おもてなしは日本人を弱くする

日本に出張で2週間帰ってきました。成田エクスプレスに乗って東京駅で降りようと、乗る前にコンビニで買ったおにぎりやお茶のゴミをまとめていたら、車内販売の女性の方が「ゴミは私が捨てておきます」ということで、引き取ってもらいました。その方から買ったものでもないのにゴミを片付けてくれる、日本のびっくりするようなサービスの一例です。これを読んでいる方の中には、「そんなの当然じゃん」と思われる方もいるかもしれません。しかし、そんなサービスが提供されるのは世界の中で日本だけです。
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このような日本の素晴らしいサービスは、世界に誇れるもの、世界で売れるものである反面、サービスに対して過度な期待をする勘違いな日本人を増やしているという側面も持っています。つまり、お金も払ってないし、別に契約がある訳でもないのに、周りの人は自分のために働くのが当たり前だという勘違いです。日本人の若者たちが、かなりの確率で人に期待しすぎる傾向があるのは、こんな日本社会のもたらした結果なのだと、少し心配になる時があります。

しかし、はっきり言えば甘えているそんな若者たちが、海外で暮らしていくうちに、サービスの質に文句を言いながらも自立をしていく姿を見れるのも、この仕事の面白いところだと思って楽しんでいます。

自分に合った学校は無い

留学に関する問い合わせで、私たちがとても困ってしまうのが、「私に合った学校を探してください!」というもの。
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私たちはその人の目標を達成するための学校を提案する事はできます。そのためには、この学校に行き、このくらい頑張らなくてはいけなくて、このくらいの予算がかかるという内容です。この提案内容には、私たちのスタッフはかなりの自信を持っています。しかし、これらの問い合わせの「私に合った」というのは、そういうことではなく、その方に取って一番快適な学校のことを指していることが多いのです。

「君に合った仕事はこれだ!」「あなたにぴったりの彼氏はこんな人!」、たぶんこの20年くらいの多くの会社が出していたマーケティングのメッセージは「あなたにピッタリの何かが待っている」だったのではないでしょうか?だから、自分にぴったりの学校があると思ってしまいがちなのかもしれません。しかし、自分に対する投資である教育は「こんな素敵な彼女がほしかったら、君はこのくらい努力しなくては無理だ」という世界なのです。その事を前提として受け入れて留学をしないと、海外にいても自分の枠の中での世界からは飛び出せないことになってしまいます。

自分らしく生きるために、日本を飛び出してくるのであれば、今までに経験した事の無いレベルの高い場所に身を置いて、相応の努力をしないと、自分らしく生きるための場所は得られないと思います。「今の自分のままで楽な世界」と「自分らしく生きる世界」は全く違うものだということを、留学する前に理解しておくと、とても有意義な海外生活が過ごせると思います。

何かを作る経験

留学中の若者たちに将来の仕事のことを訊ねると、「人に関わって、人に役に立つ仕事がしたい」という答えが多くの方から返ってきます。これは「モノの消費よりも生活の質」を重視する時代になってきたことや、まだまだ留学に来る若者たちが文系の方たちが多いからかもしれません。確かに、日本には本当に無駄なものが氾濫していると思うし、いったい売れ残ったゴミたちはどこにいくのか心配になることもあります。私たちの時代に比べて、メーカーに就職したい若者が少ないのは時代の流れなのかもしれません。
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しかし、20代のうちにその若々しい感性や好きな事に没頭できる情熱を、何かを作り上げる事に傾ける事は、その後の人生にとても活きてくると思っています。何かを作ることは実はこれからすべてのビジネスや個人に必要なスキルの一つになるのではないでしょうか?例えば、自分のブログを作る、映像や音楽を作って発表する、3Dプリンターで模型を作るなど、これからの時代は個人で何かを作り出し世の中に発表できるチャンスは格段に増えていきます。

また、例え自分で発表しなくても、企業が欲しい一番の人材は「解決策を作り、実行出来る人」というものです。これからはSNSを中心とした様々な局面で企業と市場はつながるので、本社がすべてを指示することは不可能で、社員一人一人がその現場で創造力を発揮する場所が増えるはずです。特に「人に関わる仕事」では、現場での対応力が大きな鍵になっているので、マニュアル仕事ではなくそこに創造性があることによって、お客様の満足度はさらに高まるかもしれません。創造性は試行錯誤や経験でしか養われません。ですから、将来どんな仕事をするのであっても、「何かを作る」経験はしておいたほうがいいのだと思います。

仕事を選ぶ時には、ぜひその会社の創造力の可能性を見てみてください。そこでもし「何かを作れる」経験、チャンスがあるのであれば、給料や福利厚生よりもずっと大切だと思います。

英語の他に何を学ぶか

人生において「学ぶ習慣」というのが、とても大切だというのは、色々な本でも書かれているし、まさにその通りだと思います。留学において「学び」というか「好奇心」に焦点を当てて生活してみると、本当に様々な気づきが生まれると思います。

