留学相談はオンラインの方がいいよ

週に1人くらい、留学エージェントと契約してしまったのだけど、何か違う気がする、これでよかったのかどうか?みたいな問い合わせがやってきます。契約してしまったら、その契約書に何て書いてあるのかを調べないといけないのですが、世の中の契約書って、大事なことを分かりづらく書いてあるんですよね。ちなみに、うちの会社の規約は超シンプルで、お金を払わない限り(つまり申込時点では契約ではない)契約をしたとはみなさず、申し込みをしても考えが変わったらキャンセルができます。でも多くの会社では、申し込みをした瞬間に契約が成立して、その後に解約しようとすると違約金(キャンセル料)を取るカラクリになっているようです。


だから、多くの会社は、対面でのカウンセリングをして、なんとしてもその場で申し込みをさせるという手法を使います。もう何十年も前から、そういうビジネスってありましたよね。本屋さんで綺麗なお姉さんに声をかけられて、英語は勉強しなくてはいけませんよ、みたいに説得されて英語教材を買わされたりとか、必ず儲かりますとか言われて金融商品を売りつけられたりとか。

そういう業界の営業の人って、相手をその気にさせる技術のプロですから、その人のホームグラウンド、つまりオフィスに行って会議室みたいなところに入ると、もう逃げることは出来ません。手を替え品を替えてあなたにサインをさせるのです。若者って、基本的にいい子が多いので、Noとはなかなか言えないのでしょうね。

そんな状況にならないためにも、オンラインでの留学相談をうまく活用してみてください。胡散臭いかどうかは、顔を見るとわかるでしょうから、実際にオフィスに行かなくても判断はできると思います。オンラインであれば、その場でサインをするということは回避できるので、じっくり考えて、自分のペースで意思決定を進めていってくださいね。

勝ったり負けたり

テニスをやったら、調子のいい日も悪い日もあって、勝ったり負けたりします。負けると少し落ち込みますが、また次の日には、練習をしてもっと強くなることを考えます。

留学カウンセリングをやったら、ときどき、お客様から連絡が来なくなって、他の会社さんで申し込みをしたことが分かったりします。そんな時は、少し落ち込みますが、もっといい提案ができるように、知識を増やしていきます。


そんなふうに、世の中や人生は勝ったり負けたりの繰り返しです。だからこそ、人間的にも成長するし、人格も磨かれるし、人間の幅も広がっていくのでしょう。

でも、世の中には、負けることを絶対に受け入れない人が、稀に存在します。そんな人の中で、ずる賢い人がやることは、自分が絶対に負けない仕組みやルールを作ることです。社会はそういう人を権力者と呼びます。

民主主義とは、どのようなルールを作って権力者を選ぶかではなく、権力者を作らないためにはどのようなルールを作るべきかを考えることなんだということを、子どもたちにはきちんと教えていかないといけないのだと思います。

やり切っていくこと

今週のオーストラリアのニュースで長い時間が割かれていたのが、世界ランク1位の女子テニス選手、アッシュ・バーティーが25歳で引退をするというものでした。今年の1月に開催されたオーストラリアオープンでは1セットも落とさずに優勝して、これから数年はバーティーは圧倒的に強いのだろうなと思っていた中での引退は、人々を驚かしています。お金のことを考えても、賞金だけでもこれから数年間で10億円とか20億円くらいは稼げるはずなのに、なんで今やめちゃうの?というのが多くの人たちが最初に思うことでした。

しかし、彼女にとってみれば、テニスでは目標にしていたことは達成できたので、アスリートとしてではなく人間としてやりたいことに取り組んでいきたいということでした。そんな潔さに、オーストラリア人たちの好感度はさらに高まって、国民みんなが彼女を応援している感じです。


日々は、基本的にやりたいこととやらなくてはいけないことで成り立っています。考えてほしいことは、やりたいことに何を選ぶかとか、やらなくてはいけないことに何を選ぶか、に時間を使うのではなく、目の前にあることをやり切っていくことなんだと思います。大学生なら、卒業するまで勉強をひたすらすればいいし、社会人になったらその仕事をやり切ればいいし、子どもができたら自立するまでサポートするのです。ひとつひとつやり切って、また次のことを頑張っていくことが充実した毎日を過ごす方法だと思います。

そして、やり切ったかどうかは、自分自身が決めることなので、他の人の意見とか目を気にする必要はありません。1年でもやり切ったと思えば、次に行けばいい。中途半端な状態でフラストレーションやストレスをためながら生きていくのは、たった一度の人生の時間がもったいないです。

