スタイルを持った話し方のために

オーストラリアに移住して3年が過ぎ、仕事もライフスタイルも安定してくると、さらに上を目指したくなってきます。最近は州政府やトップ大学の方々と仕事をすることも多くなり、もっと英語で自分らしさを表現できるようになりたいと思うようになりました。ビジネスのコミュニケーションとして特には問題ない、意思疎通はしっかりできる、だけど僕らしさというものをもっと表現できたら、仕事はもっとうまく進むのではないかと思うのです。
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日本語では、たぶん僕の話し方はあるスタイルを持っていると思います。それは、50年も生きてきたんだからその結果として表現方法が確立してきたのだと思います。それと同じようなことが英語でも出来るようになるにはどうしたらいいか。ということで、最近やっているのが、自分が格好いいと思う人々のスピーチをYoutubeなどで、何本も集中して1週間くらい続けて見たり、字幕を読んでその人が使う形容詞の傾向を調べてみたりして、スタイルを真似るというものです。動画はいくらでもあるし、人の話し方ってそれぞれ特徴があるので、とても勉強になります。

皆さんも気に入った人がいれば、1週間くらいその人の動画を見たり真似していると、知らぬ間に影響を受けていますよ。ぜひ、試してみてください。

18歳のギャップイヤー

最近、18歳、つまり高校卒業後に海外に出てみたいと言う若者たちからの問い合わせが増えています。理由はきっと人それぞれでしょうが、大学に行く意義についてしっかりと考えてみたいという理由が多いようです。

今までだったら、大人たちは「それは若者に良くある甘えや逃げということだ。つまらないことを考えずに、勉強していい大学に入るのが人生にとって大切なんだ。」と説得していたのだと思います。しかし、最近は大人だってそれが正解だと強く言えなくなってきたので、このような問い合わせが顕在化してきたのではないかと思います。

ただ、欧米の若者たちのギャップイヤーは大学の前に世界を経験する事から、本来はスタートしています。ということは日本の18歳もグローバルになってきたと言う事ではないでしょうか。

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しかし、問題は費用やかける時間に制限があるということ。ワーキングホリデーは人生に一度だけなので、18歳で使ってしまうと30歳までにまた使ってみたくなったときに使えません。

そこで私の提案は観光ビザで3ヶ月、オーストラリアでしっかりと英語の勉強とその後の人生を考えてみるというもの。なぜ、オーストラリアなのかと言うと、世界で一番幸せだと国民が思っている国だからです。進路について考える事イコール幸せや成功について考える事なので、オーストラリアにはそのヒントがあると思います。

高校卒業して4月から7月まで、限られた時間の中でじっくり考えて進路を決めてみる。日本の大学を受験するのでも、オーストラリアの大学に進学するのでも、十分に間に合います。3ヶ月環境を変えて、外から自分を、そして日本社会を見てみる。そんな若者たちと話してみたいなと思います。

 

自分と対話する留学

私たちも反省しなくてはいけないのですが、留学業界というものは「これからのグローバル時代に生き残る人材になる!」とか「グローバルに展開する企業に就職するために」という目標のために留学を勧めようとします。確かに、どんどんグローバル化は進んでいくし、日本企業の世界進出に必要な人材はいつも不足している状態です。しかし、そのようなメッセージと言うのは、日本の経済のことと自分の会社のことは考えていても、留学する若者一人一人のことをちゃんと考えているのかという疑問にぶちあたります。
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留学は日本国のためでも、日本企業のためにするものでもありません。自分が自分らしく生きるために、自分らしく仕事をするために、海外と言うものを経験したほうが視野が広がったり、異文化の中で苦労して自分が磨かれるから行くべきだと思うのです。そして結果的にはその人の魅力度がアップして、就職も上手くいく可能性も高まるし、素敵な出会いにもつながるかもしれません。