さて、私の今年のテーマの一つは、オーストラリアの語学学校と共同して「英語+何か」を学べるプログラム開発です。オーストラリアで学べる事、日本人の若者たちに刺激のあるものはどんなことか、整理していきたいと考えています。英語+マネジメントや英語+マーケティングなどはもう定番として人気があるので、小さな市場でもしっかりとフィットするような特色のあるものも企画しようと思います。
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今日はバイロンベイにあるバイロンベイイングリッシュランゲージスクール(BBELS)に、サーフライダーファウンデーションジャパンの広美さんと訪問して、英語プラス「海の環境保護」「バイロンベイのライフスタイル」「サステナビリティ」「ヨガ」などなど、バイロンベイならではのプラスαを加味したプログラムについて意見交換をしました。BBELSの経営者のマイケルさんもご自身もサーファーなので様々なアイデアを出してもらい、2014年中には何かしらのプログラムをご紹介できるようになると思います。もちろん、普通にバイロンベイに英語を学びに来てもらっても、多くの気づきが生まれてくるはずです。

私はサーファーではありませんが、ビーチ、海を起点とした街作り、文化作りというのはこれからの日本にとってとても大切なテーマだと思います。震災の記憶も少しずつ薄れていき、オリンピックだ景気回復だと外から見ると若干浮かれ気味な日本社会ですが、自然とともにある、いいライフスタイルとは何かを、オーストラリアからお届けできるようなプログラムにしていきたいと思います。

友だちとだけ仕事をする

かつて仕事というものは、住んでいるコミュニティーの中で、知り合いや友人たちに対して行うものが基本だったと思います。

現在はインターネットの世界になり、グローバルな取引が盛んになり、会った事もなく話す言語さえ違う地球の裏側の人々とビジネスを行う事も普通になってきました。それはそれで、とても刺激的だし、そこには大きなビジネスチャンスが広がっています。
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しかし、私たちのやっている留学ビジネスの特性として、人間たちのつながりを重視するビジネスなので、昔の時代のように友だちたちとだけ、仕事ができればと思っています。あるいは仕事を通じて、知り合いや友だちを増やしていきたいと思います。例えば日本市場にオーストラリアの学校や大学を紹介するのに、その学校の経営者やマーケティング担当者と深く語り合える友人として戦略を積み上げ、一緒に試行錯誤していくことが楽しいのです。教育関係の人々は、人間的にも尊敬できる人が多いので、僕はしょっちゅう出かけていって、アイデアを交換しています。

また、留学生たちに対しても、単なる入学手続きを代行する機関ではなく、ちょっとだけその若者たちの人生に貢献できるように友人として道筋を考えるのが私たちのスタイルです。だからこそ、多くの留学生たちが日本に帰国する時に挨拶や留学の成果の報告に来てくれます。

遅ればせながら、人生の財産は本当に人間関係だということが、この歳になってやっと実感として理解できるようになってきました。この仕事のおかげで50歳を超えた僕に20代の友人たちが数多くいるのも、こんな仕事の考え方、やり方が良かったのかもしれません。ですから、私たちの「友人増やそう戦略」はどんなに会社が成長しても続けていこうと思っています。

2014年の目標は「正直に!」

明けましておめでとうございます。

2013年は、おかげさまで会社もさらに成長し、今期は3年連続の増収増益もほぼ確実となっています。5年前に会社を引き継いだ時からは考えられないくらい強く、信頼される会社に成長してきています。私たちのサービスを利用していただいた皆さん、学校関係者の皆さん、オーストラリア政府の皆さん、そして一緒にこの会社を作ってきた仲間たちにあらためて感謝いたします。
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そして私たちは、これからもさらに強く成長していきます。そんなときに、リーダーとしての私の役目はなんなのかをこの年末に考えていました。

思いついたキーワードは「正直に」ということ。今までは嘘をついていたの?ということではありません。ただ、嘘はついていないけど、気を使ったり、空気を読んだり、波風立てないような大人な対応はしていたかもしれません。

今年は、いけてない学校にはいけてないと言い、もったいない時間を過ごしている留学生にはもったいないと言い、もっと成長できるスタッフには新たなチャレンジの機会を作りたいと思います。すべてを正直に伝えるという事は、その発言に対して自分で責任を負うという事です。私たちの会社は、その準備が出来てきたし、私自身にも、このビジネスに入って5年間、「業界」というものに属さないで、自分なりにこのビジネスで大切なことについては誰よりも考えてきたという自信があります。

一人でも多くの若者たちが、オーストラリアでの留学や生活で人生が楽しくなるようなきっかけを得てもらえるように、出会う人すべてとしっかりと向き合っていきたいと思います。今年もよろしくお願いします。

住みたい町に欲しいもの

留学やワーキングホリデーに渡航する際に、最初に都市を決めてもらいます。私の会社のある、シドニー、メルボルン、パース、ブリスベン、アデレード、ゴールドコースト、どこも住めば気に入ってもらえる街なのですが、自分なら住みたい街に何があってほしいか考えてみました。

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カフェ2軒(朝早く開いているところと夜も開いているところ)