僕も、経営者という仕事においてのやり切った感がそろそろ出てきました。これから数年で、さらに会社を強くして、かつ経営を次世代の人たちに引き継いでいって、僕は残り少ない人生でやりたい新しいことに(もう決めてあります)挑戦していきたいと思います。

朝のカフェで

平日の朝、始業前の時間は、ほとんど毎日テニスをしているので、カフェに行くことはないのですが、金曜日はテニスの予定を入れることが少ないので、家でコーヒーをいれる代わりに、ちょっとカフェに行きたくなります。今日は、豆も買いたかったので、旅をする前によく行っていたロースタリー(焙煎するところ)に2年ぶりに寄ってみました。

そこはコーヒーを飲むこともできるのですが、カウンターやテーブルは少なくて、ほとんどの人たちはテイクアウェイで自分の好きなコーヒーを買っていきます。僕たちは、アジア系の顔をしたバリスタの人とちょっと話をして、買うべき豆を決めて、店内で飲むコーヒーとクッキーをひとつ注文して、出来上がるのを待っていました。


バリスタの人がコーヒーを持ってきてくれた時に、「どこから来たの?」と聞かれたので、元々は日本からだよと答えたら、やっぱりということで、その方も日本人でした。オーストラリアに10年以上住んでいるということで、英語力も雰囲気もこちらで育ったアジアの人みたいでした。サンシャインコーストの僕が住んでいるエリアは本当にローカルの人しかいないので、日本人に会うのは珍しいのですが(特に男性に)ひとときの日本語での会話を楽しみました。このロースタリーで働き出したのはこの1年くらいだそうで、焙煎もやっているので、フルタイムで働きながら、他の時間は映像の仕事もされているそうです。

思いがけないところで、頑張っている日本人に会うのは、うれしくなったり、心が和らいだりします。愛国心があるからとか、そういうことではなく、やはり同じ土地や文化で過ごしたことがある人には、何かのつながりを感じるのでしょう。

今、国とは何か?民族とは何か?国籍とは何か?のような問題を考えている人たちが世界中にたくさんいると思います。僕やそのバリスタの彼のように外国に暮らす人たちにとって、母国がちゃんとしている、母国がリスペクトされているということが、いかに大切なことであるかを、国を動かす人たちは考えるべきなんでしょうね。

休学留学中に考えると良いこと

最近は、日本の大学生たちから、休学しての留学について相談が増えています。うちの会社としても、これからの時代にどんな休学留学が良いのだろうかという議論もスタートしました。オーストラリアの大学の聴講をしたり、専門学校に通って資格を取得したり、英語力を徹底的に伸ばすなど、さまざまな学びを経験することができます。それ以上に、オーストラリアという国で暮らしてみるということが、きっと人生観に良い影響を与えてくれると思います。自然の中で仲間とのんびり時間を過ごすことなどが、普通になっていくでしょう。


どんな休学留学をするにせよ、1年後には日本に帰って就活について考え始めなくてはいけません。そして、オーストラリアに留学した人たちは、何か日本とオーストラリアを結ぶ仕事ができないかと考えます。そんな人たちにやってほしいことは

「現在日本にあるビジネスで、オーストラリアの市場にも売れるモノやサービスは何か?」

ということを時々考えて、答えをメモしておくことです。別にすごく大きなビジネスである必要はありませんが、安定して利益が出そうなビジネスやサービスにはどんなことがあるのかを考えていく癖をつけることは、社会で成功するためのスキルの一つになります。そして、勇気を持って、そのビジネスを展開している会社に、「オーストラリアに進出しませんか?」と履歴書と一緒に提案をしてみるのです。僕が企業の採用担当者だったら、その提案がイマイチでも、一度話してみようと思うでしょう。


うちの会社のお客様で、そんなチャレンジをしてみたい人には、提案書のサポートもしてあげようと思います。そんな若者に出会えるのを楽しみにしています。

ちなみに、ここ1週間くらいの僕のアイデアはもやし工場の誘致です。オーストラリアで売ってるもやしって日本の10倍くらいの値段なんですよね。せめて一袋1ドルくらいにならないと、、、。もやし工場って作るのいくらぐらいかかるのでしょう。調べてみようっと。

フットワークは軽く

2月に入ってから、サンシャインコーストなんて素敵な名前なのに、今年の夏は雨が続いています。特にここ数日の豪雨のおかげで、洪水が起きている地域もあるようです。連日、ニュースでは水浸しになった町や家の様子を放送しています。コロナウイルスの感染拡大を逃れて、ニューサウスウエールズ州やビクトリア州からこの地域に引っ越してきた人たちも多いのですが、こんなはずではなかったと考えている人たちもいるのかもしれません。


