2014年の目標は「正直に!」

明けましておめでとうございます。

2013年は、おかげさまで会社もさらに成長し、今期は3年連続の増収増益もほぼ確実となっています。5年前に会社を引き継いだ時からは考えられないくらい強く、信頼される会社に成長してきています。私たちのサービスを利用していただいた皆さん、学校関係者の皆さん、オーストラリア政府の皆さん、そして一緒にこの会社を作ってきた仲間たちにあらためて感謝いたします。
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そして私たちは、これからもさらに強く成長していきます。そんなときに、リーダーとしての私の役目はなんなのかをこの年末に考えていました。

思いついたキーワードは「正直に」ということ。今までは嘘をついていたの?ということではありません。ただ、嘘はついていないけど、気を使ったり、空気を読んだり、波風立てないような大人な対応はしていたかもしれません。

今年は、いけてない学校にはいけてないと言い、もったいない時間を過ごしている留学生にはもったいないと言い、もっと成長できるスタッフには新たなチャレンジの機会を作りたいと思います。すべてを正直に伝えるという事は、その発言に対して自分で責任を負うという事です。私たちの会社は、その準備が出来てきたし、私自身にも、このビジネスに入って5年間、「業界」というものに属さないで、自分なりにこのビジネスで大切なことについては誰よりも考えてきたという自信があります。

一人でも多くの若者たちが、オーストラリアでの留学や生活で人生が楽しくなるようなきっかけを得てもらえるように、出会う人すべてとしっかりと向き合っていきたいと思います。今年もよろしくお願いします。

住みたい町に欲しいもの

留学やワーキングホリデーに渡航する際に、最初に都市を決めてもらいます。私の会社のある、シドニー、メルボルン、パース、ブリスベン、アデレード、ゴールドコースト、どこも住めば気に入ってもらえる街なのですが、自分なら住みたい街に何があってほしいか考えてみました。

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カフェ2軒(朝早く開いているところと夜も開いているところ)

ベジタリアンレストラン

パブ1軒

週に一度開催されるマーケット

スーパーマーケット(出来ればオーガニックコーナーもある)

図書館、おしゃれな本屋さん

ジョギングできる眺めのいい場所

きれいな空気、海にも山にも行きやすい。

テニスクラブ

なんと質素なリクエスト。僕にはこれだけあれば十分です。はっきり言ってオヤジ臭いです。しかし、普段の生活において、僕たちの動ける範囲なんてとても狭いものです。こう考えると、オーストラリアには僕が住めそうな街はいくつもありそうです。

これからの時代は、きっと満員電車に揺られて2時間かかる「会社のオフィス」に通わなくても仕事が出来る人がとても増えていきます。そんな時代に自分らしいライフスタイルを作っていくためのヒントをオーストラリアでの生活で探してもらえればと思います。

 

太く短く留学する

ワーキングホリデービザは、1年間滞在が可能なビザです。
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ですから、多くの若者が1年間なんとかオーストラリアに滞在しようとします。しかし、中にはお金の準備が足りていなかったり、英語の力が伸びずにアルバイトを探すのに苦労している間にお金がなくなって、ただ毎日を生き延びるための超節約生活に入る人たちがいます。シンプルな生活を究めるための節約生活ならば、将来にノウハウを活かす事ができたり、日本での就活のときのネタになるとは思うのですが、オーストラリアにいる期間を伸ばすためだけのための節約生活は意味がありません。なぜなら、ワーキングホリデーはオーストラリア滞在期間記録を作るためのものではなく、日本では経験のできない時間を過ごすためにあるからです。

いい時間のためにはお金を使い、見た事の無いような素晴らしいものを見て、会った事のないような人々と出会い、語り、それを自分なりに考えてブログにアップしたりして記録しておく。それが、その後の人生に取ってとても素敵な財産になります。

細く長くオーストラリアに滞在するなんて考え方は止めましょう。太く短く激しく、充実した時間を過ごす事が、日本に帰ったときの就職やその後の生き方に重要になってくると思います。

 

電源も無い生活

休暇でタスマニア島に行ってきました。タスマニア州はオーストラリアの南側に位置する北海道よりも少し小さな島です。今回はホバートという州都を中心に車で1時間程度の山と海の両方の場所に泊まってきました。

今日の話はその山で泊まったエコロッジについて。その小屋は電源もソーラー発電で蓄積したものだけなので、普通のコンセントはありません。ですから携帯もパソコンも充電さえ出来ないのです。もちろんテレビは無し、音楽は備え付けのCDプレーヤーがあり、数枚の地元のアーティストと思われるアルバムがあるだけ。
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そして初日は晴れていたので、こんな感じの山歩きを楽しみましたが
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2日目は終日雨だったので小屋の中で薪ストーブでのんびり本を読むしか無い生活。しかし、それがなんかとても新鮮でした。携帯もメールもつなげないとあきらめがついてしまえば、実は本を読んで、思いついたアイデアをノートに書くことしかすることがないのです。しかし、だからこそ5年後の会社のありかたについてゆっくりと考えることができました。留学生の方だったら、自分の将来についてじっくり考えることが出来るのではないでしょうか。