ベジタリアンレストラン

パブ1軒

週に一度開催されるマーケット

スーパーマーケット(出来ればオーガニックコーナーもある)

図書館、おしゃれな本屋さん

ジョギングできる眺めのいい場所

きれいな空気、海にも山にも行きやすい。

テニスクラブ

なんと質素なリクエスト。僕にはこれだけあれば十分です。はっきり言ってオヤジ臭いです。しかし、普段の生活において、僕たちの動ける範囲なんてとても狭いものです。こう考えると、オーストラリアには僕が住めそうな街はいくつもありそうです。

これからの時代は、きっと満員電車に揺られて2時間かかる「会社のオフィス」に通わなくても仕事が出来る人がとても増えていきます。そんな時代に自分らしいライフスタイルを作っていくためのヒントをオーストラリアでの生活で探してもらえればと思います。

 

太く短く留学する

ワーキングホリデービザは、1年間滞在が可能なビザです。
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ですから、多くの若者が1年間なんとかオーストラリアに滞在しようとします。しかし、中にはお金の準備が足りていなかったり、英語の力が伸びずにアルバイトを探すのに苦労している間にお金がなくなって、ただ毎日を生き延びるための超節約生活に入る人たちがいます。シンプルな生活を究めるための節約生活ならば、将来にノウハウを活かす事ができたり、日本での就活のときのネタになるとは思うのですが、オーストラリアにいる期間を伸ばすためだけのための節約生活は意味がありません。なぜなら、ワーキングホリデーはオーストラリア滞在期間記録を作るためのものではなく、日本では経験のできない時間を過ごすためにあるからです。

いい時間のためにはお金を使い、見た事の無いような素晴らしいものを見て、会った事のないような人々と出会い、語り、それを自分なりに考えてブログにアップしたりして記録しておく。それが、その後の人生に取ってとても素敵な財産になります。

細く長くオーストラリアに滞在するなんて考え方は止めましょう。太く短く激しく、充実した時間を過ごす事が、日本に帰ったときの就職やその後の生き方に重要になってくると思います。

 

電源も無い生活

休暇でタスマニア島に行ってきました。タスマニア州はオーストラリアの南側に位置する北海道よりも少し小さな島です。今回はホバートという州都を中心に車で1時間程度の山と海の両方の場所に泊まってきました。

今日の話はその山で泊まったエコロッジについて。その小屋は電源もソーラー発電で蓄積したものだけなので、普通のコンセントはありません。ですから携帯もパソコンも充電さえ出来ないのです。もちろんテレビは無し、音楽は備え付けのCDプレーヤーがあり、数枚の地元のアーティストと思われるアルバムがあるだけ。
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そして初日は晴れていたので、こんな感じの山歩きを楽しみましたが
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2日目は終日雨だったので小屋の中で薪ストーブでのんびり本を読むしか無い生活。しかし、それがなんかとても新鮮でした。携帯もメールもつなげないとあきらめがついてしまえば、実は本を読んで、思いついたアイデアをノートに書くことしかすることがないのです。しかし、だからこそ5年後の会社のありかたについてゆっくりと考えることができました。留学生の方だったら、自分の将来についてじっくり考えることが出来るのではないでしょうか。

そんな感じでひっそりとしていたら、パディメロンという小型のカンガルーがやってきて、小屋の前でのんびり草を食べてました。
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そしてカワセミもやってきて、あの笑うような鳴き声を披露してくれました。
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ネットどころでは無く電源も無い世界。1年に2週間くらいはやってみてもいい気がします。オーストラリアの自然を満喫したいですね。

オーストラリアでの週末の過ごし方

日本に帰ってくると東京の実家に滞在しているのですが、週末のその街は買い物客や食事をしに来る人々でごった返しています。また、その人々をターゲットにして、様々な雑貨屋、レストラン、カフェなどが新しくオープンしていて、街がまるで生き物のように発展しています。この活力のようなものが、日本の都市の面白さだと思います。

しかし、すでに3週目にして、飽きてきました。面白い商品は、いろいろあるのですが、お金を払って欲しいレベルのものはないし、ほとんどみんな似たり寄ったりというか、コンセプトが斬新なものはなく、これが売れそうだと思ったらいろんな会社が似たようなものを開発しています。つまりは、ほとんどが売れずにゴミになっていきそうなものばかりです。本屋にも似たようなテーマの本や雑誌がいっぱい並んでいて、紙を無駄にしているという印象しかありません。新しいゴミを作るくらいなら、上質のアンティークショップなどの方がよほど好感が持てます。
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オーストラリアでは、週末に買い物を楽しむという発想はほとんどありません。日曜日の朝にファーマーズマーケットに野菜とフルーツを買いに出かけるくらい。スポーツしたり、散歩したり、テラスのあるパブでビールを飲んだりとリラックスするための時間として週末を位置づけている人が多い印象です。特に家族連れは買い物ではなく、自然の中でピクニックやバーベキューです。どちらがいいライフスタイルなのか、オーストラリアに来て考えてみるのも、留学のテーマのひとつだと思います。