そして、ヨーロッパでは21世紀なのにもかかわらず、普通の人たちからすれば全く合理的な理由のない戦争が始まっています。何十万ものウクライナの人々が、安全を求めて移動をしています。もう何週間も前から、戦争の可能性は伝えられてきたのに、実際に始まらないと動かなかったというのは、多くの人々からすれば、まさかそんなことは起こらないと思っていたからでしょう。

しかし、世の中は、全く合理的ではないし、常識では考えられない人もいっぱいいるし、危機はしょっちゅう、こちらの都合など関係なくやって来ます。それに対して、どうやって翻弄されずに生きていくかは、フットワークを軽くして、いつでも逃げたり、方向転換できたりする能力やスキルを身につけておくことなのかもしれません。

大切なものだけを持ち、大切な人とだけ付き合い、1年くらいは生きていけるお金を持って、旅のような人生を送っていくことも、これからの選択肢の一つになっていくのでしょう。若い時に留学をするのは、そんな人生を送るためのスキルも養ってくれると思います。

人がオフィスに代わっていく

急激に増えている問い合わせのおかげで、オンライン相談を僕も担当するようになって、色々な気づきが生まれます。例えば、オフィスの意義について。うちの会社はオーストラリアの6都市と東京にオフィスを持っています。国境が閉じてからの2年間、部屋のサイズを小さくしたりしてコストダウンには努めましたが、物理的に部屋はキープしています。でもリモートで働くことが普通となった現在の稼働率は3割にも満たない感じです。


オフィスで留学生たちと会えなくなっても、電話やチャットで連絡を取り合ったり、カフェでお茶をしたり、時々はやっぱりオフィスで会ったりしながらサポートをしています。そして、サンシャインコーストに住んでいる僕も、留学生たちの入国に伴ってお茶をしたり先輩を紹介したりと、サポートに時間を使っています。サンシャインコーストにはオフィスはありませんが、僕という人間がオーストラリア第7のオフィスをやっている感じなのです。そして、僕が住んでいるからかどうかは分かりませんが、サンシャインコーストには大学や語学学校が一つずつしかないのにもかかわらず、年間に20人以上の留学生たちがやってくるのです。

人がオフィスの代わりになっていくなら、まだ、僕たちの会社が進出をしていない、キャンベラとかタスマニア州のホバートなどは、毎年20人、30人くらいの留学生が訪れる可能性がある街なので、オフィスを持たなくてもそこに住みたい人を雇っていくことも検討できるかもしれません。

頼りになる大人が、その街にいて、留学生のサポートをしてくれる。頼りになるスタッフが、その街の教育機関とコミュニケーションを密にとって、マーケティングを成功させてくれる。僕たちのビジネスの目標はとてもシンプルなので、オフィスをどこに置くかということを考えずに、これからの戦略を考えてみたいと思います。

アンテナは磨ける

僕の生活って、仕事とテニスで成り立っていて、仕事をしていない時はほぼテニスのことを考えている感じです。今年のクイーンズランド州のシニアの試合は今月後半から始まるので、今はシーズン前のトレーニング期間という感じです。昨年末にラケットを新調したので、そのラケットにあったというか、自分にあったストリング(ラケットに張るやつですね)選びに悩んでいるところです。


以前は縦にナイロン、横にポリエステルのストリングを張っていて、それはそれで良かったのですが、ナイロンは切れやすいので、ほぼ毎日テニスをする今の生活だと、1週間くらいで切れてしまい、けっこうお金がかかります。せめて3週間くらい切れない、かつ感触の良いポリエステルのストリングを探し求めてこの2ヶ月くらい試行錯誤を続けてきました。友だちにもらったり、サイトで調べて評価の高いストリングを試してみたり、いろいろ実験をしてみました。

その過程で、面白かったのは、同じ強さで張っているのに、ストリングによって全然違う感触だし、自分が好きかどうかは、ネット上の人々の評価とはあまり関係ないということです。テニス選手にとってストリングというのは、唯一ボールと接触をするものなので、よく飛ぶのかとか柔らかくて手に優しいなどのことも大切ですが、それ以上に打ったボールの情報をちゃんと伝えてくれるかどうかが大切だということが、上達してきて初めて分かりました。打った瞬間に、僕の手のひらを通じて脳や筋肉に多くの情報をくれるストリングと情報がぼやけてしまうストリングがあるのだということがこの2ヶ月の実験の成果です。