就職のために留学をするのではなく、自分を磨くために留学をするのだと考えると、勉強や学校のアクティビティーや海外の友だちとのつき合い方などすべてにおいて違う観点が付加されていきます。もっと余裕が出てきます。自分だけの時間も大切に使えるようになっていきます。留学中、友だちとの時間も大切ですが、それと同じくらい自分の魅力はアップしたのか自分に問いかけ対話する時間も大切だと言う事を意識してみてください。

Why we should choose you

先日、「クィーンズランドでギャップイヤーコンテスト」の最終面接の審査委員をさせてもらいました。ビデオ投稿で選ばれた10名にスカイプで面接をするというもので、ブリスベンの州政府の会議室を借りて、4人の審査委員がそれぞれの立場から英語で質問して、最終選考に残った応募者に英語で答えてもらうという、結構ハードな面接でした。

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まず、最初の質問が
「Please tell us why we should choose you.」
というものでした。つまりは、なぜ私たちがあなたを選ぶべきか話してくださいというもの。このメンタリティーって日本人にはとても違和感があります。応募者の方々も、この質問にはかなり戸惑っていたようです。日本の採用面接でも、「弊社があなたを雇うべき理由をお答えください」なんて質問は無いですもんね。志望動機とか、やってみたい仕事についてなどの質問の準備はしていても、いきなりこんなダイレクトな質問が来るとは、想像できません。

しかし、グローバルな環境で働くのは、こんな違和感を乗り越えていかなくてはなりません。私があなたの組織に入ったら、こんなに貢献できるんだから、私を雇うしか無いでしょ!みたいなメンタリティーの外国人たちとポジションを争いながら、面接を突破していかなくてはならないのです。しかし、一度こんな考え方なんだということがわかれば、結構実力はあるのが日本人。今回も、審査員の方々も日本人の応募者のクオリティーにとても満足していました。

TOEICが何点だとか、マンツーマン英会話でなじみの教師と日常会話が出来るだけでは、グローバルな人材とは言えません。「why we should choose you.」にしっかりと答えられるようになるためにも、海外で修行しなくてはならないのです。

遠くだけを見る時間

先日、スポーツをするときのために使い捨てのコンタクトレンズを作りにいきました。オーストラリアでは、medicareという国民が皆加入する健康保険の他に、プライベートの健康保険に加入することが推奨されていて、所得税などもその健康保険に入る事で軽減されます。そのような保険では、眼科の治療やメガネやコンタクトレンズを作るのにも費用を負担してくれるサービスがあるので、うまく活用すると便利です。

まずは日本と同じようにコンタクトレンズ屋さんと併設している眼科で視力チェックして、5日分のサンプルを無料でもらいます。1週間後にコンタクトレンズをつけた状態で診察を受けて問題が無ければオンラインで購入して自宅に届けてもらえる仕組み。オーストラリアのサービスとしてはけっこうシステムがしっかりとしていました。

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僕は右目に乱視があるので、昔はソフトコンタクトレンズではうまく矯正できず、スポーツ用といえども微妙な見え方だったのですが、今は完璧に矯正できるのですね。ゴールドコーストの水平線やスプリングブルックの山並みも完璧に見えます。嬉しくて、遠くばかりを見ていたのですが、ひとつ問題が。そうです、老眼のおかげで、近くが全く見えないのです。メガネであれば、本を読むときははずすなどの対応策があるのですが、コンタクトレンズではそれはできません。安い老眼鏡でも買おうかなとも思ったのですが、せっかくこんなに遠くがよく見えるのであれば、スマホも本もパソコンも見ない時間を楽しんだ方がいいのではという結論になりました。コーヒーを飲みながら海を眺めたりしている時間でも今までは、すぐにスマホをチェックしていたりしていたなと気づきと反省をしています。もっと風景を楽しまなくては。

老眼というのは、ちまちまと細かい事に煩わなくていいんだよという神様の贈り物だと考えたいと思います。若者諸君、50になって近くが見えなくなったら僕の事を思い出してください。

