電源も無い生活

休暇でタスマニア島に行ってきました。タスマニア州はオーストラリアの南側に位置する北海道よりも少し小さな島です。今回はホバートという州都を中心に車で1時間程度の山と海の両方の場所に泊まってきました。

今日の話はその山で泊まったエコロッジについて。その小屋は電源もソーラー発電で蓄積したものだけなので、普通のコンセントはありません。ですから携帯もパソコンも充電さえ出来ないのです。もちろんテレビは無し、音楽は備え付けのCDプレーヤーがあり、数枚の地元のアーティストと思われるアルバムがあるだけ。
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そして初日は晴れていたので、こんな感じの山歩きを楽しみましたが
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2日目は終日雨だったので小屋の中で薪ストーブでのんびり本を読むしか無い生活。しかし、それがなんかとても新鮮でした。携帯もメールもつなげないとあきらめがついてしまえば、実は本を読んで、思いついたアイデアをノートに書くことしかすることがないのです。しかし、だからこそ5年後の会社のありかたについてゆっくりと考えることができました。留学生の方だったら、自分の将来についてじっくり考えることが出来るのではないでしょうか。

そんな感じでひっそりとしていたら、パディメロンという小型のカンガルーがやってきて、小屋の前でのんびり草を食べてました。
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そしてカワセミもやってきて、あの笑うような鳴き声を披露してくれました。
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ネットどころでは無く電源も無い世界。1年に2週間くらいはやってみてもいい気がします。オーストラリアの自然を満喫したいですね。

オーストラリアでの週末の過ごし方

日本に帰ってくると東京の実家に滞在しているのですが、週末のその街は買い物客や食事をしに来る人々でごった返しています。また、その人々をターゲットにして、様々な雑貨屋、レストラン、カフェなどが新しくオープンしていて、街がまるで生き物のように発展しています。この活力のようなものが、日本の都市の面白さだと思います。

しかし、すでに3週目にして、飽きてきました。面白い商品は、いろいろあるのですが、お金を払って欲しいレベルのものはないし、ほとんどみんな似たり寄ったりというか、コンセプトが斬新なものはなく、これが売れそうだと思ったらいろんな会社が似たようなものを開発しています。つまりは、ほとんどが売れずにゴミになっていきそうなものばかりです。本屋にも似たようなテーマの本や雑誌がいっぱい並んでいて、紙を無駄にしているという印象しかありません。新しいゴミを作るくらいなら、上質のアンティークショップなどの方がよほど好感が持てます。
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オーストラリアでは、週末に買い物を楽しむという発想はほとんどありません。日曜日の朝にファーマーズマーケットに野菜とフルーツを買いに出かけるくらい。スポーツしたり、散歩したり、テラスのあるパブでビールを飲んだりとリラックスするための時間として週末を位置づけている人が多い印象です。特に家族連れは買い物ではなく、自然の中でピクニックやバーベキューです。どちらがいいライフスタイルなのか、オーストラリアに来て考えてみるのも、留学のテーマのひとつだと思います。

ワーキングホリデーの原点

ワーキングホリデービザは、1年間という期間の中で学校に通う事も出来るし、働くことも出来、自分なりにやりたいことをデザインできるので若者たちにはとても人気の渡航スタイルです。また、多くの体験談などの情報もネットで探す事も出来るので、こんなことがしたい、出来るはずというリストを皆さん作られてきます。
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先日、出張で戻ってきた東京で、充実したワーキングホリデー生活を送ってきた女性と再会しました。彼女の目標はとてもシンプルで、「海外旅行で困らない英語力と度胸をつける」「オーストラリアで行ってみたいところに旅行する」ということです。オーストラリアに来る1年以上前から準備をしていたので、現地でアルバイトをしなくても大丈夫なだけの資金もあり、オーストラリアでも節約生活を心がけていたので、旅行のときはその分お金を使って楽しんだということです。

彼女のそんな話を聞いていると、ワーキングホリデーの原点というのは、日本を飛び出してシンプルなライフスタイルを構築することなのではないかと思いました。オーストラリアの一番の魅力は、都会と自然がうまく融合した街でシンプルな生活ができることだと思います。日本では時間に追われ、情報に追われ、消費することに追われてしまいますが、オーストラリアでは本来であればそうでない贅沢な時間の使い方が可能なはずです。それなのに、ワーキングホリデーのためにやるべきリストを作ってきた人は、あれもやってこれもやらなくちゃ、あー予定通りにいかないとストレスを貯めてしまうのです。

彼女のようにシンプルな目標を立て、オーストラリアの時間の流れに合わせながら、人生を楽しむ術を身につける。履歴書には書けないかもしれないけど、人生に取ってはとても大切な経験だと思います。

バスに乗るか、歩くか。

オーストラリアから出張で日本に帰ってきています。実家に滞在しているので、オフィスまでの通勤が約1時間と典型的な東京のビジネスマン生活をしています。
Raining night, pavement...

