなのか想像ができません。まだ子育てが終わってなかったり、定年までの年数を考えたり、健康について考えたり、きっと20代の時に比べて一人一人がそれぞれ違う生き方や考え方をしているのだと思います。


それでも、自分の誕生日に「同世代はどうしてるんだろう?」とかって考えるのは、日本社会が「同い年」というものを常に意識させることに僕も慣れている証拠なんだと思います。中学や高校の時の部活などでの「自分たちの代」とか「先輩たちの代」とかいう考え方や、新卒一括採用での同期入社とその中での出世競争とかっていう世界は、オーストラリアではたぶん理解されない文化の違いです。

オーストラリアでは、年齢を聞かれることもないし、年齢が高い方が絶対的に偉いということもないので、年功序列で生きてきた日本の年寄りにとっては、もしかしたらタフな世界かもしれません。だからこそ、55歳の僕にとっては若い人々と仕事をしたり遊んだりするために、いつもチャレンジしていなくてはいけないのです。おっさんにならず、ちゃんとした大人でいなくてはいけないこの国での生活は修行みたいで、僕は結構気に入っています。

いい大学に行こうよ

世界の大学ランキングって2つくらい有名なのがあるのですが、そのうちの1つのQSランキングが先週発表になりました。

こちらのサイトでそのランキングが確認できるのですが、世界で1,000位まで名前が出ています。ということは、その1,000位までが、まあまあいい大学だということなのでしょう。


面白そうなので、日本の大学とオーストラリアの大学を比較してみました。

100位まで
日本:東京大学、京都大学、東京工業大学、大阪大学、東北大学(5校)
オーストラリア:オーストラリア国立大学、メルボルン大学、ニューサウスウェルズ大学、クイーンズランド大学、シドニー大学、モナッシュ大学、西オーストラリア大学(7校)

300位まで
日本:名古屋大学、北海道大学、九州大学、慶応大学、早稲田大学、筑波大学(6校)
オーストラリア:アデレード大学、シドニー工科大学、ニューカッスル大学、ウーロンゴン大学、マッコーリー大学、クイーンズランド工科大学、RMIT大学、カーティン大学、南オーストラリア大学、ディーキン大学(10校)

600位まで
日本:広島大学、神戸大学、東京医科歯科大学、一橋大学、千葉大学、岡山大学、横浜市立大学、金沢大学、熊本大学、長崎大学、大阪市立大学、東京農工大学(12校)
オーストラリア:タスマニア大学、グリフィス大学、ラトローブ大学、ジェームズクック大学、スインバーン大学、ボンド大学、マードック大学、フリンダース大学、キャンベラ大学、西シドニー大学(10校)

1000位まで
日本:岐阜大学、鹿児島大学、首都大学東京、新潟大学、大阪府立大学、上智大学、東京理科大学、群馬大学、名古屋工業大学、山口大学、横浜国立大学、青山学院大学、同志社大学、九州工業大学、明治大学、お茶の水大学、立命館大学、埼玉大学、信州大学、東海大学(20校)
オーストラリア:セントラルクイーンズランド大学、チャールズダーウィン大学、ビクトリア大学、エディスコーワン大学、サザンクイーンズランド大学、オーストラリアカソリック大学、チャールズスタート大学、サザンクロス大学、ニューイングランド大学、サンシャインコースト大学(10校)

世界ランキング1,000位まで、日本の大学は43校、オーストラリアは37校が入っています。日本、頑張ってますね。ただ、ここで日本の大学が全部で何校あるか押さえておきましょう。日本の大学数は2014年の数字で781校、そのうちの世界ランキング1,000位以内の43校は日本全体の6%にあたります。オーストラリアの大学数は40校なので、世界ランキング1,000位までの大学が占める割合は92%。つまり、日本の90%の大学は世界ランキング1,000位圏外、オーストラリアの大学の90%は1,000位圏内ということです。うーん。

オーストラリアの大学は、英語力と日本の高校の成績で入学の査定が可能で、私たちの経験では、ほとんどの日本の高校生は英語力さえつけてくれれば、オーストラリアのどこかの大学に入学できています。海外への大学進学が、一部のエリートやお金持ちのためのものではなく、日本の普通の高校生にとっても当たり前の世界になることが、日本の社会を良くしていくための大切なステップになると僕たちは考えています。

オーストラリアの留学業界における2極化

オーストラリアにとって、海外から多くの若者たちがやってきてくれる教育ビジネスはとても重要な輸出産業です。最近は、アメリカやヨーロッパが不安定な環境になっている影響で、オーストラリアを留学先として選ぶ人が増え、僕の会社も毎日多くの問い合わせをいただいています。