小さな観光の街の小さな学校

ゴールドコーストから1200キロほど北に向かったところに、ウィットサンデーというグレートバリアリーフに面した地域があります。エアリービーチという街からは、ハミルトン島やグレートバリアリーフへクルーズ船が運行しています。オーストラリアに住んでほぼ3年になりますが、まだまだ行った事の無い街も多く、今回も初めての旅となりました。

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この街には、オーストラリアで最も古い語学学校のひとつのSACEのウィットサンデー校があります。SACEはSouth Australia College of Englishの頭文字をとった名前で、本校はアデレードにあります。私たちが昨年アデレード支店をオープンしてから、おつきあいが深くなったSACEの経営者に、ウィットサンデーは良いところだと薦められてやってきました。学校も綺麗なビルに入っていて、アットホームないい雰囲気でした。

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この街の良いところは、会う人たちがとてもフレンドリーで、すぐに話しかけてくる事。レストランでも、その店のオーナーが日本での旅行の事や日本企業とのビジネスの話をしてくれたり、マーケットでも息子が表参道に出来たAppleストアで働いているので、日本に行ったらよろしく伝えてくれと、おじさんがいきなり話しかけてきたりして、とても楽しい街です。

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海が好き、ダイビングが好き、小さな街が好き、のんびりと勉強したいという人にはとてもお薦めの場所だと思います。

誕生日に何をするか

今日は52歳の誕生日でした。50歳を過ぎて誕生日もないだろうとは思いますが、SNSの時代は多くの人にメッセージをもらえて、とてもありがたい事です。考えてみれば、若い頃に家族以外に誕生日を祝ってもらうなんてことは無かったし、僕の誕生日を知っている友だちも数名さえいなかった気がします。こんな時代に生まれている今の若い世代は、とても幸せですね。

しかし、せっかくの誕生日ですから自分のためにも少し時間を使う事にします。

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僕は、毎年誕生日にモレスキンのノートを新調します。そこには、このブログのネタ、毎朝社員に書いているメールのネタ、本を読んでいてふと気づいた事などを書くようにしていて、ちょうど1年で1冊が終わるペースがこの数年続いています。今日も2013年6月15日からスタートしたノートを読み返していました。この1年で、出来た事、出来なかった事、ネタは書いたけどブログには書けなかった事、読み返しながらまた新たな思いで1年をスタートできそうです。

現段階でひとつだけ、この52歳のうちにしようと決めている事は、ゴールドコーストから新しい街に住んでみようということ。どこに住むかはまだ決めていません。2年とか3年の間隔で、自分が気に入った新しい街で生活するようなライフスタイルやワークスタイルを実践していく事も、僕の役目なのではないかと最近思っているので、実験台として楽しんでみたいと思います。

大学の授業の中でインターンシップ

日本の大学を1年間休学して、オーストラリアでの大学でも学びたいと思う大学生たちからの問い合わせが増えています。

正規の交換留学だと人数が限られているし、その選考に残るのは難しそうという学生たちにお勧めなのが、大学附属の語学学校と大学授業のパッケージプログラム。もちろん、このプログラムを受けるためにも相応の英語力が必要となってくるので、かなり努力が必要ですが、せっかく休学をするなら世界中の学生たちと大学の授業を受けることも経験してほしいと思います。そして、そのようなプログラムはオーストラリアのほとんどの大学で受講可能なので、提携大学にしばられることもなく、行きたい場所で勉強できるのがメリットです。

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西垣佳奈さんは、1年間の休学の中で、前半はグリフィス大学附属の語学学校で英語力を高めて、後半はグリフィス大学の授業を3科目取っています。そして、そのうちの1科目に地元の企業や団体に派遣されて行うインターンシップを選びました。彼女が派遣されたのが、地元の小学校の創立記念イベントの運営をするという仕事でした。仕事環境は彼女以外全員がオーストラリアのネイティブの人々。よく留学生たちはオーストラリア人の中に入って仕事がしたいと言いますが、実際そんな環境でいきなり仕事をするとなったら本当にストレスです。彼女も最初は会議に全くついていけずに泣きそうだったということです。それでも、少しずつ環境にも慣れ、彼女の意見も聞いてもらえるようになって運営メンバーの一員として認められていく過程は、将来グローバルな環境で働くためにはとても良い経験だと思います。