僕たちの毎日の生活は、常に何かの情報を受け取って、それに対応していくことの連続です。食べ物だって、人間関係だって、仕事だって、健康だって、そのアンテナを常に駆使しています。そして、そのアンテナは今よりももっと磨けるのかもしれません。ネットの情報は、誰かのアンテナの話であって、自分のアンテナで情報を得ていく練習をもっとしないと、自分らしい楽しみは得られないのかもしれませんね。

未来は続く

オーストラリアの国境が開いてから、急に増えてきた留学の問い合わせがスタッフだけではまわらないので、最近は、なんと僕がオンラインでの相談を担当したりしています。とても久しぶりのことなので、人生相談で終わってしまって留学の話を全然しなかったり、焦らずに数年後に考えた方が良いかもね、みたいに、会社の売上に全然貢献できていない感じです。そろそろスタッフの皆さんから文句を言われそうなので、先に謝ってしまいます。


オンライン相談では、必ず、「どうして留学に行きたいの?」という質問はするのですが、面白いのが「前から海外には憧れがあったけど、今しか行けないから学生の間に行っておきたい。」という答えがけっこうあることです。学生や若いうちにやらなくてはいけないことの一つになっているのですかね。

でも、僕がとても違和感を持つのは、留学から日本に帰ってきたら、もう海外で生活したりする未来はないみたいな考えを多くの若者たちが持っているということです。若者たちにそのように考えさせる日本社会のプレッシャーみたいなのも嫌いですが、自分の未来を限定して考えてしまうのはもったいないですよね。

確かに、すぐに海外で仕事をしたり、生活したりすることは難しいかもしれませんが、生活や仕事で海外とつながり続けていくことはそんなに難しいことではありません。僕は27歳28歳に留学をしましたが、それ以降の30年は最初の10年は10%くらい、次の10年は50%くらい、そして最近の10年は100%海外にいたことになります。別にそれは計画したことでもなく、自分の好きなこと、やりたいことをやっていく中で、海外という場が人生の普通の場所になっただけです。そして、その起点は間違いなく留学をしたことなのです。

未来は先が見えるものではなく、それまでは考えてもみなかったことが起きるのが面白いし、先が見える未来は残念ながらあまりワクワクするものではありません。留学から帰ったら、日本で堅実に暮らす、という未来も否定はしませんが、留学をすることで、さらに皆さんの未来の先が見えなくなり、活躍する場も予想がつかなくなってほしいなと思うのです。

健康な人々という資源

オーストラリアでは、先月のクリスマスを前に人々の移動の規制が緩和されたので、すごい勢いでコロナウイルスの感染が広がっています。国民の90%以上はワクチンを接種したので、重症化になる人たちの確率は低いということで、政府はそのような決断をしたのですが、思った以上の影響が出ているようです。


多くの人たちが感染したり、濃厚接触者になったおかげで、決められた期間働くことができず、さまざまなところで人手不足になっています。農場、食肉工場、運送業、小売業などなど、人手不足のおかげで経済のシステムがまわらず、スーパーマーケットなどでは、品不足になっています。この写真は、僕が住んでいるサンシャインコーストで撮影したヨーグルト売り場のものですが、大都会はもっと深刻なのかもしれません。

こういう現実を見ると、健康な人々というのは、社会を回していく上で、とても大切な資源というか歯車なんだと実感します。ですから、社会として住民の健康を維持するのは、それぞれの人々にとってだけでなく、経済にとっても大きな影響を与えるのだということが分かります。

でも、多くの人々を巻き込んだ大きなシステムを維持することよりも、もっと小さな社会というか経済圏で世の中が回るようにしておくことも、先が見えない世界ではさらに大切になってくると思います。スーパーマーケットが機能しなくても、週に1回のファーマーズマーケットには十分な食べ物が準備されているし、生活に必要なものが少なければ、社会の機能が少しストップしても耐えることが可能です。若者たちにとっては、どちらの経済圏を軸に自分の生活を作っていくかも考えてみるべきです。

世の中の全ての人が自給自足とかオフグリッドで生きていくことはたぶん不可能ですが、今回のコロナ禍でのさまざまな経験は、小さなコミュニティーで助け合える仕組みを構築する必要があることを考え始めるいい機会になったのではないでしょうか。僕たちは、まずは明日のファーマーズマーケットで野菜を買いたいと思います。