そんな感じでひっそりとしていたら、パディメロンという小型のカンガルーがやってきて、小屋の前でのんびり草を食べてました。
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そしてカワセミもやってきて、あの笑うような鳴き声を披露してくれました。
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ネットどころでは無く電源も無い世界。1年に2週間くらいはやってみてもいい気がします。オーストラリアの自然を満喫したいですね。

オーストラリアでの週末の過ごし方

日本に帰ってくると東京の実家に滞在しているのですが、週末のその街は買い物客や食事をしに来る人々でごった返しています。また、その人々をターゲットにして、様々な雑貨屋、レストラン、カフェなどが新しくオープンしていて、街がまるで生き物のように発展しています。この活力のようなものが、日本の都市の面白さだと思います。

しかし、すでに3週目にして、飽きてきました。面白い商品は、いろいろあるのですが、お金を払って欲しいレベルのものはないし、ほとんどみんな似たり寄ったりというか、コンセプトが斬新なものはなく、これが売れそうだと思ったらいろんな会社が似たようなものを開発しています。つまりは、ほとんどが売れずにゴミになっていきそうなものばかりです。本屋にも似たようなテーマの本や雑誌がいっぱい並んでいて、紙を無駄にしているという印象しかありません。新しいゴミを作るくらいなら、上質のアンティークショップなどの方がよほど好感が持てます。
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オーストラリアでは、週末に買い物を楽しむという発想はほとんどありません。日曜日の朝にファーマーズマーケットに野菜とフルーツを買いに出かけるくらい。スポーツしたり、散歩したり、テラスのあるパブでビールを飲んだりとリラックスするための時間として週末を位置づけている人が多い印象です。特に家族連れは買い物ではなく、自然の中でピクニックやバーベキューです。どちらがいいライフスタイルなのか、オーストラリアに来て考えてみるのも、留学のテーマのひとつだと思います。

ワーキングホリデーの原点

ワーキングホリデービザは、1年間という期間の中で学校に通う事も出来るし、働くことも出来、自分なりにやりたいことをデザインできるので若者たちにはとても人気の渡航スタイルです。また、多くの体験談などの情報もネットで探す事も出来るので、こんなことがしたい、出来るはずというリストを皆さん作られてきます。
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先日、出張で戻ってきた東京で、充実したワーキングホリデー生活を送ってきた女性と再会しました。彼女の目標はとてもシンプルで、「海外旅行で困らない英語力と度胸をつける」「オーストラリアで行ってみたいところに旅行する」ということです。オーストラリアに来る1年以上前から準備をしていたので、現地でアルバイトをしなくても大丈夫なだけの資金もあり、オーストラリアでも節約生活を心がけていたので、旅行のときはその分お金を使って楽しんだということです。

彼女のそんな話を聞いていると、ワーキングホリデーの原点というのは、日本を飛び出してシンプルなライフスタイルを構築することなのではないかと思いました。オーストラリアの一番の魅力は、都会と自然がうまく融合した街でシンプルな生活ができることだと思います。日本では時間に追われ、情報に追われ、消費することに追われてしまいますが、オーストラリアでは本来であればそうでない贅沢な時間の使い方が可能なはずです。それなのに、ワーキングホリデーのためにやるべきリストを作ってきた人は、あれもやってこれもやらなくちゃ、あー予定通りにいかないとストレスを貯めてしまうのです。

彼女のようにシンプルな目標を立て、オーストラリアの時間の流れに合わせながら、人生を楽しむ術を身につける。履歴書には書けないかもしれないけど、人生に取ってはとても大切な経験だと思います。

バスに乗るか、歩くか。

オーストラリアから出張で日本に帰ってきています。実家に滞在しているので、オフィスまでの通勤が約1時間と典型的な東京のビジネスマン生活をしています。
Raining night, pavement...

