季節を選べるメリット

オーストラリアは南半球にあるので、日本と季節は逆になります。これは頭で分かっていても、なかなか不思議な感じです。12月の今は夏到来という感じで、ゴールドコーストは水着の若者ばかり。3年前に移り住んで来た時には、真夏のクリスマスやお正月はとても違和感がありましたが、今は大晦日にTシャツ短パンでカウントダウンの花火を見に行くのが恒例の行事となりました。

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また、オーストラリアは本当に広いので、都市によっても気候はずいぶんと違います。真夏のケアンズは蒸し暑い熱帯の気候ですが、タスマニアは涼しい夏です。こんな環境を上手く使うと、ギャップイヤーの間は自分の好きな季節で過ごし続ける事も可能です。例えば、涼しい気候が好きな人なら、4月から留学をすると、オーストラリアは秋から冬に向かっていくので、東京くらいの冬が好きなら、シドニー近郊。東北くらいしっかりとした冬が好きならタスマニアを選ぶといいです。逆に暖かい気候が良ければ、7月から9月まではクィーンズランド州に滞在すると冬でもそれほど寒くありません。

勉強するには少し寒いくらいの方が集中出来ると思っている僕としては、日本のあの「熱帯夜」に代表される夏の地獄を抜け出して、涼しい冬のオーストラリアに留学しに来てほしいと思います。ちょっと冷たい風が吹くビーチでコーヒーを飲みながら読書するなんて最高ですよ。

人生を変えてくれる人

誰も自分だけの力で生きている人はいないし、自分だけの力で成功した人もいません。どんな人の人生にも、支えてくれた恩人とも呼べる人がいるはずです。
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僕にとっての恩人の一人のLarryさんと10年ぶりくらいに、オーストラリアでお会いする事ができました。彼は25年前に、僕がアメリカに留学するのを受け入れてくれた当時はマサチューセッツ州立大学ビジネススクールのマーケティングの教授。その留学が無ければ、僕は今のような仕事もしていなかったし、海外で暮らすという選択肢を思い浮かべる事も無かったと思います。まさに人生の恩人の一人です。

現在は引退され、アリゾナ州のセドナに住まわれているのですが、シドニー近郊のAvoca Beachに住む友人に会いに来られていたので、僕もゴールドコーストから800キロの道のりをドライブして夕食を一緒にしてきました。1970年からアメリカ人のマーケティングの教授として何度かオーストラリアは訪れていて、オーストラリアが田舎の国から大きく変化していったお話や、引退されてからスタートした新しいコーチングのビジネス(趣味?)などのお話も伺えて、いつものように新しい刺激を得る事ができました。

今の時代は、ソーシャルネットワークを通じて、どんどん友だちが増えていき、それはそれで満足を与えてくれますが、その友だちづきあいに多くの時間を割かなくてはいけない時代です。ただ、人生を変えてくれるのは、ほんの数人の尊敬できる人たちだということを若者の皆さんは知っておいた方がいいと思います。そんな人たちに出会えるかどうか、そのためにはチャレンジを続けていくしかないのです。

語学留学でお金を節約する方法

今の世の中、「お金はいくらでもつぎ込むので、英語を1年間でペラペラにしてください!」みたいな話はありません。みんなアルバイトで貯めたり、親に借りてきた大切なお金を持って留学にやってきます。そして、ほとんどの留学生の目的は就職に役に立つレベルの英語力を身につけたいというものです。
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© Langports


そんな状況で、お金を節約するには、あるいはお金を一番有効に使うにはどうしたらいいか。それは、実はすごく簡単な事で、「基礎は日本で勉強してくる」というものです。例えば、ワーキングホリデーで4ヶ月語学学校に通うとします。基礎を完全に忘れた人が4ヶ月で到達出来るのは、初中級レベル。地元のカフェやレストランなどで働く事は難しく、日本食レストランで日本人とともに働く環境で仕事を見つける事になります。時給も安い可能性が高いです。

それに対して、日本で基礎を復習して来た人は初中級レベルでスタートして、4ヶ月後には中上級レベル。英語の伸びも準備した分だけ早い印象もあります。中上級レベルで日本人的な気が利く方であれば、地元のレストランやカフェなどで仕事が見つかり、時給も良く、さらに英語も伸びて、就職に活きる留学になります。スタートラインがちょっと違うことが、留学の結果に大きな影響を与えるのです。

では、基礎って何をやればいいんですか?という話ですが、教科書とかを読んでいくのはきっと根性が続かないし、忙しいでしょうから、練習問題をどんどん解いていくのが効果的です。中学、高校で習った事を当時使っていた問題集をやり直すのでもいいし、 英検の過去の問題などはネットで手に入るので、どんどんトライしてみましょう。今の時代、お金をかけなくてもいい教材はいくらでもアクセス出来ます。基礎学習にお金を使う必要はありません。お金は、今までに習ってこなかった実践的な学習に使うべきです。