問い合わせをいただくのは、留学生からだけではなく、月に2回くらい、今まで契約のない新しい学校から連絡があり、エージェントにならないかというお誘いをいただきます。市場が拡大している理由からか、学校ビジネスに参入してくる人々も多いようです。そういう学校にとって、エージェントの質などはどうでもいいので、とりあえず多くのエージェントと契約をして、販路を広げたいというのが最優先のマーケティング戦略なのでしょう。

うちの会社の場合、最終的には僕がその学校に訪問して主要な方とお話をしたり、授業などを見学して、日本市場に提案できる感触を持てた時のみ契約をしてその学校のエージェントになります。最近では、なかなかそのような学校に出会わないので、契約数はそんなに伸びていません。売れるイメージ(つまりは留学生たちがハッピーなイメージ)がわかない学校といくら契約しても、学校にも留学生にもご迷惑をかけてしまうので、契約は慎重に行っています。

私たちのような会社がある一方、新しい学校との契約を積極的に行っている留学エージェントもあります。契約数一番をうたっている会社や、新しいエージェントの場合なかなか大手の学校との契約が難しいので、新規の学校と簡単に契約することで、売れる学校数を増やすためです。

オーストラリアの学校の留学手続きを行っている留学エージェントの数は100くらいあるかもしれませんが、そのエージェントが契約している学校の質や数は、そのエージェントによって随分と違っているのだということを理解して、相談をされるといいと思います。

ワーキングホリデービザを使うタイミング

先日、オーストラリア政府の発表で、ビジネスビザを取得するための職種のリストの見直しがされて、以前よりも申請できる職種が少なくなったり、ビジネスビザの期間も4年間ではなく2年間の職種が増えたりして、ビジネスビザの取得というものが難しくなっています。また、ビジネスビザを申請するにあたり、2年以上の経験が必要という条件も追加された職種もあるので、経験を積む方法も戦略的に考えておかなくてはいけません。


そのような状況の中で、ワーキングホリデーで自由に働ける1年間の意義というものが重要になった気がします。

将来、オーストラリアで就職したいとか、永住権もチャンスがあればチャレンジしてみたいという方は、そのワーキングホリデーでの1年の経験が条件を満たすために必要になってくるかもしれません。例えば、オーストラリアの大学を卒業して、2年の滞在ビザを取得できても、就職活動が長引けば勤務期間は短くなってしまうので、ワーキングホリデービザで、ビザ申請のための経験期間を補う必要が出てくるのです。

ですから、今までのように、英語が初級でも海外経験をするにはワーキングホリデー!と安易に考えないで、すでに身につけた英語力やスキルを発揮するためのチャンスとしてワーキングホリデービザを使うという選択があることも、留学を考えている若者たちには伝えていきたいと思います。一生に一度しか使うことができない、かつ何でもすることができるワーキングホリデーというカードをどのタイミングで切ればいいのか、それぞれのお客様のニーズに合うようにアドバイスをしていきたいと思います。

抜け出したいモチベーション

先日、週末にゴールドコーストでテニスの試合があったので、1泊する必要があり、プライベートだし、僕一人だし、小綺麗でリーズナブルなモーテルを予約しておきました。サンシャインコーストから約3時間のドライブをしてそのモーテルに着いたら、受付の人が、「あなたの部屋に昨晩泊まった年配の人が転んで怪我をして、動けないので、もう1泊することになったので、申し訳ないけど近くのモーテルに部屋を取ったから、そっちに行ってくれます?」ということで、もちろん僕は構わないですよと答え、3軒隣のモーテルに移動しました。


しかし、そこはどう見てもランクが2つくらい低く、隣の部屋の前ではタバコを吸っているおばさんが2人で大声で話してるし、部屋は薄暗いし、ハンガーは針金だし、、久々に犯罪の匂いもするような部屋に泊まることになりました。若い時には、お金がなくてそんな場所に泊まったことも何度かありましたが、その時の記憶が蘇りました。そんな時、「絶対、将来はこんなところに泊まらないで済むようにしよう!」みたいなことを考えていました。

人より金持ちになりたい、人より美味しいものを食べたいみたいなハングリー精神が、モチベーションにつながる時代は随分昔に終わった気がしますが、嫌な場所や耐えられない環境から抜け出したいという欲求はまだまだモチベーションにつながっていくのかもしれません。窮屈な社会や窮屈な環境から抜け出すためのきっかけをオーストラリアへの留学に求める人たちにも多く出会います。新しい環境で、どのように生活を始め、いい人間関係を構築していくかをアドバイスするのは、実際に現地でそれを経験してきた僕たちにしかできない仕事だと思っています。