By OiMax


昨晩は台風の影響で雨が激しく降り出していて、最寄りの駅から実家まで普段は20分かけて歩くところをバスに乗るかどうか悩みました。雨はさらに激しく横からも降り出してきたので20分歩けばぐしょぐしょになるのは見えています。バスは満員ですが少なくとも濡れる事はなさそうです。

210円払ってあまり濡れずに帰るか、満員バスに揺られるのを嫌って濡れながら20分歩くかの選択です。

合理的に考えるのであれば、つまりクリティカルシンキングを学んでそれをビジネスに活かしている人であれば、さらにいろいろな変数を考慮しながら意思決定をするでしょう。しかし、僕はどんなに合理的であるという答えが出たとしても、満員のバスには乗らず台風の中を歩くタイプです。おかげで、膝から下はほぼ水浸し、カバンを抱えてそれを気にするあまり背中はビチョビチョ。それでも、隣の人とくっつきながら誰も何も話さない空間に15分以上耐えられないのです。

日本社会を飛び出してくる留学生の何割かは、満員バスに乗れないタイプです。そんな若者たちに、雨の中をずぶ濡れになりながらも楽しく歩く方法をアドバイスするのも僕の仕事のひとつです。

オーストラリアでは体を鍛えよう

ゴールドコーストだけでなく、オーストラリアのどの街に行っても多くの人たちがスポーツ・エクササイズを生活に取り入れています。毎朝6時くらいから、歩いている人、ジョギングする人、グループでスポーツ用の自転車でトレーニングしている人たち、もちろんサーフィンをしている人々も多く見る事ができます。
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前の晩に仕事とその後の飲み会のおかげで、朝は5分でも多く寝ていたい東京の社会人たちとは大きな違いです。オーストラリアに来たら、せっかくなので健康的なライフスタイルを経験してみてください。あるいは体を動かすのが大好きな人はぜひオーストラリアに来てください。

特に私のように50歳以上の中高年の人たちの体に対する考え方が、日本とオーストラリアでは大きく違う感じがします。日本では体はいたわるとかケアをするというのが基本的な考え方、でもオーストラリアではみんな好きなスポーツを目一杯やって体を鍛えているのです。やたら元気なおじいちゃんもたくさんいます。私が行っているテニスクラブにも、足は動かないけど打つ球はするどいプレーヤーたちにエースを取られたりロブで抜かれて笑われたりしています。

長生きするために体に悪い事をしないという考え方より、体が動く間はどんどん動いて太く短く生きるという方が、体育会系の私には合っている気がしています。

楽しさはエピソードになるんだろうか

海外留学の目的として、帰国後の就職に活かせるからと考える若者たちは少なくありません。しかし、採用担当の面接官から留学について聞かれたときに、「とても楽しかったです。世界の国に友だちが出来て、英語も困らなくなりましたし、最高でした。」と答えたら、面接官の印象に残るのでしょうか?
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たぶん、残りません。

多くの面接官が聞きたい事は、海外で遭遇する問題や苦労した事を、異文化の中でどのように自分なりに解決してきたかです。そのような、経験こそが入社後の様々な課題に活きるものなのかどうかを面接官は見ています。良く言われている事ですね。

ところが、多くの留学への問い合わせが、自分が簡単に到達可能な範囲で何ができるかを聞いてきます。お金を出来るだけ使わずに、かつリスクは出来るだけ取らずに、楽しく過ごしながら、適当な資格獲得やインターンシップをするためにはどうしたらいいのかという問い合わせがけっこう多いのです。

就職に活かしたいとかキャリアチェンジのきっかけにしたい人に取っては、これは大きな戦略ミスです。これだとあまり苦労もしないかわりに、人に語れるエピソードも作れません。楽しい事は自己満足のために取っておいて、苦しかった事は人に語るために取っておきましょう。苦しくても頑張った経験を笑いながら話せる人が、共感を呼ぶのだと思います。

 

難民の人々と

オーストラリアの政治問題のひとつに難民の受け入れ問題があります。中東やアジアでの政情不安や迫害から逃れるために、多くの難民たちがオーストラリアに助けを求め、オーストラリアはそれを受け入れてきましたが、これ以降は難民というスタイルでの受け入れはかなり難しくなるようです。しかし、過去に難民としてこの国にやってきた人たちが、社会の一員としてとけ込んでいて、私たちも時々話をする機会があります。特に図書館や教会などで行われている無料の英会話サークルなどには、そのような方たちも多く参加しているようです。
Welcome refugees balloons - Refugee vigil Broadmeadowsby Takver

そんな国から来た人々たちと話をしていると、自分の生まれた国を飛び出さなくてはいけない状況を、否応無く想像しなくてはなりません。生まれた国を捨て、家族と会えなくなるかもしれなくても、新天地で暮らしたい、あるいは暮らすしか道がない、私たちの想像力ではなかなか到達できない世界です。きっと彼らの人生観は私たちのものとは大きく異なり、時間の使い方やお金の使い方、生きている実感というものも随分と違うのだと思います。

留学中に悩んだり、進路の事で心配になったら、英会話サークルにでも顔を出して、様々な国の人と話してみてください。命がけで、オーストラリアにやってきている人にも出会えるはずです。そして、そんな人たちと友だちになってみてください。きっと、多くの事を教えてくれると思います。