留学の意義は、世界から来た同世代の若者たちと、どんどんコミュニケーションをとりながら、異文化に触れ、人間的にも成長していくことです。英語の基礎を海外で学ぶのは本当にもったいないですよ。

先生と友だちになろう

語学留学やワーキングホリデーのためにオーストラリアに来て、最初のタイミングで知り合いになるネイティブの人は、語学学校の先生、スタッフ、そしてホームステイファミリーです。
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@SACE


その中でも、学校の先生は皆さんの英語力を高めるために仕事をしてくれている人ですから、積極的に友だちになってアドバイスをもらえる環境を作る事をお薦めします。放課後は、そそくさと友だちと学校から抜け出すように早く帰るのではなく、先生に授業中に聞けなかったことを質問をしたり、文章の添削などをしてもらう時間を15分でも作ると、その積み重ねが2ヶ月もするとずいぶんと違ってくるはずです。


留学中に英語を伸ばすためには、何事にもトライする積極性と地域のコミュニティーにうまく入っていくための戦略性が必要です。そんなときに、数少ないネイティブの友人は、地元のネットワークを教えてもらうなどのキーパーソンになります。先生にもっと話しかけましょう。いい質問をしてみましょう。目上の人に礼儀正しく話しかける練習は、とてもフランクなオーストラリアの社会でもきっと役に立つ日がやって来ます。

スタイルを持った話し方のために

オーストラリアに移住して3年が過ぎ、仕事もライフスタイルも安定してくると、さらに上を目指したくなってきます。最近は州政府やトップ大学の方々と仕事をすることも多くなり、もっと英語で自分らしさを表現できるようになりたいと思うようになりました。ビジネスのコミュニケーションとして特には問題ない、意思疎通はしっかりできる、だけど僕らしさというものをもっと表現できたら、仕事はもっとうまく進むのではないかと思うのです。
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日本語では、たぶん僕の話し方はあるスタイルを持っていると思います。それは、50年も生きてきたんだからその結果として表現方法が確立してきたのだと思います。それと同じようなことが英語でも出来るようになるにはどうしたらいいか。ということで、最近やっているのが、自分が格好いいと思う人々のスピーチをYoutubeなどで、何本も集中して1週間くらい続けて見たり、字幕を読んでその人が使う形容詞の傾向を調べてみたりして、スタイルを真似るというものです。動画はいくらでもあるし、人の話し方ってそれぞれ特徴があるので、とても勉強になります。

皆さんも気に入った人がいれば、1週間くらいその人の動画を見たり真似していると、知らぬ間に影響を受けていますよ。ぜひ、試してみてください。

18歳のギャップイヤー

最近、18歳、つまり高校卒業後に海外に出てみたいと言う若者たちからの問い合わせが増えています。理由はきっと人それぞれでしょうが、大学に行く意義についてしっかりと考えてみたいという理由が多いようです。

今までだったら、大人たちは「それは若者に良くある甘えや逃げということだ。つまらないことを考えずに、勉強していい大学に入るのが人生にとって大切なんだ。」と説得していたのだと思います。しかし、最近は大人だってそれが正解だと強く言えなくなってきたので、このような問い合わせが顕在化してきたのではないかと思います。

ただ、欧米の若者たちのギャップイヤーは大学の前に世界を経験する事から、本来はスタートしています。ということは日本の18歳もグローバルになってきたと言う事ではないでしょうか。

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しかし、問題は費用やかける時間に制限があるということ。ワーキングホリデーは人生に一度だけなので、18歳で使ってしまうと30歳までにまた使ってみたくなったときに使えません。

そこで私の提案は観光ビザで3ヶ月、オーストラリアでしっかりと英語の勉強とその後の人生を考えてみるというもの。なぜ、オーストラリアなのかと言うと、世界で一番幸せだと国民が思っている国だからです。進路について考える事イコール幸せや成功について考える事なので、オーストラリアにはそのヒントがあると思います。

高校卒業して4月から7月まで、限られた時間の中でじっくり考えて進路を決めてみる。日本の大学を受験するのでも、オーストラリアの大学に進学するのでも、十分に間に合います。3ヶ月環境を変えて、外から自分を、そして日本社会を見てみる。そんな若者たちと話してみたいなと思います。

 

自分と対話する留学

私たちも反省しなくてはいけないのですが、留学業界というものは「これからのグローバル時代に生き残る人材になる!」とか「グローバルに展開する企業に就職するために」という目標のために留学を勧めようとします。確かに、どんどんグローバル化は進んでいくし、日本企業の世界進出に必要な人材はいつも不足している状態です。しかし、そのようなメッセージと言うのは、日本の経済のことと自分の会社のことは考えていても、留学する若者一人一人のことをちゃんと考えているのかという疑問にぶちあたります。
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留学は日本国のためでも、日本企業のためにするものでもありません。自分が自分らしく生きるために、自分らしく仕事をするために、海外と言うものを経験したほうが視野が広がったり、異文化の中で苦労して自分が磨かれるから行くべきだと思うのです。そして結果的にはその人の魅力度がアップして、就職も上手くいく可能性も高まるし、素敵な出会いにもつながるかもしれません。