By OiMax

昨晩は台風の影響で雨が激しく降り出していて、最寄りの駅から実家まで普段は20分かけて歩くところをバスに乗るかどうか悩みました。雨はさらに激しく横からも降り出してきたので20分歩けばぐしょぐしょになるのは見えています。バスは満員ですが少なくとも濡れる事はなさそうです。

210円払ってあまり濡れずに帰るか、満員バスに揺られるのを嫌って濡れながら20分歩くかの選択です。

合理的に考えるのであれば、つまりクリティカルシンキングを学んでそれをビジネスに活かしている人であれば、さらにいろいろな変数を考慮しながら意思決定をするでしょう。しかし、僕はどんなに合理的であるという答えが出たとしても、満員のバスには乗らず台風の中を歩くタイプです。おかげで、膝から下はほぼ水浸し、カバンを抱えてそれを気にするあまり背中はビチョビチョ。それでも、隣の人とくっつきながら誰も何も話さない空間に15分以上耐えられないのです。

日本社会を飛び出してくる留学生の何割かは、満員バスに乗れないタイプです。そんな若者たちに、雨の中をずぶ濡れになりながらも楽しく歩く方法をアドバイスするのも僕の仕事のひとつです。

オーストラリアでは体を鍛えよう

ゴールドコーストだけでなく、オーストラリアのどの街に行っても多くの人たちがスポーツ・エクササイズを生活に取り入れています。毎朝6時くらいから、歩いている人、ジョギングする人、グループでスポーツ用の自転車でトレーニングしている人たち、もちろんサーフィンをしている人々も多く見る事ができます。
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前の晩に仕事とその後の飲み会のおかげで、朝は5分でも多く寝ていたい東京の社会人たちとは大きな違いです。オーストラリアに来たら、せっかくなので健康的なライフスタイルを経験してみてください。あるいは体を動かすのが大好きな人はぜひオーストラリアに来てください。

特に私のように50歳以上の中高年の人たちの体に対する考え方が、日本とオーストラリアでは大きく違う感じがします。日本では体はいたわるとかケアをするというのが基本的な考え方、でもオーストラリアではみんな好きなスポーツを目一杯やって体を鍛えているのです。やたら元気なおじいちゃんもたくさんいます。私が行っているテニスクラブにも、足は動かないけど打つ球はするどいプレーヤーたちにエースを取られたりロブで抜かれて笑われたりしています。

長生きするために体に悪い事をしないという考え方より、体が動く間はどんどん動いて太く短く生きるという方が、体育会系の私には合っている気がしています。

難民の人々と

オーストラリアの政治問題のひとつに難民の受け入れ問題があります。中東やアジアでの政情不安や迫害から逃れるために、多くの難民たちがオーストラリアに助けを求め、オーストラリアはそれを受け入れてきましたが、これ以降は難民というスタイルでの受け入れはかなり難しくなるようです。しかし、過去に難民としてこの国にやってきた人たちが、社会の一員としてとけ込んでいて、私たちも時々話をする機会があります。特に図書館や教会などで行われている無料の英会話サークルなどには、そのような方たちも多く参加しているようです。
Welcome refugees balloons - Refugee vigil Broadmeadowsby Takver

そんな国から来た人々たちと話をしていると、自分の生まれた国を飛び出さなくてはいけない状況を、否応無く想像しなくてはなりません。生まれた国を捨て、家族と会えなくなるかもしれなくても、新天地で暮らしたい、あるいは暮らすしか道がない、私たちの想像力ではなかなか到達できない世界です。きっと彼らの人生観は私たちのものとは大きく異なり、時間の使い方やお金の使い方、生きている実感というものも随分と違うのだと思います。