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そして、そのイベントの当日に私も見学に行ってきました。もっとこじんまりとしたイベントだと思っていたら、校庭には遊園地のようなアトラクションは来ているし、オーストラリア版の屋台も出ていたりして地元の人たちを巻き込んだ大イベントでした。講堂では学芸会みたいなものもやっていて、この雰囲気は国が変わってもとてもいいですね。

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佳奈さんは、くじを引いて、おもちゃなどが当たるブースの担当として、子どもたちや親たちの質問などにしっかりと答えていました。

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大学の授業の一環として、こんな科目があるのはとても珍しく、オーストラリアのコミュニティーを体験するにはお薦めのプログラムです。

自分らしく生きろと語るために

最近の私の働き方は、オーストラリア6都市と東京にいるスタッフ一人一人と隔週でネット会議を行っているのと、その間の週には出来るだけ出張に出かけて学校の方との打ち合わせに当てています。しかし、出張の時に会うだけではコミュニケーションが密に取れないので、学校の方ともネット会議を試しています。無料のシステムも増え、かつ品質も数年前とは比べ物にならないくらい安定しているので、どんどん世界は小さくなるなと実感しています。

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先日は、シドニーの学校の経営者とネットで打ち合わせをした後に、いきなりアメリカのアリゾナ州に住んでいる私の25年前の留学時代の恩師から連絡があり、ネット会議で7年ぶりくらいにお顔を拝見しました。ビジネススクールのマーケティングの教授だった方が、現在は引退され、同じような引退後の老人たちのカウンセリングやセミナーをする新規ビジネスを立ち上げて、元気にその夢を語ってくれました。

マーケティングのコンサルティングとして、どこかの企業の顧問や社外取締役などには十分になれるのに、70歳でベンチャーを始めてしまうのがかっこいい。「歳をとればとるほど自分の心からやりたいことをやるんだ」と語ってくれた元教授の言葉は、自分の残りの人生についての方向性のヒントを教えてくれました。

若者に「自分らしい人生を生きろ」と語るのであれば、私も70になっても80になっても、チャレンジャーで、アウトローで、謙虚で、頑固で、そしていつも笑っていたいと思います。

世界遺産の森を作った山に登る

ゴールドコースト近郊には、SpringbrookやLamingtonなどの国立公園があり、その森は世界遺産にも登録されているとても美しい場所です。これらは、火山で出来たカルデラの縁に当たる部分で、その中心にあるかつては火山の噴火口であったのがMt. Warningです。最後の噴火が2300万年間前という事ですので、随分と古い大地です。
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ご覧のように、とても印象的な形をしているので、ゴールドコーストからバイロンベイなどにドライブする時に必ず探してしまう、この辺りの人々には馴染み深い山です。その頂上ではオーストラリアで最初に日の出が見えるという事で、初日の出を見に登る人たちも多いとか。
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先日、週末をその近くの街で過ごしたので、せっかくだから登ってみることにしました。ちょうど、イースターのお休みの時期だったので、子ども連れも多く、高尾山に来ちゃった感じの人の多さでした。昇りは2時間30分くらい、最後はこんな鎖を伝って登らなくてはいけないので、山登りをした達成感と素晴らしい景色に感動しました。
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ゴールドコーストは、ビーチはもちろんですが、本当に山側もいいです。サーファーズパラダイスでだらだらビール飲んでないで(僕のことか)時間を見つけて、友だちと車に乗って(一人山登りはさみしいです)山に向かいましょう。必ず、新しい視点を発見できると思います。