就職のために留学をするのではなく、自分を磨くために留学をするのだと考えると、勉強や学校のアクティビティーや海外の友だちとのつき合い方などすべてにおいて違う観点が付加されていきます。もっと余裕が出てきます。自分だけの時間も大切に使えるようになっていきます。留学中、友だちとの時間も大切ですが、それと同じくらい自分の魅力はアップしたのか自分に問いかけ対話する時間も大切だと言う事を意識してみてください。

Why we should choose you

先日、「クィーンズランドでギャップイヤーコンテスト」の最終面接の審査委員をさせてもらいました。ビデオ投稿で選ばれた10名にスカイプで面接をするというもので、ブリスベンの州政府の会議室を借りて、4人の審査委員がそれぞれの立場から英語で質問して、最終選考に残った応募者に英語で答えてもらうという、結構ハードな面接でした。

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まず、最初の質問が
「Please tell us why we should choose you.」
というものでした。つまりは、なぜ私たちがあなたを選ぶべきか話してくださいというもの。このメンタリティーって日本人にはとても違和感があります。応募者の方々も、この質問にはかなり戸惑っていたようです。日本の採用面接でも、「弊社があなたを雇うべき理由をお答えください」なんて質問は無いですもんね。志望動機とか、やってみたい仕事についてなどの質問の準備はしていても、いきなりこんなダイレクトな質問が来るとは、想像できません。

しかし、グローバルな環境で働くのは、こんな違和感を乗り越えていかなくてはなりません。私があなたの組織に入ったら、こんなに貢献できるんだから、私を雇うしか無いでしょ!みたいなメンタリティーの外国人たちとポジションを争いながら、面接を突破していかなくてはならないのです。しかし、一度こんな考え方なんだということがわかれば、結構実力はあるのが日本人。今回も、審査員の方々も日本人の応募者のクオリティーにとても満足していました。

TOEICが何点だとか、マンツーマン英会話でなじみの教師と日常会話が出来るだけでは、グローバルな人材とは言えません。「why we should choose you.」にしっかりと答えられるようになるためにも、海外で修行しなくてはならないのです。

自分らしく生きろと語るために

最近の私の働き方は、オーストラリア6都市と東京にいるスタッフ一人一人と隔週でネット会議を行っているのと、その間の週には出来るだけ出張に出かけて学校の方との打ち合わせに当てています。しかし、出張の時に会うだけではコミュニケーションが密に取れないので、学校の方ともネット会議を試しています。無料のシステムも増え、かつ品質も数年前とは比べ物にならないくらい安定しているので、どんどん世界は小さくなるなと実感しています。

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先日は、シドニーの学校の経営者とネットで打ち合わせをした後に、いきなりアメリカのアリゾナ州に住んでいる私の25年前の留学時代の恩師から連絡があり、ネット会議で7年ぶりくらいにお顔を拝見しました。ビジネススクールのマーケティングの教授だった方が、現在は引退され、同じような引退後の老人たちのカウンセリングやセミナーをする新規ビジネスを立ち上げて、元気にその夢を語ってくれました。

マーケティングのコンサルティングとして、どこかの企業の顧問や社外取締役などには十分になれるのに、70歳でベンチャーを始めてしまうのがかっこいい。「歳をとればとるほど自分の心からやりたいことをやるんだ」と語ってくれた元教授の言葉は、自分の残りの人生についての方向性のヒントを教えてくれました。

若者に「自分らしい人生を生きろ」と語るのであれば、私も70になっても80になっても、チャレンジャーで、アウトローで、謙虚で、頑固で、そしていつも笑っていたいと思います。

純粋に世界と話す楽しみ

「普通の大学生活では就活は勝てない」とか「グローバル人材にならなければ、生き残れない」とか、日本の留学会社とか人材会社のマーケティング戦略は基本的に恐怖を煽って留学とか海外インターンシップとかに行かせようとします。大衆を相手にしなくてはいけないビジネスは、「大衆に入ってないと不安でしょ」というメッセージを発信して、若者の個性の事などおかまい無しに、市場を維持しようとするわけです。

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私の会社は20人の小さな会社なので、大衆を相手にする必要もありません。だから恐怖を煽る必要もありません。オーストラリアに留学に行く意義は「英語」という世界共通語を使えるようになって、様々な国のバックグラウンドを持つ人々とコミュニケーションを取れるようになること。そして、国民幸福度が世界一と言われる国で、自分の将来のライフスタイルについて考えてみることの大きく2つだと考えています。

日本の企業に就職を有利にするためだけの留学なんてもったいない。その企業が20年後にどうなっているかも分からないし、自分の好きな仕事は有利か不利かとかで計れるようものでは無いのです。純粋に、世界の人たちと出会い、語り、成長できる機会を得るために、オーストラリアに来てください。何でも損得で考える人ではなく、そのようなおおらかな人に、未来のチャンスは訪れるのです。