留学中に悩んだり、進路の事で心配になったら、英会話サークルにでも顔を出して、様々な国の人と話してみてください。命がけで、オーストラリアにやってきている人にも出会えるはずです。そして、そんな人たちと友だちになってみてください。きっと、多くの事を教えてくれると思います。

ゆっくりした時間

「ぼくがもし、53分っていう時間をすきに使えるんだったら、どこか泉のほうへ。ゆっくり歩いてゆくんだがなあ」と王子さまは思いました。       星の王子さま サン・テグジュペリ 内藤濯訳

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日本の生活からオーストラリアにやってくると、そののんびりした時間の流れに、最初はかなり居心地が悪く感じます。バスに乗るときに運転手とちょっとした話をしている人もいるし、待ち合わせに10分くらい遅れてくる人も必ずいるし、世界で一番時間厳守な日本人にとって、ここで流れているゆっくりした時間は何か日本人が築き上げてきたことを否定されるようで、イライラしている留学生も少なくありません。

また、日本人ほど効率化が好きな国民もいないので、留学中もいつも何かやっていないと気が済まずに、それがストレスになっている人もいるようです。英語も勉強したいし、海外の友達とも遊びたいし、クラブにも行きたいし、バーベキューにも誘われたし、ファームで働くのも興味があるし、いろいろな街にも行ってみたいけど、お金がないからバイトもしないと。。。そんなことを悩んでいるうちに、時は過ぎていき、ますます焦ってしまいます。

しかし、留学やギャップイヤーで大切なのは、ゆっくりと泉まで歩いていくことなのだと思います。

いかに多くのことを楽しんだかとか、どのレストランでおししいものを食べたかを競うのではなく、誰かに話したり、自慢する必要の無い、自分だけの時間を大切にしていってほしいと思います。

ケアンズで日食を見ながら考えたこと

先週は休暇をもらって、ケアンズで皆既日食を体験してきました。私は生まれて初めての経験でしたが、皆既日食の2分間は「見る」というより、不気味に暗くなっていくことを「体験」した時間でした。世界各地からケアンズには6万人の見物客(日食マニア?)が集まって、普段は静かな観光地のケアンズもとても賑わっていました。
Trinity Beach Eclipse

さて、実はこの皆既日食なるものは、毎年2回は地球のどこかで起きているそうです。しかし、それは海の上であったり、人が住んでいない場所であったりして、普通の人々が都市近郊でこのように見える機会は稀なのだそうです。

また、宇宙の時間のスケールで考えると、現在の月の大きさと地球からの距離は皆既日食をみるにはとても恵まれたひとときだそうです。何億年か前はもっと月は地球に近かったし、これから何億年か経過すれば、月は地球から離れすぎて太陽とぴったりと重ならなくなります。
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そんな偶然が重なって初めて見れるからこそ、多くの人たちがその瞬間を体験しに地球の裏側からもやってくるのだと思いました。私たちの生きている時間、場所、環境はほんとうに偶然です。だからこそ、目の前にある機会やチャンスはかけがえの無いものとして、今後もチャレンジしていこうと思いました。

シンプルライフを始めてみる

yes, it *is* kangaroo meat!By Berzowska

海外に行くといっても、旅行と留学とでは大きく違います。旅行ではお土産も含めて、いかにうまく買い物をするかが興味の対象になります。これに対して留学では、同じ街に短くて数ヶ月、長ければ数年間暮らしていかなくてはなりません。いつかは帰ることになる異邦人として生きていくことを考えると、日本にいたときのような買い物はできないと思います。しかし、それはライフスタイルをシンプルにするためのとてもいい機会だとも言えます。

私は人生を幸せにするためのひとつの鍵は、シンプルな生活で満足できるようになることだと思います。消費生活では幸せは得られないことは多くの人が分かっているのに、結局はなかなか消費生活から抜けきれません。最近の若者たちは、私たちのようなバブル時代を経験した世代から見ると、ずいぶんとしっかりとお金の管理をしているようですが、それでも海外での留学生活はシンプルさを極めるにはいい環境だと思います。

オーストラリアの人々は、週末の夜におしゃれなレストランに行くよりも、午後にのんびりとバーベキューで話を楽しんでいます。最初はその時間の使い方に戸惑っていても、しばらくするとそちらのほうがずっと豊かであることが分かります。何を食べたかをfacebookにアップするより、誰とどんな話をして何を感じたかをアップした方が「いいね」は押されますよね。日本人に必要なのはそんな時間の使い方なのだと思います。