英語を加えてみる

周りの人もやってるし、これからの時代英語くらい話せなければチャンスを得られないと思って、英会話学校に行ったり、留学する人たちがほとんどです。つまり、自分に足りてない英語を学ぶことで、他の人たちに追いつきたい、並びたいという戦略です。そういう人たちをターゲットに、英語業界は「英語が話せないと将来いい人生は送れませんよ」と不安をあおります。


そうではなく、今の自分に英語が加わったら、どれだけ魅力的になるかをイメージすべきなんだと思います。日本で営業が得意なら、英語が加われば海外の営業ができるかもしれないし、日本でマニュアル作りなどの文章を書くのが得意なら、翻訳のコースなどで学べば、世界で読まれる文章を書く人になれるはずです。

みなさんがすでに持っている素敵な才能、得意なスキル、興味のある世界に「語学」を加えてみたらどんな世界が展開していくのか、想像すると楽しいですよね。留学に出かけるモチベーションはそんなポジティブなものだと留学中にくじけそうになっても頑張れると思いますよ。

趣味を作ってから留学しよう

オーストラリアに留学している人たちから必ずと言っていいほど聞かれる質問のひとつは、「どうやって現地の人たちの知り合いを作るか?」というものです。


そして、必ず僕が答えているのは「趣味のサークルなどに入れば、すぐに見つかるよ。」ということです。僕の話で言えばテニスをオーストラリアに来てからまた再開したことで、本当に多くの友人ができました。クイーンズランド州で、気合いを入れてテニスしている50代のおじさんたちはほとんど知り合いで、試合に行けばみんな友達で、今日は勝った、負けた、みたいな10代の時のような楽しさがあります。もちろん、地元のテニスクラブの友達からは、ほぼ毎日テニスのお誘いがやってきます。テニスという趣味がオーストラリアでの人生を本当に豊かにしてくれています。

ところが!

多くの留学生たちは、「たいした趣味が無いんです。」ということらしいのです。日本では、休みの日は友達と出かけて、買い物したり食事したりすることが十分に楽しいので、それ以外に時間を使ってこなかったことにも確かにうなずけます。とは言っても、オーストラリアに来て、趣味なくしては地元の人たちと友達になることはほぼ不可能だと思います。

別にプロ並みに上手い必要もなく、命かけてます!という気合もいらないので、何か海外の人たちと楽しめそうなことを日本にいる間に準備してみてください。そして、留学する街で、その趣味のグループについて検索すると、(例えば Yoga+Gold Coast+Free Lessonなど)、きっとコンタクトしたい人々の連絡先やイベントが探せると思いますよ。

最初が肝心

オーストラリアのビジネスでは、最初のミーティングでどのような関係が築けるかがとても大切です。日本のように、まずは名刺交換してご挨拶だけでも、みたいな時間のかかる関係づくりよりも、初めて会ったその日から信頼関係を築くことを目標にしたほうが文化に合っているようです。では、どのようにしたら良いのでしょうか。


オーストラリアではmateshipという言葉の通り、一緒に働く人たちはみんな友達という雰囲気があります。ですから、無理に自分を飾ったり、舐められないように偉そうに振る舞ったりするのは逆効果です。それよりも、正直に自分を見せていくことが成功につながっていくと思います。

僕がこのビジネスに入ってまだ間もない頃、ブリスベンにあるラングポーツという語学学校のオーナーの方が当時の日本の新宿にあった小さなオフィスに訪ねてきたことがありました。その学校はオーストラリアのトップの学校としていつも表彰されているような語学学校で、きっと小さな留学エージェントの新しい社長を品定めに来たのかもしれません。僕は、まだ業界のこともあまりよく分かっていなかったので、特に何か議題があるわけでもなく、ミーティングが始まりました。

はじめに、学校の概要やプログラムなどについての説明があり、「何か質問は?」と聞かれたのです。

僕は前職がベルリッツという語学学校の経営だったので、「クオリティを維持するために気をつけていることはどんなことですか?」という質問をしてみました。それは純粋に僕が知りたかったことで、オーストラリアの語学学校ってどんな経営をしているのかに興味があったのです。

しかし、その質問に彼は驚いたようでした。「日本のエージェントで、コミッションの率など、お金の話をしなかったのは君が最初だ。」ということで意気投合し、それ以降も語学学校やエージェントの経営について語り合う機会も多く、この業界やビジネスを学んでいく過程においていつも助けてくれました。彼にとって、クオリティはビジネスの本質であり、それについて最初に質問をしたこの日本人は信頼すべきと判断したのでしょう。

それ以降、クイーンズランド大学やメルボルン大学などの名門大学との契約交渉もこの正直作戦で乗り切り、現在は23の大学と契約を結んでいます。オーストラリアの教育ビジネスは、変な小細工や根回しも必要なく、素直に自分を表現しながら交渉していけるので、僕にとってはとても楽しくやりがいのあるフィールドです。